ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
僕は・・・・・・・・・・・・ヒーローになりたい!!
椚ヶ丘学園中学3年B組。ここに1人の男子生徒が居た。
彼の名は友谷悟。
学力と運動はB組で一番だが、地味であんまり目立たず、そして目標なんてものがなかった。
「最近、E組の奴ら調子乗ってるよな?」
「たしかに、美人の教師が居て、球技大会で野球部に勝利するわ!格下の癖にいい気になって・・・・・・・・・お前もそう思うだろ友谷?」
B組の男子がE組に対して愚痴を言って友谷にも尋ねる。
「別に、僕はあんまり気にしないし。むしろE組も、がんばってるって思うから」
でも友谷はあんまりE組の差別意識は薄かった。
「かーーーーーー!お前って奴は、対抗心とかそういうのないのか?」
「無理無理。だって悟くんって、目標が全然無いんだもの」
「成績は俺達より上だけど、アイツは絶対A組は似合わないからな?」
同じクラスの同級生にバカにされて、呆れされているのであった。
だが、それは同級生だけではなく担任の教師でも。
「全くアナタって人は、目標がないの?成績はいいけど中途半端よ?」
職員室で担任が友谷の成績を見て呆れ果てる。
そう友谷には苦手な教科がなければ、得意な教科が全然なく、テストでは全て70点や80点と中途半端な結果である。
「とりあえず。この成績ならE組落ちはないけど、A組行きは絶対にないわね!」
「はい・・・・・・・・・・・」
完全に教師にもバカにされてしまう。
だが、そんな彼にも1つ秘密があった。
それは放課後。彼が学校からだいぶ離れた所の林で、同級生に見られないように周りを見回し。
「良し!さっそく」
林に隠れながらゴソゴソと支度して出たのは、ゴーグルを着け灰色のパーカーを着てフードを被り、そして手作りのバッチも着けた友谷。
「今日もヒーロー、パーカーゴーグルのパトロール開始!!」
じつは彼は放課後と休日の日に、C級ヒーロー・パーカーゴーグルとして過ごしていた。
あれは友谷が中2の夏の時だった。
なんとか目標を見つけたいと考えた友谷は、ヒーロー協会の広告を見て、ついプロヒーローになった。じつは彼は小学生の頃、ヒーローに憧れたので願ったり叶ったりである。
「あっ!パーカーゴーグルだ!」
「パーカーゴーグルさん、前はありがとう」
地道に迷子の子供や年寄りを助けたり、火災や事故や怪人の避難誘導などをし続けた。そして元々友谷は運動は得意な上、学校で護身術を学んだりしてたので、引ったくりや強盗をなんとか退治していた。
もちろん身体を休む時間と勉強の時間を考えながら、せっせとヒーロー活動を続けたが、それでも彼は目標が見つけられなかった。
「どうしたの迷子かい?」
「うん・・・・・」
商店街で泣いてる迷子の子供に声をかける。
「じゃあ、僕と一緒にお母さんを捜しに行こうね」
友谷は子供の手をつないで母親を一緒に探した。
だけどその途中で渚とカエデが歩いていた。
「あれはE組の!いや、気づいてない筈だ・・・・・・・・普通にしよう」
友谷はちゃんと顔を隠してあるか確かめながらも、
「何あれ?変質者?」
[変質者?!]
「違うよ茅野。あれはヒーローのパーカーゴーグル。多分パトロールだね?」
カエデから不審者と勘違いされたけど、ヒーローオタクの渚はちゃんと分かっていた。
そしてなんとか子供の親を見つけて、またパトロールを再開した。
[ダメだ・・・・・こんなんじゃあ、全然目標なんて見つけられないよ]
途中ベンチで休憩しながらも、今の自分に悩み続ける。
だけど、その時どこからか、子供の悲鳴が聞こえたので、すぐさま向かう。
着いたのは車の解体場であった。
「どうしたんだ!何を・・・・・・・・・・」
そこで見たのは、自動車やバイクにブルドーザーやロードローラーといった、乗り物のスクラップで出来た怪獣・スクラッドン。
そしてスクラッドンに襲われる、小学生ぐらいの子供が3人である。
[かっ、怪獣!?]
「あっ!パーカーゴーグルだ!?」
子供達はすぐに友谷の方に駆け寄る。
「助けに来てくれたんだね!」
「でも大丈夫なの?」
「大丈夫だよ!だってヒーローだから!」
[ちょっと待ってよ!!僕が怪獣に勝てる筈なんてないだろ!?]
当然のように、彼は怪獣はもちろん、怪人となんて戦った事は全然ない。
だけど子供に期待されて、逃げたくても逃げられない状況に陥り。
「君達、早く逃げよ!ここは僕が何とかする!」
「ありがとう!」
なんとか子供達を逃がすことが出来たけど、その後は当然。
「ゴガガガガ!!」
「うわっ!ひぇ!?」
ただ逃げ回ってばかりだった。踏みつけられそうになったり、噛み付かれそうになったり、とにかく逃げまくった。
だけどついに蹴り付けられて、そのまま地面に叩きつけられる。
「痛たたたたた・・・・・・・・・・うわっ!!?」
なんとか身体を起こすけど、もうすでにスクラッドンの足が、友谷の真上にあって踏みつけようとした。
「た・・・・助け!!」
諦めかけたその時、バゴンッ!っと大きな音と一緒に、スクラッドンが吹っ飛んでいた。
隣を見てみると、緑色の巻き髪に黒いドレスで、幼女だと思えるほどの小柄で童顔な女性が立ってた。
[まさか・・・・・・・・S級上位の、戦慄のタツマキ!!]
彼女こそがS級2位で超能力者の戦慄のタツマキであった。
「アンタもヒーローなの?」
「はい・・・・・助けてくれて、ありが「情けないわね!勝てもしないのに立ち向かった挙句、逃げ回って助けを求めるなんて、ヒーロー向いてないんじゃないの!?」
「っっ!!?」
イタイところを言われてしまい、友谷はこの人生で1番心に傷が出来てしまった。
だがスクラッドンは起き上がると、さっきの攻撃なのかキレたかのような唸り声を上げて、2人に襲い掛かってきた。
「うわっ!!また!?」
「ガラクタの分際で、よくがんばるわね!」
タツマキは超能力で動きを封じた後、スクラッドンの両腕と首を捻るようにもぎ取って、そのまま頭部をプレスのように潰した。
「どうせアンタなんて、目標なんて考えず生きてるんでしょ?情けない」
ついにタツマキまで目標ないと、攻められてどこかに去っていく。
「なんだよ・・・・・・・目標って・・・・・・・・」
そしてついに友谷の我慢していたなんかが爆発した。
「僕だって目標が欲しいよ!でもそんなの全然無かっただけなのに・・・・・・・なんでそこまで酷く言われるんだよ!!僕だって努力はしたんだ。でもどうしても見つけられないんだよ!!」
自暴自棄になって泣き叫び続けた。
するとそこにサイタマがやってきた。
「おい、どうしたんだ?なに泣いてんだ?」
「アンタは?」
「怪獣が出たって聞いたから」
「ああ、怪獣なら別のヒーローが倒したよ」
「そうなんだ。でも、なんかまだ動いてるぞ?」
「えっ!?」
するとタツマキに倒された、スクラッドンが起き上がった。
さらにスクラッドンは引き千切られた首と両腕から、コードを出して他のスクラップを寄せ集めて再生した。
「なんだ?復活するんじゃん」
「待て!早く・・・・・早く逃げよう!?」
スクラッドンの元に向かう、サイタマをすぐに止める。
「いや大丈夫だって。俺、強いから」
「無茶だよ!僕は始め目標を作る為にヒーローになった!でも結局ここまでが僕の限界で、目標が見つからずこの有様だ!これ以上、僕を悩まさないで!!」
必死で止めようとしたけど、完全に修復完了したスクラッドンはまた襲い掛かる。
「オイル臭い!!」
の一言と共にスクラッドンを一撃でぶん殴り、そのまま上空で爆発して倒した。
「目標があるとか無いとか、そんなの個人の自由だろ?だったら思いついた事を目標にすりゃ良いだけだろ?座絶する前に限界を超えて前に進んだほうがいいぜ」
とサイタマが友谷にそう伝えると、どこかに行こうとした。
「だったら・・・・・アナタはどこに進むの?」
「俺はスーパー行く。だって今日は特売日だからな」
その言葉に、友谷はなにかに響いたのであった。
そして次の日、友谷はクラスのみんなに、自分はヒーローをやってる事を打ち明けた。当然みんなから驚かれて、これをクラス全員で秘密にするのだった。
それから友谷は、前よりも性格が明るく積極的になり、担任からも何かが変わったと驚かされた。
「良し!行くか!!」
ようやく出来た目標を掲げて、彼はヒーローを続けた。
[いつか強いヒーローとなって、アナタに追いつきたい!!]
椚ヶ丘学園の生徒にヒーローがいる話にしてみました。
ちなみにパーカーゴーグルの名前の由来はパーマンからです。