機動戦士ガンダムSEED 夢の果て   作:もう何も辛くない

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ガルシアざーまあーww




今回は駄文です・・・


PHASE09 ゆりかごは壊される

「よし、だいぶ近づけた…。そろそろ攻撃を開始するか…」

 

 

ブリッツに乗ったニコルは、ビームライフルの射程圏内の距離までアルテミスに接近していた

 

なぜアルテミスの厳重な警戒に引っかからずに接近できたか

その理由はニコルが言ったブリッツの「面白い機能」にある

 

その面白い機能とは、ブリッツのステルス機能だ

ブリッツにはミラージュコロイドが装備されている

それによって姿を消し、アルテミスの警戒を潜り抜け、ここまで接近したのだ

 

そして、十分に近づけたニコルは右腕についているトリケロスを構える

そして、防御帯を作り出すリフレクターに向けて、トリケロスのビームライフルを撃った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「管制室!この震動はなんだ!」

 

 

ガルシアが、今起こっている震動が何なのかを聞く

 

 

「ふ、不明です!周辺に機影なし!」

 

 

この訳のわからない報告にガルシアは腹を立てる

 

 

「だがこれは爆発の震動だろうが!」

 

 

何なのだろうか

これは間違いなく敵襲だ

だが、敵の機影が見えないのだ

 

セラもそれについてがわからなかった

見えない…、見えない…

そういえば、カレッジでそんなことを教授が言っていなかったか?

思い出せ…思い出せ…

 

 

「ミラージュ…コロイド。ミラージュコロイドか!」

 

 

「ぼ、防御エリア内にモビルスーツ!」

 

 

「な、なんだと!?」

 

 

セラが敵がどうやって侵入したのか、理解したと同時にモビルスーツの存在が確認される

ミラージュコロイドは長い時間持たないのか

 

なんしても

 

 

「俺がでる!ハッチ開けてください!」

 

 

ブリッジに向けて通信を開く

 

 

「わ…わかった」

 

 

アルテミスの兵は、自分の基地を守るため、基地内部に戻っていった

そのため、クルーはブリッジに戻ってこれたのだ

 

 

ハッチが開く

 

 

「邪魔だおっさん!つぶされたくなかったらどけ!」

 

 

ガルシアがいつまでもスピリットの前に立ちすくしていたため、一喝

ガルシアは慌てて基地内部に戻っていく

これで邪魔者はいなくなった

 

 

「兄さんはアークエンジェルを守って!」

 

 

「…うん」

 

 

キラにどこか元気がない

まさか、兄さんも自分と同じことを言われたのか?

 

あのおっさん…

 

怒りが湧いてくるが、抑える

今は目の前の脅威を何とかするべきだ

 

 

「セラ・ヤマト!スピリット、発進する!」

 

 

宇宙空間に出たセラはこの基地を攻撃している黒いMS、ブリッツがいた

ブリッツがこちらに気づく

 

 

「あれは!最後の二機の…!?…くっ!」

 

 

ニコルがスピリットに向かってライフルを撃つ

セラはそれをかわし、ライフルを撃ち返す

 

ブリッツもビームをかわすと、その姿を消す

 

 

「な…!ミラージュコロイドか!?」

 

 

セラはどうするか考える

相手の姿は見えない

 

どこだ…どこにいる?

 

 

「…?」

 

 

また感じる、あの小さな感覚

そこにライフルを撃ってみる

 

 

「…え?」

 

 

ニコルは驚愕する

相手には自分の姿が見えていないはずなのだ

それなのに

 

相手が撃ったビームは、自分を正確に狙っていた

 

ニコルは一瞬動きを止めてしまうが、何とか回避行動に移し、肩をかするだけに留めた

 

 

「何で…、何で僕の場所がばれたんだ…?」

 

 

損傷を受けたブリッツは姿が見えるようになる

セラはこの機を逃すものかとブリッツに接近する

 

ビームサーベルを抜き、ブリッツに斬りかかる

ブリッツは何とかシールドでサーベルを止めるものの、スピリットの力に押されていく

 

 

「くそっ」

 

ニコルは何とかスピリットから後退し、離れることに成功する

そして再びミラージュコロイドを起動し、姿を消す

 

 

 

「そこか?」

 

 

セラは再びブリッツの存在を感じ、そこに向けてビームを撃つ

 

 

「…くそっ!何でかわからないけど、こちらの位置がばれている!」

 

 

今度はニコルも反応し、ビームをかわす

だがそこにスピリットがトップスピードでブリッツに接近していく

 

 

「な…!」

 

 

「はあああああ!」

 

 

ブリッツがそう簡単に離脱できないように、ブリッツのまわりにライフルを撃つ

 

 

「くっ!下手に身動きをとったらビームに当たる!」

 

 

身動きが取れないブリッツに今度こそとサーベルを向ける

 

 

「もらっ…!」

 

 

セラはブリッツへの攻撃行動を中断し、その場から離れる

そこをビームが横切る

 

 

「イザーク!ディアッカ!」

 

 

「くそっ!デュエルにバスターか!」

 

 

デュエルとバスターが、ブリッツの援護をしに現れたのだ

 

 

「なにをやってんだよニコル!俺が落としちまうぜ!?」

 

 

「なにもできない臆病者が!邪魔だけはするなよ!」

 

 

…援護をしに来たのだ

誰が何を言おうと援護をしに来たのだ

そこは譲らない!

 

しかしイザーク君…

君、前の戦闘では何もできなかったではありませんか…by作者

 

 

「セラ!」

 

 

「…!兄さん!」

 

 

一対三はきついなと思ってたそのとき、スピリットにも援軍がきた

さらにそこに、アークエンジェルが現れる

 

 

「艦長たちは脱出したのか…」

 

 

マリューたちはアルテミスの兵に連れていかれたが、どうやら何とかブリッジに戻ったらしい

これでこちらが有利になった

 

逃走を開始する

あの三機はアルテミスが出したMAに気を取られている

その間に最大速度で離脱

 

イザークたちが気づいたときにはすでに遅かった

しかし、イザークたちにも戦果はあった

 

アルテミス陥落という戦果が…

 

しかし彼らは満足しない

次こそ足つきを、あの二機を落とす

改めて、決意を固めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、散々な目にあったなぁ…」

 

 

セラはスピリットをデッキに収容し、コックピットから降りる

 

補給を受けれず、もらったのは不愉快な気持ちだけ

今ならずっとため息がつけそうだ

 

 

「…?兄さん?」

 

 

キラもコックピットから降りてくる

しかし、その表情は暗かった

 

 

「…」

 

 

やはり、キラも自分と同じことを言われたのだろうか

 

「裏切り者のコーディネーター」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はぁ」

 

 

キラはため息をつく

気分がめいる

 

「君は裏切り者のコーディネーターだ」

 

この言葉が頭の中で何度も再生される

 

裏切り…、僕はアスランを…、裏切っているのか…?

その思いが頭によぎる

 

 

「兄さんも言われた?裏切り者のなんチャラって」

 

 

「…セラ?」

 

 

キラにセラが話しかける

キラはゆっくりと視線をセラに向ける

 

 

「いやぁ、俺も言われちゃってさ?参っちゃったよほんとに。俺はナチュラルだっての」

 

 

笑顔から膨れっ面へ

表情を豊かに変化させながらキラに言葉をかけるセラ

 

 

「君は裏切り者のコーディネーターだ。だからMSの改造とかできるだろう?って言われちゃってさ。専門的な勉強もしないでそんなことできるわけない。コーディネーターがそれをすることが出来る化け物集団ならもうとっくにザフトの勝利で戦争終わってる~って言っちゃったよ」

 

 

「…ぷっ」

 

 

キラはセラが話したシーンを思い浮かべる

セラがそのセリフを言う

あの士官が顔を真っ赤にして怒る

 

笑いが零れてしまう

 

 

「…気にすることなんかないって。兄さんはただ友達を守りたいだけなんだからさ」

 

 

「…セラ」

 

 

セラはそう言い残し、先にデッキをでる

 

 

「…ありがとう」

 

 

お礼の言葉をつぶやくと同時に、兄として情けなく感じる

 

自分はいつも支えてもらってばかりではないか

自分はこの艦に乗ってから一度も弟を支えたことがないじゃないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セラは自室に戻り、ベッドに寝転がっていた

今回の出来事はかなりきた

大人の汚さを初めて目の当たりにした

 

 

「…はぁ」

 

 

キラにはああいったものの自分もへこみたかった

だが、キラの方が断然ダメージが大きかったはずなのだ

だから気丈にふるまった

 

コンコン

 

 

「セラ?いる?」

 

 

シエルの声だ

 

 

「いるよ。入って」

 

 

ドアが開き、シエルが入ってくる

セラは上半身を起こし、シエルに視線を向ける

 

 

「どうした?何か用?」

 

 

「用がなかったら来ちゃだめなの?」

 

 

「あ…そういうわけじゃ…」

 

 

シエルの不満顔にセラは冷や汗をかく

 

この言い方はまずかったか?

 

しかし、それは杞憂だった

シエルは表情を崩し、くすくすと声を漏らす

 

 

「あ、ひでぇ!からかったんだな!」

 

 

「フフフ…、はぁ。ごめんね?」

 

 

笑顔で謝罪するシエル

それに対して、許さないと言える勇気をセラは持っていなかった

 

 

「セラ、大丈夫?」

 

 

シエルはセラの隣に腰をおろし、セラの顔をのぞき込む

 

 

「…なにが?」

 

 

セラは自分の感情が悟られないよう、無表情を務めながら返す

シエルは表情を歪めながら返す

 

 

「とぼけないで」

 

 

「…」

 

 

もう、ばれてる

自分が無理していることは

 

 

「…正直、堪えた。人の汚い部分を…、初めて見た」

 

 

「…」

 

 

シエルは黙ってセラの話を聞く

 

 

「欲望で満ちた顔で俺を見てくるんだ…。正直…、怖かったよ…」

 

 

「セラ…」

 

 

あの士官とガルシアの顔を思い出す

身震いする

自分を利用してやろうと企むあの顔

もうあんな顔は見たくない

セラの正直な感情

 

 

「大丈夫」

 

 

「え?」

 

 

シエルは手をセラの頭に載せる

あの時のように…

セラの頭をなでる

 

 

「セラは、一人じゃないから…」

 

 

「…っ」

 

 

セラの鼻につんとしたものが来る

目から涙が流れないよう我慢する

 

嬉しかった

わかってたつもりが、わかってなかった

一人じゃない

自分には仲間がいる

 

 

「…もう大丈夫」

 

 

「え?」

 

 

セラはシエルの手を頭からどける

 

 

「もう大丈夫。シエルのおかげで、元気出た」

 

 

「…そっか」

 

 

セラはシエルに笑顔を向け、シエルもセラに笑顔を向ける

 

 

「なら、もう行くね?」

 

 

「ん、ありがとう」

 

 

シエルは部屋を出る

自分のお礼の言葉は届いただろうか

 

 

「のど乾いたな…。水飲みに行くか」

 

 

セラはコップをもって水道に向かう

 

水道について蛇口をひねる

水が出てくる

 

が、様子がおかしい

 

 

「あれ?水が出てくる勢いが弱い?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「水が?」

 

 

「はい、セラ・ヤマトからそう報告が」

 

 

マリューがナタルから報告を聞く

 

 

「水…、それは重大ね…。アルテミスで補給を受けられなかったのが痛いわね…」

 

 

マリューが親指の爪を噛む

水がない

それはかなり大きい問題だ

水がなければシャワーが使えない

兵の食事だって作れない

 

 

「…ともかく、水は民間人の人たちに優先的に使わせましょう」

 

 

そして、どこで補給を受けるか

 

マリューが考える

 

 

「…やっぱり、ここしかないだろうな」

 

 

その時、ムウが口を開く

そして、画面に映し出された地図のとある場所をさす

 

 

「!しかし、そこは…」

 

 

マリューがその意見に異を唱えようとする

ナタルもどこか苦い表情だ

 

 

「けど、それしか方法はない。それともこのまま死んでくか?」

 

 

ムウの言葉に、マリューとナタルが視線を下げる

 

 

「気持ちはわかるけど、仕方ないだろ…」

 

 

ムウの表情も明るいものではなかった

 

 

 

 

 

大天使の次の目的地

それは

 

 

 

ユニウスセブン




キラよりしっかりしてるように見えるセラですが、まだ彼は14歳なんです
幼いんです

そしてシエルさん?
あなた婚約者いるんじゃ…
いや、まだ出てきてないけど…

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