ハイスクールD×D ~自堕落主と相談屋~ 作:タロー☆マギカ
代償は執筆ry
それとテストが重なった。皆さんすんまそん。
「あ、あの!この度は、たたた大変お世話になりまして!私のせいでこんなコトになってしまってなんと言ったらいいか……!」
「いいからいいから、もう顔上げなって。その台詞今日で何回目だよ」
俺の目の前でペコペコ頭を下げている女生徒は、もう数え切れないくらい平謝りしている。
あの後俺とイッセーは、倉庫内をくまなく捜したところ見事弟君を発見。そのまま保護し、彼女の家に弟君を届けてあげたのである。
家から出てきた彼女は相変わらず無気力な顔をしており、俺の姿を見たとたん驚愕を露わにしたが、俺の背中にいた弟君を見て突然泣き崩れた。
今まで自分がしてきた行為に対する罪悪感と、弟君が家に戻って来たコトで溜め込んでいた感情が一気に爆発したのだろう。夜中だっていうのにわんわん泣き出して、めさくさ声が響いてた。
周りからいらぬ誤解を生んだら面倒くさいので、無理矢理家に押し入って彼女が落ち着くまで居座ってた。
まああれだけの事件に巻き込まれたのだし、当然っちゃあ当然か。
「あの、本当にスミマセンでした!私のせいで先輩が、その……腕を」
「気にしなさんなって。腕の一二本ぐらい折られても死にゃしないよ」
女生徒が言うとおり、今俺の右腕はギプスで固定されて使い物にならなくなってる。
本来なら全治二ヶ月は掛かるものを、アーシアちゃんのおかげで二週間にまでなったのだ。これしきの対価で一家族が元どおりになるなら安いもんだ。
因みに全治までさせようとするとアーシアちゃんの精神力が枯渇しそうなので止めておいた。アーシアちゃんは無理をしてでも治そうとしていたが、俺が丁重にお断りした。腕が使えないコトで、アドバンテージが出てくるコトもあるからね。
さて、その女神とも呼べる優しい心を持つアーシアちゃんは今、
「……………………」
「あの、アーシアさん?どうしてそんなに俺の側に寄ってるのですか?後輩だって目の前に居るし……恥ずかしいんだけど」
現在進行形でイッセーとイチャラブしてます、はい。
何でも自分に黙ってコトを運んでいたことを怒っているらしく、さっきから頬を膨らませてイッセーの腕にしがみついている。
イッセーは性格はドスケベなものの、心はウブなんていうラノベみたいなキャラをしているから、こういう状況には恥じらいを覚えるようだ。
そして今更だが相談部の部室にはテーブルが一つ、そしてそのテーブルを囲むようにソファーが四つ置かれてる。
俺と女生徒は向かい合うように座っており、その隣のソファーにイッセー達が座っている為、奴らのイチャつきぶりが視界に入ってきてイラつくがあーだこーだ。
「死ねこのくそ野郎が!」
「いきなりなんなんですかアンタは!」
俺の切り札とも呼べるせんべい手裏剣をイッセーは噛んで止めた。
ぬぅ、もう耐性が付いたか。もう少しこの武器で殺れると思ったのに。
「あの、何で私達のコトを助けてくれたんですか?」
「へ?」
突然女生徒から話し掛けられ、彼女が未だこの部屋にいるコトを思い出した。……彼女の存在を忘れるほどムカついてたからな、仕方ない。うん、仕方ない。
隣で上級生がイチャついてるせいか、顔がほんのりと赤くなっているように見える。彼女も彼女で思うところがあるらしい。
だって目の前でイチャつかれたら……ねぇ?
「だって先輩言ってたじゃないですか。相談部の仕事は相談だけだって。相談が終わればその事態には一切関与しないって」
……聞いてたのかよ。この子意外と地獄耳だな。
さすがのボルドランも自分が悪魔だというコトを告白していないため、女生徒は悪魔のコトを一切知らない。
まさか悪魔のコトをそのまま言う訳にはいかないし……どうしよう。
俺はどう答えたらいいか悩み、左手で頭を掻く。
途端に俺は、彼女が初めてこの部屋に来たことを思い出した。
……そうだな。
「君には涙が似合わないと思ったからだよ」
我ながらクサい台詞だと自覚しながら、彼女に俺の本心を告げる。
あの時、死人のような顔をし、あまつさえ涙を流すほど弱っていた彼女を俺は長い時間見たくなかった。だから深く関わらないようにした。
けれども現実はそんなにうまく行かず、何の因果か俺は結果的に彼女を助けた。
でも俺は後悔はしてない。最終的には彼女の元気な姿が見れるようになったのだから。
……今の俺を見たら『アイツ』は何て言うかな。変わったな、かな。それともいつも通りだな、かな。
まあ何と言いますか、俺は見事目の前にいる女の子を笑顔に出来たんですよ。ガキの頃から俺はちゃんと進歩したってコトだな。
ーーーーーもう二度と、あんなコトにはならないために、俺は強くなる。
「………………ふぇ」
「……ん?」
自分がいいコトをした、と余韻に浸っていると、目の前にいる女生徒が何やら変な声を発した。
見ると女生徒はさっきまでほんのりと赤く染めていた顔を、今ではリンゴのように真っ赤になっていた。
……あれ?俺何か変なことした?
「摩耶さんそれは……」
「だ、大胆ですぅ……」
いつの間にか二人の世界に入っていたはずのカップルが俺の方を見て言葉を漏らしていた。顔は女生徒と変わらないぐらい真っ赤になっている。
俺は何か良からぬコトをしでかしてしまったのでは、と思い未だ硬直状態の女生徒の肩に触れようとした時、
「そ、それはいくらなんでも不意打ちですよーーーーーーーーーー!!」
耳元でクラッカーを鳴らされたような爆音が鳴り響き、しばらくの間体が硬直する。
その隙に彼女は真っ赤な顔を両手で覆い、一目散に部室を出て行った。
……うわ、やっぱ俺何かしでかした?後でちゃんと謝っておこう。
「……摩耶さんってもしかしてジゴロですか?」
「あ?いきなり何言ってんだよお前は」
意味不明なコトを言い出したイッセーを軽くあしらい、テーブルに置いておいた報告書を取ろうとした所で俺は気付いた。
「あの子、生徒手帳忘れてんじゃん」
テーブルの上に鎮座していたそれーーーーー女生徒の生徒手帳を手に取る。
さっき思いっきり立ち上がったせいでポケットから落ちたのだろう。ていうか生徒手帳なんて大切なもんポケットに入れとくなよな。
何組かを調べる為に開く。
忘れたんならソーナに報告書持って行くついでにこれも持って行ってあげーーーーーーーー!
「どうしたんすか?摩耶さん」
「……いや、なんでもない」
俺は手に取った生徒手帳をポケットに入れた後、報告書に必要事項を記入し終わったと同時に生徒会室に向かう。
「え、もう会長の所に行くんすか?」
「おう、今日はもう鍵閉めといて……窓以外の」
前回の失敗から学び、一応釘を差して部室を後にする。
俺は生徒会室に行く道中で、もう一度女生徒の生徒手帳を出し、名前の欄を凝視する。そこには部室で見たときと変わらない、あの子の真名が記されていた。
ーーーー
それが彼女の名前だった。
「そうですか、無事収集がつきましたか」
「まあ、一応な」
所変わって生徒会室。俺は一週間で二度もこの部屋に足を踏み入れるコトとなった。
普段は部室でぐーたらしてる俺がこんなに働き者になったなんて、過去の俺が知ったらきっと驚くだろうな~。
「……何ですか、その俺は変わったんだぜ、みたいなドヤ顔は」
「え、そんな顔してた?」
「してました。いつもよりだらしない顔になってましたよ」
「ひどくね?そこまで言うなんてひどくね?いつもよりって俺そこまでビジュアルひどくないでしょうが」
「珍しく授業に出てくると思ったらその授業中に惰眠を貪る。その時の表情は緩みまくりで、挙げ句の果てにはよだれすらーーーー」
「止めろお前!何かハズいから止めろ!」
否定しきれないほどの判断材料が揃ってやがるな。つか、俺寝顔よりドヤ顔の方がひどいってソーナにどんな風に見られてんの?
完全に脱力した俺は地べたに寝転がり、床に円を描くように指を動かす。
これでも少しは顔に自信あったんだけどな……ちくせう。
そんな俺を見て、ソーナは心の底から面白そうに笑い、一応フォローを掛けてきた。
「冗談ですよ。普段のアナタは魅力的な男性ですよ。ここだけの話、アナタのコトを気にかけてる女の子が何人かいるんですよ」
「うーそーだーねー。授業中よだれ垂らして寝てるようなダメ男誰が好きになるんだよ」
「そう思うなら少しは生活習慣を改めたらどうですか……全く」
頭上から紙をめくる音が聞こえる。ソーナが報告書に目を通しているのだろう。
俺はというと、未だ床に寝そべってふてくされている。もうこのまま寝てしまおうかな。
左肘を床に着け、左掌に顔を乗せる。休日に色んな家庭の父親がよくやる寝転がり方だ。
だが俺の眠気は珍しく一気に霧散する。何故ならーーーー
視界の先にソーナの生足があるからだ。
ソーナが使っている会長机は色んな学校の校長が使っているような大きい机だが、珍しく下らへんの板が切り抜かれており、普通の生徒が使う机のような構造になっている。
そこから無防備に曝される女子高校生の生足に目が釘着けにならない男子なんていると思うか?いるわけないだろ。
自慢じゃないが、俺だって性欲ぐらいある。イッセーまでとはいかないが、普通の男子生徒を凌駕してると思う。
故に俺は、匍匐前進しながらその絶景まで近寄る。
「報告書を見る限り、彼女のその後は心配なさそうですね」
「そうだな」
適当に相槌を打ち、尚も目的地へ進撃する。
すると、嬉しい誤算が出来た。
遠目からでは分からなかったが、少し近づいただけで絶対領域が可視になりつつあるのだった。
スカートが覆い被さっているため、領域内は薄暗いがかなり近付けば鮮明に見えるはずだ。
これはもう最後まで行くしかないな。ここで立ち止まっては男が廃るしな。
幸いソーナは報告書を読むコトに没頭してるので、こちらの行動に気を配っていなかった。
細心の注意をはらいつつ、遂に俺は脳天を机内に入れるコトに成功した。
目線を真横に送ると、雪のように白く、本気で握りつぶせば簡単に粉砕できてしまいそうな華奢な足がすぐそこにあった。
しかも何か女の子特有の甘い香りがする。使ってるボディーソープがいい物なのか、それがソーナの魅力をより一層引き立てている
。
このまま上を向けば男子全員が夢見る禁断のーーーー!
そうして俺はこの目に楽園をしかと焼き付けようとして顔を上げた。
しかし目に飛び込んできたのは真っ暗な闇だった。それと同時に、鈍い痛みが鼻先に生じた。
「ギャーーーーーーーーーーーー!」
「アナタは一体何をしてるの!人が話しかけてるのに無視してると思ったらこんな破廉恥な真似をして!」
ソーナは天井に突き刺さるんじゃねえか?と思うくらいの勢いで立ち上がり、端正な顔を真っ赤に染め上げていた。
両手でスカートを押さえ、恥ずかしそうにもじもじと動くその様に、彼女本来の聡明さは感じられず、寧ろ萌え要素が強いコトこの上ない事態になっていた。
だが俺はそんな彼女の知られざる一面を見れたコトに歓喜していた。
アイツあんな顔するんだな……これはいい土産を手に入れたもんだ。
「少しは反省しようという気概は無いのですか!?」
「あぶね!!」
ソーナは煮えたぎっている怒りを発散するためか、俺の頭に容赦なく
「お前そんなコトしてくる奴だっけか!?もっとこう、力より知、みたいな奴じゃんお前!」
「アナタが下らないコトをしなければこんな行為に及ぶコトは無かったわよ!」
絶対領域を見たいと思うコトが下らないとはどういうコトだ!女しか分からないコトがあるように男にしか分からないコトだってあるんだぞ!
だがそれを言えばソーナから更なる鉄拳が飛んで来そうなので、俺はやむなく口を塞ぎ、緩慢と立ち上がった。
ふと、視界に入ったソーナの膝は、ほんの少しだけ赤くなっていた。
それから察するに、俺はどうやら膝蹴りを食らったらしい。いきなり視界が真っ暗になったのも、ソーナの膝が急接近したせいだろう。
……いろんな意味で良いものもってやがんな、コイツ。
ソーナもこれ以上俺が何もしないと結論づけたのか、大きく深呼吸をした後再び席に着いた。
「それで、この生徒の名前が記されて無かったんですが?」
ソーナは声に怒気を孕みながら俺に語り掛ける。
やべ、ちょっと面倒コトになってきた。どうしよう……。
「ああ、それだったらさ……」
とりあえず俺はポケットに入れていた生徒手帳を取り出し、ソーナに渡す。
未だしかめっ面をして俺を睨んでいるソーナだが、最後には渋々生徒手帳を受け取った。
「これは?」
「女生徒が落としていった生徒手帳。それに名前書いてあるから」
「……他人の生徒手帳をポケットに入れるなんて、感心しませんね」
「……別にいいんじゃね?」
明後日の方向を見ながらソーナと会話を交わす。部室で俺はコイツと同じ思考をしてたからな。返す言葉がないわ。
「全く……あら?」
生徒手帳を開いて女生徒の名前を見たソーナは、以外だと言わんばかりに高い声を上げた。
それと同時に、さっきまで滲み出ていた負のオーラが霧散する。
「幾瀬さんですか……驚きましたね」
「知ってんの?」
「知らないんですか?
これまたソーナは以外だ、と言うような感じで女生徒ーーーー京香ちゃんについて説明する。
「彼女は一年生の間で『駒王学園のマドンナ』と呼ばれる程人気のある女子生徒で、搭城さんと人気を二分割する程です」
「…………まじ?」
「まじです」
俺は数秒間完全に思考を停止させた。
そして脳裏に蘇ってくるのは友の記憶。
そこまで人気のある女の子だったなんて……あの犬野郎が知ったらどうなるかな。
妹がいたなんて聞いたコトないけどな……従妹だったりするのかな?まあ、どっちでもいいけど。
「元気にしてるかね……鳶の奴」
「鳶?」
思っているコトが口に出ていたらしく、ソーナは聞いたコトがない名前に首を傾げている。
「鳶って、鳥の名前ですか?」
「ん、まあ……そんな感じだ」
言葉を濁す俺にソーナはこれ以上の追及をしなかった。何か事情があると思ったのだろう。それほど大したコトではないが、今はまだこのコトを言うべきではない。
「……てゆうかさ」
俺は話題を変えるために、生徒会室を見渡した後、口を開く。
「前々から気になってたんだけどさ、何で俺がここに来る時ってお前しかいないの?」
そう、俺がここに来る日は何故かソーナしかいない。
普段はこの生徒会の副会長であり、ソーナの『女王』でもある椿姫がいるはずなのだ。仮に椿姫がいないとしても、他の役員が一人ぐらいいるはずだ。
「…………ええ、後は簡単な仕事だけなので、皆は遅くなる前に帰らせたんですよ」
「……ちなみにその仕事って?」
「アナタとの対談です」
簡単な仕事……俺と話すコトが簡単な仕事……。
ハハハハハ、その通りなんだけど、こう面と向かって言われるとちょっと凹むわ。
「それじゃあ……もう何もするコトないし帰るわ」
重たい足取りで出口まで歩き、扉に手を掛けた所で後ろから声が聞こえてきた。
「前に言いましたよね」
「あ?」
「このような問題を抱えている生徒が通っているというコトが悔しいと。その問題が解決出来ない自分の不甲斐なさに腹が立つと」
「そういえば言ってたな、そんなこと」
俺は扉から手を離し、替わりに背中を扉に預ける。
「この前も言ったとおりお前が気にするコトじゃないだろ?皆色んな思い背負ってんだ。それがいいもんか悪いもんかなんて、そいつ次第だろ。その背負う物すらお前は管理するのか?」
「そこまでは言いませんが、もしそれが悪い物だったら切除したいとは思いますね」
「だから何で?」
「決まってるじゃないですか」
そう言うと彼女は、
「悪い物を背負って高校生活をおくるより、良いものを背負って高校生活をおくりたいからですよ」
俺に微笑んだ。
夕日が窓から差し込み、ソーナの肌や流麗な黒髪が照り映え、ソーナが一際美しく見える。
まるでソーナ自身が輝いているような……。
いつもは堅い顔をしているソーナが、偶に笑うといってもほんの少ししか顔を崩さないソーナが、今目の前で満面の笑みを浮かべている。
「……そんなことしたって、お前が楽しい高校生活をおくれるとはかぎらねぇだろうが」
思わずそのギャップが原因で見惚れてたなんてコトがバレないように、俺は慌てて扉の方を向く。
いつもより心臓の鼓動が早い……くそったれ、俺らしくもねぇ。
「生徒が楽しそうにしているのを見てると、私もそういう気持ちになるのよ」
「なんだよそれ、どっかの生徒会長かよ」
「生徒会長よ」
そう言えばそうだった。やべ、頭が全然回ってない。
「だから私はアナタの背負っている物も取り払いたい。何か不憫があれば言って下さいよ、その腕」
「え、ああ……」
何とか頭を働かせ、俺らしさを出すための答えを選出する。
「ーーーーじゃあさ、俺こんな腕になっちまったからしばらく授業出ねえわ。ノートとってくれたら助かる」
「…………は?」
ソーナは情けない声を出し、行動を停止した。
まるでネジが止まったロボットのように。
だがそれも束の間、すぐさまいつもの調子に戻ったソーナは再び物凄い剣幕で立ち上がると、大声を上げて怒鳴り散らした。
「一体何を言ってるのアナタは!ノートをとるのは百歩譲って頼まれてあげます。だけど授業には出なさい!」
「背負っているもの降ろしてくれんだろ?」
「アナタ出席日数が足りてないのよ!このままじゃ留年するかもしれないのよ!分かってるんですか!?」
俺も段々といつもの調子に戻ってきたが、これ以上この場に居座ってボロが出たりしたら発狂してしまうかもしれないからすぐさまこの場を後にする。
「それじゃ、そういうコトで」
「待ちなさい!まだ話は終わってなーーーー」
後ろで尚も怒鳴り続けているソーナを無視し、生徒会室を出る。
危ない危ない。あれ以上生徒会室に居たら二重の意味で危なかった。
「……さて、帰ろかな」
まだ心臓がバクバクいっているが、我が部室にかえるまでにはいつものようになってるだろう。だから大丈夫、うん気にしない。
「……背負ってるもの、ね」
京香ちゃんも背負っていた物が無くなったから、あんなに笑顔になれたのだろう。
あんな笑顔が出きるようになったのだから、家族のコトはもう心配しなくても大丈夫だろう。
俺はソーナの言っているコトが正しいのか分からないが、少なくとも間違ってはいないだろう、というコトを考えながら部室に戻った。
「全く、相変わらず勝手な人ですね。……それにしても、『気になってる女の子がいる』って言うのは嘘じゃないんですけどね。現に生徒会で、天童君のコトが好きな女の子が一人……いるのだから」
京「ねえ、小猫ちゃん」
小「何ですか?京香さん」
京「天童先輩って……彼女いたりするのかな……?」
小「……………………え?」
京「ご、ごめん!今の無し忘れてぇぇぇえええええええ!」
ここにもまた一つ、新たなる恋が。