ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
狭間綺羅々の場合
夜中の町を走るヒーローがいた。
黒いウェーブヘアで般若の仮面を付けて、黒いマントと黒いスーツを着込んだ、C級ヒーローのウェーブ般若。
「ふ~~~ちょっと休もうかな?」
ウェーブ般若が公園のベンチに座って仮面を取る。
その素顔はなんと寺坂組の紅一点の狭間だった。
「寺坂もアイツらも知らないだろうね。私がヒーローをやっていたなんて」
じつは狭間はB組の友谷改めパーカーゴーグル同様に、C級のプロヒーローをやっていた。
そして彼女は夜限定に活動してるが、その格好でよく他の人から怖がられたりしていた。
「今日は5人も驚かせたな?元々私って素顔でも驚かせたけど…」
溜息を吐きながらも仮面を着けて立ち上がった時に、後ろから何かの気配を感じ振り向いた。
それは髪も顔もないまさに。
「のっ、のっぺらぼう!!?」
突然の事で狭間は大声で驚いて腰を抜かしてしまった。
「おい、誰がのっぺらぼうだって?」
「え?その声?」
その顔がないのっぺらぼうな頭部が剥がれると、それはサイタマだった。
「サイタマ!でも、さっきまで顔が?」
「これが風で飛んできて、顔に張り付いたんだよ」
白いビニール袋を見せた。
「てか、俺の名を知ってたみたいだけど?」
「……私よ、私!!」
なんだかで恥ずかしくなったのか、仮面を取って正体を明かした狭間であった。
「あっ、お前か!なにやってんの?」
「ヒーロー活動。私アイツらに内緒でヒーローやっているの!」
「そうなんだ」
「ところで、アンタはなんでここに?」
「借りてたDVDを返しに行く途中」
そのレンタルDVDを見せた。
「とにかく、今日あった事と私がヒーローだって事は秘密にしておいてよね!」
「別に、俺そんなの一々話したりしねぇから」
「とにかく内緒だからね!!」
「はいはい、じゃあな」
そして狭間はサイタマと別れる。
「まさかミス肝だめし日本代表と呼ばれた私が、他人に驚かせてしまうなんて」
情けなくなる狭間だったが、そのまま夜のヒーロー活動を続けた。
吉田大成の場合
それは吉田が実家のバイク屋・吉田モーターズで、1人で店番をしていると、自転車に乗った男がやって来た。
「やぁ、大成くん」
「なんだ、また手伝いに来たのか?無免ライダー」
じつは無免ライダーはたまに、ここのバイク屋に手伝いに来ていて、そして吉田自身も、彼とは顔なじみであった。
「君の所の怪人だけど、本当に今は無害なのかい?」
無免ライダーはバイクを運びながらも、バイクのメンテをしている吉田に尋ねてみる。
「ああ。最初はいけすかなかったけど、今じゃあそれなりに仲良くやってるぜ!」
「そうか。でも、君が無事でよかったよ」
「無事じゃなかったら、こうやって会ってないだろ?」
この2人はまるで兄弟のような関係になっていた。
それからしばらくすると
「イヤッホーーーーー!!やっぱ風を斬る感覚は最高だぜ!!」
サーキットでは吉田がバイクを乗り回していて、無免ライダーは呆れながら見ていた。
「いくら君ん家の所有だけど、無免許は絶対に良くない事だっていつも言ってるのに」
「良いの良いの!嫌な事とかは走ってスッキリするもんだろ!!」
笑いながら返事を返すと、そのまま無免ライダーの前に止まる。
「なぁ、いつか本当に免許取ったらどうだ?そして無免ライダーから免許ライダーに改名したらいいんじゃね?」
ふざけ半分で聞いてみる。
「良いよ。俺はジャスティス号だけで十分だから!」
「それもそうだな」
2人は楽しく笑いあった。
そしてしばらくすると吉田と無免ライダーは昼を食べに出かけるのであった。
倉橋陽菜乃の場合
倉橋は生き物が好きで生物学者を目指している。
そんな彼女が密かにやっている事とは。
「さて、今日も行くか!」
倉橋は汚れてもいいようなジャージと、プロテクターを着込んで、カメラと手帳などを入れたバックを持って出かけた。
「さぁって、今日もやるよ。怪人怪獣観察!!」
彼女はやっている事、それは怪人と怪獣の調査。
ネットでなどで怪人警報している場所に、近づいてきて観察し調べるという、かなり危険な行為であった。
倉橋が怪物が出たという所に着いたけど、誰も姿がいなかったのでとりあえずベンチに座った。
[さてと、今まで調べた怪人の種類を見直そう]
バックからこれまでの怪人のデータが書かれた、手帳を取り出して見始めた。
[怪人にも生まれ方がさまざまあって、たとえば人間がなにかのコンプレックスや特別な環境で変身・変化した怪人。科学の力で肉体を改造された怪人。元々宇宙から来たり特別な条件で進化した怪人や怪獣と、今私が分かるのはこれだけよね]
ちなみに殺せんせーは科学で生まれた怪人に入ると思われる。
すると誰かが近づいてくるのに気付き、素早く護身用のエアガンとスタンガンを持って、後ろを振り向いた。
「倉橋…?」
「磯貝くん!」
それは買い物袋を持った磯貝であった。
「倉橋、なんでこんな危険な場所に?」
「それは、磯貝くんも同じでしょ?!」
「俺はただ、スーパーの特売日なので買い物してたら、サイタマさんと出会ったんだ」
「サイタマさんと!?」
磯貝の話によれば、あるスーパーが今日特売日なので、さっそく買い物に向かったが、丁度サイタマも買い物していから、途中まで一緒に帰ったのだったけども。
その時に警報が響き渡り、サイタマがすぐに走っていったので、磯貝も思わず追いかけた。
「へ~~~サイタマさんって意外と家庭的だね」
「それにしても、よくこんなに調べたね?」
これまで倉橋が調べた怪人怪獣のデータに驚いていた。
その時、大きな音が鳴り響いた。
「この音って!?」
「あっちだ!」
すぐさま音のあった方向に向かった2人が見たものは、サイタマと胴体に大きな穴が出来て倒れたキノコ怪人であった。
「これって、サイタマさんが?」
「当たり前だろ?」
サイタマの底知れない力に言葉が出ない2人であった。
「じゃあ、俺帰るからな」
「はい、またね」
サイタマが買い物袋を持ってこの場から去ったが、磯貝はキノコ怪人を見つめてなにかを考えた。
「あの、磯貝くん。まさかそれ持って帰って、食べるつもりじゃあ?」
「えっ!そ、そんな訳ないだろ!」
[あっ、図星みたい]
少し呆れ果ててしまう。
そしてさすがにキノコの姿をしてるけど、怪人なので諦めて帰っていた。
それから家に帰った倉橋は今日の事を手帳と、パソコンの日記に書いたりする。
[今回のキノコ怪人は、恐らくキノコの食べすぎで突然変異か、キノコそのものが進化した可能性あり。だけどやっぱり凄いのは、ヒーローサイタマだと私は思う]
こうして彼女の怪人探索は終了した。
狭間綺羅々がじつはC級ヒーローやってたり、吉田大成が無免ライダーと知り合いだったり、倉橋陽菜乃が怪人怪獣を調べて調査したりと、そんな話を考えてみました。
他のキャラにもやろうと思います。