四葉の影騎士と呼ばれたい男   作:DEAK

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そういえばもうすぐ一周年でございます。

一年で九校戦の前半くらいって展開遅すぎわろたwwwってな感じなんですが今後も徒然と書いていきますので宜しくお願いします。


最大の苦境(胃袋)~中編~

 

~前回のあらすじ~

 

四方坂家の食卓の平和を取り戻すため、和人と達也は正義のハジメ・ツカサに救援を頼むが敵のサクライゴンズ、オ・ニイサマの力は強大で情け無用の食戟になってしまうのだった!

 

 

 

 

 

「てな感じだから、援護頼むわ黒羽のみなさん」

 

「えぇ……?」

 

「全くわけがわかりませんわ」

 

俺が呼んでも間違いなく来ないだろうから達也君を通して誘った文弥君と亜夜子ちゃんにこれまでのいきさつを簡潔に説明した結果が上記の返答である。凄くわかりやすいと思うんだが

 

「達也兄さんからの誘いだから来てみれば」

 

「すまないな、騙すような事をしてしまって」

 

「いえ!達也さんは悪くありませんわ」

 

まるで俺が悪いみたいに此方を睨む亜夜子ちゃんに理不尽さを感じつつもたまたま近くにいた不運を恨んでくれとしか言いようがない。てか文弥君まだ女装中なんだね、あえて達也君も触れないようで

 

「まぁまぁ、実際みんな腹減ってたっしょ?」

 

「まぁ、確かに都合は良かったけど」

 

と文弥君が見た先では

 

 

「うお!これ美味いっすよ深雪様!」

 

「かぁぁ!任務あけのすきっ腹に染みるぜ!」

 

「おかわりぃ!」

 

過剰なまでに用意された夕飯を見る見るうちに平らげて行く黒羽の実行部隊の方々だった。みゆきちも水波ちゃんも忙しそうに給仕しているが顔はとてもうれしそうだ。

 

ここらへんで任務があった黒羽はちょうど任務が終わったあたりで達也から連絡を受けたので必然部下達と一緒にいた。文弥君達は自分達だけで行こうとしたのだが、少しでも頭数が欲しいこちらとしては全員招待するのになんの抵抗もなかったのである。

 

実際、予想以上の人数が来た時には達也君とハイタッチしてしまうくらいだったし、それくらい切羽詰まっていたのだと理解頂きたい。

 

「ていうか、和人さん?あの台所にいるのってもしかして司一では?」

 

「あれ?知ってるん?」

 

亜夜子ちゃんって一さんと会ったことあったっけ?

 

「一応、要注意人物として四葉にマークされてるから」

 

あぁ、なるほどねと文弥君の補足説明でようやく合点が言った。

 

「大丈夫さ、今の一さんは俺達の胃の平和を護るヒーローだからな」

 

「いや意味がわかりませんわ」

 

「そこは理解してもらいたいですの」

 

「殴りますわよ」

 

殴ってから言わないで下さい。痛いし(泣

 

「出来ましたよ」

 

とか言っている間に一さんの調理が終わったようだ。すると椅子にずっと鎮座していた穂波さんがちらりと目線を向ける。

 

「おあがりよ」

 

一さんがドヤ顔でコロッケを食卓に置く、その量は結構多い。多分黒羽のみなさんが来たのを見て量を増やしたのだろう。

 

ていうかそのセリフは本家本元ファンに怒られそうなんで止めて下さい。

 

「お、おかわりか!」

 

「まだまだいけんぜ!」

 

食欲溢れる黒羽の方々が一斉にコロッケに群がる。んじゃ俺も一個頂くかなっと

 

ん~さくさくの衣がとても熱そ……う?

 

「あれ?」

 

「あんま熱くない?」

 

「というより冷たいな」

 

達也君の指摘通り、素手で持ってもひんやりとした感触が伝わってくるぐらい冷めていた。ていうか冷たかった。

 

「ん?コロッケなのに冷たかったらなぁ」

 

「俺、さくさくの衣が好きなんだが」

 

黒羽のみなさんも微妙な反応だ。

 

「ふっ」

 

穂波さんも勝ち誇ったような笑みを浮かべているが一さんの余裕は崩れなかった。

 

「まぁ、一度ご賞味ください」

 

「じゃあ」

 

と意外に思い切りがいいのか文弥君が先陣を切る。あれ?一口かじったまま固まってるんだけど

 

「凄いサクサクしてる……」

 

「ウソ!?」

 

茫然とつぶやいた言葉に穂波さんが椅子から音を立てて立ち上がる。冷えてんのにサクサク?ちょっと食べてみるか

 

「ホントだ。めっちゃサクサクていうかカレー?がとろりとしててめっちゃ美味い」

 

「あら、本当においしいですわね」

 

俺が食ったのを見て亜夜子ちゃんもコロッケを食べると思わずだろう顔をほころばせる。

 

「うお!なんで冷めてるのに衣がサクサクなんだ!?」

 

「カレーも固まってないしカレークリームコロッケって感じで超ウメェ!」

 

「今後どんどん暑くなる事を考えるとこれも悪くねぇな!」

 

「な、ななななな……」

 

まさかの大絶賛に穂波さんが肩を震わせる。そして一さんから差し出されたコロッケを一口食べると

 

「こ、これは……!」

 

カッと目を見開く。何だろう、穂波さんの背後に稲妻が見えたよ。

 

「クラッカーですね?」

 

「御名答」

 

一さんの一見相手を称賛しているような口ぶりに穂波さんは歯を食いしばった。正直、料理素人の俺にはこの言葉だけでは何が何だかさっぱりだったが

 

「なるほど、クラッカーを衣に混ぜる事で冷めても食感が損なわれないという事か」

 

達也君の言葉でやっと理解できた。なるほど、相変わらず凄いね~

 

「ほぉ~大したもんだ」

 

「うん!これはこれで在りだな!もっとくれ!」

 

一見こそあれだったが味は並み以上の冷やしコロカレー(一さん命名)は超大盛況だった。

 

「よくこんなの思いつきましたね~」

 

「昔名古屋で冷やしカレーうどんを食べた事があってね。その感動を料理にしてみたんだ」

 

聞けば名前もその料理からとったとか。

 

「で、ですが!それで私のコロッケに勝ったとは言い切れな」

 

「正直、私は此方の方が……」

 

「……」

 

「ぴぃ!?」

 

穂波さん、ハイライト消えた目で見ないで下さい。亜夜子ちゃんめっちゃ怖がってるし

 

 

「はい、穂波さんどうどう。亜夜子ちゃん大丈夫?」

 

「助かりました。何であなたは平気なんですの?」

 

「慣れって偉大だと思わない?」

 

「あなたも苦労してますのね……」

 

亜夜子ちゃんの憐れみの目が凄く心に来たのでした。

 

 

 

 

「くっ……!」

 

「叔母様、お任せ下さい。仇は私が討ちます!」

 

無残に敗れてしまった(と当人たちだけはそう思っている)穂波さんの雪辱を晴らさんと今度は水波ちゃんが諸手を挙げた。

 

「今度は炒飯で勝負です!」

 

「よかろう、受けて立とう」

 

「お、なんかやんのか?」

 

「いいぞ~やれやれ~!」

 

事情を知らぬ黒羽の人たちがはやし立てる中、水波VS一の勝負の幕が上がるのだった。

 

 

 

 

 





話が進まないと言った矢先にこんな話を前後編どころか前中後編にわけるというとんでもない暴挙に出てしまうという。

お、おかしい(汗
最近話の進め方がわからないという謎の状態に……

こ、今度こそ終わらせたいです

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