四葉の影騎士と呼ばれたい男   作:DEAK

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おかしいな、入学編行けばガンガン書けると思ったんだが(汗


魔法科高校生と普通科高校生(短編集)

~魔法科高校生と普通科高校生①~

 

 

「いや~大変な目に会った」

 

「100%あなたのせいですけどね」

 

「自業自得という言葉がこれほどぴったり合うのも珍しい」

 

司波兄妹から相変わらずのきついお言葉を頂きながら、俺は家への帰路を辿っていた。

 

メンツは二人のクラスメイトである、エリカ、レオ、美月、そして光井ほのかと北山雫という一科生の二人

 

そして俺のクラスメイトであるタダクニ、ヒデノリ、ヨシタケの計11人の結構な大所帯だ。

 

あのあと、生徒会室に連行されかけた俺達だが、達也君の機転(詭弁とも言う)でどうにか切り抜け今に至るのである。

 

というか事情を説明した時の七草会長の顔が面白かったな。

 

「にしても珍しいね~」

 

赤髪の少女、エリカちゃんが俺の顔を横目にちらりと見た後、司波兄妹を交互に視界に収めながら言う。

 

「何がだ?」

 

「いや~なんていうの?魔法師じゃない友人がいるのって結構珍しいじゃない?」

 

エリカのある意味何物をも恐れない言葉に皆苦笑する。魔法師と非魔法師の意識の溝は結構深い、少なくとも『魔法師は人間ではない』『人間の社会から排他すべきだ』という反魔法師集団が出来るぐらいには

 

当然そんな極端な思考の持ち主ばかりではないが、精神的な距離を置かれる事もしばしばある。

 

そんな中でも和人と達也、深雪の間にはそんな遠慮と言うものがないような気がする。

 

「慣れというのもあるし、そもそも彼に遠慮なんて無用よ。むしろ遠慮したら失礼だわ。遠慮の方が」

 

「深雪って結構毒舌?」

 

深雪のアカイック淑女スマイルで吐かれた毒に今まで黙って聞いていた雫がぼそりとツッコミを入れた。

 

「が~ん、ショックだわ~」

 

深雪の言葉を受け、心外だとばかりに和人は膝をつく、だが吐かれたセリフは棒読みもいいとこである。間違いなく大したダメージは受けていない。

 

「はいはい、全く、あなたがホントに凹む所を見てみたいですけど」

 

「ショックだわ~、中学最後の身体測定で身体のある一部分が82下回った誰かさんレベルにショックだわ~」

 

「「ブフゥ!?」」

 

和人の言葉に司波兄弟が揃って噴き出す。深雪に至っては顔が真っ赤になるおまけつきだ。

 

「な、なななな何でそれを!?」

 

「え?真夜、げふんげふん、ある人から教えて貰ったのと達也君が慰めるのが大変だって愚痴ってたのを聞いたんでね」

 

「オニイサマ?」

 

「ちょっと待て深雪、これは冤罪だ。全ての原因はコイツにある」

 

ちょっと達也君?何全ての罪を俺に着せようとしてるの?

 

「ま、B82以下のド貧乳は出直してこいってことだ!」

 

「失礼な!今はあります!」

 

「深雪!?」

 

深雪のクラスメイト、ほのかちゃんだっけ?が凄い目でみゆきちを見る。まぁみゆきちもテンションあがると周りが見えなくなるからね。

 

「じゃあいくつあるんだ~い?」

 

それを煽るのが俺の役目だけど!

 

「8、って言えるわけないでしょう!?」

 

ちっ、惜しい!もう少しだったのに!

 

「……」

 

「西城君?」

 

「!?な、なんでもねえよ!?」

 

何を想像したのか顔が赤いレオを美月が冷めた目で見る。だが男子高校生はこういう存在なのだということをどうかわかって欲しいものだ。

 

「~~~~っ!」

 

「和人、そこら辺にしとけ、深雪も落ち着け」

 

羞恥が天元突破しそうだった深雪ちゃんを達也君が絶妙のタイミングでフォローする。

 

「うぅ、お兄様ぁ~」

 

達也君の腕にしがみついた深雪ちゃんを横目に見ながら彼は俺に目線で礼をする。まぁ愚痴ってた件がうやむやになったんだから感謝はしてほしいね。

 

「ふ~ん、あ、和人だっけ?」

 

「ん?そうだけど」

 

今まで静観していたエリカちゃんが俺に声をかけてくる。

 

「あたしは千葉エリカ、早速だけど」

 

「うんうん」

 

「殴っていい?」

 

「え?」

 

うんと言う前に目の前に拳が迫り、俺はもろにエリカちゃんの拳を顔面でキャッチする羽目になる。

 

「げべっ!」

 

凄い変な声を上げながら俺はどうにか倒れないように踏ん張る。

 

「ちょ!?なんでいきなり殴られたの!?」

 

「乙女の怒りよ」

 

「わけわからん!」

 

そうわめく俺の肩をちょんちょんと叩く人物がいた。

 

「ん?」

 

そこにいたのは眠そうに眼を半開きにしている(いつもこんなん?)小柄な少女だった。

 

「何か?」

 

「私、北山雫」

 

「ん?あぁよろしく」

 

「早速だけど殴る」

 

「え?ゴハァ!?」

 

その小柄な体格のどこからそんな力が出るのか、見事な正拳突きが俺の鳩尾に突き刺さる。

 

「な、なぜ……?」

 

「乙女の怒り」

 

「わけが……わからない……よ」

 

腹を押さえながらなんとか声を縛りだし再び俺は地面と熱烈なキスをする羽目になったのだった。

 

 

 

 

 

~魔法科高校生と普通科高校生②~

 

俺がぶん殴られたり俺がKOされたり色々あったが、一応は何事もなく帰宅中の団欒にいそしむ我らであったが、一つ問題があった。

 

それは

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「お前達ぃ~なんか喋れよ!!」

 

先ほどからだんまりを決め込んでいる我がクラスメイトであった。

 

「お前達何やってんの!?」

 

「いや、だってさ……」

 

とヨシタケ

 

「ぶっちゃけ」

 

とタダクニ

 

「緊張して何話せばいいかわかんない」

 

とヒデノリの言葉で締めくくられた言葉に

 

「死ねっ!」

 

と俺は一言で返した。

 

みなさんにはないだろうか?女子と触れ合いたいと思いつつもいざそうなってみると何を話せばいいかわからずただ相槌を打つだけの無愛想君になってしまったという苦い思い出が

 

あるという人は後楽園遊園地でぼくと握手

 

んなことねぇよwww童貞乙wwwという人は爆ぜろ

 

 

閑話休題

 

 

「おいおい……」

 

中身だけなら二十代後半な俺にはもう久しい感覚だが余りにもあれで溜息をつきたくなる。達也君達もなんか気を使っちゃってるし

 

「いやマジやべえって」

 

「そうそう、特にあの黒髪ロングの子、超可愛いやん!」

 

ヨシタケとヒデノリが俺の両肩に手を回しながらひそひそと呟いてくる。

黒髪ロングってみゆきちのこと?そういや相当モテるらしいね彼女

 

「だからと言ってな」

 

「そうだ!お前が俺達の事をかっこよく紹介してくれよ」

 

「めんどくせぇ!」

 

ヒデノリの他力本願過ぎる提案を俺は一蹴するが

 

「頼む、俺を絶世の美少年と紹介してくれ!」

 

「そうだ!俺をたった一人の少女の為に闘う悲劇の勇者だと」

 

「いや、それウソじゃねぇか」

 

ヨシタケとタダクニにもせがまれてしまう。ていうか何さり気に自分を美化してんだこの野郎。

 

「ったく、しょうがねぇな」

 

だが、頼られるというのは四葉ではなかった事だし、悪い気はしない。仕方ないから手を貸してやる事にするか。

 

「いいか?お前達は自然体でいればいい」

 

「「「おうよ!」」」

 

三人の威勢だけはいい返事を受け、俺はある一点を指さす。

 

「ん?」

 

タダクニが俺の指先を辿ると、

 

「棒?」

 

木の棒があった。しかも珍しい変に枝分かれも歪みもしていないまっすぐな棒だ。

タダクニが何の気なしにその棒を拾うと、

 

「はぁぁぁ!」

 

裂帛の気合いと共にヒデノリが持っていた傘で背後からタダクニに斬りかかる。

 

「……っ!はぁっ!」

 

が、タダクニはかがんだ姿勢から振り向きざまにヒデノリの一撃を交わしながら横なぎに棒をふるい彼の胴を切り裂く。(イメージ)

 

傍から見ていたエリカがへぇ、と興味を示すくらいには様になっていたようで、ヒデノリはがっくりと膝をつく。

 

「ば、馬鹿なっ!」

 

「後ろから殴りかかってくんなよ」

 

「コウシテ、ケンシタダクニノ、サイキョウヘノミチガ、ハジマッタノデアル」

 

「はじまんねぇよ、やらねぇよ」

 

ヨシタケのナレーションに不吉な気配を感じタダクニがこの話題を打ち切ろうとするが

 

「武器は装備しないと意味がありませんよ」

 

「しつこい!」

 

ヒデノリがそんな事は許さない。だがタダクニは尚も彼らを無視し棒を軽くふる。

 

「タダクニは5のダメージを受けた」

 

「いい棒だな」

 

「タダクニは5のダメージを受けた」

 

「タダクニ、だっけ?なんか剣道でもやってた?」

 

「いや?特に何もやってないけど」

 

「タダクニは5のダメージを受けた」

 

「エリカ、あなたの目から見ても筋が良かったの?」

 

「ん~?どうだろう?よくはないけど悪くないくらい?」

 

「タダクニは5のダメージを」

 

「「「さっきから何でダメージ受けてんだ!?」」」

 

会話を遮るようにナレーションを挟んでくるヨシタケに耐えられずついエリカ、深雪と一緒にタダクニは突っ込んでしまう。

 

「ちゃんと装備しないからだ」

 

「じゃあ何!?俺さっきからこんな感じで持ってたの!?」

 

ヒデノリの言葉にタダクニは思いっきり刃の方を掴む自分の姿を見る。

 

「こ、細かい」

 

「ほのか、突っ込んだら巻き込まれるよ」

 

ほのかが思わずと言った言葉に雫が親友のよしみで忠告するが残念ながらもう遅い。

 

「おっと、西の町に行くのかい?なら俺を連れていきな(しゃくれ声」

 

「誰だお前!?」

 

「俺の名はジャック、この世界の覇権をめぐって争う二人の魔王に対抗すべく三人目の魔王となれる素質を持つ人間を探している(しゃくれ声」

 

「無駄に壮大!?」

 

「これ、終わるんですか?」

 

ヒデノリ(ジャック)に遂にレオと美月も突っ込んでしまい強制参加を余儀なくされてしまう。

 

「ちゃ~ら~ら(以下著作権保護の為カット

 

「カットされた!?」

 

「そんなギリギリの事を!?」

 

突如どんな理屈か鳴り響いピー音にほのかとエリカが思わず叫ぶ。

 

「いや、一回歌詞転載してたいh」

 

「それ言わなくていいですから!」

 

和人の言葉は言いきる前に深雪によって魔法で黙らされる。具体的に言うと氷漬けにされる。

 

「ジャックが仲間になった」

 

「え?今のやり取り完全無視!?」

 

気温が魔法によって下がってしまった惨状を一切合財無視しタダクニの冒険は理不尽に続く。

 

「さぁ、いくぞ少年!(しゃくれ声」

 

「ジャックは5のダメージを受けた」

 

「装備しろ~装備」

 

達也は全力で他人のふりをしている。

 

「で、何処行くんだよ?」

 

「決まっているだろカス!王様の所だ」

 

「え、カスって言った!?なにこの人!?」

 

仲間になって数秒で人をカス呼ばわりするジャック(ヒデノリ)に驚きを禁じ得ない。

 

なおも達也は他人のふりをしている。

 

「モンスターが現れた」

 

「もうなんなんだよ!?」

 

タダクニが心底疲れたと言った方風に声のした方を見ると、ヨシタケ(モンスター)の他にもう一人いた。

 

「あれ?あいつは」

 

「「「「「森崎ぃ!?」」」」

 

いたのは森崎(モンスター)であった。

 

「なにを、やってるんだ……」

 

遂に達也も耐えきれず突っ込んでしまう。

 

「いや、これをやれば眠れる何かが目覚めると聞いて」

 

騙されてるぞ森崎ィ……!

 

必死すぎる彼に何故か目頭が熱くなる錯覚を覚えた達也であった。

 

(森崎君、なにか悩んでるのかな)

 

(今度相談にのってあげようかしら)

 

ほのかと深雪がひそかにそう思ったかのは秘密だ。

 

「どうする?」

 

「無視する」

 

(((((無視!?)))))

 

ヒデノリの言葉に皆一斉に突っ込んでしまう。このままでは森崎が哀れ過ぎる。

 

が、現実は非常であり剣士タダクニとジャック(ヒデノリ)はモンスター(ヨシタケ&森崎)を無視して行ってしまう。

 

「……」

 

無言で膝をついてしまった森崎を皆あえて無言で通り過ぎた。これが唯一の優しさだと信じて

 

 

 

 

「着いたぞ、ここが城だ」

 

「よく来た。私が王様だ(裏声」

 

「またモンスター来たけど!?」

 

「いやこれは王様だ」

 

「王様なの!?」

 

ポーズ同じだからモンスターかと

 

「お前が中ボスか(しゃくれ声」

 

「中ボス!?」

 

さっき王様って言ったじゃん!?とタダクニが突っ込もうとするが

 

「よく見破ったな俺が中ボスだ(ダミ声」

 

「中ボスなのかよ!?」

 

「えい」

 

「や~ら~れ~た~」

 

「展開早い!?」

 

突っ込むこっちの身にもなって欲しいと思う一同だが、いつまでもカオスというものは続かないものだ。

 

「あれ?」

 

いつの間にか氷漬けから復活した和人が右を向くと、向かいから女子高生が一人タブレットをいじりながら近づいて行くのが見えた。

 

女子高生はそのまま絶賛RPGごっこを続けている三人の横を無言で通り過ぎるとそのまま去って行った。

 

言葉にするとそれだけなのだが、その行動がいたいけな男子高校生に与えた被害は甚大の一言であった。

 

一時のテンションに身を任せると後々になって凄く恥ずかしい思いをするという経験したことはないだろうか?

 

まさに今、ヒデノリ達はそのような心境に至っているのだ。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

穴があったら入りたいとは今の状況を言うのだろう。

 

 

 

「と、まぁこんな奴らなんでよろしくやってくれ」

 

「「「おまえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」

 

ヒデノリ達がこの羞恥から来るやるせなさは目の前の少年(和人)にぶつけると決めた瞬間だった。

 

「なんだよ、ちゃんと紹介したじゃねぇか」

 

「そうじゃねぇよ!」

 

「全くだ、ぶっ飛ばしてやる!」

 

「よくもやってくれたな!」

 

「勝手にやったのお前達じゃん!」

 

「「「うるせぇぇぇぇぇぇ!」」」

 

「理不尽だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

3人から追いかけられる羽目になった和人が来た道を全速力で引き返すのを見ながら魔法科高校生達は一様に溜息を吐いたのであった。




B82いってる組
美月、ほのか、穂波さん、深雪(ギリギリ)

いってない組
エリカ、雫、亜夜子(ギリギリいってない

公式でスリーサイズって出てないですよね?出てないと信じて勝手に設定しちゃいました。

まぁざっくりとこんな感じです

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