問題児達と一緒に虚刀流もやって来るようですよ?   作:徒釘梨

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すいません、今日の十二時頃に更新するつもりが睡魔に負けて、グダってこの時間になりました。





第三十三話 虚刀流、殿下とその臣下に遭遇する。

「オイオイ、これは一体どういうことだよ?これじゃなんのために競争したのか分からねえじゃねぇか」

 

十六夜は思わず呟いていた。

それはそうであろう。フルタイムでの収穫祭参加をかけて競っていたのに、当日になって七花以外の問題児達は参加出来るようになり、しかも七花が参加できない理由は怪我によるリタイヤだったのだ。勝ち取った物ならまだしも、これでは与えられたようにしか思えなかった。

それに同調するように飛鳥の不機嫌さも募っていた。ただ、問題児達の中で耀だけは七花の怪我を心配していた。

 

「与えられてるばかりでは癪だからこれは貸しという事にするわ。こんどキッチリ返させてもらうからそのつもりで」

「………七花、怪我大丈夫?」

「ヤハハ、俺は今度なんて言わず、帰ってきたら一回戦ってもらうぜ?その怪我もどっかのカミサマとドンパチしたときのものらしいし、腕試しには丁度いい!」

「………本当?それじゃあ自業自得。と言うことで私も」

「あら?それは初耳ね。それでは私も一勝負お願いしてもよろしいですよね?」

 

方向性は違えど、問題児達のプレッシャーに七花は頭を抱えたくなった。向かってくるのは良いことだが、この面子であれば遠慮したい……のだが、それはそれで更に面倒になりそうなので渋々不承不承に頷いた。

してやったりな顔で、問題児達は『ノーネーム』本拠を後にした。

 

 

 

「はぁ………何か面倒になってきたな」

「七花、本当に良かったのか?折角南側に行く機会が得られたのに」

 

レティシアは憂いた顔で七花に尋ねた。いくら怪我をしているとはいえ、折角の体験を棒に振ってしまうのはどうかと考えたのだ。

だが、七花にはいらぬ世話だった。七花は刀である。風景に感動したとしても、闘いとなれば考慮にすら入ってない。そうであったからこそ、景観よろしかった巌流島島も壊せたのだった。

 

「ああそのことならいいんだ。それよりも試してみたいこともあったからこっちに残ったんだ」

「試したい事?」

「ああ、これができれば俺はまだまだ強くなれると思う」

「十六夜達が聞けば驚きそうな話だな…………」

 

レティシアは苦笑いで返した。彼女も問題児達の七花に対する対抗心には気付いている。だからこそ、それがさらに燃え上がることを考えて苦笑してしまった。

そんなレティシアを七花はきょとんとした目で見ていたが、やがて分からない事が分かったのか、包帯を外し始めた。レティシアはギョッとしていたが、完全にスルーし、訓練の準備に取り掛かった。向かった先は今だ開墾され終わっていない土地だった。

 

「ここなら邪魔は入らないだろう。始めるか」

「おい七花!まだお前は安静にしていないとッ─!?」

 

訓練を始めようと諌めに来たレティシアは思わず口をつぐんでしまっていた。七花の纏う空気が他人を寄せ付けない雰囲気で──まるで魔王と成った自分のように……、そう思えてならなかった。

 

 

気が付けばレティシアは七花の服の裾を掴んでいた。七花はそれに気付いて不思議そうな顔で小首を傾げた。

だが当のレティシアもどうしてそうしたのか説目するのはしづらかったので、慌てて手を離し、一歩下がった。

 

その行動が影響したのかどうかレティシアには分からなかったが、その日は珍しく七花は訓練をしようとはしなかった。変わりに街まで出かけることにした。

 

 

 

街に出た七花は出回っている『ノーネーム』の噂を聞いて、その尾ひれの付き具合に思わず笑ってしまいそうだった。何でも地域支配者となった記念に外門の前に像を立てるなどのアホなことをするそうだ。しかも黒ウサギの。七花は一笑に付そうとして、唸り始めた。どうにも彼等問題児達の性格を考えると完全に否定できない部分があった。否、むしろその場のノリで積極的にやってしまいそうでさえある。

 

そんなある意味平和的な思考を続けながら、いくつか路地を曲がっていった。それも比較的寂れた街角を選んで。そうしてたどり着いた場所は2105380外門付近でもただ建物だけの人などろくにいないような所だった。

 

「いい加減出てこいよ。こっちだってめんどくさい腹の探り合いは御免なんだ。面と向き合って方がついたほうがいいだろ、お互いに」

 

唐突にこんな事を言い出して正気を疑われる発言だったが、七花は至って真剣だった。

街中を歩く時、出店で団子を頼んだ時、もっと前それこそ、ノーネームの本拠を出てからすぐから自分にのみ向けられていた視線。喉元に常に刃を置かれているようにすら感じられた。

だから、敢えて周りに何もない寂れた場所まで足を運んで相手を確認したかった。

果たして策と言うか、相手への提案のような七花の要求は受け入れられる。

 

 

 

 

「バレて無いとは全く考えてなかったけど、こんなに早く……っていうかほぼ最初からバレてたなんてちょっと自信無くしちゃうな……。まあそれはさておき、はじめまして鑢七花さん。私達は貴方を迎えに来ました♪」

「そう言うことだ。まあまずは話でも聞いて了承してくれればいいさ」

 

初めからいたように目の前に現れた少女と白髪の少年に出遭った。それは『ノーネーム』と魔王連盟『ウロボロス』との初邂逅だった。

 

 




世の中には凄い方が本当に沢山いらっしゃいますよね。

そういう人の積み重ねた時間を想像して、今日も私は奮起します!

欲を言えば少しでもその方達に誇れるように





なんてことを言ってみましたがうん、かなり恥ずかしいィ!(/-\*)

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