機動戦士ガンダムSEED 夢の果て   作:もう何も辛くない

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感想中々来なくなりましたね…
それに、お気に入りも伸び悩んできました…

やはりこの程度の文ではこれが限界なのですかね…
ですが、作者は諦めません
もっと精進しましょう
ガラスのハートをフルに使って書き続けましょう!

ということで、更新です


PHASE41 癒される心

ラウが自分が座っている背もたれに寄りかかる

眉間を手で抑えながら天を仰ぐ

 

 

「…奴と戦うのは骨が折れるな」

 

 

つぶやくラウ

セラとの戦いが少し堪えているようだ

 

さすがに最新鋭の機体での初実戦の相手がセラというのは辛いものがある

 

 

「…」

 

 

「フレイ、どうした?」

 

 

傍らにいるフレイがラウをじっと見ていることに気づく

フレイに声をかけるラウ

 

 

「…辛そう。疲れてる?」

 

 

フレイが無機質な声でラウを労わるセリフを言う

ラウは、少し微笑みながらフレイの頭に手を乗せる

 

 

「大丈夫さ。残されている時間は少ない。何としてもやり遂げなければならない…」

 

 

ラウは視線を正面に向けて口を開く

 

 

「君も、協力してくれるね?」

 

 

ラウの問いかけに頷くフレイ

ラウはその様子を見てにやりと笑う

 

鍵は与えた

後は、こちらがしくじりさえしなければ…

 

 

「…ラウ?」

 

 

「ん?」

 

 

「いや…。何か楽しそうだったから…」

 

 

「…そうだな。楽しみなんだよ…」

 

 

ラウはそこで言葉を切って、口を開く

 

 

「これから起こるであろうことがね…」

 

 

 

 

 

 

「ははは…。何だよそれ…」

 

 

呆然とムウがつぶやく

 

 

「あいつが親父のクローン…、それも失敗作?ウソだろ?」

 

 

「…本当だと思います。そんなウソをついてもどうにもなりませんし…」

 

 

セラがムウの考えを否定する

ムウは顔を青くしながらセラを見る

 

セラは、そんなムウの視線を避けるように顔を背ける

 

 

「セラ…」

 

 

シエルがセラの手をつかむ

セラは何も言ってこない

ただ黙って手を握り返すだけ

 

 

「…すいません、俺のせいで…、ムウさんまで」

 

 

セラがムウに謝罪する

ムウが苦しんでいるのを、自分のせいだと背負い込んで

 

 

「…いや、お前のせいじゃねえよ。お前は何も悪くなんかねえ」

 

 

「けど…」

 

 

ムウがセラの言葉を否定する

だが、セラはそれでもその言葉に甘えられない

 

自分が生まれてきさえしなければ、ラウは苦しみながら生きてこなくてもよかった

今ここで、ムウが悩み苦しむこともなかった

 

 

「もう一度だけ言う。お前は何も悪くねえ。苦しむ必要なんかないんだ」

 

 

「…」

 

 

セラは黙ったまま

 

 

「…」

 

 

ムウはセラをじっと見る

 

…だめだ

自分の言葉ではセラに届かない

セラの心を溶かすことはできない

 

正直、背負い込むことは自分の役目だとムウは思っている

自分の親のせいで、ラウという…

いや、もしかしたらラウたちという存在が生み出されたのだ

責められるべきは自分だ

 

だが、セラは自分を生み出そうとしたから

と自分を責めている

それは違う

セラが何をしようとも、ユーレンやアルを止めることなどできないのだ

出来るはずがないのだ

 

ムウは何とかそれをセラに告げる

だが、セラの表情はすぐれない

 

 

「…すみません。俺、部屋に戻りますね…」

 

 

セラはそう言って会議室から去っていく

 

 

「…セラ」

 

 

「シエルさん…、セラ君のこと、頼める?」

 

 

セラの姿を目で追って、追いかけようか悩んでいるシエルをマリューが後押しする

 

 

「…はいっ」

 

 

シエルは、言われるとすぐにセラを追いかける

そんなシエルをマリューたちは見つめる

 

 

「…シエルさんの言葉が届けばいいんですけど」

 

 

マリューがぼそりとつぶやく

 

 

「届くさ。セラは、自分ではわかってないと思うけど、シエルのことを一番信頼してるからな。…キラは大丈夫か?」

 

 

セラ心配する言葉を言いながらも、キラを気遣う

キラは、少し表情が暗いものの、笑みを浮かべて首を横に振る

 

 

「いえ…、僕は大丈夫です。セラの方がずっと辛いはずなんですし…。僕も、部屋に戻ってますね」

 

 

「キラ…」

 

 

キラも会議室から去っていく

そんなキラに寄り添うようにラクスがついていく

 

 

「…似た者兄弟だな」

 

 

バルトフェルドがつぶやく

 

 

「あの二人は本当に似てますよ。昔からああいう風に自分で背負い込んで…」

 

 

「何言ってんだよ!それはお前もだろ!?」

 

 

アスランがバルトフェルドに同調すると、カガリが怒鳴る

 

 

「お父さんに会いに行くって一人で行きだすし…。協力しろって言ってくれればみんな協力してたんだぞ!?」

 

 

カガリがアスランに詰め寄る

アスランは上半身をのけぞらせる

 

 

「あ…、いや、その…」

 

 

「お前だって一人で背負い込んで…、あいつらのこと言えないだろ!」

 

 

アスランはカガリの剣幕にたじろぐ

 

 

「やれやれ…。今どきの若者はみんなこうなのかねぇ…?」

 

 

「ふふふ…。あなたとは大違いね?」

 

 

バルトフェルドとアイシャが笑いあう

他のクルーもアスランとカガリのやり取りに笑みを浮かべる

 

 

「すまん!すまんって!」

 

 

「お前はいつもこうなのか!?お前ら三人、無茶無茶三人組って名前を与えてやろうか!?」

 

 

「なんだそのネーミングは!まったく意味がわからないぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスランとカガリのおかげで会議室の空気が明るくなっているころ、セラは通路の窓から見える宇宙空間を見つめていた

 

 

「…」

 

 

『君という存在を生み出すために、一体どれだけの数の犠牲があったと思う!?』

 

 

「っ!」

 

 

ラウの声が浮かぶ

憎しみが込められた声

間違いなく、自分に向けられた声

 

体が震える

足が震える

セラが床に座り込む

足に力が入らない

 

 

「くっ…!」

 

 

抑えようとしても、声が漏れてしまう

耐えようとしても、目から滴が零れてしまう

 

ウズミから自分の正体を知った時もショックは受けた

だが、今回はそれ以上だ

自分の存在が他の人間に悪影響を及ぼしているとは思わなかった

 

 

「あ…、あぁ…!」

 

 

ラウ・ル・クルーゼ

自分という存在のために生み出され、捨てられた

 

あの男は、私たちと言った

ならば、他にも自分のせいで人生を狂わされた人たちがいるのだろうか

 

 

「う…あぁ…っ!」

 

 

耐えられない

叫び声をあげそうになる

涙腺が切れそうになる

 

 

「セラ?」

 

 

「…っ」

 

 

無理やり、切れそうになる涙腺をつなぎ、出そうになった叫び声を飲み込んだ

 

 

「…シエル?どうした?」

 

 

「っ…」

 

 

顔に笑顔をつけてシエルに声をかける

だが、シエルの表情が苦しそうに歪む

 

セラは、何でシエルが苦しそうにしているのかわからない

 

 

「シエル…、どうした?」

 

 

「…セラ」

 

 

「え?」

 

 

セラは戸惑いの声をあげる

シエルに抱きしめられたからだ

 

 

「…シエル?」

 

 

「セラは…、どうして…」

 

 

シエルが何かをつぶやいている

 

 

「セラは、どうして何でもかんでも自分で背負い込んじゃうの?」

 

 

シエルの涙で潤んだ目がセラの目と合う

 

 

「…何を」

 

 

「今回のこと…。セラは…」

 

 

「…これは俺の責任だろ」

 

 

「違うよ…。確かに、セラの責任も確かにあるかもしれないけど…。それでも、セラが全部を背負うなんて違うよ」

 

 

シエルがセラをまっすぐと見て告げる

だが、セラは、甘えようとしない

シエルが差し伸べる手を取ろうとしない

 

 

「けど…だけど!」

 

 

シエルは、そんなセラをさらにきつく抱き締める

 

 

「…やめろよ!」

 

 

「やめない!」

 

 

「離せ!!」

 

 

「離さない!!」

 

 

シエルはもがくセラを逃がさないように力を込めて言う

 

 

「セラが、私も一緒に苦しみを背負っていいって言うまでは絶対離さない!!!」

 

 

セラの動きがぴたりと止まる

 

 

「…何で」

 

 

セラが声を震わせながら言う

 

 

「何で、そこまで…」

 

 

セラが、おびえにも見た感情を目に浮かべながらシエルを見る

シエルはセラを優しく見つめる

 

 

「…私は、セラのことを守りたい」

 

 

「っ!」

 

 

「それだけじゃ、ダメかな?」

 

 

なんで…

どうして…

 

セラの頭の中に疑問の言葉が何個も出てくる

一体、シエルは何で自分をここまで心配してくるのだろう

何で気遣ってくれるのだろう

何でここまで守ろうとしてくれるのだろう

 

 

「…ぅぁ…!」

 

 

もうだめだった

 

 

「うぁぁ…!」

 

 

必死にかぶった仮面がはがされる

 

 

「あぁああ!」

 

 

涙と声と共に、セラの中の感情が流れ出す

悲しみ、苦しみ、怒り

 

なぜ自分がこんな目に合わなければいけないのか

自分は、こんな力なんか望んでない

こんな、憎しみしか生まない力なんていらないのに

 

 

「セラ?セラの力は、ちゃんと私たちを守ってくれる…。優しい力なんだよ?」

 

 

シエルは、セラの考えていることがわかっていたように、セラが望む言葉をピンポイントで言う

 

 

「だから、自分の力を恨んだりしないで…」

 

 

今度は優しく抱き締める

 

 

「シエル…っ!」

 

 

シエルの腕の中で、セラは涙を流した

 

 

 

 

 

 

 

「…ごめん」

 

 

セラは、シエルに謝罪する

その表情はどこか赤い

 

 

「ううん。謝る必要なんてないよ」

 

 

シエルは笑顔を浮かべて首を横に振る

腕を後ろで組んで、セラの隣に並んで一緒に歩いている

 

 

「…兄さんは大丈夫かな」

 

 

セラは、キラの心配をする

実際、自分だけでなくキラも辛いはずなのだ

キラを生み出すためにも、少なくない犠牲を出しているのだから

 

 

「キラなら大丈夫だよ。ラクスがついてるから」

 

 

「ラクスさんが?」

 

 

そこで、セラの表情が心配そうに歪む

 

 

「…どうしたの?」

 

 

「…ラクスさんって、アスランの婚約者だろ?なのに、さっきもそうだったけど、兄さんに寄り添って…」

 

 

「…あぁ」

 

 

セラの疑問も最もだ

セラは、ラクスとアスランが婚約者同士だということしか知らない

今、あの周辺の関係がどう変化しているのかを知らないのだ…

 

 

「それに、アスランとカガリも最近距離が近いし…。あれ?よく考えたら、あの四人の関係って結構やばくない?それに…彼女いないの俺だけ?

え?幼少期、おバカ三人組って呼ばれてた中で俺だけ置いてけぼり!?」

 

 

「「誰がおバカ三人組だ!」」

 

 

…どこから出てきたのだろうか

キラとアスランがセラの頭を思いっきり叩く

 

 

「セラ!何度も言わせるな!確かにその呼び名で俺たちがくくられてるのは認めるが、俺はバカじゃない!」

 

 

「そうだよ!それとアスラン!何が俺は、なの!?その言い方じゃ、僕も馬鹿だと言ってるみたいじゃないか!」

 

 

「その通りだ!バカなのはセラとキラだけだ!俺は関係ない!」

 

 

「なんだと!アスランこそ馬鹿じゃないか!僕がバカじゃなくて真面目なの!」

 

 

「なに好き勝手言ってるんだ!二人が真面目ならこの世の人間すべてが真面目だわ!この中で唯一馬鹿じゃないのは俺!」

 

 

「「それだけは絶対ない!」

 

 

「なんだとぉおおおおおおお!!!」

 

 

言い合いを始める三人

一体何がどうなったらこうなるのか…

先程の真面目空気はどこへやらだ

 

 

「ったく、あの三人は…」

 

 

「楽しそうですわね…」

 

 

「カガリ?ラクス?」

 

 

シエルの両隣に二人がいた

三人のやり取りを、カガリは呆れた表情で

ラクスはとても楽しそうな笑顔で見ていた

 

 

「だいたい、誰が彼女だ。ラクスはともかく私は違うぞ」

 

 

「あら、カガリさんはアスランととてもいい関係のように見えますわ」

 

 

「…好きに言ってろ」

 

 

ラクスの言葉に頬を染めるカガリ

 

 

「シエルさんも、セラと、とてもいい雰囲気ですわ。先程もそうでしたし」

 

 

「ラクス!」

 

 

「え?」

 

 

ラクスの言葉に動きを止めるシエル

さらに、言い合いをしていたセラも、ラクスの言葉が聞こえていたのか動きを止めている

 

 

「…ラクスさん?どういうことでしょうか?」

 

 

「キラを慰めた後、アスランとカガリさんが来て。キラとアスランが、セラの方を覗きに行こうと誘ってきたんですわ」

 

 

黒いオーラを纏って聞くセラ

そんなセラに圧されずに、ラクスはセラの問いに答える

 

そのラクスの答えを聞いて、セラはさらに噴き出るオーラの勢いを増させる

 

 

「…兄さん?…アスラン?」

 

 

「あの…、セラ?」

 

 

「落ち着け…。力で黙らせても何も生まないぞ…」

 

 

迫りくる鬼を、キラとアスランが震えながらなだめようとする

だが、鬼は止まらない

 

 

「やっぱり二人はバカだよね…?一度ならず二度までも…」

 

 

「セラ!落ち着いて!元の落ち着いたセラに戻って!」

 

 

「そ…そうだぞ!キラの言う通りだ!落ち着け!」

 

 

「何言ってるのさ…。俺は…、冷静沈着。落ち着いてるよ…」

 

 

「「ウソをつくなぁああああああ!!!」」

 

 

「…待てよ二人とも。逃げるなよ」

 

 

セラが走って逃げる二人を歩いて追う

そんな姿がさらに二人に恐怖を与える

 

 

「「うわぁああああああああ!!!!!」」

 

 

「…どこにも逃げ場なんてない」

 

 

三人の姿が見えなくなっていく

 

 

「…馬鹿だ」

 

 

「馬鹿ですねぇ」

 

 

「…馬鹿だよ」

 

 

そんな三人を見て、シエルたち三人は同じ感想を抱いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやったぁあああああああ!!!」

 

 

…うるさい

 

カナードが、偶然聞いてしまったアズラエルの奇声にいら立ちを持つ

収容した女から何かのディスクをもらって、調べて結果がでたのだろうか

喜びを示した声

 

だが、やかましい

その一言に尽きる

 

 

「…ちっ」

 

 

舌打ちをするカナード

 

今まで、あのMSと戦った回数は三回

だが、一向に落とせない

殺せない

 

キラ・ヤマトを

セラ・ヤマトを

 

 

「…くっそ!」

 

 

壁を思いっきり殴りつける

殴りつけた拳からジンジンと痛みが伝わってくる

だが、こみあげてくる怒りの勢いは止まらない

 

 

「…」

 

 

必死に怒りの耐える

今度こそ、今度こそ奴らを殺す

そう自分に言い聞かせて

 

 

「…機体の整備に行くか」

 

 

そうつぶやいてカナードは格納庫に向かう

今度は必ず殺す

機体も自分も万全にする

 

カナードの目には強い憎しみが込められていた

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はぁ」

 

 

「ははは、元気なことはいいじゃん」

 

 

マリューがため息をつき、ムウが笑い声をあげる

 

先程マリューはキラとアスランに雷を落としたばかりなのだ

理由は…、察することが出来るだろう

ただ、いつもと違うのはセラがそうでなかったということだろう

 

…『ざまあみろ』とセラが二人に言ったことは少し気になったが

 

 

「ま、あの二人も立ち直ったってことだろ?あの二人に任せてよかったよ」

 

 

ムウが言う

 

確かにムウに言う通りだ

シエルとラクスがいなければ、セラとキラはどうなっていただろうか

 

 

「そうね…」

 

 

それがわかっているからこそ、ムウの言葉に賛成する言葉を口にする

自分たちでは、どうすることもできなかっただろうから

 

 

「けど、キラ君にはホント呆れるわ…。アスラン君も、もう少し真面目な子だと思ってたけど…」

 

 

「ま、がちがちに硬いよりはいいんじゃない?クルーもあれを見てなごんでる部分もあると思うし」

 

 

ムウが微笑みながら言う

 

実際、あの三人の言い合いはまわりの空気を柔らかくさせる効果を持っている

本人たちはそんなつもりはないだろうが…

というか、それを聞いたら、自分たちは真剣なんだと怒り出しそうだが…

 

 

「…トール君の方は?」

 

 

「ん?いいと思うぞ。あの戦闘でも生き残ってるし、ちらっと見たけど精神も安定してる。やっぱ、彼女の存在は大きいねぇ」

 

 

最後はどこかからかい口調で言うムウ

だが、マリューはそんなムウの意図に気づかない

ほっとした表情で息をついている

 

 

「…おいおい」

 

 

「?どうしたの?」

 

 

マリューが不思議そうな表情でムウを見る

ムウは、ため息をつきながら口を開く

 

 

「さっきの最後の言葉、どういう意味かわかってる?」

 

 

「…彼女の存在は大きい?…っ!」

 

 

マリューの顔が、ぼっと真っ赤になる

ムウが呆れたように笑う

 

 

「やっと気づいた?」

 

 

「あ…、その…」

 

 

顔を赤くさせてあたふたするマリュー

 

 

「それは、俺にとってもそうなんだよ…」

 

 

ムウは、マリューの顎を持ち上げて、唇を合わせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、トール。調子はどうだ?」

 

 

「セラ。それは俺のセリフなんだが…。て、その二人は何で燃え尽きてるんだ?」

 

 

「あぁ、自業自得だから気にするな」

 

 

真っ白のなってるキラとアスランに疑問を持つトールだが、セラの言葉に従って、どこか腑に落ちないが、無理やり気持ちを納得させる

二人の様子とセラの表情を見ていると、聞いてはいけないような気がしたからだ

 

 

「それで、ムラサメの方は?」

 

 

「…あ、あぁ。操縦も問題なかった。機体の方にも異常はなかった」

 

 

トールの回答を聞いて、セラはそうかと答える

 

異常がないなら特に気にする必要はないから…

 

 

「なら、これの整備は大丈夫だよな?俺はリベルタスの方を見るから」

 

 

「おう。何かわからないことがあったら聞くからな」

 

 

トールの声を背後から聞きながらリベルタスに向かう

…キラとアスランをおいて

 

キラとアスランは、マードックに叩き起こされている

ここは?

何でこんなところに?

とか言っているが、気にしない

 

気にしないのだ

 

 

「さてと…と」

 

 

セラはコックピットに座ってキーボードを取り出す

叩きながらどこかに異常がないか確かめていく

 

 

「………」

 

 

画面を見ながら確かめていく

 

 

「…特にないかな。ないなら、それはそれでいいけどっ」

 

 

セラは、キーボードをしまい、コックピットから降りていく

リベルタスのシステム内部には特に異常はなかった

装甲の方には軽い損傷があるが、それは整備士に任せる

 

 

「部屋で寝るかな…」

 

 

次にすることを決め、目的地に向かおうとする

そこに…

 

 

「セラ・ヤマト、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ。至急エターナルの艦橋に」

 

 

放送が入った

 

 

「…?何だろ」

 

 

「セラ」

 

 

何で呼ばれたんだと考え始めた所で、キラとアスランが来る

 

 

「兄さん、アスラン」

 

 

「何で呼ばれたかわかるか?」

 

 

「さあ?心当たりはまったく」

 

 

アスランに呼び出された理由を聞かれ、セラはわからないという思いを言葉で伝える

 

 

「ともかく、行かない?」

 

 

キラが、セラとアスランに促す

セラとアスランは頷き、エターナルに向かう

 

そこで、聞いた報告

それは、戦争がさらに激しさを増すであろうことを予感させるものだった




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