もう、GWですが自分は特にする事も無く家でダラダラしているかもしれませんね。
連休の有る方無い方居ると思いますが季節の変わり目、体調などは崩されぬように……。
次の投稿は早くて日曜か月曜になると思います。
幼き古城は南宮那月専用教員室に居るアスタルテに預けられ、他の三人たちは各々の教室に戻って授業を受けていた。だが、三人の頭の中は授業の内容など入っていなかった。
浅葱は昼に古城を連れて昼食でも食べようかと考え、その授業内容を聞いていない浅葱に扇子の一撃を入れる那月。
古城が大人しくしているか不安になる凪沙。どうすれば古城が元に戻るか色々と考える雪菜。その為、午前の授業中に何度も怒られる三人だった。
所変わってアスタルテに預けられた古城は何をしているかと言うと……。
「こっちだよアスタルテ!」
「
鬼ごっこ真っ最中だった。
最初は会話をしてい楽しんでいたのだが、感情表現が乏しいアスタルテの為に飽きてしまった古城は鬼ごっこをすると言い出した。それを承認したアスタルテは鬼となって追い掛けていたのだが、木の上の登ったりベランダの出て走り回りと危険な場所に逃げる為、アスタルテは内心ハラハラしながら追いかけていた。
「アスタルテおそいよ!」
「待て下さい、第四真祖」
「うぅ~……ボク、ダイヨンシンソって名前じゃないよ?」
「…………」
そう言われたアスタルテは困る。
アスタルテにとっては暁古城=第四真祖と呼び方が定着している。更に相手を名前で呼ぶことが不得手なアスタルテにとって、どう呼べば良いのか判断に困ったのだ。
無表情で黙り込むアスタルテに古城は近付いて手を握った。
「こじょうだよ。あかつきこじょう」
「……ミスター古城」
「みすたーって何?」
「英国での男性の尊称です」
「んっ?」
やはり小さい子供には説明が苦手なアスタルテ。
可能な限り分かりやすく説明していると急な魔力を感じたアスタルテは、古城を背にして立ちはだかる。
「
「…………」
2人の5メートル前方に黒い液体らしき物が蠢いていた。
得体の知れない存在に古城は怯えながらアスタルテのスカートを握り、警戒しながら古城を守ろうとするアスタルテ。
すると液体はうねり細長い針を幾つも作り2人に襲い掛かる。その攻撃に直ぐに対応するアスタルテ。
「人工生命対保護条例・特例第二項に基づき自衛権を発動。
人工的に生み出された人工眷獣。アスタルテの背後から一対の半透明の羽が出現、その羽は半透明の腕となり遅いくる攻撃を受止める。
幾つかの針は弾く、だが手数が多く次第に捌き切れずに押されだしていた。
「ミスター古城、撤退を推奨します。ここは私が抑えます」
現状が芳しくないと判断したアスタルテは逃げるように古城に警告する。だが、古城は一歩も離れようとしない。
そして、
「やだ」
明確な拒絶を言い放った。
逃げることを否定した古城は黒い液体を睨みつける。
そこでアスタルテは気付いた。今の古城の瞳が血の様に真紅に染まっていることに……。そして、古城は右手を前に翳して。
「ぼくの中にいる何か。ぼくに力をかして、アスタルテを守るために……アアアアアァァァ!」
翳された手から急激な魔力が動き喚く。
第四真祖の血に眠りし理不尽の化身が、膨大な魔力と生命を奪い顕現する。
周囲を雷を纏わせ、黄金と見違えるほどの神々しい輝きを放つ獅子。
「これは教官の結界」
「いっけーーー!」
アズタルテが自分達2人を中心に結界を張られた事に気付いたと同時に古城は召喚した
小さくとも主たる古城の命に従い、敵たる存在に膨大な魔力の一撃を放たれる。放たれた一撃を受けた黒い液体は感電してブクブクと蒸発して消えた。
「きゅぅ……」
「ミスター古城?」
急に倒れた古城に多少驚きながらも身体を支えて状態を確認する。
どうやら魔力と体力を大きく取られて疲れ眠ってしまったのだろうと推測したアスタルテは分かりにくいが安堵する。
すると、2人の目の前に那月が現れた。
「急な魔力に気付いて駆け付けてみたら、暁が眷獣を召喚していたから咄嗟に結界を張ったが……何があったアスタルテ」
「正体不明の魔力物体に攻撃を受けました。狙いは……」
「暁古城……か」
あの攻撃は自身ではなく古城を狙っていたと推測するアスアルテ。
また厄介事に巻き込まれたなと嫌な表情を浮べる那月。すると、攻撃的な魔力に気付いた雪菜がこちらに駆けつけていた。
「古城!?」
「教師の前で授業を抜けてサボるといい度胸だな転校生」
「あっ南宮先生……後でお叱りは受けます。ですけど今の魔力は……」
睨まれ居辛くなる雪菜ではあったが古城が心配でそれど頃ではなかった。いったい何が起きたのか、古城が眷獣を召喚した理由、それらを那月に無言で問いかける。
那月は溜息をだして問いに答える。
「どうやら何者かの襲撃を受けた。狙いは暁古城だろ」
「そうですか……」
ある程度は推測していた雪菜はそれほど驚いてはいなかった。
今回の襲撃犯は子供となり弱った古城を狙った。ならば、その襲撃犯が古城を子供にした犯人の可能性が高いが、これと言って証拠もなく憶測でしかない。
もしかしたら第三者の攻撃を受けた可能性も捨てられない。
「……情報提供ありがとう御座います。この後は私が古城の面倒を見ますので」
「否定します」
「えっ?」
そろそろ午前の授業が終わり昼食のチャイムが鳴るであろう思い、古城を連れて一緒に食事でも取ろうと思っていた雪菜ではあったが、それを拒絶の一言を浴びせるアスタルテ。
アスタルテには珍しいと那月は思い傍観しる。
「……何故、ダメなんですかアスタルテさん?」
「現在、私は教官の命よりミスター古城を世話する任務に付いてます。その任務を遂行するためミス姫柊が出る幕はありません」
「……私は古城の監視の任務があります。アスタルテさんこそ出る幕はありません」
「…………」
互いに任務と言い訳をしながら古城の所有権を譲らない二人。それを呆れながら溜息を出す那月。そんな言い争いをしていると午前の最後の授業終了のチャイムが校内全体に鳴り響いた。