でも、懸命に続きは書き続けます。
朝に続いて学校の校門前ですらハプニングを起こしてしまう2人は、浅葱に連れられ体育館の裏側に来ていた。
雪菜と凪沙は硬いアスファルトで正座させられ、浅葱は2人の前で古城を抱っこして仁王立ちして睨みを利かせていた。
「そう……要約すると朝起こそうと部屋に入った時点で子供になっていた。そう言うことね?」
「はい」
「何で凪沙たちは正座されてるんだろ……」
理不尽な体罰に不満を愚痴る凪沙。確かに2人が正座される意味がないのだが雰囲気的に仕方なのかもしれない。そもそも、浅葱が何故怒っているのか理解できないでいた。
「……まぁ今の古城を部屋で1人にさせるのは不安なのは分かるけど、他に方法とかなかったの? 例えば深森さんとか……」
暁深森。暁兄妹の母であり
浅葱の案を聞いた凪沙は顔をしかめた。
「実は……連絡が取れないの」
「えっ何で?」
「それは私が説明します」
最初は南宮那月に連れて行き相談する予定だった。だが、そこで今の古城の状態を医療関係に知恵を持つ深森にも相談する事にした凪沙が連絡をしたのだが取れず、本社の方にも連絡をしたが所在不明と返答が返ってきたのだ。
説明を聞いた浅葱は納得し、2人を立って構わないと答えた。
「何か思い当たる節とかないの? 例えば変なのを食べたとか……」
「特に何かを食べたとかないと思うよ」
「はい。古城にも聞いてみましたが、そのあたりの記憶も曖昧みたでして……」
「そう、八方塞って訳ね……はぁ、何で古城はこうも厄介事を起こすのかしら……」
ジド目で自分が抱きかかえている古城を見る。
古城は見てくる浅葱に不思議そうに見詰返す。っで、浅葱は変なことを思い浮かべてしまう。
「(子供を抱っこしている母親ってこんな感じなのかな)」
古城と結ばれ、産んだ子を抱っこする気分を擬似的にだが体感した浅葱。
緩みそうになる頬を懸命に耐える浅葱、そこに何か第六感的な何かを感じたのは雪菜だった。
雪菜の心中では色々とドロドロとした黒い何かが渦巻く。
「(藍羽先輩に抱っこされてあんなに嬉しそうにして。私の方が抱っこは上手だと思うんですけど……思うんですけど!)」
「(何か雪菜ちゃんから黒い何かを感じるんだけど……)」
緩む頬を耐える為か黒いオーラを出している雪菜に気付かない浅葱、その隣で立っている凪沙はこれも第六巻らしき物で感付いていた。
実際、抱っこなど上手下手などないと思われるのだが雪菜は気付いていない。
そんな他所から見れば三つ巴の修羅場的な場面に、突如として1人の女性が出現した。
「おい貴様ら、HRが始まるぞ。さっさと教室に戻れ」
フリルがあしらった黒のゴスロリ服。日傘を広げ片手に扇子を持った見た目が中学生の女性。
南宮那月。彩海学園高等部の教師であり浅葱と古城の担任である。更に「空隙の魔女」と異名を持つ非常に優秀な攻魔官でもある。
「「「那月ちゃん!?」」」
急な出現に驚く3人。だが、それと同時に持っていた扇子で3人の頭部に鋭い一閃が入る。
「教師をちゃん付けで呼ぶな!」
一瞬の出来事で獅子王機関の剣巫である雪菜ですら反応することも出来ずに扇子の一撃を受けてしまう。周囲からちゃん付けで呼ばれることが多い那月は、どうすれば呼ばれないかと真剣に考えながら溜息をもらす。
すると浅葱が抱きかかえている子供に気付いた。
「……おい。見た目だけはビッチの万年処女の藍羽、そいつは誰だ?」
「ビッチじゃないし」
不名誉な呼び方に浅葱は反論すると、抱っこされていた古城が那月を見て反応した。
「ナツキちゃん!」
急に暴れだし古城は両手を目一杯に広げて那月に抱きつこうとする。浅葱も急に暴れられて抱っこの態勢を崩し古城を降ろす。
降ろされた古城は那月に抱きついた。
「ナツキちゃん!」
「きゅっ急に抱きつくな! 誰だ貴様は!? それと私をちゃん付けで呼ぶな!」
那月にとって見知らぬ子供が自身の名を叫びながら抱きついて来るのだ、驚くのは仕方ないだろう。
流石に子供には扇子では叩けず困惑する那月、そんな姿など中々見れないレアな表情に3人もそのやり取りを見守る。
「ナツキちゃんナツキちゃん、アスタルテはどこ? 遊びたい!」
「あっアスタルテの事も知ってるだと? ……お前、まさか……古城か?」
多少落ち着いた那月は冷静に抱きついて来る子供を分析して答えへと導いた。流石は「空隙の魔女」と呼ばれるだけはある。
自身が導いた答えを確認するため雪菜を睨みつける感じて見る。
「どう言う事だ転校生、説明してくれるんだろうな?」
「……はい」
何のヒントもなく子供が古城だと分かった那月に驚きながらも雪菜は事の経由を説明した。
経由を聞いた那月は1度頷いて考え込む。
「成程……原因も判らず。急に子供になってしまったっか……」
「ナツキちゃんナツキちゃん!」
「……えぇい、誰か古城の面倒を見ろ! 考えたいのにこう抱き付かれては考えたいのに考えられんではないか!」
古城とは言え子供である以上は暴力は振るえない。だからと言って無理矢理引き離そうにもガッチリとホールドしている為に中々離れない。
その抱き付く光景を見た雪菜と浅葱の2人の心中はかなり荒れていた。
「(さっきまで私に抱っこされて喜んでたのに……)」
「(次は南宮先生ですか……私じゃダメですか、そうですか)」
2人から黒い
慌しくなる中、学校のチャイムが周囲に響き渡る。
「はぁ……お前らは教室に向え。私も授業があるからアスタルテに面倒を見てもらう。良いな?」
溜息を吐きながら那月の案に3人は頷いた。
それを確認した那月は、古城を掴んで空間制御の魔法で瞬時に教員棟最上階の『南宮那月専用教員室』へと移動した。
そこには空や海より青い髪に無表情でメイド服を着た少女が立っていた。
名はアスタルテ。今から約二ヶ月前、キーストンゲートに鎮座されていた不朽体を取り戻す為に潜入した、殲教師ルードルフ・オイスタッハが最下層に向うゲートを突破させる為に生み出した、眷獣を埋め込まれた
今は南宮那月の後見人で三年間の保護観察処分を受けている。
「教官。何かありましたか?」
「あぁアスタ「アスタルテ!」ぬあ!?」
アスタルテに説明しようとした時、古城の大声で遮られた。
急に子供に抱きつかれ少し目を見開いたかに見えたが、アスタルテだが何時もの無表情で子供を見て那月に向く。
「……教官。子供の生態的特徴が、極めて高確率で第四真祖と一致します。説明を求めても構いませんか?」
「あぁその説明をしに来た。このガキは暁古城本人だ。何故、子供なのかは分からんがな……私は授業があるから古城の面倒を頼むぞ」
「
必要最低限の事を告げて那月は姿を消した。
今更だけの雪菜ってやっぱしヤンデレ属性持ってますよね?
さて、これからどの様に展開させたり話を織り交ぜたりしましょうか……。
出来れば感想や誤字脱字などを書いて下さればやる気に繋がると思いますのでお願いします。
あっメンタル弱いのでそっとで……(汗)