英雄伝説 南斗の軌跡   作:61886

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今回は…なんというか、ありきたりというか、レイとサラが若干崩壊しています、話も…すいませんありきたりで。


南斗の軌跡閑話 レイの休日!!

 

 

研修が始まり一週間が経とうとしていた。

 

 

俺の周りで大きく変わった事が二つほどある。

 

一つ目が城で働いているメイドが俺を見ても怯えなくなった事だ。

最初は怖いといい、隠れたり挨拶をしても返さずに逃げてしまう者がほとんどだったが、最近ではサラの助言のお陰で挨拶位はしっかりと返してくれるようになった。

しかし遠くでヒソヒソと話していて、そっちを向くと頬を赤らめて下を向いてしまうが何故だ?遠すぎて聞こえないが、ケンなら聞こえるのだが一体何を話しているのだろうか?

 

もう一つはサラが俺の事をさん付けで呼ぶのをやめ、タメ語に変わった事だった、元々敬語で話されるのはむず痒く何より年が同じなのに話されては少し頂けなかったので、それを話すと快く理解してくれたようで、会話に少し敷居が無くなったような気がする。

 

そんな俺は今、城の前でサラを待っていた、いつも道理の仕事着でも拳法着でもなく、戦争前に着ていたライダースのようなジャケットを着て待っていた。

 

サラが休日にグランセルを周りたいと言い出し、無理やり連れて行かれる形になったのだが…………遅いな。

 

 

すると門からいつものメイド服ではなく、フリフリの服を着たサラが出てきた。

 

 

「ごめんね遅くなって」

 

「まあいい、それより何処に行くんだ?」

 

「んーー特に決めてないよ、レイがあまりグランセルの事を知らないっていうから適当に回るから」

 

「…そうか」

 

しかしサラの私服……何というか少々……

 

私服について失礼な事を考えていると、察したようにサラは頬を膨らませ少々不機嫌になった。

 

 

「ぶぅー、レイ私の私服を見て子供っぽいと思ったのでしょう!?ふんーだ、いいもん子供っぽくても」

 

……何故分かったのだろか?

 

 

「いーんだもん、可愛いから、レイ"可愛いは正義"なんだよ!可愛いならなんでも許されるんだよ!……レイも名前は可愛いのにちっとも可愛くないんだから!」

 

 

「そ…そうか……いやいいと思うぞ俺は……」

 

 

「ふーん……ならいいや!」

 

……やはり女は分からん。

 

 

「まあいいや、早く行こ!」

 

 

不機嫌だったのが何処かに飛んで行き笑いながら前に出てきた。

 

 

 

「(……………………女の心がわりはおそろしいの………)」

 

 

どこぞのKINGと同じ事を思ってしまっていた。

 

 

大通りは休日と言うのもあり、多くの人々で賑わっていた、しかし中でもこの二人は注目が集まっていた。

 

方や長くウェーブが掛かった栗色の髪をした幼さが残る大きなリボンを付けた美女と言うよりも美少女が似合う女の子で、

方や体格がよくライダースがよく似合い、長い黒の髪を持ちワイルドな男前で美しいとも言える男が二人揃い街中を歩いているのだ、一目に着くだろう、おそらく普通の知らない一般人が見れば美男美女のカップルにしか見えなかった。

 

 

とりあえず、サラが東の行きたという場所に最初に行くことになった、どこだと思い付いて行っていると、アイスクリームを売っている移動式の売店であった。

 

とりあえず二人はそれぞれ買い、近くのベンチに腰をかけた。

 

 

「ふう、…最初新しい子がレイって言うから絶対に可愛子で休みの日に美味しい物を食べに行ったり可愛いぬいぐるみを見に行ったりだとか考えていたんだけどねー…はあ」

 

 

こいつ、だから最初男かって確認してきたのか。

 

 

「…悪いな男で」

 

少し皮肉で返してみたが、全く効いていないようだった。

 

 

「別にいいよ、私が勝手に妄想していただけだから、それにこれから可愛いを教えていくからね!覚悟してね」

 

 

 

…………目眩がしてきた。

 

 

 

その後はひたすら可愛いとは何かをサラは熱弁して、俺はただ「そ、そうか…」とだけ返して行った。

 

 

「…………でね、そのアネラスちゃんが可愛いのなんのってね、この前もお揃いのリボンを買ったんだけど………話きいてる?」

 

少し不満そうに、顔を膨らませきた。

 

 

「あっ、ああ」

 

 

「ふぅーんまあいいや、処でレイの友達ってどんな人がいるの?」

 

 

友達…か、即座に浮かんだのがケンとシュウだけだった…………よくよく考えると俺って少ないんだな…友達。

 

 

「友達…か、親友と言えるならば二人いる、一人は盲目だが心眼で全て見えて五感が半端なく良いやつだ、もう一人は2km先の声も聞こえ、猟犬並みの嗅覚を持ち56分くらい息を止められ、放たれた矢も止まって見える位の動体視力を持つ男だ」

 

 

数少ない親友と呼べる宿敵の事を話すと、サラは口を開けてポカーンとしていた。

 

 

「…なにそれこわい、最初の人は百歩譲ってまだ分かるけど、二人目は何者!?人間やめてるでしょ!」

 

 

人間やめてるか……そんなに凄いか?確かに凄いとは思うが、そこまでなのか?

 

 

「そうか?二人とも一ヶ月は飲まず食わずで生活できて、岩盤だろうが鋼鉄だろうが、引き裂いたり貫いたりしたりできるが、ちゃんとした人間だぞ」

 

 

サラは頭を抑え、唸っていた。

 

「……どこにそんな人が存在するのよ……」

 

 

「…俺の故郷はそんな奴らばかりだぞ、10m位の大男がいたり、燐を纏い相手を焼いたり、拳だけで水脈を開けたりできる奴らがいるが、そいつらも人間だ」

 

 

 

「………絶対にレイの故郷には行きたくないわね」

 

サラは終始自分の中の常識と葛藤していた。

 

食べ終わり、サラも治りエーデル百貨店に行くことになった。

一目散にぬいぐるみが売り場に行き、再びサラは葛藤していた。

 

 

「かあいいよ〜♡このクマさん欲しいな〜、こっちのネコさんも〜う〜」

 

 

……楽しそうで何よりだ。

 

 

今の俺の姿をケンやユダ達が見たら何と言うか………女に振り回されアイスを食べて、ぬいぐるみの前で女を待つ姿を見たら。

ケンやトキ、シュウならまだしも、ユダやサウザー、シンが見たら「腑抜けたか!?」だとか言ってきそうだな……マミヤやアイリにも見せられん…。

 

 

「ねえレイ!どっちがいい?」

 

 

サラは両手にクマとネコのぬいぐるみを持ち、訪ねてきた。

 

 

「………………分からん」

 

 

素っ気なくかえすと、再び頬を膨らまし、「ぶうー」と唸ってきた。

 

 

「レイ!女の子のお買い物で分からないだとかどっちでもいいだとかは絶対に言っちゃいけないんだよ!!」

 

 

「……すまない」

 

「まあいいや、両方買おうっと♫」

 

…なら何故聞いたのだ?

 

 

「あっ、レイ確か妹さんがいるんだよね!買ってプレゼントしたら?」

 

 

エステルにか、………果たしてあいつがぬいぐるみだとかを欲しがるか?……釣竿だとかスニーカーだとかの方が喜びそうだが…。

 

「いやいい、それよりも欲しがるような物があるからな」

 

 

サラは「ふぅーん」とだけいい、ぬいぐるみを持ち会計に行った。

 

その後は一通り回り、最後に俺が行きたい場所は?と言われたので、時間もよかったので中央区にある居酒屋に行く事になった。

 

 

ブレイザーギルドの前に、王都ということもあり野蛮そうな客もいなく、静かに夕食と酒を味わうことができそうだ。

 

サラは休日を有意義に使えて満足していた、俺もたまにはいいのかも知れないなこう言うのも。

 

 

 

「かんぱーい♫」「…………」

 

 

サラは度数の弱い果実酒を頼み、俺は割と強めのウイスキーを頼んだ。

 

 

「ぷはー、美味しいなこのお酒!レイは何飲んでるの?」

 

 

サラは俺が飲んでいたグラスを手に取り一口飲んで見たが、……すぐむせた。

 

 

「無理無理無理!?何これ?まずいよ」

 

 

そこまでまずいか?結構好きなんだが。

 

 

「もう少し大きくなれば分かるさ…」

 

 

「あっ、また子供扱いして ぶう〜同い年なのに〜」

 

 

今日何度目だろう、頬を膨らませるのは。

 

 

一時間位酒と料理に舌鼓を唸らせていると、乱雑にドアが空き数人の男達が入っていた。

 

 

 

 

「おい!親父酒だ!」

 

一人太った大男が声をかけると人数分の酒が即座に運ばれて、王都に似つかない下品な会話と品性の欠片もない笑い声を上げ、その姿を見て俺ら以外の客がそそくさと会計を済ませて店を後にした。

 

 

「(どこの世界にもモヒカンみたいな奴らはいるんだな…)」

 

 

すると、一人の男が此方を向き、口笛を鳴らしながら向かってきた。

 

 

「よーねえちゃん、俺らと飲まない?その男ほっといてさー、奢っちゃうよ」

 

 

ありがちというかベタというかそんな会話に少し目眩がした。

 

 

「大丈夫です、貴方達と飲むなんかよりも、ずっと楽しいですから!」

 

 

「なんだと!このアマ!!」

 

 

男が机を蹴り上げ、威嚇してきてゾロゾロと他の男も此方に向かってきた、しかし店主は見ていないふりをし、視線を合わせないようにしていた。

 

 

サラはビクつき俺の後ろに下がり隠れるように服を掴んでいた。

 

 

…しかたがあるまい。

 

 

「……悪いが元の席に戻ってくれ、食事中なのでな」

 

そう言うと、一人の大男が前に出てきて、俺の目の前まで顔を近づけてきた。

 

 

「悪いな色男、舐められて黙っているほどお人好しじゃねえんだよこっちは!」

 

「…………」

 

 

「なんだ、黙りか?なら金置いてとっと「臭い息を吹きかけるな豚」なっ!?」

 

 

レイの一言で大男は激怒し持っていたナイフを懐から出し、構えた。

 

 

「いいねー色男君〜殺したくなったよ、死ね!!」

 

 

ナイフを振りかざし、俺に向かって来たが

 

 

 

俺は持っていたナイフと男の服を切り裂き、後ろに突き飛ばした。

 

 

「ぶひ!」

 

 

……まるで豚だな。

 

 

 

「豚は豚小屋に行け、服なんか着るな………他の奴らはどうした?」

 

 

残っている雑魚共を睨みつけると、蛇に睨まれた蛙のように動かず、足を震わしていた。

 

 

 

「覚えてろよ!」

 

 

…………なんと言うか……ありきたりな台詞しか言えんのか?

 

 

豚共のおかげで興醒めし、会計だけ済ませて店を後にした。

店主からスカッとしたと言われ少しだけ負けてもらうことができたようだった。

 

 

◇◆◇◆

 

 

グランセル城に戻る時に少しサラに説教することにした。

 

 

「サラ、ああいう輩に無理に挑発するな、今日は俺がいたからよかったが……」

 

 

 

しかしサラは自信がありそうな顔であった。

 

 

「だから、レイがいたからだよ今日は、普段だったらあんな怖い人がいたらすぐ逃げるもん、それにレイより怖い人なんて中々いないから大丈夫!」

 

 

 

 

「………………」

 

 

何も言えなかった、信頼されて嬉しいのと、世間知らずというか………はあ。

 

 

こうして長い休日が過ぎようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありきたりな文で作者も目眩がしてきました、すいません。



途中アネラスが出てきましたが、のちのちその話も書いていきます!

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