M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記   作:BサインからCサイン

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Take 12

 

△月E日

 

 

吉良吉影の父親が”矢”を持って逃走したあの日からいつも次は自分が狙われるのではないか?と不安になる。

あいつが”平穏”を望んでいるのは知っているけど、そのために”邪魔だ”と思ったなら必ずあいつは俺たちを殺しにくるだろう。

くそっ、なんでこっちが夜な夜な不安にならなければならないんだ……。

そういえば、今あいつはどこにいるんだろう。

吉良吉影の家は今はもの家の空になっているけど、住んでいた吉良吉影はどこかに”住んで”いるはずだよな。承太郎さんは杜王町中のホテルや空き家を調査しているらしいけど、吉良吉影という男がいたという報告はないらしい。

まさか野宿なんてことはないよな……?

まあ、あいつも生きるためには衣食住が整ってないといけないはずだし、ホームレス染みたことをやっているなんてことはないだろう。

 

そういえば最近康一が山岸由花子とデートをすることが多くなった。

昼になると毎回うちの教室まで手作りの弁当を渡しにくるし、放課後にはカフェとかで見かけることが多い。そのたびに億泰が羨ましいと愚痴をこぼすから苦労が絶えない。

俺が「勉強や運動でいいところ見せればモテるようになるんじゃないか?」と言ったら、ものすごく張り切って走って帰っていった。

無理だけはしてほしくないと思う。

 

 

 

△月P日

 

 

案の定、億泰は俺たちに勉強を教えてくれと頼みにきた。

そういえばもうすぐ期末テストの期間になる、恐らくそこで高得点を狙うんだろう。

形兆は頭はいいが、忙しいから教えてもらえはしないだろうと思い、俺たちのところにきたようだ。

まあ別にいいんだけどさ…図書館で大きな声を出すのはやめてくれ。周りからの視線が集まるから。

オマケにその意気込みがその…な、不純なアレだから……もう女子たちからの視線がすごかった。まさか俺たちまで同じ目的だと思われていないだろうか?

いや、康一は付き合ってるし仗助はかなりモテているから大丈夫だろう………俺は知らないけど。

まあ億泰は一応編入生っていう立場だからなあ…後輩からならいけるんじゃあないか?

……そういえば、下校中に見た黒猫…首に穴が空いていた気がしたけど……いや、気のせいだな。

 

 

 

△月K日

 

 

露伴先生から聞いたけど、最近スタンド使いが増えているらしい。

たぶんあの吉良吉影の父親が”矢”を使って増やしているんだと思うけど……。

これはそうか、吉良吉影だけに気をつけていても、他のスタンド使いに狙われるかもしれないのか。

できれば会いたくはないな。俺のスタンドは相手を選ぶからなあ……。

露伴先生は”スタンドを奪う能力”を持ったスタンド使いと戦ったらしい。

露伴先生マジぱないっス、よくそんな相手に勝てましたね!尊敬します。

露伴先生のスタンド、〈ヘブンズ・ドアー〉は近接パワータイプのスタンドじゃあないから戦闘には向いていないと思っていたけど…あ、いや、能力が強いのか。

どうやって勝ったんですか?って聞いてみたけど、”自分の運を乗り越えたのさ”と言ってキザっぽく去ってしまった。

よくわかんなかったけど、露伴先生の活躍で有力な情報を手に入れることができたということだけは確かだ。

明日、仗助たちにも教えてやろう、そうしよう。

 

 

 

△月N日

 

 

なんか今日は大変だった。

新しいスタンド使いに出会ってしまったとかそんなんじゃあないけど………疲れた。

家で寝てたら急に露伴先生に呼び出された、詳細はきてもらってから話すって言っていたけど…なんかもう、ホント、行かなければよかったと反省してるよ。

だいたい俺、今日体調不良で学校早退したじゃん………。

とりあえず”すぐにきてくれ”ということだったから、自転車(ママチャリ)をこいで露伴先生の家に向かったけど……そこにいたのは”なんかメチャクチャ焦ってる仗助”と”小指から血がダラダラ出ている露伴先生”だった。

あと康一の舎弟とか言ってた……あ、小林玉美。なぜかあいつまでいた。

こういうとき日記があると名前を思い出せるからいいよな。

 

なんか二人がいやに真剣そうだったから、小林玉美にこのときの状況を聞いてみた。

どうやら二人は”賭け事”をやっていたらしく、その”賭け事”で仗助がイカサマをしている可能性があると俺たちが呼ばれたらしい。

………なにやってるんだよ仗助。いや疑わないからな?俺は自分の友達がイカサマをしてお金を手に入れようとしているなんて信じないからな。

と、いうわけで、俺も”仗助のイカサマを見破る”手伝いをすることに。

小林玉美は自分のスタンド、〈錠前〉(能力は罪悪感がどうのこうの言ってた気がする)で仗助が”イカサマをしなかった場合自動的に襲い掛かる”ようにし、俺は〈I's〉で露伴先生を分身を作り、周り全体から見張るようにした。

ルールは至って普通の”チンチロリン”、お互いに一回ずつサイコロ三つを振り、数字が連続する、五や六などの大きい数だけが出るなどの「役」は掛け金の五倍もらえる。

仗助のイカサマが見つかった場合、その罰として仗助は小指を露伴先生に渡す。

露伴先生が仗助のイカサマを見抜けなかった場合、露伴先生は仗助に200万円を払い、仗助の〈クレイジー・ダイヤモンド〉で小指を治してもらう。

………どんなイカサマをしたんだよ、仗助……。

 

 

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そして”チンチロリン”はスタート。俺も勝負の行方は気になったから、小林玉美に肩を貸してもらいながら観戦。だって全力で自転車こいできたからえらかったんだもん。

最初にサイコロを振ったのは露伴先生、出た「目」は”三のペア”と”四”。

そして次が本番、仗助がサイコロを振る番となった。

……それをじーっと見つめる露伴先生×5。もしなにも知らない人が見たら都市伝説かスクープにでもなるんじゃあないだろうか?

仗助が出した「目」は”六が三つ”。五倍もらえる「役」だ、〈錠前〉は反応しなかったから仗助はイカサマをしている。

五人の露伴先生がサイコロをじーっとみつめてイカサマを見破ろうとする。と、そのとき、消防車のサイレンが聞こえてきた。

そして仗助の顔から汗がダラダラと流れ始めた。なぜかはわからなかったけど。

五人の露伴先生はそんなことは気にせず、必死になってイカサマを見破ろうとする………が、その瞬間、露伴先生の分身が消えた。

俺の身体が持たなかったのだ。体調不良で寝ていた身体で自転車を全力でこいできたんだから当たり前だ、オマケに何か変なモノを吸ってしまったせいで意識が朦朧とする。その結果、能力が解除されてしまい分身が消えてしまったのだ。

俺が”吸ってしまったモノ”、それは何かが”燃えているときに出る煙だった。

露伴先生の家が燃えていたのである。なぜか落ちていた虫眼鏡で木造建築の家が半焼してしまったのだ。

さっきから聞こえた消防車のサイレンはこっちに向かっていたのだ。

これはもう勝負どころじゃあない、俺たちは急いで火から避難し、仗助は露伴先生の小指を治してそそくさと帰ってしまった。俺も家に帰った。

しかし……おかげで熱が38℃もでた…これは3日くらいは学校休まないといけないな……。

日記書くのもしんどくなってきた、もう寝よう。




よく考えたらもう第四部も完結に向かっているんですよね。…あと三~五話くらいですかね?
そういえば、最近感想が少ないのでちょっと寂しいですね。批判、感想、ここはこうした方がいい。などの意見がありましたら遠慮なく教えてもらえると嬉しいです。
というか最近感想が少ないのでちょっと寂しかったりします。

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