ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物   作:ラルク・シェル

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番外編その2では、オリヒーローでワンパンマンの単行本の番外をやってみます。


番外編2

僕は・・・・・・・・・・・・ヒーローになりたい!!

 

椚ヶ丘学園中学3年B組。ここに1人の男子生徒が居た。

彼の名は友谷悟。

学力と運動はB組で一番だが、地味であんまり目立たず、そして目標なんてものがなかった。

 

「最近、E組の奴ら調子乗ってるよな?」

「たしかに、美人の教師が居て、球技大会で野球部に勝利するわ!格下の癖にいい気になって・・・・・・・・・お前もそう思うだろ友谷?」

 

B組の男子がE組に対して愚痴を言って友谷にも尋ねる。

 

「別に、僕はあんまり気にしないし。むしろE組も、がんばってるって思うから」

 

でも友谷はあんまりE組の差別意識は薄かった。

 

「かーーーーーー!お前って奴は、対抗心とかそういうのないのか?」

「無理無理。だって悟くんって、目標が全然無いんだもの」

「成績は俺達より上だけど、アイツは絶対A組は似合わないからな?」

 

同じクラスの同級生にバカにされて、呆れされているのであった。

だが、それは同級生だけではなく担任の教師でも。

 

「全くアナタって人は、目標がないの?成績はいいけど中途半端よ?」

 

職員室で担任が友谷の成績を見て呆れ果てる。

そう友谷には苦手な教科がなければ、得意な教科が全然なく、テストでは全て70点や80点と中途半端な結果である。

 

「とりあえず。この成績ならE組落ちはないけど、A組行きは絶対にないわね!」

「はい・・・・・・・・・・・」

 

完全に教師にもバカにされてしまう。

だが、そんな彼にも1つ秘密があった。

それは放課後。彼が学校からだいぶ離れた所の林で、同級生に見られないように周りを見回し。

 

「良し!さっそく」

 

林に隠れながらゴソゴソと支度して出たのは、ゴーグルを着け灰色のパーカーを着てフードを被り、そして手作りのバッチも着けた友谷。

 

「今日もヒーロー、パーカーゴーグルのパトロール開始!!」

 

じつは彼は放課後と休日の日に、C級ヒーロー・パーカーゴーグルとして過ごしていた。

あれは友谷が中2の夏の時だった。

なんとか目標を見つけたいと考えた友谷は、ヒーロー協会の広告を見て、ついプロヒーローになった。じつは彼は小学生の頃、ヒーローに憧れたので願ったり叶ったりである。

 

「あっ!パーカーゴーグルだ!」

「パーカーゴーグルさん、前はありがとう」

 

地道に迷子の子供や年寄りを助けたり、火災や事故や怪人の避難誘導などをし続けた。そして元々友谷は運動は得意な上、学校で護身術を学んだりしてたので、引ったくりや強盗をなんとか退治していた。

もちろん身体を休む時間と勉強の時間を考えながら、せっせとヒーロー活動を続けたが、それでも彼は目標が見つけられなかった。

 

「どうしたの迷子かい?」

「うん・・・・・」

 

商店街で泣いてる迷子の子供に声をかける。

 

「じゃあ、僕と一緒にお母さんを捜しに行こうね」

 

友谷は子供の手をつないで母親を一緒に探した。

だけどその途中で渚とカエデが歩いていた。

 

「あれはE組の!いや、気づいてない筈だ・・・・・・・・普通にしよう」

 

友谷はちゃんと顔を隠してあるか確かめながらも、

 

「何あれ?変質者?」

[変質者?!]

「違うよ茅野。あれはヒーローのパーカーゴーグル。多分パトロールだね?」

 

カエデから不審者と勘違いされたけど、ヒーローオタクの渚はちゃんと分かっていた。

そしてなんとか子供の親を見つけて、またパトロールを再開した。

 

[ダメだ・・・・・こんなんじゃあ、全然目標なんて見つけられないよ]

 

途中ベンチで休憩しながらも、今の自分に悩み続ける。

だけど、その時どこからか、子供の悲鳴が聞こえたので、すぐさま向かう。

着いたのは車の解体場であった。

 

「どうしたんだ!何を・・・・・・・・・・」

 

そこで見たのは、自動車やバイクにブルドーザーやロードローラーといった、乗り物のスクラップで出来た怪獣・スクラッドン。

そしてスクラッドンに襲われる、小学生ぐらいの子供が3人である。

 

[かっ、怪獣!?]

「あっ!パーカーゴーグルだ!?」

 

子供達はすぐに友谷の方に駆け寄る。

 

「助けに来てくれたんだね!」

「でも大丈夫なの?」

「大丈夫だよ!だってヒーローだから!」

[ちょっと待ってよ!!僕が怪獣に勝てる筈なんてないだろ!?]

 

当然のように、彼は怪獣はもちろん、怪人となんて戦った事は全然ない。

だけど子供に期待されて、逃げたくても逃げられない状況に陥り。

 

「君達、早く逃げよ!ここは僕が何とかする!」

「ありがとう!」

 

なんとか子供達を逃がすことが出来たけど、その後は当然。

 

「ゴガガガガ!!」

「うわっ!ひぇ!?」

 

ただ逃げ回ってばかりだった。踏みつけられそうになったり、噛み付かれそうになったり、とにかく逃げまくった。

だけどついに蹴り付けられて、そのまま地面に叩きつけられる。

 

「痛たたたたた・・・・・・・・・・うわっ!!?」

 

なんとか身体を起こすけど、もうすでにスクラッドンの足が、友谷の真上にあって踏みつけようとした。

 

「た・・・・助け!!」

 

諦めかけたその時、バゴンッ!っと大きな音と一緒に、スクラッドンが吹っ飛んでいた。

隣を見てみると、緑色の巻き髪に黒いドレスで、幼女だと思えるほどの小柄で童顔な女性が立ってた。

 

[まさか・・・・・・・・S級上位の、戦慄のタツマキ!!]

 

彼女こそがS級2位で超能力者の戦慄のタツマキであった。

 

「アンタもヒーローなの?」

「はい・・・・・助けてくれて、ありが「情けないわね!勝てもしないのに立ち向かった挙句、逃げ回って助けを求めるなんて、ヒーロー向いてないんじゃないの!?」

「っっ!!?」

 

イタイところを言われてしまい、友谷はこの人生で1番心に傷が出来てしまった。

だがスクラッドンは起き上がると、さっきの攻撃なのかキレたかのような唸り声を上げて、2人に襲い掛かってきた。

 

「うわっ!!また!?」

「ガラクタの分際で、よくがんばるわね!」

 

タツマキは超能力で動きを封じた後、スクラッドンの両腕と首を捻るようにもぎ取って、そのまま頭部をプレスのように潰した。

 

「どうせアンタなんて、目標なんて考えず生きてるんでしょ?情けない」

 

ついにタツマキまで目標ないと、攻められてどこかに去っていく。

 

「なんだよ・・・・・・・目標って・・・・・・・・」

 

そしてついに友谷の我慢していたなんかが爆発した。

 

「僕だって目標が欲しいよ!でもそんなの全然無かっただけなのに・・・・・・・なんでそこまで酷く言われるんだよ!!僕だって努力はしたんだ。でもどうしても見つけられないんだよ!!」

 

自暴自棄になって泣き叫び続けた。

するとそこにサイタマがやってきた。

 

「おい、どうしたんだ?なに泣いてんだ?」

「アンタは?」

「怪獣が出たって聞いたから」

「ああ、怪獣なら別のヒーローが倒したよ」

「そうなんだ。でも、なんかまだ動いてるぞ?」

「えっ!?」

 

するとタツマキに倒された、スクラッドンが起き上がった。

さらにスクラッドンは引き千切られた首と両腕から、コードを出して他のスクラップを寄せ集めて再生した。

 

「なんだ?復活するんじゃん」

「待て!早く・・・・・早く逃げよう!?」

 

スクラッドンの元に向かう、サイタマをすぐに止める。

 

「いや大丈夫だって。俺、強いから」

「無茶だよ!僕は始め目標を作る為にヒーローになった!でも結局ここまでが僕の限界で、目標が見つからずこの有様だ!これ以上、僕を悩まさないで!!」

 

必死で止めようとしたけど、完全に修復完了したスクラッドンはまた襲い掛かる。

 

「オイル臭い!!」

 

の一言と共にスクラッドンを一撃でぶん殴り、そのまま上空で爆発して倒した。

 

「目標があるとか無いとか、そんなの個人の自由だろ?だったら思いついた事を目標にすりゃ良いだけだろ?座絶する前に限界を超えて前に進んだほうがいいぜ」

 

とサイタマが友谷にそう伝えると、どこかに行こうとした。

 

「だったら・・・・・アナタはどこに進むの?」

「俺はスーパー行く。だって今日は特売日だからな」

 

その言葉に、友谷はなにかに響いたのであった。

そして次の日、友谷はクラスのみんなに、自分はヒーローをやってる事を打ち明けた。当然みんなから驚かれて、これをクラス全員で秘密にするのだった。

それから友谷は、前よりも性格が明るく積極的になり、担任からも何かが変わったと驚かされた。

 

「良し!行くか!!」

 

ようやく出来た目標を掲げて、彼はヒーローを続けた。

 

[いつか強いヒーローとなって、アナタに追いつきたい!!]




椚ヶ丘学園の生徒にヒーローがいる話にしてみました。
ちなみにパーカーゴーグルの名前の由来はパーマンからです。

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