機動戦士ガンダムSEED 夢の果て   作:もう何も辛くない

8 / 52
増えてる…、お気に入り登録が増えていくうううううううう!!!!!!








ということで、第5話です


PHASE05 壊される拠り所

セラは、スピリットのコックピット内に乗り込んでいた

コロニー全域のNジャマーの数値が急上昇した

ムウの言った通り、ザフトが再び攻めてきたのである

 

 

「でも、艦を守れって言ったって…、どうすればいいんだ」

 

 

ソードストライカー、剣を装備したストライクに乗り込んだキラがつぶやく

実際、実戦経験はないと言っていいキラ

ジンを撃墜したものの、それはセラとの戦いで片腕を切り落とされた状態でそのうえ、セラに気を取られていたのである

戦闘という戦闘を経験していないキラ

 

 

「大丈夫だって。さっきの俺の戦い見てただろ?なんか相手の人も相当有名だったみたいだし、そいつと互角に戦えた俺がいるんだからさ」

 

 

モニターの中のセラがおどけた感じでキラに声をかける

 

 

「セラ…」

 

 

キラは情けなく感じた

兄である自分が弟に励まされる

セラだって、怖くないはずがないのだ

しかし、それを見せないようにして自分を励ましてくれる

 

覚悟は決めた

人を殺すことにはまだ戸惑いがある

だが、この艦は守る

大切な人たちが乗っている艦

そして、セラ

大切な肉親

絶対に守る

守ってみせる!

 

その時、スピリットとストライクのアラートが鳴る

モニターに目を向けると、そこにはキラが開けた穴からジンが入り込んでいた

 

 

 

 

 

 

「おいおい、なんてこった!ありゃ、拠点攻撃用の装備だ!あんなんでここで戦うつもりか!」

 

 

今、攻め込んできたジンが装備してきた装備は、かなりの重装備だ

ムウが言った通り、それは拠点を攻撃するためのものであり、それをここで使えば、コロニーはひとたまりもない

もうラウは、ここを完全に敵勢国家だと考えているのだろう

 

 

「くそったれ!」

 

 

ムウのMAはまだ出られない

CIC席に座り、サポートするしかできないことがもどかしい

 

死ぬんじゃねえぞ…!坊主ども!

 

ムウは、いや、この場にいる全員がセラとキラの無事を祈る

 

 

「この反応は…、X303イージスです!」

 

 

アークエンジェルのクルーの1人、チャンドラ二世が報告する

 

 

「なに!?」

 

 

「まさか…!もう実戦に投入してきたというの!?」

 

 

そう、Xナンバーの機体が奪われてから、まだそう時間は経っていない

戦力に乏しい自分たちと違い、戦力に余裕があるはずのラウの部隊がなぜ奪ってきたばかりでまだ不安が残る機体を使うとは…

あの機体が信用されているのか?それともパイロットが優秀なのか?

まあどちらにしても…

 

 

「坊主どもが死なないようにサポートしなきゃな…!」

 

 

 

 

 

 

 

セラたちが戦闘準備しているとき、シエルはトールたちと談話していた

 

 

「へえ、シエルはセラに助けられたんだ?」

 

 

シエルがセラと知り合った経緯を聞いたトールたち

その中のミリアリアが、シエルに返事をする

 

 

「ミリアリアたちは同級生なんだよね?みんなは同い年?」

 

 

「ううん、私とトール、キラ、カズイは16歳で、サイは17歳、セラは14歳だよ」

 

 

「え?14…さい?」

 

 

シエルはセラの年齢を聞き、驚愕する

シエルは、(もうわかっているだろうが)ザフトである

そのザフトの中でも最年少は15歳のニコルである

それよりも年下、さらに、正規の軍人とは違うため訓練も受けていない

それなのに戦うと決心するとは…

 

 

「…」

 

 

ダメだ…

セラは敵なのだ

ミゲルを圧倒し、あのクルーゼ隊長とも戦えるほどの力を持つ、恐ろしい敵なのだ

だから

 

 

「心配なんて…、しちゃダメ…」

 

 

 

 

 

 

セラとキラはザフトの部隊と交戦を始めようとしていた

 

 

「あの機体は…!」

 

 

キラは、目の前の赤い機体を見る

あれには…、アスランが…

ストライクに乗る直前に視線が合ったあのザフト兵

その口は、きら、と動いた気がする

 

 

「…」

 

 

もし、あれに乗っているのがアスランだったら?

だとしたらなぜザフトに?

 

 

「兄さん!ジンは任せて!兄さんはあの赤いのを!」

 

 

セラの声で意識を引き戻される

スピリットはジンの群れに向かって飛んでいく

 

 

「…!」

 

 

キラはレバーを握りしめる

画面の向こうにいる赤い機体

レバーを倒し、赤い機体に向けて接近させる

むこうも同じく、こちらに接近してくる

そして、だいぶ接近し、大剣を振りかぶろうとしたとき、

モニターはむこうのパイロットの顔を映した

 

 

 

セラは機体をバーニアを吹かせ、ジンにむけて接近させる

そして、腰のサーベルを抜き、ジンにむけて振り下ろす

ジンはそれを後退することでかわす

それを追おうとするも、別のジンがミサイルをこちらにむけて放ってくる

 

 

「くっ…!」

 

 

セラはレバーを横に倒すことで、機体を横にずらし、かわし、ミサイルを撃ってきたジンに機体を向ける

 

 

「うおおおおおお!!」

 

 

そこに、別のジン、ミゲル機がスピリットに重斬刀を振り下ろす

 

 

「…!」

 

 

セラはそれに即座に反応し、サーベルで受け止める

そのまま鍔迫り合いの膠着状態になる

が、セラは感じた

 

…撃ってくる?

 

セラは力一杯レバーを前に倒し、ジンを押し返す

機体のパワーは圧倒的にこちらが有利なのだ

サーベルをつかんでいない左腕で、ジンをはじきとばす

そしてライフルを取り出し、ミサイルを撃ってこようとしているジンに向けて撃つ

ジンは慌てて行動を回避にうつす

しかし、ビームを回避したジンを待っていたのはスピリットの斬撃だった

ジンは頭から真っ二つにされる

 

 

「な…、なんだとぉ!?」

 

 

ミゲルはその光景を見て驚愕する

あの動き…、自分と戦った時よりも鋭いものだった

やはり、あの時は手加減されていたのか?

そう思うと、もともと灯っていた怒りの炎がさらに激しく燃え上がる

 

 

「くっそおおおおお!!」

 

 

ミゲルは機体をスピリットに接近させ、一心不乱に剣を振るう

その気迫はすさまじいものだ

だが、動きは単純だった

セラは相手の動きをうまく読み取る

そして、目の前の機体を落とそうとサーベルを振るおうとするが…

 

 

「…!ちぃ!」

 

 

もう1機のジンがこちらを狙ってミサイルを撃ってくる

セラは動きを中断させ、それを回避する

 

 

「遠距離の方を先に狙うか…」

 

 

セラはさっきから接近しようとしてくる機体から狙いを変更

別のジンに向けてライフルを撃つ

狙われたジンは後退しながら銃撃をかわす

セラはかわされることをわかっていながらもライフルを連射する

 

敵のパイロットは連射されるビームをかわし続ける

パイロットの意識は、こちらに撃たれるビームに向きかけていた

すると、急にビームが止んだ

 

 

「なにっ!?」

 

 

パイロットは気づく

スピリットが消えたことに気づいた

消えた?いや、そんなはずはない

見失った?だが、さっきまで目の前にいt

 

そこで、パイロットの意識は途切れた

 

 

「あと…、1機」

 

 

セラは相手がビームに気を取られたことを利用した

機体を急降下させ、相手の視界外に移動

ジンの真下までいき、そこから急上昇

サーベルでジンを切り裂いた

 

だが、自分がこうも簡単に人を殺していることに今更ながら驚く

人を殺すことに戸惑いを持っていたことは事実だ

だが、戦闘が始まると、そんなことは頭の中から消え去っていた

 

 

「…!」

 

 

そこで、セラは残りの1機がこちらにかなり接近していることに気がつく

ジンは重斬刀を振りかぶる

 

「そんな…」

 

 

セラはサーベルを振るい、刀をはじく

 

 

「単純な動きで…!」

 

 

相手がひるんだすきに後ろに回り込み、サーベルを一文字に振るう

ジンは横に真っ二つになって爆散した

 

 

「兄さんは…、!」

 

 

一通り戦闘を終えたセラ

キラがどうなったか気になり機体を向けたその時

 

イージスがこちらに向かって襲い掛かってきた

 

 

 

 

 

 

 

「アスラン!?アスラン・ザラ!」

 

 

「やはりキラ!キラなのか!?」

 

 

ストライクのモニターが映し出したイージスのパイロット

それはキラの昔の親友、アスラン・ザラだった

キラはその事実に驚く

 

気になっていた

月で別れたアスランが、あれからどうしているのかと

戦争が終わったら、会いに行こうとセラと話していた

それとも向こうから会いに来るかもと笑いあったこともあった

しかし、キラとアスランの再会のしかたは、そのどれにもあてはまらなかった

それも、最悪の形で再会してしまった

 

 

「なんで…、なんで君がここに!」

 

 

キラはアスランに向かって叫ぶ

なぜここに? なぜそれに?

疑問に思う

 

 

「お前こそ…、なぜそんなものに乗っている!?」

 

しかし、それはアスランも同じだった

このヘリオポリスにいる理由は、戦争を避ける為だと容易に予想できる

だが、なぜMSに乗っているのか

なぜ地球軍に味方しているのか

それがわからない

 

 

「うわああああ!」

 

 

「!ミゲル!?」

 

 

その時、アスランの耳に叫び声が届く

ミゲル機がいるはずの方向に機体を向ける

そこには

 

 

爆散するミゲル機

サーベルを振りぬいた体制で動きを止めるスピリットの姿があった

 

 

「あ…ぁ…」

 

 

他の機体の姿が見えない

キラと話している間に全員落とされてしまったのか?

 

 

「あ…、く…、くそおおおお!!!」

 

 

アスランは咆哮をあげながらスピリットに向けて、機体をはしらせる

 

 

「あ、待って!アスラン!それには!!」

 

 

スピリットに向けて飛んでいくイージスを追うため、キラも機体をはしらせる

 

 

「よくも皆をおおお!!」

 

 

アスランはビームサーベルを抜き、スピリットに向けて振り下ろす

スピリットもイージスに気づき、サーベルで対抗しようとする

接近した2機

キラと再会した時とほぼ同じ状況

 

モニターに、セラの顔が映った

 

 

「…え?」

 

 

アスランの動きが止まる

むこうの方にもアスランの顔が映っているのか、スピリットの動きも止まる

 

なぜ…、なぜ君までそれに乗っているんだ?

アスランは動揺を隠せない

キラに再会しただけでもかなり動揺しているのだ

そのうえセラにも…

 

 

「なぜお前までそこにいるんだ…?セラ…」

 

 

絞り出せた言葉は、それだけだった

 

 

 

 

 

「え…?アスラン…?」

 

 

セラはモニターに映りだされた人物

アスラン・ザラを見て驚愕する

セラも、キラと同じ疑問が頭に浮かぶ

 

 

「セラ!アスラン!」

 

 

キラが乗るストライクが、こちらに寄り添うように近づいてくる

それにより、スピリットとストライクが、イージスと対峙する形になる

 

 

「なぜ…、なぜだ、セラ!なぜお前までそれに…、!」

 

 

「ぐぅ…!?」

 

 

「うわっ!」

 

 

アスランがセラにも叫ぼうとしたその時

3機を震動が襲った

いや、3機だけではない

アークエンジェルも、コロニーの地面も

ヘリオポリス全体が揺れていた

 

描写はしていなかったが、アークエンジェルもジンと交戦を行っていた

全てセラが落としてしまったのだが、何とかサポートしようと主砲をジンに向けて放っていた

それはすべてジンにかわされるが、そのかわされた砲は、コロニーを破壊していく

そして、コロニーは限界を迎えたのだった

 

ヘリオポリスが、崩壊を始めたのだ

 

 

「ぐ…、キラ!セラ!」

 

 

イージスとスピリット、ストライクは互いに違う方向に飛ばされてしまう

コロニーに無数の穴が開き、そこから見える宇宙空間に吸い込まれてしまう

 

 

「うわあああああ!」

 

 

「くそっ!」

 

 

「キラああああ!セラああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘリオポリスが崩壊していく

クルーゼ隊の目の前で

アークエンジェルのクルーの目の前で

コロニーから脱出した避難民の目の前で

 

 

戦火に巻き込まれた少年少女たちの目の前で

 

 

セラたちの平和の象徴だったはずのヘリオポリスは

 

 

跡形もなくくずれさった

 

 

 




次回は、機体説明を載せるつもりです!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。