M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記 作:BサインからCサイン
□月J日
学校の帰り道、掃除当番で帰りが遅れた俺はものすごく満足気な顔をしながら腹をさすっている億泰を発見した。
気になったので聞いてみた。
なんでも、霊園の近くにすっごくうまいイタリア料理店ができていたらしい。
それを仗助と一緒に今さっき食べてきたという。
あれ、その仗助はどこにいるんだ?お前ら家の方角一緒だろ?
仗助はキッチンに無断で入った罰として掃除をさせられているらしい。
仗助ェ……
今度俺も行ってみよう、金も最近はあまり買う物がなかったからたっぷりあるし。
康一とか誘って行こう。
あと仗助も、今日あいつ水しか飲んでないらしいし。
□月M日
今日は仗助と康一を誘って例のイタリア料理店に行ってみた。
イタリア料理店「トラサルディー」、店の中から香ばしい香りが……これは期待大ですな。
しかしこの”本日の料理 お客様次第”ってのはどういう意味なんだ?
仗助はニヤニヤしていたが、結局その意味は教えてはくれなかった。入ってからのお楽しみってことらしい。
中に入ってみると、そこにはいかにもイタリアという感じだった。イタリアなんて行ったことないけど。
店のオーナーはトニオ・トラサルディーことトニオさん。
一人で店を経営してるらしく、そのせいかテーブルも二つしかなかった。
そしてこのトニオさん、”手を見ただけで”その人の肉体の調子がぜんぶわかるというらしく、俺は筋肉痛と言われた。
筋肉痛なのはここ最近の体育の授業が走りばっかりだったせいだろう。
ちなみに仗助や康一はなんともなく、健康そのものだったらしい。
そしてでてきたのはやはりうまそうなイタリア料理。康一はスパゲッティを、仗助はピザを頼んでいた。
昼飯食べてそんなに食えるのか?どうやら仗助は昼飯を抜いてきたらしい。
俺に出されたのは
「牛ネック肉とスジ肉の黒酢スペッツァティーノ」
というイタリア料理。
食べてみるとこれがうまいのなんの、三人全員ウマい!と言わずにはいられない。
そし完食、いやーうまかったうまかった。
しかし、変化はここから訪れる。
食べ終わった直後、俺の脚や腹筋とかの筋肉がボコボコと音を立てながら膨らんでいった。
そしてその膨らみは小さい風船くらい大きくなって_____
パァンッ!という破裂音とともにしぼんでいった。
その光景に驚きを隠せない俺たち。
自分の身体なのに痛いとも感じられなかったのは不思議だった。
しかもしぼんだ後の筋肉は前と同じ形に戻っていてしかも、筋肉痛がなくなっていた。あんなに痛かった筋肉痛がまったく感じられなかった、それどころか前よりも筋肉が発達していた。
どうやらこれはトニオさんのスタンド〈パール・ジャム〉の能力らしい。
料理に混入し、食べた者の身体の不調を治すスタンドで、俺の筋肉痛が取れた原因は食材に含まれる栄養素の効能ということらしい。
いまいちよくわかんなかったけど、うまかったし筋肉痛も取れたし別に気にする必要もないだろう。
終わりよければ全てよしなのだ。
□月E日
思い出しただけでもイライラしてくる。
今日、テレビで毎度おなじみのバラエティ番組を見ていたらあの「電気のスタンド」が現れた。テレビの中から。
名前を〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉。語呂がいいことだけは褒めてやる。
こいつは電気を通して仗助や億泰たちの家をウロチョロしていたらしい、それもかなり前から。
まあそんなことはどうでもいい、今ここで形兆の敵(死んでないけど)をとらせてもらうぜ!
数分におよぶ戦闘、しかし奴を倒すことはできなかった。
オマケにバカにまでされちまったよ……『名無しのスタンド』か。
だけど少し”つかんだ"ぜ。何が、とは言わないけどな。
今日の戦闘でよーくわかった。
やはり、理解する必要がある____俺の”スタンド能力”を。
□月P日
今日、夜中に電話がかかった。
仗助からだった。明日の正午三十分前、指定する場所に集合だってよ。
指定する場所は××××の町外れ……か。
もしかしなくても、〈レッド・ホット・チリ・ペッパー〉の件だろうな……。
あのやろぅ…次会ったら最後絶対にぶっ倒してやる!
批判、感想、ここはこうした方がいい。などの意見がありましたら遠慮なく教えてもらえると嬉しいです。