ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物   作:ラルク・シェル

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番外編3

ある日。

殺せんせーは自動販売機で、あるジュースを見つめる。

 

「ゼリーソーダ・アズキ味・・・・・・・・・・どんな味でしょう?」

 

なんども見つめて財布の貯金も確認した。

ちなみに殺せんせーの全財産は310円で、自販機で売られているそのジュースは120円である。

 

[・・・・・今月ピンチですし、諦めましょうかな?]

 

その場を離れようとしたけど、やっぱり気になって引き返してしまう。

 

「うう・・・・・・・・・・なんか、どうしても気になりますね!」

 

殺せんせーはしばらく自動販売機を眺め続けてしまい。

だが、突然誰かが近づいて来たようなので、殺せんーはすぐに身を隠した。

普通だったら隠れずに、簡単な変装で済むのだが、近づいてくるのはヒーローであった。

 

「良いか?ヒーローは何事も目立たなければならない。分かってるよな?」

「はぁ・・・・・・・・・・」

 

サンバとラテンを合わせたド派手なタイツ衣装のB級ヒーロー・スーパースターTと、同じく浮世絵と歌舞伎をモチーフにしたマスクとスーツのC級ヒーロー・カブキサイクロン。

どちらも派手な格好をしていた。

 

「先輩、やっぱり僕なんか、ヒーローには向いてないと思います・・・・・・・・・・」

「なに言ってんだよ!生まれ変わりたいって言ってきたのはお前なんだぞ!高校でも先輩である俺が指導してんだから、もう少し自信を持てよ!」

「・・・・・・・・・・はい」

「とりあえず、ジュースでも奢ってやるから、元気出せよ」

「ありがとうございます」

 

2人はさっそく自販機で飲み物を買って、カブキサイクロンはオレンジジュースで、スーパースターTはゼリーソーダ・アズキ味にした。

 

「先輩・・・・・・・・・・前から思ってたんですけど、美味しいんですか?」

「慣れると癖になるんだぜ♪」

 

スーパースターTはゼリーが解れるように、よく振って飲んだ。

 

[・・・・・・・・・・やっぱり今回は、諦めるとしましょう]

 

殺せんせーはこの場から去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[しかし・・・・・・・・・・ちょっと飲んでみたかったでしたね]

 

殺せんせーが町を歩いてると、なにやら騒ぎが起きてた。

気になったのでつい行って見ると、そこは銀行だった。

 

「あの?何か?」

「えっ!あ・・・・・・・・・・じつはあの銀行に、強盗団・ハイエナが乱入してんだ!」

 

通行人が殺せんせーに驚くけど、それでもこの状況を話した。

ちなみに銀行の内部では

 

「おらぁ!さっさと金を用意しろ!!」

 

強盗団・ハイエナのリーダー、大キバが数人の手下を率いていた。

銀行員は、しかたなく大キバの指示に従ってしまうが。

 

「「待て!!」」

「あぁ?」

「貴様らはこの俺、スーパースターTと!」

「拙者、カブキサイクロンが相手をするでござる!」

 

スーパースターTとカブキサイクロンが現れた。

それからカブキサイクロンは、こういう出動の時にキャラを作っていた。

 

「あっ!B級のスーパースターTだ!」

「カブキサイクロンもいるぞ!」

 

周りの客と銀行員は歓声の声を上げる。

 

「やれ!」

「「「「おぅ!」」」」

 

大キバが手下に命令して、2人に襲い掛かった。

 

「行くぞ!」

「了解!」

 

最初に飛び出したスーパースターTは、まるでダンスを踊るかのように、避けてパンチやキックなどの技を決めて、さらに背中に背負った2つのブーメランを投げて、一気に5人を倒した。

カブキサイクロンも手裏剣で攻撃し、素早く華麗な武術で倒していくけども。

 

「ぐわっ!」

「カブキ!?」

 

するとカブキサイクロンは、身体にまるでなにかに噛まれた痕を残してやられ、大キバはいつのまにか両腕に、ハイエナの顎とキバをモチーフにした、グローブを装着した。

 

「よくも後輩を!」

 

スーパースターTはブーメランを剣のようにして攻撃してきたが、大キバのグローブで両方噛み砕いてしまい。そのままぶん殴られて吹っ飛んでしまう。

 

「けっ!たががB級に上がっただけで、俺に勝てるかよ!」

 

のびてる2人に自慢しながら蹴り付ける。

 

「さてと、さっさと金を!」

 

振り返ると手下の1人が倒れて、目の前には。

 

「ヌフフフフフ!」

 

覆面レスラー姿の殺せんせーが立っていた。

 

「なんだお前は!?」

「覆面教師です。今すぐ降参しなさい!」

「お前もヒーローの仲間かよ!テメェら!さっさとコイツも・・・・・・・・・・」

 

後ろを向くと手下が全員丸坊主になってのびてた。

 

「なっ!なに!?」

「さて、最後はアナタだけですよ」

 

殺せんせーが近づいてくるので、すぐにグローブで攻撃した。

 

「ん・・・・・・・・あれっ!」

 

だが、いつのまにか両腕のグローブが、野球のグローブに変わっていて

 

「さぁ、終わりですよ!」

「うわぁぁぁぁ!!」

 

そして大キバも丸坊主になって気絶してしまう。

 

「ではみなさん、どこかで会いましょう!」

 

殺せんせーはこの場から去った。

そしてしばらくすると、警察が来て強盗団・ハイエナを全員逮捕し、スーパースターTとカブキサイクロンの手柄という形になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日。

殺せんせーはいつものようにE組の部屋に入る。

 

「みなさん、おはようございっ、にゅああああああ!?カルマくん、その手にしてあるものは!?」

 

赤羽が持っているのは、昨日殺せんせーが飲みたがっていた、ゼリーソーダ・アズキ味のジュースであった。

 

「面白そうだから買ったんだけど、飲みたいの?」

 

赤羽の言葉に、殺せんせーは首を縦に振って返事する。

 

「じゃあ、110円♪」

「え?お金・・・・・・・・取るんですか?」

「当たり前でしょ?10円はおまけしてあるけど?」

 

赤羽が取引してきたので、殺せんせーが真剣に悩んだ結果。

 

「私には教師のけじめがありますが・・・・・・・・・・買います!」

 

そして赤羽に110円を払って、ゼリーソーダ・アズキ味をよく振って、そのまま一気に味わいながら飲んだ。

 

「殺せんせー、一応聞くけど味は?」

 

渚が殺せんせーに感想を聞いてみると。

 

「・・・・・・・・不味いですね」

「まぁ、そんなもんだよね」

 

期待はずれの味に殺せんせーはがったりする。




今回登場したオリキャラヒーローのスーパースターTとカブキサイクロンのモデルは、知ってたり気づいてると思いますけど、とってもラッキーマンのスーパースターマンと、TIGER&BUNNYの折り紙サイクロンです。

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