M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記   作:BサインからCサイン

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みなさん、お久しぶりです。
投稿が遅れた理由については、アンケートと共に活動報告に載せてありますので、よろしければご覧ください。
あと、感想、批判などありましたら遠慮なくどうぞ。


Take 10

□月☆日

 

 

駅の近くに新しい店ができたらしい。クラスの女子生徒が騒いでいた。

なんで女っていうのは、こういう話題のたびに騒がしくなるんだろうか?

こっちは殺人鬼とかでいろいろ忙しいっていうのに……いや、何もしていないから忙しくもなんともないんだけど。

 

『鍋島占い堂』

 

新しくできた店の名前がこれらしい。興味があったとかじゃあない、たまたま女子たちが話している声が聞こえただけだ。

しっかし、占いねえ………。

占いなんて胡散臭い風習や言葉の塊みたいなモノだと思うんだけどなあ…雑貨屋でゥ売っている占いの本だって種類はあれど書いてあることはほとんど似たようなことなのに、そんなに好きかなあ?

 

 

 

△月D日

 

 

最近女子たちの話声が大きくなってきた気がする。

その中に男子が混ざっていたりしたけど、どうやら例の占い店の話題が広まっているらしい。

なんでも、”知りたいことをなんでも答えてくれて”、”それは絶対に外れないらしい”。

胡散臭い……と思ったけど、これが実体験だから信じるしかない。

体験したのはうちのクラスの女子、花野峰穂。

おととい彼女は例の占い店へ行き、自分の恋愛運や幸運を占ってもらったらしい。

占いはよくある感じだった。

そして最後に、占い師に”他になにか知りたいことはありませんか”と言われた彼女は、料金別だったということでついふざけて”自分のこれから一週間の食事はなにか”と言った。

すると占い師は彼女の質問に答えるのではなく、急に態度を変えて、”クイズ”を出してきたらしい。

”クイズ”の内容は聖徳太子の役職は?台風の数え方は?など、習ったことのあるモノや雑学で手に入れる知識だったらしい。

そして彼女はその”クイズ”に全問正解した。そして占い師に”自分のこれから一週間の食事はなにか”を教えてもらい、店を後にした。

おかしいと思わないか?客にクイズを出す占い師がどこにいるのだろうか?

そしてなにより驚くことが、占い師の言っていたことが本当に当たっていたということである。

そんな凄腕の占い師なら世間である程度は有名なはずだけど、そんな占い師は聞いたこともない。

しかも、なぜこの町にやってきたのか。

心当たりがあると言えばある。

 

「スタンド使いは惹かれあう」

 

間田先輩が言っていたことはふと思い出す。

その占い師……いやまさかね。

 

 

 

△月G日

 

 

下校していたら、ばったり間田先輩に出会った。

例の占いの店に行かないかと誘われた。

帰ってからそれほど大事な用事があったわけでもなかったから、一緒についていくことにした。

一応、その占い師が”スタンド使い”なのか知りたかったからだ。

着いた店は、一軒家ほどの普通の家を少し改築した感じの造りをしていた。

黒いカーテンのようなドア?から中に入ると、そこにはどこかの民族が被っていそうな仮面や顔のような飾りなど、胡散臭いにおいがぷんぷん匂う装飾の部屋だった。

その部屋の奥に、腕や首にアクセサリーをたくさんつけた女性が座っていた。

黒いテーブルクロスに綺麗な水晶玉、それだけ見ればいかにも”これから占いをします”といった雰囲気だったけど、女性の真後ろに設置してあるエジプト王が眠るような棺のせいで台無しになっている気がした。

この女性の名前は鍋島寧々。占い師をしていて、数年の修行を終えてこの杜王町にやってきたらしい。

最初から胡散臭さマックスだ。占い師って修行するものなのだろうか?

間田先輩と一緒に、俺も占ってもらうことに。というか間田先輩の金が足りなかったので俺が金を半分払って間田先輩が聞きたいことを聞き出すことになった。

間田先輩はピンクダークの少年が休載した理由を知りたかったらしい。

占い師に聞くようなことじゃあないと思うけど、その原因は俺にもあるので言うことはできなかった。

とりあえず、占いは始まった。自分の姓名判断や金運など、鍋島寧々はほんとうにわかっているかのように答えてくれた。

そして、占いの最後に鍋島寧々は”他に知りたいことはありませんか”と聞いてきた。

俺は間田先輩の質問、”ピンクダークの少年が休載している訳”を聞いた。

するとどうだろう、鍋島寧々の真後ろにあった棺が急に動き出したのだ。

不気味な目がこちらを向き、その口が開いた。

 

『質問:ピンクダークの少年が休載している訳

 クイズレベル:3

 問題数:3

 回答者:一之瀬治一

 それでは第一問

 Q:ドーナツの真ん中に穴が空いているのはなぜ?

 制限時間は1分 スタート          』

 

マジでびっくりした。間田先輩なんか驚愕の声をあげていたね、俺なんかびっくりし過ぎて声を出す事すらできなかったけどね。

でもやはり、鍋島寧々は”スタンド使い”だった。俺たちが棺のスタンドを認識していたことに驚いていたし。

鍋島寧々のスタンド、〈ジ・アンサー〉はスタンドが出す”クイズ”にさえ正解すれば知りたいことをなんでも答えてくれるという能力らしい。

しかし、”クイズ”に答えなかったり、間違えてしまうと、その代償として+な”何か”を失ってしまうらしい。

ちなみにこのクイズの正解は”火の通りが良くなり早く揚がるようにする”だ。

 

『第二問

 Q:2の7乗は?

 制限時間は三十秒 スタート』

 

2の7乗。つまり2×2×2×2……と×2を7回行った答えだ。

ちなみに正解は128。間田先輩が俺が答える前に148と答えてしまって焦ったけど、回答者には俺の名前だけだったのでノーカンだった。

先輩、心臓が止まるかと思いました……。

 

『最後の第三問

 Q:竜巻と台風、トロンベと呼ばれるのはどっち?

 制限時間は十五秒 スタート         』

 

この問題には焦った。まったくわからなかったからだ。

残り三秒、あてずっぽうで竜巻と答えて偶然にも正解。

ことなきをえて、俺たちは質問の答えを知ることができた。

ピンクダークの少年が休載しているわけは、岸部露伴が怪我をして一度入院した後、M県S市杜王町で取材をしているからだと〈ジ・アンサー〉は答えた。

そのさいに、棺がドアの様に半分開いて、その中から口のついた腕が出てきたときはもう勘弁してほしかった。

ていうか、今日俺になにかメリットがあったのだろうか?

露伴先生が休載しているわけを俺は前から知ってたわけだし、間田先輩が知りたかったことをリスクを背負ってまで知ったということになるんだけど………。

まあ、間田先輩が喜んでいたからいいか。

 

 

 

△月H日

 

 

放課後、仗助と億泰が中学生くらいの背の生徒と一緒に銀行へ歩いていた。

新しくできた友達だろうか?なら今度紹介してほしいと思った。

五百万がどうとか言っていた気がしてけど、宝くじでも当てたのだろうか?

三人でお金を出し合って買ったのならいいけど……拾った宝くじを使うのって犯罪じゃあなかったっけ?

捕まらなければいいんだけど……。

 




スタンド〈ジ・アンサー〉

【破壊力-E/スピード-E/射程距離-A/持続力-A/精密動作性-D/成長性-D】

古代エジプト王が眠る棺に憑りついた半自立スタンド。ただし棺は本体である鍋島寧々がどこからか持ってきた私物で、本当の姿は能力発動時以外見ることができない。しかしそれでもその姿は本体の鍋島寧々でも腕しか見たことがないらしい。

能力は”クイズ”に答えた相手が知りたいことをなんでも教えてくれるというもの。ただしその内容は”知りたいこと”の内容が手に入りにくいモノであればあるほど難しくなり、クイズの数も増える。
しかしその”クイズ”を考えているのは本体ではなくスタンド自身。本体が知らないことをスタンドが知っている理由は誰にもわからない。

”クイズ”にはデメリットがあり、回答を間違えるもしくは制限時間内に答えられない場合に、棺が左に開き中から出てきた眼が手のひらについた真っ黒な腕が身体を貫通し、物理的なダメージはないが自身の+な”何か”を失ってしまう。
それは小さいころの思い出かもしれないし、自分の才能かもしれない。

スタンド名の由来は北アイルランドダウン州出身のハードロックバンド「ジ・アンサー」から。

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