問題児達と一緒に虚刀流もやって来るようですよ?   作:徒釘梨

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私はスマホで投稿しているんですが、処理能力が残念な感じで、悲しくなります。

隣のスマホが速く見える、今日この頃です。

自由気ままな感想待ってます。


第二話 虚刀流、『ギフトゲーム』をする

「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス。しかも、参加しなかったお一人様は寝てしまっていますし!」

 

そう言われて、今まで瞳を閉じていた七花は、黒ウサギに視線を向けて、

 

「勘違いするな。俺は座禅を組んでいただけだ。寝ちゃいない」

「だったら、助けて下さいなのですヨ!!」

「面倒だし、断る」

「誰か黒ウサギを助けて下さる優しい方はいないのですか……」

「いいからさっさと進めろ」

 

涙を浮かべている黒ウサギに十六夜は話の進行をさせる。四人は黒ウサギの話を『聞くだけ聞こう』と言う程度に耳を傾けている。

黒ウサギは気を取り直して咳払いをして、言った。

 

「それではいいですか、皆様。定例文で言いますよ?ようこそ、”箱庭の世界”へ!我々は皆様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召喚いたしました!」

「ギフトゲーム?」

「そうです。既に気づいていらしゃるでしょうが皆様は、普通の人間ではありません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその”恩恵”を用いて競い合う為のゲーム。そしてこの箱庭の世界には強力な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」

「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う”我々”とは貴女を含めた誰かなの?」

「YES!異世界に呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多ある”コミュニティ”に必ず属していただきます♪」

「嫌だね」

「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの”主催者《ホスト》”が提示した商品をゲットできるというシンプルな構造になっております」

「………”主催者”って誰?」

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試す為の試練を称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示する為に独自開催するグループもあります。」

「結構俗物ね。………チップには何を?」

「それも様々ですね。金品、土地、利権、名誉、人間……そしてギフトを賭けあう事も可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑むこともできるでしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然──ご自身の才能を失われるのであしからず」

「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」

「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期間内に登録していただけたらOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」

「……つまり『ギフトゲーム』はこの世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」

 

お?と驚く黒ウサギ。

「ふふん?中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違いです。『ギフトゲーム』の本質は一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。」

「そう。中々野蛮ね」

「ごもっとも。しかし主催者は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めてからゲームに参加しなけばいいだけの話でございます」

 

さて、と黒ウサギは話の流れを区切る様に言って、

 

「話した所で分からないことも多いでしょうから、ここで黒ウサギと一つゲームをしませんか?」

「「ゲームだって?」」

 

そう言って、黒ウサギは虚空からテーブルを出した。

今まで沈黙を保っていた十六夜と、理解を放棄していた七花はピクリと片眉を上げた。

 

「ルールは至ってシンプル。ジョーカーを含めた53枚のトランプの中から絵札を1枚選んでとっていただきます。カードに触れるのは一人一回までとさせていただきます♪商品は、そうですねぇ……黒ウサギに何でも一つ命令できるということにしましょうか♪」

「ほう?……何でも、ねぇ………」

「勿論性的なことはダメですヨ!!??」

「冗談だ。」

 

そう言って、十六夜は黒ウサギの豊かな胸部をしげしげと見、黒ウサギは赤くなり、他の女性陣はゴミを見る目で容疑者(逆廻十六夜

高校生・不良)を見た。ちなみに、七花は肉欲が人並み以下であるため無反応だった。

 

「チップには、………貴女の言うギフトを賭けないといけないのかしら?」

 

僅かに竦んだ様に飛鳥は尋ねた。黒ウサギはそれを感づき、

 

「最初のギフトゲームということでチップはなしとさせていただきます。強いて言うなら皆さんのプライドを掛けるといった所ですか」

 

それではゲームを、と言いかけた黒ウサギに十六夜はカードにおかしな点が無いかの確認のため、提示を求めた。

七花には記憶力やイカサマのできる腹芸など持ち合わせていないので、大人しくしていた。

そんな七花を三人は訝しげに見ていたが、話しかけることはしなかった。

そうして、十六夜はカードを黒ウサギに返した。十六夜は一番手を名乗り上げ、テーブルのカードをざっと見た。

 

「さっきは粋な挑発をありがとよ」

「き、気に入っていただけて何よりデス……」

「これはその礼だ!!」

 

十六夜は突然テーブルを平手で叩きつけた。黒ウサギは突然のことに驚き、耀と飛鳥は表になった絵札のカードを取っていった。

 

「エエッ、な、何をやっているんですか!?」

「一人一回、絵札のカードを選びとる。ルールには抵触していない筈だろ」

 

すぐさま黒ウサギはウサ耳を立ててどこかと連絡を取り合っていた(様に見えた)。

 

「うう、箱庭の中枢から正当であるとの判断が下されました。し、しかし、十六夜さんと七花さんがまだですよ!!」

 

どうやら十六夜は黒ウサギを憤慨させてしまったようだったが、十六夜は

 

「俺を誰だと思っているんだ?ほらよ」

 

手のひらを返すと、そこにはちゃんとクラブのキングがあった。それを見て黒ウサギは目を丸くした。

 

「一体どうやって!?」

「憶えた」

「は?」

「だから53枚のカードの並びを憶えたんだよ。」

 

何でも無さそうに言う十六夜に、黒ウサギは戦慄していた。対して十六夜は、興味深そうに七花を見ていた。

 

「さあ、あんたの番だぜ?」

「そのまま忘れ去ってくれてたら面倒が無くなるんだけどな。まあ、じゃこれで」

 

七花のめくったカードはジョーカーだった。

黒ウサギは十六夜の時と同等かそれ以上に驚いた。何せ他の三人とは異なり、カードにすら触っていないのだ。

 

「俺のは至って単純だ。十六夜が飛ばしたカードの中から、絵札を見つけ出しただけだからな」

「じゃあ、もし俺が普通にカードを取っていたらどうするつもりだったんだ?」

「そん時は運任せ、だな」

 

その答えを聞いて全員唖然とした。

そうしてどれだけの時間がたっただろうか。いち早く、十六夜が復帰し、黒ウサギに尋ねた。

 

「黒ウサギ。俺が聞きたいのはただ一つ。この世界は面白いか?」

 

そう聞かれて黒ウサギは、花開く様に笑みを浮かべ、答えた。

 

「Yes。『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白い、と黒ウサギは保証いたします♪」

 

いい感じの雰囲気の中、七花は(暇つぶしにはなりそうだけど、………………………面倒だなぁ)などと考えてていた。




新生活のリズムに乗り切れません。

おそらく誤字脱字があると思うので、指摘待ってます。

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