そういえば、この世界は魔法が技術体系化されているらしい。元は超能力なんだけどそれを科学的に実証化したのが今の魔法らしい
ということは、
「もしかして、俺も魔法使えるんじゃない?ねぇねぇ葉山さんどうなんよ?」
「ふむ」
結構、頻繁に様子を見てきてくれる葉山さん(たまに真夜さんも来てくれる)に聞いてみる。
でも、なんでいっつも俺がジェロニモごっこしたり虎牙破斬の練習始めようとした瞬間に来るんだろう?
理由:監視カメラでいつも見てるから
最近、胃薬の使用量が増えている敏腕執事は少し考えるそぶりをする。本当に彼が魔法が使えるか考えたわけではない。むしろそれにかこつけて前回失敗した人造魔法師実験を行えないか考えているのだ。
これは、チャンスか?
前回は無断で実験を行ったから失敗した。だが今回は違う、ならば
「では、検査してみるか?」
「マジッすか!?」
「うむ、では研究所に向かおう」
「よっしゃぁ!俺魔法使ってみたかったんだよな~」
「君は魔法を使ってどんな大人になりたいんだ?」
「僕はね、正義の味方になりたいんだ」
「タイムアルターは流石に無理だと思うぞ」
「なら起源弾でも」
「無理だろう」
「」
そっちから振っておいてザックリ切り捨てられた(涙
そして、どうやら切継にはなれないらしい。残念
「研究所の者には私から言っておこう」
奥様への報告は成功してからでよいか。
携帯端末をいじりながら葉山は敬愛する当主の事を考える。
実際、彼がどうしても人造魔法師の素体として欲しいわけではなく、手元に転がり込んできたが故に利用してるにすぎない。失敗し壊れてしまってもそれほど問題はない筈だ。
葉山はそんな自分の残酷な考えなど露知らず、自分がどんな魔法を使えるのか無邪気に考えている少年を若干の憐憫を持って見ている自分に気づき頭を振った。
(憐れみも、悲しみも必要はない)
四葉の者として生きていくと決めた時から覚悟していたこと。
四葉には、優しさも弱さも必要ない。必要なのは・・・・・・
「では、行こうか」
「はいよ~」
そして・・・・・・
彼は人体実験の素体として、非道の限りを尽くされ、四葉の魔法師として生きていくことになる。
そして、闇に生きる者から
『影騎士』
と呼ばれるように
なるわけはやっぱりなく
装置を起動したらいきなりブービー音が鳴り響き
魔法才能:カス(笑)
と書かれた紙が吐き出されたきりうんともすんとも言わなくなってしまった。
半泣きになりながらうずくまってしまった研究主任を責める気には葉山はとてもなれなかった。
葉山さんが非常に動かしやすいですね。
もっと真夜さんの出番を増やしたいんですけどね~