問題児と悪魔の妹が異世界から来るそうですよ? 作:亡き不死鳥
定期的には絶対に書けません。
文才に期待しないでください。
誤字脱字があったら教えてください。
問題児と悪魔の妹が異世界から来るそうですよ?
『紅魔館』
悪魔が住む紅の館。
外装から内装まであらゆる場所が赤く染めてある館の地下
そこに10歳ほどの少女がベットに寝転がりヌイグルミを抱きしめていた。
「……暇……退屈」
金髪を一房サイドテールにしてドアノブカバーのような帽子をかぶり、七色の羽を揺らす。
「何か楽しいことないかなー?魔理沙や霊夢がくれば弾幕ごっこで遊べるのに」
彼女の名はフランドール・スカーレット。吸血鬼である。可愛らしい見た目とは裏腹に赤い目、鋭い爪、鋭い歯など人を殺す凶器を身体に兼ね揃えていた。
「……パチュリーの図書館で魔道書でも読もーっと」
じっとして居られなくなった彼女はこの館の住人の一人の元へ足を運んだ。
この館の主な住人は6人。紅魔館の主でありフランドールの姉であるレミリア・スカーレット。その親友であり魔法使いであるパチュリー・ノーレッジ。その使い魔の小悪魔。メイド長の十六夜咲夜。門番の紅美鈴。そしてフランドール・スカーレットである。
フランドールはたびたびパチュリーに魔法を習い、魔道書を読み漁っているのだ。それに図書館に行けばたまに白黒魔法使いの魔理沙がいることもあるのでそちらも楽しみにしていた。
☆☆☆
「魔理沙来てるかなぁ?」
そんなことを思い図書館の扉を開けようとすると中から声が聞こえて来た。
『これでーーが歩ーーの?』
『ええ。こーーを舌にーーーばね』
この声……お姉様とパチュリーだ。
バンッと、勢いよく扉を開け中に飛び込んだ。
「お姉様にパチュリー!何してるの!?」
「フラン!?」
そこには蝙蝠の形の紙を持って驚いている姉と額に手をやりやれやれ感を出している魔法使いがいた。
「なにそれ?」
「あ、こら!」
ひょいっとレミリアが持っていた蝙蝠の紙を掠め取りまじまじと眺める。よく見るとシールのようだ。だが魔法がかけられていることは分かるのだがその効果はよくわからなかった。
「パチュリーこのシール何?」
「…それは吸血鬼外を歩けるようにと思って作ったシールよ。それを自分の舌に付ければ吸血鬼でも太陽の日の下を歩けるようになるわ」
「へー、こう?」
舌にシールを付けてみるも効果が現れたかはよく分からない。
「どう!?凄いでしょ!」
まるで我が事のように自慢する姉。しかし今回は素直に褒める事が出来なかった。
「……また私だけ仲間外れにするんだ」
「え?」
「お姉様が起こした異変の時や宴会も私だけ仲間外れだった。月がおかしくなった時も私は留守番だった。どうせまたお姉様だけ楽しむつもりだったんでしょ?」
「ち、違うわフラン。私は来週の……」
「前回も!今回も!お姉様ばっかり!」
「聞いてフラン。私はあなたの…」
「お姉様の馬鹿!」
フランはそのまま踵を返し図書館を駆け出して行ってしまった。
「……あなたの誕生日プレゼントとして用意したのに」
後にはレミリアの小さな声が図書館に残っていた。
「残念だったわね、レミィ」
「……今までの私の行いを省みれば仕方ない事よ、パチェ」
「それで?お姉様は妹様を慰めに行かなくて良いの?」
「今行っても逆効果よ。夜中に出直すわ」
そう言い残し、悲しそうな笑みを浮かべながらレミリアも図書館から出て行った。
☆☆☆
図書館から戻ってきたフランはベットに寝転がり自己嫌悪に陥っていた。感情的になってしまうのは自分の悪い癖だ。今でこそ口だけで済んでいたが、少し前まで辺りに八つ当たり気味に弾幕をぶつけていたのだからお姉様が私を外へ容易に連れて行ってくれなかったのも分かる。それになんだかんだで妹思いだという事もよく知っている。優しいし素直じゃないことも知っている。それなのに私は…
「はぁ。………あれ?」
自己嫌悪の深みにはまりかけていたフランが不思議な物を見つけた。お気に入りのクマのヌイグルミ。その手に小さな手紙が置いてあった。
咲夜の仕業かな?と思いながら手紙の封を切り、手紙を取り出した。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる、その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』
瞬間、フランの姿が紅魔館から消え去った。
☆☆☆
深夜
「フラン、入るわよ?さっきのことで話があるの。フラン?」
フランの部屋の扉を開け、レミリアは中にはいる。しかしそこにフランの姿はなかった。
「………フラン?」