言い訳としましては、携帯でこの作品を投稿しているのですが、その携帯を落として壊してしまい、しかもアプリのバックアップをとるのを忘れるという不幸が重なり、遅れてしまいました。
申し訳ありませんでしたm(__)m
『ふぅ…暑いな…。』
見渡す限りの緑色。澄んだ空気。ムシムシとする熱気を浴びながらルドガーは荷物を背負って、ある山を登っていた
まだ初夏の季節であっても山を登りながらであれば十分暑い。バッグからミネラルウォーターを出し、飲みながら目の前の道を憂鬱そうに眺めるルドガー。すると、
「あらあら、大丈夫ですか?ルドガーさん。良かったら使ってください」
ルドガーの後ろから声を掛けたのは、同じぐらいの荷物を背負いながらも汗一つ掻いていない朱乃であった。そしてその手にはタオルが握られていた
『あぁ。ありがとうな朱乃』
そう言ってルドガーは朱乃からタオルを受け取り、汗を拭いた
『それにしても長いな。まだ着かないのか?』
「もう少しですから頑張って下さい、ルドガーさん」
永遠に続く様に感じる山道を眺めうんざりとした表情になるルドガー
「うおおおぉぉッッッッッ…!」
そんなルドガー達の横を物凄い表情と速度で一誠が走っていった
『なんだあれ……?』
「あらあら。」
ルドガーは呆れながら、朱乃はあまり驚いてない様子で一誠を眺めていた
何故ルドガー達が山奥を登っているのかと言うとそれはライザーが部室にやって来た次の日まで遡る
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『修行?』
「ええ。貴方に修行をつけて欲しいのよ」
何時ものように図書室で本を読んでいると、リアスがルドガーに話しかけてきた。そして、その内容はレーティングゲームの為に修行をして欲しいと言うものだった
『…知っているとは思うが俺は人間だからな。魔力の操作、何てものは何一つ出来ないぞ?』
「ええ、その事はちゃんと分かっているわ。だからルドガーには身体的な事を皆に教えて欲しいのよ。お願い出来るかしら」
『…分かった。修行に参加しよう』
「ありがとうルドガー!」
リアスはとても嬉しそうな表情を浮かべ、喜んだ
『ところでリアス、場所は何処でやるんだ?ソーナに聞いた、冥界ってとこじゃないよな?そうしたら俺は入れないぞ』
ルドガーはふと浮かんだ疑問をリアスに聞いた
「場所はちゃんと人間界でやるわよ、グレモリーが所有する別荘でやるから問題はないわ。……それより」
『?(なんだろう、威圧感が……)』
突然リアスの声が低くなり、若干後ろの方に黒いオーラが出ているような気がした
「なんでルドガーが生徒会長の事を下の名前で呼んでいるのかしら?」
ニッコリとした笑顔なのに目が全然笑ってない表情でルドガーを見つめていた。その表情にルドガーは冷や汗が止まらなかった
『え、ええっと…実はだな……。』
リアスの変わりように若干声が震えながらもソーナとの事を話した
「そうだったの、ごめんなさいねルドガー。ルドガーが生徒会の方に行っちゃうのかと思って焦っちゃったわ」
ルドガーの話を聞いたリアスは先程の黒いオーラがなくなり、何時ものように笑っていた
『(……リアスは怒らせない様にしよう)』
ルドガーは心の中でそう呟いた
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「ルドガーさん」
ルドガーが顔を向けると、朱乃がルドガーを呼んでいた
『ん?どうした朱乃?』
「どうしたも何も、もう着きましたよ」
その言葉にルドガーは前を向くと其処には
屋敷があった
『……は?』
その光景にルドガーは開いた口が塞がらない様子であった
「あら、どうしたの?ルドガー。そんな鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして」
そんなルドガーに横からリアスがやって来た
『……いや、え?此処…で合ってるのか?』
「ええ。此処が私の別荘よ、どうかした?」
いまだ呆然とするルドガーの問いに当たり前の様に答えるリアス
『いや…何でもないよ。(これが格の差か……。)』
かつて莫大な借金を背負っていた自分には到底出来ないことを当たり前の様に言われて心の中でショックを受けるルドガーであった
「さてと!それじゃあ早速修行を始めましょうか!」
あのあと、別荘の中を回りそれぞれの部屋で荷物を置いたメンバーは動きやすい格好に着替え、また外に集まった
「今回はルドガーが皆の事を見てくれるって事だから、一誠と一緒に皆の元を回っていくという形でいくわね」
「了解です部長!」 『わかった』
勢いよく返事をする一誠とルドガーであった
~レッスン1~ 木場との剣術訓練
「じゃあ始めようか一誠君、ルドガーさん。」
そう言って此方に木刀を投げる木場
「よっしゃあ!やってやるぜ!」
そう意気込み、木刀を構える一誠
「よっはっ」
「おりゃ!おりゃぁぁ!」
気合いは良かったものの、一誠はガムシャラに木刀を振り回し木場に避けられていた
『うーん…やっぱり一誠の場合は体術、格闘で攻撃した方が良いと思うぞ。木場だって本気も出さずに隙だらけの一誠と相手にしているんだからな。これは当然だけど一朝一夕で剣術を身に付くわけがない』
最小限の動きで一誠を相手をしている木場と大振りで木刀を振り回す一誠を見てルドガーはそう提案した
「あっ!」
すると一誠の木刀が木場によって弾かれ宙を舞った
「そうですね。ルドガーさんの言う通り10日で剣術を覚えるのは不可能ですね」
ルドガーの提案に木場を賛成のようだ
「くそ~、悔しいな」
一誠が悔しそうな表情で呟いた
『そう落ち込むな一誠。木場はもっと前から剣術を習ってきたんだ、素人がいきなり玄人に勝てるはずが無いからな。その為の修行だ、焦らず修行していこうな』
「……はい!」
ルドガーの言葉にまた元気を取り戻したようだ
「じゃあ、次はルドガーさんですね」
そう言って此方に木刀を投げる木場、しかし
『そうは言ってもな、俺は双剣使いだしな。木刀は使わないさ』
そう言うとルドガーは木刀を一誠に渡し、落ちている適当な木の枝を拾った
『うん。これで大丈夫かな』
何度か素振りをし、具合を確かめるルドガー
「本当にそれで大丈夫ですかルドガーさん?」
心配そうに聞く木場
『大丈夫だよ。じゃあ早速お手合わせ願うよ、グレモリー眷属の騎士【ナイト】様?』
涼しい顔でルドガーと木場が対峙する。―――――次の瞬間、ルドガーの姿は一誠たちの視界から消えた。
「なっ!?消えた!?」
ルドガーが消えたことに驚きを隠せない一誠
ガッ!
『やっぱり防ぐか』
ルドガーは木場の後ろに瞬時に回り込み、木の枝を降り下ろしたが、それは防がれてしまった
「……まさか、いきなり僕の背後から攻めるなんて驚きましたよ。それに物凄く速いですね。僕の目でも追い掛けられませんでした」
木場はルドガーのスピードに驚きながらも若干興奮したような声でルドガーに言った
『あはは。やっと本気になったかな?手加減は要らないから全力で来な』
そう言って再び向かい合う二人
「ハアッ!」
木場がルドガーに向かって本気のスピードで迫っていった。しかし
『遅い!』
「「なっ!」」
ルドガーは持っていた木の枝で木場の木刀の腹を叩き、木場の剣の軌道を逸らした
その行動に木場と一誠は驚きを隠せなかった
「くっ!」
即座に木場はルドガーの元から離れ、再び全力のスピードでルドガーに迫り攻撃した
『ハアッ!』
「ッ!」
しかし剣は避けられ、ルドガーの木の枝で手首を叩かれて木刀を落としてしまった
「………参りました」
そして木場はその場に座り込んでしまった
『木場。お前のスピードは確かに速い。だがそれだけなんだ。剣の軌道や動きが単調、教科書通りなんだよ。だからどんなにスピードが速くても動きが読まれてしまうんだ』
「そう…ですか」
木場の問題点について話すルドガー
『だが、悪いところばかりでは無いぞ』
その言葉に反応して顔を上げる木場
『お前のスピードは本当に速いんだ。元々お前はスピードが速かったんだろう。其処に悪魔の駒【イーヴィルピース】のお陰で速くなっているからな、単純なスピード対決なら俺も勝てるかわからないぞ』
ルドガーは優しげな笑みを浮かべながら木場の肩を叩いた
「!……ありがとうございます!」
その言葉に木場の顔にも生気が戻ってきたようだ
「さて、それじゃあ修行を再開しようか」
「「はい!」」
一誠と木場は元気よくルドガーの声に答え、訓練を再開した
~レッスン2~ 朱乃との魔力訓練
「魔力と言うのは体から溢れるオーラを流れるように集めるのです……ってルドガーさんに言っても駄目でしたね」
木場との訓練を終え、次はアーシアと一誠と共に朱乃に魔力の訓練をしてもらっているルドガーだったが
『そうだな…俺は悪魔では無いからな、まぁでも魔法"もどき"だったら使えるからな。使い方とかは勉強になるよ』
「確か、アブソーバー…でしたったけ?」
『ああ、それの力を借りて魔法"もどき"を使っているんだ』
そう言うとルドガーは双剣を取り出して朱乃に見せた
ボッ!
「!」
すると、ルドガーの双剣がいきなり炎を出して剣に纏われた
「やっぱり凄いですね。魔力の反応が全くありません」
朱乃はとても興味深そうに双剣を眺めている
しかしルドガーは双剣をしまってしまった
「あぁ……もう少し見ていたかったのに」
朱乃は残念そうに顔をしかめながらルドガーを見つめた
『まぁまぁ、今は俺よりも一誠とアーシアを見てくれよ。』
ルドガーは微笑みながら朱乃に言った
「むぅ…分かりましたわ。ルドガーさんのはまた今度見せて貰いますわ。……今度は二人っきりで」ボソッ
『ビクッ(!なんだろう、寒気が……)』
ルドガーは何か背中に冷たいものを感じながら次の場所に向かって行った
~レッスン3~ 小猫との格闘訓練
「うおおおぉぉ!!」
「えいっ……」
ドゴッ!
「ぬががあああああああああああっ!」
これで十回目の巨木との熱い抱擁に成功する一誠。それを見てルドガーは苦笑いを浮かべるしかなかった
「…………弱っ」
小猫がそんな一誠を見て毒を吐いていた
『一誠、ただ突っ込むんじゃなくて相手の動きを観察して、攻撃パターンを読み、かわし、隙をついて攻撃をするんだ』
そしてルドガーは一誠を起こしたあと小猫と向かい合った
『それじゃあ宜しく頼むよ』
「……いきます」
それだけ言うと小猫は走り出した。木場程ではないが、常人から比べるととても速いスピードだ
「シッ!」
顔面目掛けて拳を突き出してくる小猫の拳を紙一重で避けながら一誠に話し掛けた
『こんな感じで最初は相手の攻撃をかわしながらもよく見るんだ。すると…』
小猫は攻撃が当たらないルドガーに焦り、大振りの攻撃を仕掛けてしまった
「しまっ!」
直後に失敗したような声をあげる小猫だったが、そこを見逃すルドガーではなく、その大振りの攻撃を横から腕を掴み、その力を受け流しながら優しく小猫を地面に投げた
『こんな感じで相手の隙をついて攻撃すれば、力が弱くても勝てることがある。ただ、必ずでも無いから気を付けるんだ』
「おお!」
ルドガーの実演に興奮の声をあげる一誠
「……さすがです。ルドガーさん」
小猫が起き上がり、感嘆の声をあげた
『大丈夫だったか?なるべく優しく投げたんだが……』
ルドガーは小猫の洋服に付いた葉っぱを取りながら心配そうに聞いた
「へ、平気です」
小猫はその行動が恥ずかしかったのか顔を赤くしていた
『そっか。それはよかった』
そんな小猫に気付かずに頭を撫でるルドガー
『……小猫って家で飼ってた猫と何か似てるんだよなぁ』
ルドガーは感慨深そうに小猫の頭を撫でながら呟いた
「ルドガーさんは猫を飼ってたんですか?」
小猫は恥ずかしながらも気持ち良さそうにしながらルドガーに聞いた
『ああ。ルルっていうんだが、結構気まぐれでな結構兄さんと一瞬に引っ掻かれたな。あと凄い食いしん坊でな、量を減らさないとって悩んで……うぉっ!』
すると突然小猫がルドガーに向かって先程とは比べ物にならないほど素早いパンチを繰り出した
「私はっ!太ってっ!いません!!」
ルドガーはギリギリ避けているが小猫のラッシュになす術が無いようだ
『ま、待て!別に小猫が太っているとは……』
「問答無用です!」
その後もルドガーの必死の弁解も聞いてもらえず、最終的に小猫は一誠と訓練(という名の憂さ晴らし)をして落ち着いた
~レッスン4~ リアスとの基礎訓練
「ほーら、イッセー!ルドガー!気張るのよー!」
「うふふ。頑張って下さい二人とも」
「おおっス!」
『任せろ』
険しい山道を駆け登り、背中に岩、身体に縄で巻き付けている一誠とルドガー。朱乃とグレモリーは岩の上で座っており、一誠とルドガーは山道を駆け登っては降りての繰り返す。舗装されていない山道でだ。何十往復もした頃にリアスは終了の言葉を告げた。だが、それは一瞬だった
「次は筋トレね。腕立て伏せいくわよ」
「へ、へーい……」
『了解だ』
ノロノロと疲れた体で腕立て伏せの姿勢をした一誠の背中に容赦なく岩を載せる。さらにその上にリアスが乗った
「今のイッセーにはこれが限界そうだからしないわ。さーて、腕立て伏せ300回。いってみましょうか」
「オースッ!」
「じゃあ、ルドガーさんも始めましょうか」
朱乃はそう言うとルドガーの下に魔方陣を展開させた。するとルドガーの周りだけ重力をさせたようで若干地面が凹んでいた。そしてそんなルドガーの上に乗ってルドガーに声をかけた
「じゃあルドガーさんも始めましょうか。腕立て伏せ300回」
『あ、ああ。分かった…(やっぱりミュゼにしか見えない……!)』
朱乃のSな表情に冷や汗を流すルドガーであった
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『おーい、夕食が出来たから集まれー』
そう言うと皆一斉にテーブルに集まり、驚いた表情を浮かべた。テーブルの豪華な食事に驚いているようだ
「……これ、ルドガーが全部……?」
リアスは開いた口が塞がらない様子でルドガーに聞いた
『ああ。作るのが楽しくなってしまってな。作りすぎてしまった』
椅子に座って各々と料理を口にするリアス達。すると一拍して
「う、うめぇぇぇ!」
「凄く美味しいですね、ルドガーさん」
「美味しいです……。」
「「「…………」」」
一誠、木場、小猫はとても気持ちのいい食いっぷりであった。しかしリアス、朱乃、アーシアの三人が物凄く落ち込んでいた
「ありがとうな。お代わりもいっぱいあるから遠慮するなよ」
「……おふぁわりです」
「あはは。もっと落ち着いて食べても大丈夫だぞ」
頬っぺたを膨らませながら茶碗を付きだす小猫に苦笑を浮かべる。茶碗を受け取ってご飯を持って渡すとまた直ぐに食べ始めた
「ルドガーさん、僕も貰っていいですか?」
木場も茶碗をルドガーに差し出した
「勿論だ」
「ルドガーさん、俺も!」
「分かったから落ち着けって」
困った様な笑みを浮かべながらも嬉しそうなルドガーは茶碗を受け取ってご飯を盛り二人に渡す
「…………おふぁわりです」
「…………俺が食う暇もないな」
ズイと付きだされる茶碗にルドガーは思わず失笑する。一方、落ち込んでいたリアスたちは
「……まだよ……私だって頑張れば……」
「……悔しいですけれど美味しいですよ、ルドガーさん」
「ううう……私も負けない様に頑張ります……」
と、落ち込みながらも料理を口にしていた。
そして、その後は別荘にある温泉に入り就寝したりとしながらルドガー達は日々は過ごしていった
初めて評価をつけてくださった『tomono』様、初めてメッセージを下さった『かなやわ』様、本当にありがとう御座います。評価や感想などを頂けると凄く嬉しいです
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