ハイスクールD×D 転生する骸殻能力者   作:リバードラゴン

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はぐれ悪魔祓い【エクソシスト】

その後、話し合いをしていたルドガーはふと、疑問を抱いた

 

「なぁ、リアス。」

 

「なにかしら?」

 

「一誠達は部活としてここに来れるが、俺はどうやって入ればいいんだ?」

 

そう、自分は部外者である。そんな自分が学校に来たりしたら通報されてしまう。ルドガーはそう思った

 

「そこのところは大丈夫よ。学校側にオカルト研究部の特別顧問として説明してあるから。」

 

「へ?」

 

ルドガーはその答えに驚愕した。そんなこと一人の生徒が決めていいのだろうか。

 

「お兄様に相談したらちゃんとOKしてくれたから大丈夫よ」

 

「リアスのお兄さんは、学校の関係者なのか?」

 

「ええ。だから安心して来ていいわよ。」

 

 

 

 

こんな感じでオカルト研究部の特別顧問となったルドガーであった

 

そして、一誠がリアスの下僕に、ルドガーが特別顧問としてオカルト研究部に出入りするようになって数日

 

 

 

「二度と教会に近づいてはダメよ」

 

リアスがご立腹で一誠に言った

 

なんでも、道に迷っていた教会関係者を教会まで案内したのだが、危うく自分も教会に入ってしまう所だったのだ

 

「教会は私達悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで神側と悪魔側の間で問題になるわ。いつ、光の槍が飛んでくるかわからなかったのよ?それでも、教会に用があるなら……。」

 

リアスはソファーに座り朱乃にいれてもらったお茶を飲んでいるルドガーを指差した

 

「ルドガーに頼みなさい。彼なら人間だし、ちょっとやそっとじゃ死にそうにないから大丈夫よ……多分」

 

「結構酷い言われようだね」

 

ルドガーは苦笑いを浮かべた

 

そんなルドガーをリアスは無視して一誠に説教を続けていた

 

敬語は無くていいって言ったけど、一応俺の方が年上なんだけどなー、と軽くショックを受けているルドガーするとそこへ

 

「大丈夫ですか?ルドガーさん」

 

「……元気出してください」

 

木場と小猫が励ましてくれた

 

「あらあら、大丈夫ですか?」

 

朱乃がいつもの笑顔でルドガーの頬を撫でながら言った

 

「ああ、大丈夫だ。ありがとうな」

 

皆の優しさにほっこりしながらも照れ臭そうにするルドガーであった

 

「お説教は済みました?」

 

リアスに話しかける朱乃

 

「朱乃、どうかしたの?」

 

「討伐の依頼が大公から届きました」

 

朱乃が言うには、はぐれ悪魔がリアス・グレモリーの活動領域内に逃げ込んだため、始末してほしいとのことだ

 

はぐれ悪魔とは、主を裏切る、もしくは主を殺したり等、なんらかの理由で主を持たない野良のことである

 

 

 

時間は深夜、ルドガーたちは町外れの廃屋に来ていた

 

「血の臭い・・・」

 

小猫が呟く

 

同時に殺気と敵意も感じる

 

ルドガーの隣で一誠はみっともなく震えていた

 

「二人共、いい機会だから悪魔としての戦いを経験してみなさい」

 

「マ、マジっスか!?お、俺、戦力にならないと思いますけど!」

 

「そうね。それはまだ無理ね」

 

あっさりと言い渡すリアス

 

「でも、悪魔の戦闘を見ることはできるわ。今日は私達の戦闘をよく見ておきなさい。ついでに、下僕の特性を説明してあげる」

 

「下僕の特性?」

 

「悪魔の駒(イービルピース)」爵位を持った悪魔は人間界のチェスの特性を下僕悪魔に取り入れたもの

 

主である悪魔を【王(キング)】そこから【女王(クイーン)】【騎士(ナイト)】【戦車(ルーク)】【僧侶(ビショップ)】【兵士(ポーン)」】の特性を作り出した

 

軍団を持てなくなった代わりに下僕に強大な力を分け与えることにし、悪魔の間ではゲームとなっている

 

「じゃ、じゃあ部長。俺の駒は、役割や特性って何ですか?」

 

「そうね、一誠は……」

 

「ストップ。敵が来た」

 

リアスは言葉を止めた

 

立ち込めていた敵意や殺気がいっそう濃くなる

 

「不味そうな臭いがするぞ?でもうまそうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」

 

地の底から聞こえるような低い声音

 

「はぐれ悪魔バイザー、あなたを消滅しにきたわ」

 

リアスが一切臆さず言い渡す

 

異様な笑い声が響く

 

「へえ、これが…。」

 

女性の上半身とバケモノの下半身、両手に槍らしき獲物を持った異形の存在

 

「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

「こざかしぃぃぃぃ!小娘ごときがぁぁぁ!その紅の髪のように、おまえの身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁ!」

 

吼えるバケモノだが、リアスは鼻で笑うだけ

 

「雑魚ほど洒落のきいたセリフを吐くものね。祐斗!」

 

「はい!」

リアスの命を受けて飛び出す祐斗

 

(悪くない速さだ)

 

「二人共、さっきの続きをレクチャーするわ」

 

リアスが再び解説を始めた

 

「祐斗の駒は【騎士(ナイト)】特性はスピード。 <騎士】となった者は速度が増すの」

 

リアスの言葉通り祐斗は徐々に速度を増していく

 

手にしていた剣でバケモノの両腕を切り落とした

 

「次は小猫。あの子は【戦車(ルーク)】。戦車の特性は……」

 

「小虫めぇぇぇぇぇぇっっ!」

 

バイザーが巨大な足で踏み潰そうとするが、小猫はそれを受け止め、持ち上げる

 

「【戦車】の特性はシンプル。バカげた力。そして、屈強なまでもの防御力。無駄よ。あんな悪魔の踏みつけぐらいでは小猫は沈まない。潰せないわ」

 

完全にバケモノの足を持ち上げてどかし

 

「……ふっ飛べ」

 

空高くジャンプし、バケモノのどてッ腹に拳を打ち込む

 

巨大なバケモノの体が後方へ大きく吹っ飛んだ

 

「凄いな……ん?」

 

ふと微かな気配を感じ取るルドガー

 

気配の先には先程祐斗が切り落としたバケモノの腕が不気味に動いていた

 

「最後に朱乃ね」

 

「はい部長。あらあら、どうしようかしら」

 

倒れているバイザーにいつもの笑顔のまま近づく朱乃

 

そうしている間に、切り落とされた腕がリアスに狙いを定め背後から襲いかかった

 

「蒼破刃!!」

 

シュッ!!ボン!!

リアスを狙う腕をルドガーは瞬時に双剣を振って剣圧で消し飛ばした

 

「っ!!」

 

ようやく気づき振り返るリアス

 

「気を付けないとね、リアス」

 

「え、ええ、ごめんなさい。」

 

ルドガーに礼をいい、朱乃を見るリアス

 

リアスの視線に無言で頷く朱乃

 

「あらあら、いけない子ですわね。部長におイタをしようなんて」

 

朱乃の両手に雷が走っている

 

「朱乃は【女王(クイーン)】。私の次に最強の者【兵士】【騎士】【僧侶】【戦車】全ての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」

 

朱乃を睨みつけるバイザー。それを見て不敵に笑う朱乃

 

「あらあら、まだ元気みたいですね?それなら、これはどうでしょう?」

 

朱乃が天に向かって手をかざす

 

カッ!

 

刹那、天空が光輝き、バケモノに雷が落ちた

 

激しく感電するバケモノ。じゅぅぅぅ、と煙をあげて全身丸焦げとなってしまった

 

「あらあら。まだ元気そうね?まだいけそうですわね」

 

再び雷がバケモノを襲う

 

「ギャァァッァァァァァッァ!」

 

すでに断末魔に近い声をあげているのに、さらに三発目の雷

 

(怖っ!!なんか、朱乃がミュゼに見えてきた…。)

 

前の世界の仲間だったミュゼのことを思い出し、身震いするルドガー

 

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。そして何よりもは究極のSよ」

 

(Sの前にドをつけんの忘れていると思う……)

 

「……うぅ、朱乃さん。俺、恐いっス」

 

怯える一誠

 

「怯える必要はないわ、イッセー。朱乃は味方にはとてもやさしい人だから問題ないわ。あなたのこともかわいいと言っていたわ。今度甘えてお上げなさい。きっとやさしく抱きしめてくれるわよ。特に……」

 

リアスはルドガーを見て言った

 

「あなたのこと気に入ってるみたいよ」

 

リアスの言葉に体を小刻みに震わせ、顔をひきつらせながら固まるルドガー

 

「うふふふふふふふ。どこまで私の雷に耐えられるかしらね?ねぇ、バケモノさん。まだ死んではダメよ?トドメは私の主なのですから。オホホホホホホッ!」

 

それから数分間、朱乃の雷攻撃は続いた

 

朱乃が一息ついた頃、リアスがそれを確認して頷く

 

「最後に言い残すことはあるかしら?」

 

リアスが訊く

 

「……殺せ」

 

バケモノから発せられたのはその一言だった

 

「そう、なら消し飛びなさい」

 

冷徹な一声と共に、リアスの手のひらから巨大でドス黒い魔力の塊が撃ち出される

 

魔力の塊はバケモノの全身を包み込む。魔力が宙に消えたとき、バケモノの姿も完全にそこにはなかった

 

文字通り消し飛ばされたのだ

 

「終わりね。みんなご苦労さま」

 

リアスの言葉に、みんながいつもの陽気な雰囲気に戻る

 

「部長、あの聞きそびれてしまったんですけど」

 

「何かしら」

 

「俺の駒……っていうか、下僕としての役割はなんですか?」

 

「【兵士(ポーン)】よ。イッセーは【兵士】なの」

 

一誠の期待は一瞬で打ち砕かれたのだった

 

 

 

 

 

 

はぐれ悪魔討伐から数日後

 

ルドガーは部室のソファーの上で寝ていた

 

特別顧問になったはいいが、特にやることが無いため、こうして暇な時間は鍛練か、睡眠時間に使っているのだ

 

そんなある日の深夜

 

「……さん、ルドガーさん。起きてください」

 

誰かが自分を起こそうとしているが、構わずに再び眠りに付こうとする

 

「起きないと……うふふふふ……」

 

次の瞬間

 

バチバチバチバチッ!!

 

聞き覚えのある音に

 

「うおっ!」ガバッ!!

 

マッハで起きるルドガー

 

「あらあら、残念ですわね。もう少しでイタズラできたのに」

 

目の前に飛び込んできたのは、いつもの笑顔で自分を見ている朱乃の姿

 

「はぁ。年上をあんまりからかうんじゃないよ」

 

「あらあら、それはすみませんでした」

 

いたずらな笑顔で言う朱乃

 

「それで、何かあったのか?」

 

ルドガーの言葉にリアスが答えた

 

「どうやら、一誠君の契約先で問題が起きたみたいなの。それも、かなりまずい状況。とにかく話は後、行くわよ」

 

眠そうにしているルドガーの手を朱乃が引っ張り、魔方陣の中に立たせる

 

魔法陣が赤く輝きだし転送が始まる

 

転送先された先はごく普通の一軒家だった

 

真っ先に目に付いたのはボロボロになった一誠の姿

 

その前には神父らしき少年が光の剣と銃を手に立っていた

 

「ひゃっほう!悪魔の団体さんに一撃目!」

 

こちらに気づいた神父がいきなり切りかかって来る

 

ガキン!

 

金属音が部屋中に響く。神父の一撃を祐斗が剣で受け止めた

 

「悪いね。彼は僕らの仲間でさ!こんなところでやられてもらうわけにもいかないんだ!」

 

「おーおー!悪魔のくせに仲間意識バリバリバリューですか?悪魔戦隊デビルレンジャー結集ですか?いいねぇ。熱いね。萌えちゃうねぇ!何かい?キミが攻めで彼は受けとか?そういう感じなの?」

 

つばぜり合いのさなかに、神父は舌をベロンベロンと出して頭を揺らしていた

 

完全にこちらをバカにしている神父

 

「下品な口だ。とても神父とは思えない。いや、だからこそ、はぐれ悪魔祓い【エクソシスト】をやっているわけか」

 

「あいあい!下品でござーますよ!サーせんね!だって、はぐれちゃったもん!追い出されちゃったもん!っていうか、ヴァチカンなんてクソくらえって気分だぜぃ!俺的に快楽悪魔狩りさえ気が向いたときにできれば満足満足大満足なんだよ、これがな!」

 

(完全にイカれているな。何を言っても無駄だろうな)

 

「一番厄介なタイプだね、キミは。悪魔を狩ることだけが生き甲斐…僕たちにとって一番の有害だ」

 

「はぁぁぁぁ!?悪魔さまには言われたかないのよぉぉ?俺だって精一杯一生懸命今日を生きているの!てめぇら糞虫みてぇな連中にどうこう言われる筋合いはねぇざんす!」

 

「悪魔だって、ルールはあります」

 

微笑みながら言う朱乃だが、視線は鋭く敵意と戦意を神父に向けている

 

「いいよ、その熱視線。お姉さん最高。俺を殺そうって思いが伝わってくる。これは恋?最高!これ最高!これ最高!殺意は向けるのも向けられるのもたまらんね!」

 

「なら、消し飛ぶがいいわ」

 

声の主であるリアスが一誠の横に立つ

 

「イッセー、ゴメンなさいね。まさか、この依頼主のもとにはぐれ悪魔祓いが訪れるなんて計算外だったの」

 

そう言って一誠を見るリアス

 

傷だらけの姿を見てリアスは目を細めた

 

「イッセー、ケガをしたの?」

 

「あ、すみません……そ、その撃たれちゃって……」

 

笑って誤魔化そうとする一誠

 

「私のかわいい下僕をかわいがってくれたみたいね?」

 

途端にリアスの声が低くなる。明らかにキレている

 

「はいはい。かわいがってあげましたよぉ。本当は全身くまなくザクザク切り刻む予定でござんしたが、どうにも邪魔が入りまして、それは夢幻となってしまいましたぁ」

 

「ちょっと静かにしてくれるか?」

 

怒りのこもった声で、今まで黙っていたルドガーが口を開く

 

「はいはい、それはさーせんね。あれぇ?君は人間なんだ?でもぼくチン間違って君のことも殺しちゃうかも知れないから、死んじゃったらゴメンねェ~」

 

不気味な笑いを発しながら剣を構えながらルドガーに向かって走る神父

 

「心配無いよ。俺が死ぬ事は無いから」

 

そう言うと同時に双銃を取り出すルドガー。そして銃口を神父に向けた

 

「ブラッディブレイズ!!」

 

凄まじい早さで銃を撃ちまくり、エクソシスト神父は血の華を咲かせた

 

「ぐふっ!!」

 

そしてルドガーは蹴りを放ち、神父を吹き飛ばした

 

「この……ヤロ……」

 

フラつきながら起き上がる神父だが、相当なダメージだったのか膝をついた

 

ルドガーはトドメといわんばかりに右手を神父に向けて発砲しようとしたが

 

「退くわよ!」

 

リアスが大声で止めた

 

「この家に複数の堕天使が近づいていますわ。ルドガーさん!!」

 

「くそッ!!分かった!」

 

すぐさま一誠を魔法陣に投げるルドガー

 

魔法陣が赤く光り、一誠達の姿が消える

 

そしてすぐさまルドガーも窓から飛び下り、全速力で学校へと向かっていった

 

神父は血を垂らしながらもルドガーの背中を憎らしげに見つめていた




こんにちは、こんばんはリバードラゴンです。

ヤバイ…。ルドガーが怒った所ってどう書けばいいんだろうか(T_T)取り敢えず書いてみましたがとても不安です。

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