どうしてこうなったのだろう。
金城は自分の今を見るたびいつもそう思う。
金城の父親は、勇猛な兵士であり優秀な魔法師であった。
レフトブラッドと蔑まれながらも、自らの力で自分の居場所を守り、自分の存在を証明し続けていた。
「俺はこの国を守るヒーローなんだぜ?」
小さい頃、父は自分の頭をなでながら口癖のように言っていた。今思えばそれは、自分は必要とされていると実感したいがための言葉だったのかもしれない。
それでも、幼い自分には父の姿はとても輝いて見えた。
自分もそんな父のようになりたいと漠然と考え、軍隊に入ったがここで絶望を知る。
魔法師適正なし
この一文は金城の心に深い傷を残す事になった。
父のように、魔法師として軍に奉仕する事も出来ず金城は事務課に回されることになってしまう。
レフトブラッドと、よそ者扱いされても金城には自分の身を守る力がなかった。父のように、魔法師として闘う同胞のように、俺は日本の為に闘っていると言える力もなかった。
レフトブラッドとしての劣等感、その劣等感を振り払う力もない自分。
その事実は金城の心に深く消えない傷をつけることになった。
だからだろうか?
こんな事に手を染めているのは……
「銃声!?」
「ここは基地内の筈なのに……」
突如鳴り響いた静寂を切り裂く轟音に思わず身をすくませる。
「状況はわかる?」
「いえ、ここからでは」
桜井さんの言葉に答える達也の顔も険しいものになっている。どうやらこの基地の壁には魔法の発動を阻害する術式があるようで、魔法的な探査が出来ないようになっているようだ。
「達也」
とここで沈黙を守ってきた深夜が声を上げる。
「はい」
「外の様子を見てきて」
魔法的な探査が出来ないなら、直接見に行くしかない。深夜の判断は正しいが達也には是と言えぬ提案でもあった。
「しかし、状況がわからぬ以上、この場に危険が呼ぶ可能性があります。仮にそうなった場合、私の技能では離れた場所から深雪を守ることが」
「お願い」
「!……かしこまりました」
達也の状況と自分の能力を鑑みた冷静な反論に深夜はただ一言呟くだけだったが、其の効果は絶大であった。
(お願い?お母様が兄さんに?)
深雪は目を丸くして驚愕をあらわにする。お母様は兄をいつだってモノのように扱ってきた。そのお母様がお願いを?今までのお母様の態度からは考えられない変化だ。
「達也君」
「?」
「御守りだ。きっと土壇場で『この御守りが銃弾を防いでくれた』ってなるだろう」
「明らかにさっきそこで拾った石に見えるんだが?」
兄も僅かに驚愕の表情を浮かべたが、直ぐに表情を引き締め、少年が差し出してきた御守り(石ころ)を投げ返し(見事に額にヒットした)扉に向かった。
「いたたたたた」
「お前が持ってろ。一番危険なのは多分お前だからな」
「俺?」
「身を守る手段がないだろう?」
達也の言葉に確かにと相槌を打ちつつ少年は石ころを胸ポケットに入れたのを横目に見て達也は外へと走って行った。
「やべぇ、ポケットというポケットに石入れたら超重い」
「もういっそのこと石を全身に貼り付けたらどうです?」
「俺に岩石の巨兵になれと申すか」
「面白いじゃない」
深雪ちゃんの恐ろしい提案に深夜さんがまさかの賛同を示す。
「まずは鼻の穴からね」
「ちょwwwその大きさは俺がブタでも入らなっブヒィィィィ!!」
らめぇぇぇぇwww攻撃力1300、守備力2000の岩石族3つ星モンスターになっちゃうぅぅぅぅwww
「あの~、銃声がどんどん大きくなってるんですけど」
桜井さんの控えめな発言でようやく深夜さんは俺で遊ぶのをやめてくれた。
あ~大変な目に遭った。
だが言葉通り確かに銃声が大きくなっているようだ。それに加え足音も聞こえてくる。
それはだんだん大きくなり、足音は俺たちのいる部屋の前で止まった。
桜井さんも深雪ちゃんも深夜さんと俺の前(正確には深夜さんの前)に立ち油断なく扉を見据えている。
果たして、ドアから入ってくるのは希望か災厄か
「失礼します!空挺隊の金城一等兵です!」
「あ、ディックさんだ。おつかれっす~」
どうやら希望だったらしい。桜井さんも僅かにだが緊張がゆるむ。いや~知ってる人が来てよかったよかった。
あれ?気のせいか?俺を見たディックさんの目が凄い悲しそうに見えたんだけど
あぁ、何故君がここに……
金城が部屋に入りまず思った事はこれだった。
ただ一人、たった一人自分のやってきた事を肯定してくれた少年、本人に自覚はないだろうが金城は彼にほんの少しだけ救われた。少しだけ今までの人生は無駄ではなかったと思わせてくれた。
だからせめて、こうなってしまう前に逃げて欲しかった。
だが神様は自分の事がたいそう嫌いらしい。
「皆様を地下シェルターにご案内します」
そんな陰鬱とした心情を知らず金城の口は勝手に予定通りの言葉を紡ぐ。
金城を含め、ここに来たのは4人、全員がレフトブラッドであり……
大亜連合と共謀し反乱を企てる反乱軍のメンバーだ。
この部屋に来た目的は軍需産業の重役である男性を人質にする事、つまり少年たちはその男と相部屋になったせいでとばっちりを受けた事になる。
なんというか、本当に神様という奴がいるなら唾でもはきかけてやりたくなる。
自分のしている事を棚に上げ、金城は虚ろな目でそんな事を考えていた。
「ディックさん、すいませんけど達也君が外の様子を見に行ったんで、少し待ってて貰えるとありがたいです」
少年の言葉に金城は思わず顔を顰めた。
「だがなぁ、敵がすぐそばまで来ているんだ。ここにいるのは危険だぞ?」
金城は逃げろと叫びたくなる気待ちを『抑えてしまい』努めて平静な声で少年に応える。
「では、あの方たちだけ先にお連れ下さいな」
「お母様?」
「息子を見捨てるわけにはまいりませんので」
すると、黒髪の少女の母親だろうか?女性が金城に向かってこう言ってきた。
まずい。と金城はとっさに思う。
確かに、自分達の目的は部屋の隅で家族で固まりながら震えているあの男であり、目の前の家族にはなんの関係もない。別段、放っておいても問題はない。
しかし、自分達が救助に来た人間ではないことはすぐわかってしまうこととはいえ、目撃者をいたずらに増やすことはしたくなかった。共に人質になって貰うか、あるいは……
「しかし……」
「君、金城君と言ったか。あちらはあぁ仰っているのだ。私たちだけでも先に案内したまえ」
余計な事を、と舌打ちしたくなる心情をどうにか押さえ金城は今まで様子をうかがっていたターゲットの男をちらりと見る。
あぁ言われてしまうと少年たちの家族を連れ出すのが難しくなってしまう。
「ディック」
すると、同士の一人から声をかけられる。どうやらこの後の事について相談するらしい。
「達也君でしたら、風間大尉に言えば合流も難しくないと思いますが?」
金城達が密談を始めた隙に穂波が深夜に小声で尋ねる。
「そういうわけではないわ。唯の勘よ」
「勘ですか?」
「えぇ、この人たちを信用すべきではないという勘ね」
深夜の言葉に穂波が最高度の緊張を取り戻す。深夜は数少ない精神構造干渉魔法の使い手、『精神』に関わる魔法の使い手は時として直感的な洞察力を有しているとされる。その中でも深夜は
「嶺上開花」
「それはカン」
少年は相変わらず平常運転だが
「申し訳ありませんが」
すると、金城とは別の兵士がこちらにやってきた。
「やはりこの部屋にみなさんを残していくわけにはまいりません。お連れの方は私共が責任を持ってお連れ致しますので、ご一緒に付いてきて下さい」
言葉使いこそ丁寧だったが、態度が脅しつけるようなものに変わっているのは先入観のせいだろうか?
次の行動を決めあぐねる状況だったが
「マーク!」
桧垣上等兵の登場が急展開をもたらす。
マークと呼ばれた兵がいきなり桧垣に向かって発砲してきたのだ。男性の家族の悲鳴が上がる。
それに呼応するように金城以外の兵士も室内に向けて銃口を構える。
穂波が起動式を展開し魔法を行使しようとするが、ガラスを引っ掻いたような不快な高音が鳴り響き魔法の発動を阻害する。
(これは、キャストジャミング!?)
深雪は反射的に耳を押さえる。見ると兵士の一人が真鍮色の指輪をはめていた。あの指輪はアンティナイトという鉱石が埋め込まれた指輪で魔法の発動を阻害するキャストジャミングを非魔法師でありながら発動することが出来る代物だ。
「……っ」
「深夜さん!?」
こちらでは、サイオン波の影響で深夜が胸を押さえてうずくまっているのを少年が即座に気づき駆け寄っている。
若いころの無理がたたり深夜はサイオン波への抵抗力が低下してきているのだ。早くキャストジャミングを止めなければならない。
ついに、動き始めてしまった状況に金城はまだ動けずにいた。
決めかねている……自分のとるべき道を、自分の信念を
「ディック!何をしている!?」
「あ、あぁ」
マークの叱咤にも歯切れの良くない返事しか返せない。何故だろう、何故今更になってこんなにも後悔しているのだろうか?何故、こんなにも銃を握る手が震えているのだろうか?
「マーク!アル!ベン!ディック!何故だ!?」
壁の向こう側からジョーの声が聞こえてくる。どうやら弾は当たっていなかったようだ。
「何故軍を裏切った!?」
「ジョー!お前こそ何故日本軍に肩入れする!」
ジョーの怒鳴り声にマークもマシンガンを発砲しながら怒鳴り声で返す。
「狂ったか!?日本は俺たちの祖国じゃないか!」
そうだ、日本は祖国……その筈だった。
「日本が俺たちをどう扱った!こうして軍に志願して、日本の為に働いても、結局俺達は『レフト・ブラッド』だ!いつまでたっても余所者扱いじゃないか!」
(日本の為に……か、果たして俺は今まで日本の為に働いた事があったかね?)
銃を握ったのだって今回を入れたって数えるほどしかない。常に仮想的でなくパソコンと向き合い、銃でなくマウスを握る。そんな日々を送ってきた自分が、今も日本の為に働いているジョーのように日本が祖国だと、彼と対峙しているマークのようにレフトブラッド扱いが嫌だとそんな事を言えるのだろうか?
(俺は祖国を守るヒーローなんだぜ?)
父親の言葉が虚しく響く、
(親父……俺はヒーローになんてなる資格がなかったようだぜ)
「それはお前の勘違いだ!俺達の片親はまぎれもなく余所者だった。少しくらい余所者扱いされて当たり前だ!それでも軍は!部隊は!上官も同僚も皆、俺達を戦友として受け入れてくれている!」
(その戦友に、俺は入っていないのだろうな)
何故なら、自分は戦ったことなどないのだから……
金城はふと逃げるように目の前から視線を逸らすと、あの少年と目が合った。
少年は何も言わずにこちらを見ていた。その目に不思議な事に恐怖はなかった。
何故だ?何故そんな目で俺を見るんだ?まさか、まだ俺がお前を助けに来たと思っているのか?違う、俺はお前を人質にしようとしていたんだ。俺は敵だったんだ。怖いんだろう?幻滅したんだろう?
なら、怖がってくれ!失望してくれ!なんでまだそんな目で……初めて会った時と変わらない目で俺を見る事が出来るんだ!?
「それはお前が魔法師だからだ!お前が魔法師で利用価値があるから、軍はお前にいい顔をするんだ!」
「マーク!お前がそんな事を言うのか!余所者扱いに憤るお前が、魔法師という理由で俺とお前達は別の存在だと言うのか!俺は仲間じゃないというのか、マーク!」
やめろ、やめてくれ……もしかしたらとか思ってしまうだろ!もう遅いのに、それでもとか思ってしまうじゃねえか!
「う、うるさい黙れ!」
「いや、黙らない!お前達の周りには本当に余所者扱いする奴だけだったのか!?軍じゃなくてもいい!お前たちを、お前達と認めてくれる奴は誰もいなかったというのか!」
「っ!」
(ジョーの奴……っ!余計な事を言いやがってっ!)
今の言葉で、金城は今までひた隠してきた自分の心に確かな炎が灯るのを感じた。本当は気づいていた。部屋に踏み入ったときに自らの行動を『後悔』していると自覚したその時に
(認めてくれる奴?あぁいるさ、俺の目の前にな)
金城はもう一度少年を見た。少年の目線を今度は正面から受け止める事が出来た。
――今更遅い?
何が遅いというのか?まだ守るべき人も何も失っていないというのに……
――ヒーローになる資格がない?
当然だ。何故なら今までヒーローになろうともしていなかったのだから……!
――日本の為に闘った事がない?
なら今から戦えばいい!今から『ヒーロー』になればいい!
(親父、今からでも間に合うかな?)
金城は銃を握る手が、今ようやく震えが止まったのを感じた。
「マーク」
「ディック!お前も手を」
「すまん」
「な、何をっ、ガハッ!?」
「!?ディック!狂ったか!」
ジョーと撃ち合いをしていたマークをいきなり殴り飛ばした金城を仲間は驚愕をあらわにする。
「悪いが、俺はお前達とは『戦』友じゃない」
「何を言っている!?」
ベンが金城に向かって銃口を向けようとするが、向かい合う相手がいなくなった桧垣の銃撃にそれを中断し桧垣の死角に移動する。
「なんたって、戦った事がないんだからな」
金城は黒い、絶望の象徴のように思えた漆黒のマシンガンを聖剣の如く構え高らかに告げる。
「だから俺は今からお前らと戦う!お前らを止める為に戦い、お前達の戦友になる!」
「お前ぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ディック!こっちだ!」
桧垣の言葉に金城は転がるように壁の向こう側へと滑りこみベンとアルの発砲を回避する。
「ディック!」
「ジョー!お前のせいだぞ!」
「な、何がだ?」
桧垣は感動の声を上げようとした矢先に金城にこんな事を言われ目が点になる。
「お前が余計な事言うから、俺の心に火がついちまったじゃねぇか!どんな苦境も覆すヒーローになりてぇとか思っちまったじゃねぇか!」
だが続く金城の言葉に桧垣は噴き出しそうになる。相変わらず桧垣の戦友は斜に構えつつも熱い心を持つ熱血漢だ。
「それは良かった」
だからこそ、余計な言葉はいらない。
「あぁ」
心を示すのは、いつだって言葉じゃなくて行動なのだから
「これは……?」
「良くわかりませんが、事態は一応好転したみたいですね」
深雪の思わず出た言葉に穂波は律義に返してくれる。キャストジャミングを発生させていた兵士は金城が殴り飛ばした為、不快なサイオン波は消え去っている。
しかも、一人が裏切り、一人が昏倒しているので状況的に二対二となっており、こちらを注視している余裕がないようだ。
「あなた……」
「奥様!」
サイオン波が消えた事によって、体調も良くなったのだろう立ち上がった深夜に穂波が駆け寄るが深夜は手でそれを制す。
「あなた、わかっていたの?」
「え?」
深夜の言葉に深雪は驚きながら深夜の視線の先にいる少年を見た。
「いや、わかってたわけじゃないんです。ただディックさんだけ怪しい空気がないような気がしたんですよ」
「それは……」
「えぇ、ポンです」
「勘ね」
少年のボケをスルーし深夜はふと思案する。前述の通り精神を扱う魔法師は直感的な洞察力を有する傾向にある。深夜はその勘から兵士達の反乱を看破し、少年は金城の戸惑いを同じ勘で見抜いた。
逆説的に考えると少年は深夜と同等、もしくはそれ以上の精神干渉に関する何かを持っていると考える事が出来る。
(まぁ、細かく考えるのは後にしましょうか)
今はこの状況をどうにかするのが先だ。
「ち、膠着してるな」
桧垣は油断なく銃を構えながらひとりごちる。状況は二対二になったものの向こうは曲がりなりにも訓練を受けた軍人、反面こちらには元々事務畑の人間の金城がいる。当然戦闘経験などある筈もない。
「ジョー、俺に提案がある」
とその金城から桧垣に話しかけてきた。
「提案?」
「あぁ、こっそり持って来たんだ」
「こっそり?ってお前それ!?」
金城が本当にどこに隠していたのか後ろ手にとりだしたものを見て桧垣は絶句する。
が、確かにこれなら戦況を突破出来るかもしれないと思わせるものだった。
「今、兵士たちの注意は私達から逸れています」
穂波の言葉通り、キャストジャミングも途絶えている今が反撃のチャンスだ。
敵は2人、穂波の腕なら一瞬で無力化出来るだろう。
「……今!」
穂波が掛け声とともに駆けだそうとしたその時
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「!?」
壁の向こうから獣の雄たけびにも似た叫び声が響き人影?が飛び出す。
「あ、あれは……」
「熊の」
「キグルミ?」
「霧くまだ!」
その正体は熊のキグルミ(迫撃砲すらもはじく)を着た金城一等兵であった。
「ぐ、くらいやがれぇぇぇぇ!」
近くにいた敵がマシンガンを乱射するが、どんな素材で出来ているのかキグルミには傷一つ付かない。
「ち、ちくしょゲフッ!?」
そのまま金城は兵隊を殴り飛ばす。哀れ殴り飛ばされた兵隊は壁に叩きつけられそのまま意識を失った。
「くそっ」
残った最後の一人が人質を取ろうと民間人の少女に目を向ける。
「危ない!」
穂波が魔法を行使しようと起動式を組み立てるが
「させるかぁ!急速潜航パァァァァンチ!」
金城の右腕、正確には金城が着ているキグルミの右腕が文字通り取れ、相手に向かって飛んで行った。いわゆるロケットパンチである。
「あべしっ!」
最後の一人は某世紀末なモヒカンのような断末魔を上げ吹き飛ぶ。
「ふんっ!俺の名を言ってみろぉ!」
「ディックさん、それ悪役のセリフや」
そそくさと右手を拾い叫んだ金城に少年がつっこむ。
「な、ななな……」
許容範囲をオーバーしたのだろう穂波が言葉にならない言葉を延々と繰り返す。深雪にも正直ついていけない光景だった。デフォルメされたクマが兵士を蹂躙するなどテーマパークならトラウマ必至だ。
だが、危機が去ったのは確かだろう。緊張緩んで行くのを感じた。
故に、最大級の危険が迫っているのを見逃してしまった。
「ディック!」
桧垣の言葉に金城が目を向けると、最初に金城が殴り飛ばした。アンティナイトの指輪をしていた兵士(マーク)が銃だけをこちらに、正確に言うと、深雪達に向けているのが見えた。
「危ない!」
金城が叫ぶのと、銃撃のつんざく音が響いたのは同時だった。
銃弾は穂波が展開した障壁を効果がまるでないかのように突き抜け
深雪と少年を貫いた。
まさかのモブキャラ無双、誰得?