M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記   作:BサインからCサイン

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後編です。
最近感想が誤字報告ばかりっスねー。
まあ私のミスが原因なんですがね。すいません気を付けます。でも感想欲しいです。
そんな感じで、後編スタートっス。


レッド・ホット・チリ・ペッパー 後

五人はジョセフ・ジョースターが到着する港にやってきていた。

〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉よりも先にジョセフに会うため、承太郎と億泰はボートに乗り込みトラフィック号へ向かうことになった。

一方仗助、康一、治一の三人は港に残ることに、港に潜んでいるであろう〈チリ・ペッパー〉の本体を見つけるためである。

 

承太郎の推理では、本体はボートが出発すると同時に『ラジコンの模型飛行機』を飛ばし、ボートを追い越そうとする。

スピードが出れば模型飛行機とはいえ時速100km以上は出る。しかも操縦は〈チリ・ペッパー〉自身なので燃料とバッテリーが続く限りどこまでも高く、どこまでも遠く跳べるのだ。

よって戦闘要員の仗助、スタンドの射程距離の長い康一と治一は港に残り、本体を探し出すことになったのである。

 

「頑張れよ、億泰……」

 

「ああ、おめえもな。治一……」

 

二人を乗せ、ボートが海に向かって出発した。

さっそく本体の捜索を開始する三人。

だがそれは、すぐに終了することになった。

 

「くそぉ~承太郎か……。このオレの本体を探すために()()()()をこの港に残すとは…オマケに「ラジコン」まで見抜かれている!クソッ!」

 

「ラジコン飛ばす作戦が完璧に読まれてやがる!そのものズバリ当たってるじゃあねーかよ………」

 

「てっ、てめーはッ!〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉ッ!!」

 

「YEAH!」

 

排水溝の穴からバシバシと閃光が光り輝き、その中から模型飛行機と共に〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉が、さらに、その後ろのコンテナから本体までもが姿を現した。

 

「まっ…まさかッ!こいつはッ!そ…そんなッ出てくるなんてッ! !? 」

 

長い傷がついた顔、アルファベットの飾りが服の所々に付着しており、首からギターをぶら下げている男が三人の前にでてきた。

 

「空条承太郎、頭の切れる男だ。やはりあの男にだけは見つかりたくないぜ……最強の〈スタープラチナ〉はもとより判断力がすごすぎんだよあいつはよぉ~~っ」

 

「しかしよ、このラジコン飛行機『スピッドファイヤー』は時速百五十キロまで加速が可能だ。5分もあればジョセフ・ジョースターの船まで行ける。

一方承太郎のモーターボートは船まで8分から10分ってとこかな…つまり!3分ぐれーでおめーらを始末して飛び立てば余裕で追い越せるってわけだな―――ッ!!」

 

「……やっと会えたな。てめえが本体か……」

 

「まさかおめーの方から、顔見せに来るとはよォ~~~」

 

「俺の名前は音石明 19歳、まっ!このギターは気にしないでくれ」

 

男、音石はギターを弾きながら自己紹介を続けていく。

 

「将来の夢は…ジミ・ヘンとかジェフ・ベックとかいったよ、ウルトラ・スーパー・ギタリストになって激しく熱く生きることなんでよぉ~~~っ、ハダ身はなさず持ってることにしてんのよ……近い将来、世界中のやつらをオレのギターで…」

 

キュゥィィィィィィン!

 

「ノックアウトしてみせるぜェ~~~~……エディ・ヴァン・ヘイレンも尊敬してるしスティービー・レイ・ボーンも渋くていいなあ~~~」

 

うっとりと目を閉じる音石。康一はそれを見て冷や汗を流した。

 

「ほ…本体だ。…思ってもみなかった、なんてことだ、まさか…本体の方から出てくるとは…つまり…ワザワザ出てきて自己紹介までしたのは…ぼくと仗助くん、治一くんを「完全に殺せる」っていう確固たる自信があるから!」

 

「フッフッフッフッフッフ。イエスイエェ~ス!仗助~おまえの〈クレイジー・ダイヤモンド〉に対してはこの「小指」だけしか使わん…この小指一本でお前の腕をフッ飛ばすと予告しよう!さっきの億泰のようになぁ~~~」

 

「おいおい。…何か勘違いしてないか音石、おまえの相手はこの俺だ」

 

仗助たちを押しのけ、治一が前へと踏み出しす。音石はそれを嘲笑う。

 

「おめーがオレの相手だぁ?笑わしてくれんじゃねえか治一……おめーの『名無し』でオレの〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉に勝つつもりかい?」

 

「………バカにしてんならそれでいい……とっととかかってこいよ」

 

音石を挑発して『スタンド』を出現させる。

 

「オーケー…いくぜ!一之瀬治一ッ!」

 

 

シュッ!ドドドドドドッ!!

 

 

「ぐあっ!」

 

〈クレイジー・ダイヤモンド〉並、いや、それ以上ともいえる〈チリ・ペッパー〉の攻撃を治一のスタンドはいともたやすくかわしッさらにその顔面にラッシュを叩きこんだ!!

 

「……ま、前とはくらべもんにならねー。このスピードは……っ」

 

 

「ああ、言ってなかったな…俺のスタンドはもう『名無し』じゃあない。俺のスタンドは〈I's〉!!悪いな、この前のが本気だと()()()させてしまったようだな……」

 

スタンド、〈I's〉は〈チリ・ペッパー〉に向かってさらにラッシュを繰り出す。

さらなる追撃にダメージがフィードバックされ、吐血する音石。

しかし、彼は余裕綽々で笑っていてた。

 

「………フッフッフッフッ」

 

「…何がおかしい?気でも狂ったのか?」

 

「いやぁ~なに、おめーのそのスタンド…〈I's〉って言ったか?おめーのパンチ、ずいぶんと()()なあ。〈クレイジー・ダイヤモンド〉の半分の威力も出てねーぜ?」

 

「……減らず口を叩ける余裕はあるみたいだな…次は悲鳴をあげるくらいの拳をおみまいしてやるぜッ!」

 

〈I's〉は音石本体の顔面を狙って拳を繰り出した。しかし、その攻撃は見事にからぶる。

驚愕する治一、見れば目の前にいた音石が自分の真後ろをとっていた。

それだけではない、いつの間にか〈チリ・ペッパー〉の姿まで消えていたのだ!

 

「…どういうことだ……なぜお前が俺の背後をとっている………?」

 

「ち、違うんだ治一くん…今僕はここから見ていてわかった!音石本体が治一くんの背後に移動したのではなくて、動いたのは君の方だよ…()()()()()()()()

 

「なに…?」

 

「〈チリ・ペッパー〉だ!〈チリ・ペッパー〉のやつが排水溝から出てきておめーの〈I's〉の向きを変えたんだ!気をつけろ、やつは上半身だけ姿を現しやがった。どうやらアスファルトの下には電線がはりめぐらされてるみてーだぜ!」

 

(……なるほど)

 

確かに、〈チリ・ペッパー〉のスピードならば足だけ掴み攻撃の方向を変えることが可能であろう。

しかも、排水溝の穴はいくつも存在している。治一はもぐら叩きのように姿を現すまで行動に移すことができない、予知することもできないのだ。

 

「さっきのでよくわかった。油断はしねえ、オレは反省すると…強いぜ」

 

「 ! 左後ろだッ!出て来たッ!」

 

「遅いぜッ!」

 

〈チリ・ペッパー〉の拳が〈I's〉の腹部にめりこんだッ!ダメージのフィードバックで吐血する治一、しかし反撃する前に〈チリ・ペッパー〉は再び排水溝に戻ってしまった!

 

シュンッ

 

「 ! 今度は後ろだ――ッ」

 

ガシィ!ドガッ!

 

「ブゲェッ!!」

 

「なっ〈チリ・ペッパー〉の攻撃を受け止めたッ!」

 

「しかも反撃までッ!パワーも高いのかッ!?治一くんのスタンドはッ!」

 

背後から現れた〈チリ・ペッパー〉、しかしッ〈I's〉はその拳をいとも容易く受け止め、さらにがら空きになった顔面に拳をくらわせたッ!しかも、さきほどよりダメージがでかいッ!!

 

「「ば、バカな……てめーのスタンドはパワーはねえはずじゃ……」」

 

「ああ、確かに俺のスタンドは〈クレイジー・ダイヤモンド〉には及ばないさ。お前へのダメージがでかかったのはちゃんとした理由があるんだけど……それより音石、自分の姿、見てみろよ」

 

「「なんだと……。 !! お、オレが二人ッ!!?」」

 

「ど、どうなってんだこりゃぁー。……音石が増えてやがる…」

 

「そ…それだけじゃないッ!〈チリ・ペッパー〉も二体に増えてるよッ!」

 

なんとッ!音石本体が二人に増えていた!しかも〈チリ・ペッパー〉まで二体に増えている!

仗助たちはこの光景に見覚えがあった!間田の〈サーフィス〉が仗助をコピーしたときにそっくりなのだッ!

しかしッ、今回は音石のスタンドまでそっくりコピーされているッ!これが彼の、〈I's〉の能力なのか!?

 

「俺も最初は半信半疑だったんだがな…。〈I's〉の能力、『分身』を作ることができる…」

 

「な、なんだってェ~~~っ!分身って、忍者のあれのこと!?テレビドラマで見たことある」

 

驚愕する康一、しかし音石は血を拭うと不敵に笑みを浮かべた。

 

「「なるほどな……分身を作るスタンドか。オマケにそのスピード……〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉よりも速いなんてな………だが!自分の敵の数を増やしちまってどうするんだあ~~~?」」

 

「あっ!」

 

「………………」

 

二体の〈チリ・ペッパー〉が治一に向かって攻撃するッ!〈I's〉が迎え撃つが二体の〈チリ・ペッパー〉は分散し片方が〈I's〉をッ!片方が治一を攻撃せんと突撃していくッ!!

 

「だ、ダメだ~~~っ。これじゃあ戦いを不利にしたようなものだ…治一くんがやられてしまうッ!」

 

「………いや、よく見てみろ!」

 

「遅いな」

『ツアッ!』

 

〈I's〉の拳が〈チリ・ペッパー〉の顔面に直撃したッ!真正面からの超高速の拳を避けることができない〈チリ・ペッパー〉は大きく吹き飛んでいくッ!

なぜかもう一体までッ!!

 

「「「ブギャアァァァァッ!?」」」

 

「ど、どういうことだ?片方の〈チリ・ペッパー〉が吹き飛んだと思ったらもう片方の〈チリ・ペッパー〉まで吹き飛んでいったぞ……しかもまた〈チリ・ペッパー〉の分身が増えてるっ!音石本体までっ」

 

吹き飛ばされた〈チリ・ペッパー〉たちは正三角形の頂点のような三方向に散らばった。対する音石本体は分身と共に同じ場所に集まりフィードバックで倒れている。

 

「分身は痛みまで「分けられる」みたいだな……。しかも、お前の身体能力まで分けられてる…今のお前の攻撃、全然大したことなかったぞ。〈チリ・ペッパー〉」

 

「ぐっ……うう…あぐっ………ち、畜生」

 

「まさか〈クレイジー・ダイヤモンド〉でも〈スタープラチナ〉でもない、お前のスタンドなんかにここまで追い詰められるなんてな……」

 

「くっ…もう1分30秒も残されてねーじゃねえか……」

 

「降参しろよ……今のお前じゃあ俺には勝てない」」

 

治一は音石本体の方へと、一歩、また一歩と近づいていく。〈チリ・ペッパー〉は本体の方には一体しかいない。

治一は完璧に、音石を追い詰めていた。

 

「お前RPGゲームってしってるか?強いボス一体倒すのより弱いスライム複数相手にする方が楽なんだよな。……今のお前は「スライム」と同じだ。諦めな」

 

「………諦めなだとォ?やなこった…諦めろと言われてはいそうですかなんて言うやつがいるとでも思ってんのか?それに_______」

 

音石本体三人が立ち上がり、三体の〈チリ・ペッパー〉がそれぞれ構えをとった!

 

「オレはまだ本気を出しちゃあいねー。もう1分もねえんだ!フザケルのはやめだ!反省しなくちゃあなーッ!必死になるよォ~~~~ォ!!」

 

ビカアァァ~~~ッ!

 

三体の〈チリ・ペッパー〉の身体から、目が眩むほどの閃光、電磁波がほとばしるッ!しかも三体の〈チリ・ペッパー〉は、治一を囲むようにして立っていた!

三方面からくる強烈な光に治一は慌てて自分の目を覆った!

 

「まっまぶしいッ!こ…この輝きはッ!そ…それにこの電磁波はッ!」

 

「億泰のときと一緒だッ!ま、まさかッ!」

 

「町中の電力を我が〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉に集中させるッ!」

 

「今までこのパワーを使わなかったのはこれをやるとしばらくはおれのパワー源であるこの地方一帯の電力がゼロになってしまうからだ……!!」

 

「しかしもうかまわんッ!治一、そして仗助と康一ッ!おめーらをブッ倒したあとは飛行機のバッテリーで飛んでってジョセフを殺すだけだからなぁ―――ッ」

 

「くッ!」

 

三体の〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉が一斉に治一に襲いかかるッ!

さきほどとは比べ物にならないスピードッ!いくら力が三分の一になっているとはいえ今の状態の〈チリ・ペッパー〉のスペックは通常時のそれとさほど変わりなくなってしまっているッ!!

 

〈I's〉が一体の〈チリ・ペッパー〉の攻撃を防ぐ、しかし残りの二体がそれぞれ後ろから〈I's〉を殴りつけるッ!

 

「う、うおおおおおおおおお……ッ!!」

 

後ろから二つの強力な一撃ッ!治一の身体がコンテナを破壊しながら吹き飛んでいく!三分の一になったくらいでは、〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉にはまだ、及ばないッ!

 

しかもッ、〈チリ・ペッパー〉止まらないッ!

 

「「「トドメだッ!治一ゥ――――ッ」」」

 

三体の拳が治一に迫るッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「_____ああ、この瞬間を待っていた」

 

「「「 !! な、なにィ――――――ッ!!?」」」

 

なんとッ!治一のスタンド、〈I's〉が三体の〈チリ・ペッパー〉の拳を身体を使って全て受け止めたッ!!しかもッそれだけではないッ!

ダメージを受けながらも〈I's〉は〈チリ・ペッパー〉をそのまま腕で拘束し、海へと跳び込んだッ!!

 

「「「ぎゃあああぁああぁあ!はっ離せコノヤローッ!うっ海はまずいッ!海はまずいんだよぉ~~~」

 

「知ってるさ…塩水っていうのは電気を流しやすい。お前が蓄えた電気エネルギーなんて、すぐになくなるだろうぜ……」

 

拘束されたまま手足をばたつかせる三体の〈チリ・ペッパー〉。しかし、〈I's〉は拘束をとくことはないッ!

 

「わ…悪かったッ!お願いだッ!」

 

「ひっ引き上げてくれ―――ッ」

 

「ちっ散る……おれの電気が散っていく…」

 

命乞いをする〈チリ・ペッパー〉たち。しかし治一はそれを無視し、自分の側に近づいてきていた仗助と康一に声をかけた。

 

「おい仗助…〈クレイジー・ダイヤモンド〉で俺の傷、治してくれないか?」

 

「おう」

 

〈クレイジー・ダイヤモンド〉で傷が治り、さきほどのダメージがまるでなかったかのようにさっぱりと消えた。

傷が治ったことを確認した治一は〈チリ・ペッパー〉を放り投げた海を見下ろす。

そこには、体の部位がどんどんバラバラになっていき、弱っていく〈チリ・ペッパー〉たちの姿があった。

 

「頼むっ助けて…ハフッくれっ…」

 

「も、もうジョセフを殺そうグホッ…なんてしない……形兆の命だって狙ったりしない…」

 

「…警察にだって自首…ゲホッするから…頼むぅ……!」

 

「本当だな?本当にお前は___」

 

「ほっ本当だっ…神に誓ったっていい…だから……早く………」

 

「……〈I's〉!」

 

拘束していた腕を離し、〈チリ・ペッパー〉たちを港に放り投げた。

アスファルトから電気を吸収し体力を回復させようとする〈チリ・ペッパー〉たち。

それを仗助たちがいぶかしげな目で見ている。

 

「おい、いいのかよ治一…」

 

「そ、そうだよ!それに、こいつは億泰くんのお兄さんを……隙を見て抵抗しないとも限らないッ!」

 

「まあそう言うな。こいつがやったことは未遂で済んでいるんだ。それに、〈チリ・ペッパー〉のパワーは弱っている、抵抗なんてできないだろう。……承太郎さんたちが来るまでこいつを見張っていればいいさ」

 

「……まあ、おめーがそう言うんならいいけどよ。……おい、音石たちー?生きてるかー?……!」

 

ダメージのせいで起き上れない音石たちを起こそうとする仗助。

しかし、その途中で異変に気付く。

三人いたはずの音石が二人しかいないことにッ!

 

「おいッ!音石のやつがいねーぜ!気をつけろッ!」

 

「え!?で、でも音石なら君の側にちゃんと……」

 

「一人足りねえんだ!どこかへ隠れやがった!」

 

「!」

 

慌てて周りを見渡す三人。しかし、辺りに人がいる気配はない。

なぜなら、音石()動いていないからだ。

 

(ハアハアハアハア……あ、危なかった。あいつ(治一)がお人好しな野郎だったおかげで助かった…これで逃げることができる……ハアハアハア)

 

音石は、コンテナの陰でしゃがみこんでいた。しかし、治一の側の排水溝からは〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉が眼をギラつかせていた。

 

(だがオレをコケにしてくれた治一の野郎だけは許せねえ…この場で殺してやるッ!そして逃げ切ったあと、すぐにパワーを回復させジョセフを殺す!)

 

〈チリ・ペッパー〉の上半身が排水溝から飛び出し_____

 

 

 

「グエッ!」

 

 

 

アスファルトの上に叩き付けられた。頭に加えられた衝撃を受けて。

 

「な…なぜ…………」

 

「…やっぱり演技だったな。保険に分身を捕まえたままにしていてよかったぜ」

 

「ぶ、分身…だと」

 

〈チリ・ペッパー〉は治一が指さす方向を見る。

そこには、自分の分身を左腕で拘束し、もう片方の手で握り拳を作っている治一のスタンド、〈I's〉の姿があった。

 

「お、おれを放り投げたとき…分身を増やしていたのか……」

 

「ああ、お前が口からでまかせを言ってるかもしれなかったからな……」

 

「グレートだぜ治一…ついでに本体も気絶させておくか……ドラララア!」

 

「プギャーッ!!」

 

〈クレイジー・ダイヤモンド〉の拳が音石の分身の顔に直撃し、とあるコンテナの陰から悲鳴があがった。

音石が気絶し、〈チリ・ペッパー〉と分身も姿を消した。

 

そして正午、ジョセフ・ジョースター、無事港に到着。

 

 

 




スタンド〈I's(アイズ)〉略称???

【破壊力−C/スピード−A/射程距離−B/持続力−B/精密動作性−C/成長性−B】

遠距離操作型の亜人型。ただし能力が関係しているせいか分裂型とも言えるが、どちらが相応しいのかは不明である。

スタンドの容姿は人より、現代シュールレアリズムの鬼才デザイナー、H.R.ギーガー氏が創造した『エイリアン』に近いモノ。対比率は4:6。

能力は触れた対象の分身をつくる。スタンド使いに使用すればスタンドも分身する。逆もまた同じ。
さらに、分身した対象はその身体能力、スペックが÷分身の数となる。分身二つでスペック二分の一、分身三つでスペック三分の一……となる。
ただしこの能力を使う際にもっとも重要なことは”触れた瞬間に能力を使う”が"触れたことにはならない"ということ。
例えばチェーンソーに"触れて"分身させてもその手が傷つきはしないといったように、通常で起こるであろう結果を"起きなかった"ことにして能力を発動するのだ。

一人の分身が受けたダメージなどの感覚は分身全員に七割フィードバックする。
分身の能力は生物以外にも発動可能。自分に使うことも可能。
ただしフィードバックは例外なく発動する。

分身は”その対象の大きさ”だけ移動して出現する。
これだけではわかりにくいと思うので、身近にあるもので簡単に説明しよう。

例1
テニスボールが一つ置かれている。←これが分身させる対象である。
そのテニスボールの両隣に全く同じテニスボールを挟むようにして置く。
そして真ん中のテニスボールを抜き取る←これが分身した後の状態。

例2
自分に向かってバスケットボールが飛んできたとしよう。そしてそのバスケットボールに能力を使う。
すると”二つに分身した”バスケットボールが自分の横を通過していくのだ。

分身が消えるのは〈I's〉の本体の意志で解除する。
〈I's〉本体または自分の分身から80m以上離れる。
対象が気絶、消滅する。
のいずれかが発生した場合のみ。

スタンド名はブラックメタルを代表する某バンドグループから。

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