M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記 作:BサインからCサイン
今回は日記モノに挑戦、他作品の合間に書いていくつもりですが、読んでもらえると嬉しいです。
他の方のジョジョ作に劣らないような作品にしていきたいと思います。
初挑戦する日記、勘違い、ジョジョ。不安で心臓がバクバクいっています。
批判、感想、ここはこうした方がいい。などの意見がありましたら遠慮なく教えてもらえると嬉しいです。
一話目にして長い前書きですが、『M県S市杜王町在宅のとあるスタンド使いの日記』始まります。
○月C日
S市杜王町に住んでから早十五年。俺は明日からぶどうヶ丘高校に通う高校生になる。
今日はその祝いに近所のおばさんが日記帳をくれた。
正直、引き出しの中漁ってたら出てきたけど処分に困って俺にくれたんだと思った。
どうせならお金が欲しかったという俺の頭は正常だと思う大丈夫だと思う。
そう思いたい。
でもせっかくのおばさんの好意なのでありがたく使わせてもらおう。
ぶどうヶ丘高校入学から卒業まで俺は日記をつけることにする。
目標は友達をつくることだ。ちなみに今までできた友達の数は指で数えられる。
……書いててちょっと悲しくなった。明日に備えてもう寝よう。
○月D日
入学初日からハード過ぎる一日だった。いや別に辛いとかキツいとかそういう意味じゃなくてこう、精神的な意味で?
登校中、通学路のコンビニ『SUN MART』で強盗事件があった。コンビニ強盗が女性店員を人質にしてたてこもってると、日記をくれた近所のおばさんが教えてくれた。
…なんでこんなところにいるとか、なんで面白そうにしてるのかは聞かないでおいた。世の中知らない方がいいことはある。
俺はこのときビックリしていた。こんな朝からコンビニ強盗が起こるなんて思いもしなかった。
しかもその事件を解決したのが俺と同じ高校生だから二度ビックリだ。
あとから知ったことだけどこいつの名前は東方仗助、んでその隣にいたのが広瀬康一というらしい。
その東方が強盗を倒した。何いってるかわからないと思うがしょうがない。だってこれは説明しようのない事実だ、俺だって最初は何が起こったのかわからなかった。
俺が見たのは一瞬の内に店員が解放されてて強盗が白目向きながら倒れていてるところだった。途中で店員の腹から血がドバっと飛び出てた気がしたけどそんな跡は残っていなかった。
たぶん気のせいだろう。
そのあと東方は警察官に取り押さえられた。警察は犯人を捕まえられてラッキーというわけにはいかないようだ。東方は警察官に取り押さえられ、その一部始終を見物していた野次馬もぞろぞろと去って行った。
おっといけない、遅刻してしまう。早く学校に行こう、広瀬がボーゼンと立ち尽くしてるけど遅刻気にしないでいこう。
書いてて思ったけど、このとき広瀬に”一緒に学校へ行こう”と言えばよかったんじゃ……。
教室は活気でいっぱいだった。新しい学校にみんなワクワクしているんだろう。俺も早く誰かに声をかけようと思ったけど今日は勇気がでずにそのまま席でクラスを眺めていた。
さっきコンビニにいた広瀬は俺の席から二つ前で、他の奴ら三人くらいのグループで駄弁っていた。
そして先生が入ってくる直前で東方が教室に飛び込んできた。警察に補導されたんじゃなかったのかよ。
○月G日
今日は教室が騒がしい。クラスメイトは入学から一日しか立っていないというのに既にグループを作りはじめていた。
同じ中学から来た奴と盛り上がってる奴、気の会う仲間を見つける奴、静かに読書をしている奴、みんなそれぞれが至福の一時を過ごしている。
そんななか、俺は一人窓の外を眺めていた。
…日記だからこそ書けるんだけど、俺は人付き合いが苦手だ。
小さい時から、頭の中では返事ができるくせに喋ろうとすると無愛想になってしまう。
そのせいで周りからは『無口で近寄り難いクール系男子』と思われているに違いない。
……すいません、ちょっとカッコつけました。
つまるところ、俺はただのぼっちなわけだ。同じ高校生なのにどうしてこうも周りと違うのか、誰か教えてほしい。
そういえば東方は今日は遅刻ギリギリだった。
何があったのかとあいつの友達、広瀬康一との会話を盗み聞きして聞いてみれば、髪のセットに時間がかかったとかなんとか。
そりゃそんなハンバーグみたいな髪をセットしてたら時間がかかるだろうね。
さすがに口には出さなかったけどね。
恐ろしくて言えるわけがない。
○月H日
今日は東方がこなかった。何事かとクラスの人が先生に聞いたら、東方のおじいさんが死んでしまったらしい。
あいつのおじいさん、東方良平はこの町の巡査だった。……クラスのほとんどが悲しんでいた。
俺だってそうだ、俺が小さいころ、不良に絡まれていた俺を体一つで助けてくれたのが東方巡査だった。東方は巡査の孫だったんだな。
ここで泣いてもしょうがない。明日、東方に何か声をかけてやろう。不良みたいな格好してる奴だけど、クラスメイトだからな。
これを気に友達になれたらいいな。
○月A日
今日は東方が学校に来た。あいつを慰めてやろうと思っていたけど結局、俺にはあいつに声をかけることができなかった。
だって東方が広瀬や女子たちに囲まれてて近寄ることができなかったからな。それに東方自身もそこまで思い詰めていなかったらしいし。
まあ、俺が慰めたところでどうしようもなかったんだけど。
…よく考えてみれば、会ったばっかの俺があいつを慰めるというのも変じゃないか?俺とあいつには"クラスメイト"以外の接点なんてないんだし、急に話しかけるのも不自然だ。他の奴らは東方といくらか面識があるみたいだった……。
俺と東方が"友達"だったら、何か変わってたんだろうか。
……今日はもう寝よう。
○月F日
今日は東方は学校に来なかった。先生は風邪って言っていたけど昨日元気だった奴が次の日いきなり風邪にかかるとはちょっと思えない。
というかなんで俺はあいつの事を考えているんだろうか?まさか俺はホモだったのか?
いや違う絶対に違うありえない笑えない。俺はノーマルだ正常だここ連日で非日常なできごとが多くて錯乱しているだけなんだそうだと思う。
そう思いたい。
にしても風邪か…ということは学校に復帰するのは明日か明後日くらいか?あいつなんでかは知らないけど結構女子からの人気高いんだよな。
不良みたいな髪型してるわりには授業は受けてるし、周りから頼まれたことも断ったりしない。それだけでもうまわりからの評価は変わってくるんだろうな。俺は会話すらままならないような男だよ。
おかげで今日は朝から女子たちの話題は東方だらけだったよ。
これがリア充と非リア充との違いなんだろうな。
……そうだ、明日は広瀬を登校に誘ってみよう。あいつはいつも東方と一緒に登校しているから東方が休んだら一人で学校に来るはず。一緒に登校すれば仲も深まるはず。
そしてそのまま友達に…なれるといいなあ。
○月I日
無理だった。
昨日の夜目覚ましをかけてばっちり準備までしたのに結局広瀬を誘うことができなかった。
なんで今日に限って寝坊なんてしてしまったんだろうか。神様は俺になにか恨みでもあるのか。
いや、こんなことを日記にかいていてもしょうがない。それにチャンスはまだあるんだ。
東方は今日も学校には来なかった。一日で風邪が治らないということは最低三日は休むはず、そうだ、チャンスはまだ二回も残っているんだ。
明日はがんばろう。