ハイスクールD×D 転生する骸殻能力者   作:リバードラゴン

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どうも、リバードラゴンです。

今回、フェニックスの眷属にミラという女の子がいるので名前を原作から変えさせて頂きました。ご了承下さい。


不死鳥、現れる

 

 

リアスがルドガーの家でハプニングを起こした次の日。今日も、いつも通り図書室に行き本を読んだ後、放課後になりオカルト研究部に向かっていた

 

ちなみに、今日は昨日のように授業が終わった後も居ることはなく、早々に図書室を出たことにより騒動になることはなかった。

 

そうしてオカルト研究部への廊下を歩いていると

 

「あっ!ルドガーさん!」

 

後ろから声を掛けられ振り向くと、そこにいたのは一誠、アーシア、木場の三人がおり一誠が声を掛けたようだ

 

「ルドガーさんも部室に行くんですか?」

 

『ああ、用事も何も無いしな。』

 

「そうなんですか!なら、一緒に行きましょうよ。」

 

そんなこんなで四人でオカルト研究部へ向かっていた。そして、部室の前まで来ると突然木場がハッとしたように顔を上げた

 

「……まさか僕がここまでくるまで気づかないなんて……」

 

「へ?どうしたんだ木場?」

 

「どうかしましたか?」

 

一誠とアーシアは気づいていないようだが、木場は扉の奥からの気配に気づいたようだ。

 

『木場は気づいたようだな…。まぁ、敵では無いから安心しろ。一誠とアーシアは入ったら分かるよ』

 

ルドガーはそう言うと部室の扉を開けた。

 

そこには昨日に会ったグレイフィアの姿があり、そしてその傍に不機嫌な形相のリアス、そしてニコニコ顔だけど、どこか表情が冷たい朱乃に、相変わらず無表情の小猫の姿があった。

 

「全員そろったわね……でも部活を始める前に少し、話があるの」

 

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

 

リアスはグレイフィアの申し出を断ると、席から立った

 

「実はね――――」

 

リアスが何かを言おうとした時だった。

 

部室の床の一面に、魔法陣が出現した。

 

そしてそれはグレモリ―家の紋章では無かった

 

「……フェニックス」

 

ルドガーの傍で木場がそう呟いた

 

その紋章から炎の熱気が部室の中を包み、そしてその炎の中心に男の姿があった

 

「ふぅ……久々の人間界だ」

 

そこにいたのはスーツ姿の男であった、スーツをネクタイを付けずに着崩していて、ボタンを胸が見えるくらいまではだけている状態だ

 

容姿は整って入るが、所々の行動が鼻につく奴であった

 

「やぁ、愛しのリアス」

 

そしてフェニックスは、リアスのほうを見ながらそんなことを言った

 

「誰だお前!いきなり部長を呼び捨てにしやがって!」

 

フェニックスの発言に食って掛かる一誠

 

「おいおい、リアス……下僕の教育がなってないんじゃないか?俺を知らないとは……」

 

「教える必要がないもの」

 

リアスがきっぱりとそう断言する

 

「兵藤一誠様」

 

するとグレイフィアさんは一誠の前に来ていた

 

そして話し始める

 

「この方は古い家柄であるフェニックス家の三男坊にして将来が有望視さえている上級悪魔の一人…………ライザ―・フェニックス様でおられます」

 

グレイフィアは「そして」と付け加える

 

「この方はグレモリ―家の次期当主……すなわちリアスお嬢様の婚約者でいられます」

 

そこまでは予想していなかったルドガー、小猫、木場、アーシアは驚愕の表情を浮かべ一誠は

 

「……こ、婚約者ああああぁぁぁぁぁぁああ!?」

 

と、絶叫していた

 

 

一誠side

 

「ん~、リアスの『女王』が淹れてくれたお茶は格別だな」

 

「恐れ入りますわ」

 

ライザーが朱乃さんのお茶をほめる。

 

朱乃さんもこの男の事をあまりよく思ってないようだ。いつもの「あらあら」とか「うふふ」がない。

 

つか、何だこいつは。さっきから部長の隣に座って、好き放題しやがって。肩に腕を回したり、髪の毛を触ったり、軽い奴だな。

 

こんな奴が部長の婚約者だなんて、信じられないぜ。

 見てるだけでも腹が立つ!

 

だが、よく考えてみると、俺は部長の裸体を目の当たりにしているんだ。奴はせいぜい、髪を触ったり、太ももを撫でたりとかだ。ふふふ、ライザーめ、俺の方が勝ってるぞ!ふはははははははは!

 

「イッセーさん?何かいい事でもあったんですか?」

 

「え?ど、どうして?」

 

「さっきからにやけてますよ」

 

アーシアに指摘されてしまった。

 

「なな、何でもないよ?ア、アーシア」

 

「そうでしたか!ごめんなさい、イッセーさん」

 

うっ!アーシアの無垢な笑顔が俺の心を抉る…!!でもごめんよアーシア!それでも俺はエロを止められないんだ。俺がそんなことを考えていたとき部長が話はじめた

 

一誠side end

 

 

 

「いい加減にして頂戴、ライザ―。私は前にもあなたに言ったはずよ。私はあなたとは結婚しない……私は私の旦那様を自分の意思で決めるわ」

 

リアスはライザ―の手を振り払って、そしてソファーから立ってそう言い放つ

 

「しかしリアス……先の戦争で純粋な悪魔の72柱の大半は消えた。この縁談はそんな純粋な悪魔を減らさぬよう、俺の父やリアスの父、そしてサーゼクス様の考えの総意なんだよ。それに君のお家事情はそんなこと言うほど、切羽詰まっていないものでもないだろう?」

 

「家は潰さないし、婿養子は迎え入れるわ……でもそれは私が本気で好きになった人とよ……だからも一度、言うわ。ライザ―、私は貴方とは絶対に結婚しない!!」

 

リアスが真剣な瞳でそう言うと、ライザ―はリアスの目の前に立って睨みつけ舌打ちをする。そしてリアスの頬を掴んで顔を近づけた

 

「リアス……俺もフェニックスの看板を背負っているんだよ。名前に泥を塗られるわけにはいかないんだ。俺はお前の眷族、全員を燃え殺してでもお前を冥界に連れて帰…………なんだ、お前は」

 

ルドガーはリアスの頬を掴むライザ―の手を振り払い、そして至近距離でライザーを睨みつけた

 

『そこまでだ、ライザ―・フェニックス』

 

「……おい人間、この俺が誰だか分かって言っているんだろうな?」

 

『知らないな。ただお前が皆に手を出そうとするなら俺も容赦はしないぞ』

 

ルドガーはキレていた

 

ルドガーはリアス達の事を前の世界で旅を共にしたジュード達と同じぐらい信頼していた。自分の事を話した後も変わらず接してくれたリアス達を感謝していたからだ

 

その為、引くつもりなど一切無かった

 

『俺の大切な仲間を殺すつもりなら俺はお前を許さない。やるなら俺が相手だ』

 

「そうだ!テメェなんかにやられるかよ!俺も相手になってやる!」

 

ルドガーの後に一誠も続き、ライザーに喧嘩を売った

 

「……ははは!たかだか転生したての下級悪魔と脆弱な人間の癖にな……息がるなよ、小僧共ッ!!」

 

するとライザ―から炎が噴射するだからといってルドガーは怯まなかった

 

ルドガーはライザ―に対抗するように双剣を抜刀しようとした時、後ろから強烈な威圧感を感じた

 

「おやめくださいルドガー様、兵藤様、ライザ―様」

 

するとルドガーとライザ―の真横にグレイフィアの姿があった

 

そしてグレイフィアさんの体から漏れる威圧感が強力なものだった

 

「私はサーゼクス様の命によりここにいます故、この場に置いて一切の遠慮はしません」

 

「……最強の女王と称されるあなたに言われたら俺も止めざるおえない」

 

グレイフィアの言葉に臨戦態勢を解くライザーと一誠

 

『……お言葉ですが、俺はこの拳を抑える気はありません』

 

ルドガーはグレイフィアさんの前に屈せず立つ

 

『少なくとも、俺が納得するような説得があるなら別ですが……』

 

「……グレモリ―家もフェニックス家も当人の意見が食い違うことは初めから気づしていました……ですので、もしこの場で話が終わらなければということで最終手段を用意しました」

 

その言葉に思わずリアスが聞き返した

 

「最終手段?」

 

リアスはグレイフィアにそう質問すると、グレイフィアは話し続けた

 

「お嬢様……お嬢様が意思を押しとおすのであれば、ならばこの縁談を『レーティングゲーム』でお決めになるのはどうでしょう」

 

『レーティングゲーム』という単語でルドガー達は少し、驚いた

 

事前にリアス達から『レーティングゲーム』について聞いていたので、内容についてはわかっていた

 

『レーティングゲーム』は爵位もちの上級悪魔が自分の下僕を戦わせるゲームのことだ

 

だがそれは成人を迎えた悪魔でしか出来ないはずだが、非公式なら別の様だ

 

「リアス、俺は既に成人していて、レーティングゲームを幾度も経験している……それに勝ち星も多い……どう考えても、君が勝てるとは思えないけどな」

 

『……圧倒的な不利、か』

 

ルドガーはライザ―の発言を聞いて、そう呟いた

 

それは明らかなことであった

 

すでに何度もゲームを経験しているライザ―と、まだ一度もゲームをしていないリアスとでは、圧倒的な戦力差があるとわかっていた

 

「…………それだけじゃないです」

 

すると小猫の小さな声がルドガーの耳に通った

 

「おい、リアス……もしかしてと思うが、君の眷族はここにいるだけで全部か?」

 

「……ルドガー、そこの彼は眷属では無いわ。そして、彼以外で全員よ」

 

「……あはは!おいおい、それでこの俺と戦おうと言っているのか?君の下僕では『雷の巫女』と言われる君の『女王』くらいしか、俺の眷族とまともに対抗できないと思うが……それに」

 

ライザ―は朱乃さんの二つ名を呟いた後、指を鳴らす

 

すると部室の床にフェニックスの紋章が現れた

 

そして部室は再び、炎に包まれて、そしてその炎の中には15名の人影があった

 

「俺の眷族は全部で15名。フルでそろっているわけなんだが……だから君が俺に勝てるとは到底思えないね」

 

ルドガーはその人影を見る。そこには、男の姿はなく、全てが全て、美少女や美女と呼べるような女の子だった

 

それを見て一誠は涙を流しながらうつむいた

 

「なぁ……、リアス。そこの悪魔は何で泣いているんだ?」

 

「……イッセーはハーレム王になることが夢なのよ」

 

その言葉を聞いてライザーは気持ち悪い笑みを浮かべた

 

『はぁ…。』

 

それを見て思わず溜め息をしてしまった

 

「おい、人間…………もしかしてお前もうらやま」

 

『もしかしなくても、全くうらやましくないから大丈夫だ。』

 

その言葉を聞いて興味を失ったのか、ライザーは一誠の方に視線を向けた

 

「なぁ、そこの下級悪魔。お前ハーレム王を目指してるんだったな。じゃあ、こんなことしたことあるか?」

 

するとあいつの眷族の一人らしき大きな杖を持った女が、ライザ―に近づく

 

するとライザ―は、自分の眷族の女に貪りつくようにキスし始めた

 

その場面を見て一誠は血の涙が出そうなくらいの勢いで悔しがった

 

『お前……リアスと結婚するつもりでこの場にいるんじゃないのか?』

 

するとライザ―は眷族の口元から唇を離し、そしてルドガーの問いに答えた

 

「ああ、愛するぞ?―――俺のハーレムの一人としてな」

 

「ッ!!」

 

リアスがライザ―のことを軽蔑を含んだ目つきで睨みつける

 

「テメェ…。」

 

その言葉を聞いて一誠がライザーに向かって走り出した

 

「ブーステッド・ギア!!」

 

その言葉と共に一誠の腕に赤龍帝の籠手が装備される

 

しかし、

 

「ふん、ソラ、やれ」

 

ライザ―は小さく近くにいた棍棒を持った小柄の女の子に命令する。

 

するとソラは瞬時に一誠の前に出て、棍棒を突き立てた。しかし、

 

ガッ!

 

「「ッ!!」」

 

二人が衝突することは無かった。替わりにルドガーが二人の間に立ち、左手で一誠の拳を、右手でソラの棍棒を受け止めていた

 

『そこまでだ』

 

その光景にその場に居る全員が驚いた。誰もルドガーの動きが分からなかったからである

 

「ほぅ、やるではないか人間。そう言えばまだ名を聞いていなかったな。名乗るがいい」

 

その光景を視ても、ライザーは余裕の表情でルドガーに聞いた

 

『オカルト研究部の特別顧問、ルドガー・ウィル・クルスニクだ』

 

「ルドガーさん!何で止めたんですか!」

 

一誠は止められたことを不満に思っている様だ

 

『一誠。お前じゃあまだ彼奴には勝てない。勇気と無謀を履き違えるな』

 

ルドガーは一誠を諭すように話した。だが一誠は納得しなかったようだ

 

「そんなことありませんよ!あんな種まき焼き鳥野郎なんかに負けません!」

 

「種まき!?焼き鳥だと!?貴様ァァァァァッ!!」

 

一誠の言葉に激昂するライザー

 

「……矛を納めください」

 

するとその間にグレイフィアが溜息を吐いたように立っていた

 

「しかしグレイフィア殿!奴は俺を馬鹿にした!」

 

「ですが、先に馬鹿にしたのはライザー様のほうです……これ以上するなら、サーゼクス様の女王として、あなた方を粛清します」

 

グレイフィアの本気の殺気が部室に広がる

 

ルドガーでも少し寒気を感じるほどだ

 

アーシアは既に恐怖で体を震えている

 

小猫も同様で、木場も冷や汗をかいているようだ

 

「……わかりました。ならばそれは、レーティングゲームで決めよう……リアス!」

 

「ええ……私もあなたとのレーティングゲームを受けるわ……そして消し飛ばしてあげる!」

 

リアスはルドガーの前に立って、ライザ―と睨みあう。

 

すると、ライザーがルドガーに向かって提案した

 

「そうだな、其処の人間も参加するといい。非公式だからな。丁度いいハンデだ」

 

そのライザーの提案に対してルドガーの返答は……

 

『いや、その必要は無い』

 

拒否、であった。その答えにライザーだけでなく、全員が驚いた

 

「なんだ?怖じ気づいたか?」

 

『まさか。俺が居なくても勝てるからな。それに、俺達が勝ったときに俺を言い訳に使われたくないからな』

 

「貴様…。どれだけ俺を怒らせたいんだ……?俺がお前ら何かに負けるはずがないだろう」

 

ルドガーに言葉に青筋を浮かべるライザー

 

「……ではゲームはこれから10日後の今日。それにて全てを決着とします」

 

グレイフィアの言葉で、ライザ―は魔法陣を展開させて眷族と共にその中に入る

 

「そこの下級悪魔。10日後だ……その時、貴様をフェニックスの炎で焼き殺してやろう。そして、人間。貴様も俺を虚仮にしたことを後悔させてやる」

 

ライザ―はそう捨て台詞を言うと、そのまま魔法陣から消えた

 

『すまないな、リアス。勝手に決めてしまって』

 

申し訳なさそうにするルドガー

 

「いいのよ、気にしないでルドガー。それにしても10日後ね…。」

 

思案するようにリアスは呟いた

 

『リアス。俺はゲームには出れないがサポートは出来る。リアスは渡さないから安心しろ』

 

ルドガーは真っ直ぐな瞳をリアスに向けた

 

「ルドガー…。ありがとう」

 

この時ルドガーはリアス達を勝たせて見せる、そう心に決めたのであった

 

 




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