機動戦士ガンダムSEED 夢の果て   作:もう何も辛くない

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第2話です!

オリ機体がお披露目です!


PHASE02 ガンダム

ここはヘリオポリス管制区

ヘリオポリスのまわりをモニターし、見張っているのだが…

 

 

「接近中のザフト艦に通告する!貴艦の行動は我が国との条約に大きく違反するものである!

ただちに停船されたし!」

 

 

このヘリオポリスに、2隻のザフト艦が無断で接近してくるのである

中立であるヘリオポリスに対するこの行動は、当然違反である

ザフトもそれはわかっているはずなのだが…

 

しかしザフトの艦は止まらない

なおも接近してくる

 

 

「…!強力な電波干渉!ザフト艦から発信されています!」

 

 

突然の報告

信じられない

ここは中立だ

なのになぜ?

だが、ここでも戦火は牙をむく

 

 

「これは…明らかに戦闘行為です!」

 

 

中立であるはずのこの場所

職員に大きな衝撃を与えながら戦いは幕を開ける…

 

 

 

 

 

 

 

「敵の数は!?」

 

 

「2隻だ!ナスカ級ならびにローラシア級!電波干渉直前にモビルスーツの発進を確認した!」

 

 

ムウは、ザフトが攻めてきたという報告を聞き、すぐに自分の愛機、メビウス・ゼロに乗り込んだ

 

 

「ルークとゲイルはメビウスにて待機!まだ出るなよ!」

 

 

ムウは他のパイロットにそう指示を出す

 

そう、ここは中立なのだ

攻めてくるはずがない

だが、もしこのまま戦闘になったら

あの6機を出すのか?

いや、まだ早い

あいつらひよっこたちには、まだ戦場は早すぎる

まずなぜザフトがここを攻めてくる?

中立国を攻めるということがどういうことなのか

奴らがわからないはずがない

 

…まさか、ばれたのか?

モルゲンレーテと共同で秘密裏に開発されたあれが…

 

ムウがここまで思考を深めた時、ついにザフトのモビルスーツ、ジンが港に侵入してきた

 

もうダメだ

戦闘に入るしかない

 

 

「船を出してください!港を制圧されるわけにはいかない。こちらも出る!」

 

 

中立であるはずのここで、戦闘が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クルーゼ隊長の言った通りだな」

 

 

ザフトの赤いパイロットスーツを身にまとい、ヘルメットの向こう側で笑みを浮かべながら、

イザーク・ジュールは言った

 

 

「つつけば慌てて巣穴から出てくる…って?」

 

 

同じくザフトの赤服を身にまとう男、ディアッカ・エルスマンが口にする

 

彼らの他にも2人、同じ赤い服

そして10人ほど緑の服を身にまとう男たちの視線には

ザフトが攻めてきたと報告を受けたのか

慌ただしくなったモルゲンレーテの工場から巨大なコンテナを載せたトレーラーが出てくる

 

 

「あれだな」

 

 

今作戦で狙うのは、あのトレーラーに載せられているであろう地球軍の新型モビルスーツ6機

これに失敗すれば、ザフトにとってかなりの損害になるのだが…

 

 

「やっぱり間抜けなもんだ。ナチュラルは」

 

 

イザークがそう冷たく口にする

外で艦が戦闘行動を行い、中で奇襲を仕掛ける

こんな簡単な作戦に引っかかることは、コーディネーターではあり得ないことなのだ

 

 

「俺とニコル、ディアッカの班で右側の3機をやろう」

 

 

イザークが新たな人物を呼ぶ

 

ニコル・アマルフィ、年齢はこの中で最年少だが、

エリートの証であるこの赤服を着ているころから、かなり優秀であることがうかがえる

 

 

「なら、残りは俺とラスティの班だな」

 

 

「ああ、頼むぞ。アスラン」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、シエルに連絡は入れたか?」

 

 

「はい、本人もすぐに行動に移ると報告がありました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「?」

 

 

不意に、セラが空に目を向ける

そしてそのままきょろきょろと目を動かす

 

 

「おい、セラ。なにやってんだよ。行くぞ」

 

 

「…ああ」

 

 

トールに急かされたセラはいつの間にか3人との距離が離れていたことに気がつき、3人に駆け寄る

 

 

「どうしたんだよ、急に。何か探してたのか?」

 

 

「いや、何でもないよ」

 

 

何か…嫌なものを感じたから、なんて言ったら最後

再びいじられるのは目に見えている

 

ここはモルゲンレーテの社屋

ここでやることがあるため、セラたちはやってきたのだ

 

 

「お、キラ。やっと来たか」

 

 

セラたちが部屋に入ると、同級生のサイ・アーガイルがセラたちに顔を向けた

サイは、キラたちよりも年上なせいか、何かと皆のまとめ役になっている

そしてこの部屋にはもう一人、カズイ・バスカークがいた

 

 

「…?」

 

 

セラが最初に気づく

もう一人、帽子を目深にかぶった少年

 

 

「誰?」

 

 

「教授のお客。ここで待ってろと言われたんだと」

 

 

小声で聞くトールに同じく小声で返すカズイ

セラが少年に奇異の視線を向ける

教授の客というには幼いのだ

それにこの少年はまるで…

 

 

「そんなことより、手紙のことを聞けよー!」

 

 

思考の渦に入り込んでいたセラの意識をトールの大声が戻した

どうやら車の中で話題に出たサイの手紙についてのことのようだ

これにのらない手はない

にししと笑みを浮かべながらセラはトールに羽交い絞めにされているキラに近づく

 

 

「!」

 

 

そこで、再び何か嫌なものを感じる

先程の比ではない巨大ななにか

セラは自分の勘に従いこの場にいる全員に大声で指示をだす

 

 

「全員、伏せろおおお!」

 

 

セラの大声が部屋中に響き渡る

しかし急に指示を出されても軍人ではないキラたちは従うことはできない

キラたちが一瞬あっけにとられたその瞬間

 

轟音が凄まじい揺れと共に彼らを襲った

 

 

 

 

「なんだ?」

 

 

「隕石か?」

 

 

キラたちが部屋を出て、エレベーターに向かって歩く中、セラは隕石の仕業ではないと確信していた

では、なんだ?

さっきの揺れはただ事ではなかった

隕石ではないのなら…

 

 

「…!」

 

 

一瞬でた、戦闘という言葉をセラは大きく頭を横に振り、打ち消そうとする

ここは中立なのだ

戦火に巻き込まれることはあり得ないのだ

それが嫌だったからここに来たのだ

 

しかし、セラの希望は打ち砕かれる

 

 

「ザフトに攻撃されてる!コロニーにモビルスーツが入り込んでいるんだ!」

 

 

「ええっ!?」

 

 

セラたちは驚愕の声をあげる

くどいようだが、ここは中立だ

戦争に巻き込まれることはないと、誰もがそう思っていた

しかし、なんにしても、ここを抜け出さなければならない

ショックを受けながらも歩き出そうとしたその時

 

セラの視界に、黒く、艶やかな長い髪をたなびかせながら走っていく女の子の姿が見えた

 

 

「え…、ちょっ…」

 

 

セラはその女の子を追うために走り出す

 

 

「な…おい!セラ!どこいくんだ…、あ!キラ!お前らどこ行くんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

少女は走っていた

自分の役目を果たすために

目的地はもうすぐだ

そう思い、足を速めようとしたその時

 

 

「はい、すとっぷ」

 

 

「!」

 

 

何者かに手をつかまれ、足を止められる

すぐさま手を振り払い、バックステップで距離をとる

そして体制を低くし、懐に隠してある拳銃に手をやりながら、何者かと対峙する

 

 

「あ…えっと、ごめん。驚かす気はなかったんだけど…」

 

 

自分を止めた…男?は、両手を軽く上にあげながら、申し訳なさそうに謝ってくる

 

 

「あ…ううん、こっちもごめんなさい。急に身構えちゃったりして…」

 

 

どうやらこの男?は、民間人のようだ

なぜこんなところに民間人がいるのか

 

 

「どうしてあなたはここにいるの?早くここから避難しないと危険だよ?」

 

 

自分を追ってきたのか

それはなぜ?

疑問に思った少女は男?に問う

 

 

「いや、それは君だって同じだろ!ほら、早く逃げよう!」

 

 

そう言いながら再び男?は自分の手をつかむ

そしてさっきまで自分が走っていた方向とは逆の方向に歩き出す

しかし、これは困るのだ

まだ自分はここでの役目を終えていない

 

 

「あの、私は大丈夫だから…。だから手を…」

 

 

「ダメ、信用できない。手、離したらまたあっちに向かう気だろ?」

 

 

「…」

 

 

鋭い…

いや、誰でもわかることかもしれないが

 

この状況をどう打破しようかと、思考を巡らせる

 

 

「危ない!」

 

 

「…きゃっ!」

 

 

思考を巡らせ始めたその時、急に男?に押し倒される

 

 

「え…、ちょっと…」

 

 

「…あ、ごめん」

 

 

男?は、謝りながら自分の上からどけると、視線を後ろに向ける

そっちはさっきまで歩いていた方だが…

 

 

「あ…」

 

 

「ふさがれちゃったね…」

 

 

さっきまで歩いていた通路がふさがれてしまったのだ

これでは外に避難することができない

 

 

「んー…、これじゃ仕方ない。危険だけど、工場を経由してシェルターにいくか…」

 

 

通路がふさがれてしまったため、逆、工場の方に行くしかない

この状況は少女に良い感情を与えた

 

 

 

 

 

 

 

 

セラたちは通路を走り抜け、工場の中に入った

 

 

「これは…」

 

 

セラの視界には、人と人が銃を撃ち合い、殺しあっている光景が飛び込んでくる

戦争というものを、初めて見た瞬間だった

 

 

「…」

 

 

少女はセラに視線を向ける

その眼には悲しみが映っていた

おそらく、自分よりも年下であろう少年が、戦争の恐ろしさを目にする

それは、とてつもなく悲しいことだった

 

 

「…!伏せて!」

 

 

突然少女がセラの頭を抱え、しゃがみこむ

その瞬間、セラたちの頭上を銃弾が通り過ぎていく

そして、少女はセラの手をつかむ

 

 

「こっち!」

 

 

「うわっ」

 

 

少女は柵の上をひらりと飛び越えていく

少女と手をつないだままのセラも必然的に飛び降りることになる

うまく地面に着地した2人は、銃弾の嵐の中を駆け抜け、コンテナの陰に隠れる

 

 

「はあ…はあ…」

 

 

「なんで…、なんで、こんな…」

 

 

戦争の光景を目の当たりにしたセラは混乱していた

戦争というものを知識では知っていた

こういうものなのかと自分で考えたりもした

しかし、実際それを目にすると、自分の考えが甘いと思い知った

戦争は、人と人との殺し合いなのだ

 

 

「…」

 

 

だが、こうもしてられない

ここでずっと隠れていてもいずれ殺されるだけだ

それに自分の横には少女もいる

彼女も何とか助けなければ…

 

辺りを見回す

何か…何か使えそうなものは

上を見上げ、そして、見た

コンテナの中の存在を

 

 

「…!こっち!来い!」

 

 

「え…!」

 

 

セラは少女の手をつかみ、コンテナの上へあがる

そのコンテナの中には…

 

 

「モビルスーツ…」

 

 

少女がつぶやく

そしてセラはモビルスーツの中に少女を押入れ、自分も中に乗り込む

 

 

「きみ…」

 

 

「あんなとこを通り抜けてシェルターなんて行けやしない!」

 

 

投げやり気味に声を出しながら、セラはコックピットの中の運転席に座る

 

 

「でも、死ぬ気なんて、さらさらない!」

 

 

セラはモビルスーツの電源を入れる

計器類に光が入り、駆動音が大きくなる

そして、モニターに何やら文字が浮かぶ

 

 

General

Unilateral

Neuro-Link

Dispersive

Autonomic

Maneuver

 

 

「ガン…ダム…?」

 

 

少年の願いをうけ、立ち上がる

 

これから少年によって変えられていく戦況

 

物語は、加速する…




終わり方が微妙…
というか、オリ機体が…出たけど…え…

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