三人は森を急いで駆け抜けて行くと一件の家が見えてきた。
「はぁはぁ、ここまで来れば帝国兵も来ないでしょう…ああ、遅くなりましたが私はレナ・ブライトと申します!この子は娘のエステルです」
「エステルだよ!お兄ちゃんありがとう‼︎」
「………レイだ」
「レイ君ですか、危ない所ありがとうございます!」
母親は深く頭を下げてきた。
「いやそれはいいが、ここはどこなんだ?」
「⁇リベール王国のロレントですが?」
「リベール?ロレント?…では何故こんなにも自然が溢れかえっているのだ?」
「はい?」
「ん?」
双方会話が成立しなく混乱し、とりあえず家の中へと招待され話を続け、双方の話を整理して俺が出した答えが"別の世界"というぶっ飛んだ答えだった。
「別の世界ですか…」
「いや…別に信じなくてもいいさ、俺自身信じてないからな」
完璧に頭のおかしな奴が出す答えだったが、それ以外考えることができなかった。
核戦争が無かったのはもちろんのことで、導力器(オーブメント)や空の女神エイドスなど今まで生きてきたが聞いたことのない言葉が幾つも出てきて、それ以外考えつかなかった。
「いえ信じます!あなたが嘘をついて得することもありませんしそうゆう人にもみえませんから、何より恩人なのですし!」
「…そうか」
とりあえず信じてもらえたことに安堵した。
エステルは会話が難しく寝てしまったようだ、その後お礼をかねて一晩厄介になることになった、夕食は予想してはいたが戦争前のちゃんとした食事であった…まともな食事などいつ以来だったろうか。
「お兄ちゃん、大きいね!ねぇ高い高いして!」
「あっ、…あぁ」
「えへへ♪」
娘のエステルは俺を怖がらずに懐いてくれた、人懐こそうだと思っていたが見た目が怖い俺によく懐いてくれたな…。
その後、毛布だけもらい居間で横になり考えた。
「………案外存在するのかもな、空の女神とやらも…」
死ぬ運命だった俺を世紀末の世界からこの世界に連れてきて、再び命を呼び起こしたなど、神以外できはしないだろう。しかし……………
おそらくもう戻れる事はできないだろう、
「ケン、アイリ…マミヤ…俺はまだ死ねないようだ…」
だが、唯一の肉親のアイリ、あの人形のようにしか生きることができなかった妹は、俺から離れ自分の意志を持つことができた、…もう心配いらないだろう。
最愛の女マミヤにもケンがいる!心残りはあるしかし、俺は死ぬ運命にあったのだ。
ならばせっかくの命、俺はこの世界で義星として生きていこう!
向こうでケンが平和を掴もうとしているように!
それが愛を教えてもらった女、宿敵への俺ができる唯一の借りの返し方だ!
「ユダ…すまない、まだ行けそうにない」
んーレイの口調が掴めなく、なんかレイぽくないなどあると思いますが、これから少しづつ勉強して行きたいと思っていますので了承下さい。
4月25日 最愛と書く場所が最悪になっていた所を修正しました。