M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記 作:BサインからCサイン
○月Y日
朝、仗助たちと一緒に登校した。名前で呼び合えるようになったのは大きな一歩を踏み出せた証拠といえるだろう。うれピー。
学校では朝早くから部活動に精をだしている先輩がたが汗を流していた。いつものならここで惨めな思いをしながら教室に向かっていたとこだが今回は違う、昨日までの俺とは一味違う。
なんたって友達ができたんだから。しかも四人も。
まあ毎日一緒にこれるわけでもないんだけどね、仗助とは家がすぐそこだから毎日一緒に通学するけど。
俺の家は億泰の家のもうすこし先だ。まあ30mくらい離れてるけど、気にしない気にしない。
明日もみんなで通学できるといいな。
○月%日
今日から先輩がたによる部活の勧誘が始まった。
俺たちの学校では部活参加は自由で、一年生から帰宅部の人も少なくはない。
仗助たちは部活には入らないらしい、まあ当然といっちゃあ当然か。
俺もテニス部の先輩から勧誘されたけど、部活には入らないつもりだ。
それにしても、俺なんか勧誘してもいい功績なんて残せないと思うんだけどなあ。
あの先輩の名前なんていったけ……間田先輩だったかな?
○月!日
今日は仗助と億泰との通学中、康一が変なおっさんにたかられていた。
康一って人付き合いがいいけどガラの悪い人との付き合いも多いから少し心配だな……。
康一の胸にでかい”錠”が取り付いていた。オマケにこの錠前、ぜんぜん取れなかった。
もしかしなくてもこのおっさん、スタンド使いだよ。
ホント、いったいこの町には何人のスタンド使いがいるのか……。
そしてこのおっさん。康一から七千も取ったくせに「それはおめーがうそついたぶんだよ!」とかふざけたこと抜かしやがった。あげくの果てに50万も払ってもらおうかだと?
呆れて言葉もでねえよおっさん。
するとこれに億泰が怒った。おっさんの顔面に一発おみまいした。
まあ妥当だと思うぜ?言葉じゃ通用しないタイプの人間だと思うしこいつ。
だげどここからが本当の
おっさんは殴られたあと、わざとらしくこけた。その拍子におっさんの前歯が折れたんだ。
あんたは吉本興業になれるよ、たぶん。
億泰はそのとき、すごい悲鳴をあげて痛がるおっさんに”罪悪感”を抱いてしまったんだろう。億泰にまで”錠”が取り付いてしまったんだ。
けどそのあとは仗助の活躍で助かった。
康一が弾いたと思っていた猫はただのぬいぐるみと血糊が入っていた袋。
億泰が殴った拍子に折れた前歯も〈クレイジー・ダイヤモンド〉で一瞬で元通りに治り、二人の錠も外れた。
その後おっさんは取り上げた財布と七千を置いて去っていったんだけど……。
まさか破って面積の大きいほうを持っていくとはなあ…せこいやつだぜ。
スニーカーは俺のでも貸してやろう_____と思ったけど、サイズが大きいのでブカブカだった。
ごめん、康一。いつかいいことあるさ。
○月?日
朝、おっさんが康一にへこへこしながらかばん持ちをしていた。
しかも「康一どの」だってよ。いったい何があったんだろうか?
わからないからって億泰に聞くなよ仗助……。
だからといって俺にもわからなかったけどな。
あと、どうでもいいことだけどおっさんの名前は小林玉美というらしい。
○月☆日
今日は部活参加申請の最終日だ。誘ってくれた間田先輩には悪いけど、断らせてもらった。
大声でまくし立てられるかと思ったけど、そんなこともなかった。
しかも、”仲良く”しようぜと言われた。その声は今まで会ったことのある不良たちのように金をたかろうとしたりするようなモノじゃなく、先輩後輩としての”仲良く”といった含みがあった気がする。
最近いいこと続きでまいっちゃうな。もしかしたらこれから不幸が連続するとかないよね?
それだけは勘弁してほしい。
放課後、間田先輩と帰りながらマンガの話題とかで盛り上がった。
先輩は「ピンクダークの少年」が好きと言っていた。
確かジャンプの人気マンガだった気がする。今度立ち読みでもしてみようかな?
□月C日
コンビ二で少年ジャンプを立ち読みしてみた。
今週号は「ピンクダークの少年」が表紙をデカデカとかざっていた。
読んでみると……最高だった。その一言に限る。
ストーリーはもちろん、キャラクターの魅力まで面白く描かれている。今まで見たマンガの中で最上の部類に入るくらいおもしろかった。
作者は岸辺露半先生…こんなすごい作品を描けるなんてきっとすごい人なんだろうなあ。
つい勢いで、単行本も買ってしまった。こんど仗助たちにも見せてあげよう。
□月D日
学校の正門になぜか小林玉美がいた。
なんか正義の味方になったとか、しっかり就職したとか言っていたけど、その就職先が借金取りだからいまいち信用できないな。
でもまあ、あいつのスタンドにはぴったりだと思う。天職だな。
玉美が持ってきたのは”情報”だった。
3年の間田敏和先輩が『スタンド使い』だという情報だった。
玉美はかなりやばいとかネジくれた性格している危ない奴だと言っていたけど俺には信じられなかった。
真実は自分の目で確かめたかった俺は仗助と広瀬と一緒に間田先輩を探すことになった。
でもその途中、仗助に間田先輩と知り合いだということを気づかれた。
「写真を見たときの反応がえらくびっくりしていたからよぉー」だって、俺は玄関で間田が出て行かないか見張っていてくれって気をつかわれた。
ありがとう仗助。だけど俺はついていくことにした。
俺だけ安全圏にいるってのはおかしいだろ?
そういうと仗助はわかったと頷いてくれた。
そのあと、仗助と広瀬は入り口に近いロッカー付近を、俺は間田先輩の教室を見に行った。
教室には間田先輩はもういなかった。ため息をついて下に下りると、そこに間田先輩と仗助が一緒に歩いていた。
なんで間田先輩と仗助が?康一はどうしたんだ?
間田先輩は俺にじゃあなと告げて帰っていった。
何がなんだかわからない……そのとき、間田先輩がさっき来たほうから目から血を流す仗助と康一がすごい勢いで走ってきた。
どうやらさっき俺が見たのは間田先輩の『スタンド』、〈サーフィス(うわっ面)〉だったらしい。
その能力は触れた相手を人形をベースにコピーしてしまうことで、指紋までコピーしてしまうというすごい能力だった。
間田先輩はコピー仗助を使って承太郎という仗助の叔父を殺すつもりだったらしい。
俺たちは二手に別れて間田先輩を探した。
間田先輩がそんなことをしようとしていたとは信じられなかったけど、とにかく一刻を争う事態だ。俺はスタンドの背中に乗り、仗助たちとは別ルートで間田先輩を探した。
スピードのある俺のスタンドなら、すぐに追いつくことができる。
とりあえず俺は杜王駅に先回りした。承太郎さんは駅に向かっている、なら間田先輩は必ずここにくるはずだからな。
駅に着くと、まだそこには誰もいなかった。
俺はスタンドをから降りて周辺の様子をうかがった、けど仗助も間田先輩もまだ来ていない。
まさか駅の中か……?そう思い探すこと数分、ガラス越しに外を見るともう既に承太郎さんと仗助たちが出会っていた。
なんだ、どうやら間田先輩よりも速く会えたみたいだな。
俺も合流しよう、そう思って足を進めようとして、止まった。
目の前に、ガラス越しに仗助たちを見つめるコピー仗助がいたからだ。
そして間田先輩は……いた。便所の影から仗助たちを睨み付けていた。
そしてコピー仗助が腕を降りおろそうとした瞬間。
間田先輩が殴られた。
いやここにきてこの展開はない、怒りの形相を浮かべている暴走族が間田先輩をヘルメットでぶん殴った。
そのおかげでコピー仗助はもとの人形の姿に戻った。
そのあとは仗助が人形をバラバラにし、便所裏に間田先輩を連れていこうとする暴走族を俺がなんとか宥め許してもらうことで事は終えた。
間田先輩は俺にすっごく感謝してたけど……先輩、そう思うんなら仗助や承太郎さんにも謝ってくださいよ。大丈夫ですって、俺も一緒に謝りますから……。
□月G日
昨日の続きを書くことにする。
謝罪のあと、承太郎さんたちは病院で手当てをしてもらった間田先輩から「電気のスタンド」についての情報を聞き出した。
しかし、間田先輩は何も知らないらしい。
俺は、本当に何も知らないんですか?と詰め寄ったが間田先輩は首を横に振るだけだった。
だけど、間田先輩はこんなことを言っていた。
「スタンド使いは引かれ会合う」
もしかしたら、間田先輩と俺が出会ったのも"スタンド使い"だから?
まあ、だからなんだと言うんだって感じだけどね。
スタンド使いがなんだ、そうであれそうじゃないにしても、俺とみんなの友情は確かなモノのはずなんだ。関係ない。
病院を出たあと、承太郎さんにこんなことを言われた。
「君は自分のスタンドについてまだ全て理解していない……これから何人ものスタンド使いと君は出会うだろう。
そいつらは必ずしも善人とは限らない、もし君が一人のとき、そのスタンド使いに"出会ってしまったら"君はまちがいなく敗北するだろう。だから____」
自分のスタンド能力がなんなのか、早く理解した方がいい、か。
そういえば康一もスタンド使い、仗助もスタンド使いだったな……。
どうやって名前を決めたのか、どうして能力がわかったのか、今度聞いてみようかな。
批判、感想、ここはこうした方がいい。などの意見がありましたら遠慮なく教えてもらえると嬉しいです。
実をいうと、名前どうしようかすっごい悩んでるんですよね……。
候補はいくつかあるんですけど……ううーん。