今回は機体についてですが、ユニコーンが知っている機体の情報はwiki程度です。
その所、ご配慮をお願いいたします…
それでは、どうぞ!
賢治side
夕呼博士から案件を出せと言われたので、その日の内に部屋に届けられたパソコンに俺が覚えてる限りの武装兵器の名をピックアップしてみた。
と言っても、俺がエンペラー艦にいた時に作ったやつだからここの戦術機のサイズを確認してからじゃないと本格的に設計は出来ない。
それで次の日に霞ちゃんの案内で予備の戦術機を置いてあるハンガーを見せてもらった。
博士は既にハンガーで待っていた。
え? なんで霞ちゃんが一緒にいるのかって?
んなもん前の世界の記憶を受け継いでるんだから武と一緒にいるに決まってんじゃんよ。
今朝なんか武の部屋から
因みに何でピアティフ中尉じゃないのかというと、夕呼博士が俺達のことを知っていて質問しても問題なく答えれる相手だかららしい。
「…意外と小さいな」
「いやいや、ゲッターと比べるなよ…」
俺達の前に佇んでいるのは第三世代戦術機『不知火』昨日シミュレーターで使った機体だ。
他には『撃震』と『吹雪』が新品ではないがある。
他にも戦術機は色々とあるみたいだが、国連軍…ここ横浜基地で扱っている機体はこの三種類ともう一種類あるみたいだ。
帝国斯衛軍にはこの三種類よりもスペックが高い武御雷と撃震の亜種『瑞鶴』があるらしい。
はてさて、コックピット…ここでは管制ユニットか。それはこの世界の戦術機では共通していて、違うのは二人乗り用があるだけらしい。
しかし、戦術機の中で最大の強度を誇る武御雷のスーパーカーボン製ブレードエッジ装甲は『ステルバー』よりも若干脆い。
インベーダーに意図も簡単に絞め潰されたステルバーより装甲が脆いってどんだけ…
でも昨日パソコンで調べた限り、この世界ではステルバーの装甲の元となる鉱石が存在しない。
これが平行世界の現われか?と思ったけど、無い物は仕方ない。
今あるもので強化できる箇所を探していこう。
「なんなら直接、機体に触れて見てみる?」
「お? いいのか? なら遠慮なく―――ふっ!」
「え、ちょっと!?」
「ぃよっと」
俺はその場で屈みんで反動を利用し、跳躍して不知火の肩に乗った。
「…検査結果、ある意味間違いじゃないかしら? ただの跳躍で18Mを軽々と超えるなんて…」
なんか博士がブツブツ言ってる気がするが無視しよう。
そんな中俺が先ず見たのは関節部分。
設計図を見た時、ジョイント部分が甘く見えたので実際に見てみると、思った通りフレームと関節は細かった。
シミュレートの時に使って気になって資料を見たが、この機体は瞬発性を重視していて装甲とフレームは軽量化されてる見たいだ。
確かに隣にある撃震より瞬発力はある遥かにあるが、耐久性を代償にしているため長刀での攻撃や格闘では撃震に劣る。
腰の高さのキャットウォークに降り立ちマニピュレ-ターを見てみると、ここも『ステルバー』より造りが脆い。
この作りはとにかく武器を落とさない程度の握力を想定した造りだ。
股関節を見ても辛うじて上段蹴りが出来ないぐらいの造りだ。
てか、よく見たら腕の部品一つでも壊れたらそっくり腕を取り替えないと行けない造りじゃね?
俺は続いて撃震と吹雪も同じように見ていった。
夕呼side
何をしているのかしらあの男は?
さっきから機体を跳び渡ってフレームとジョイントを見ては落胆しての繰り返し…
何を求めてるのかしら?
三機の観察が終わったのか、黒崎はここまで飛び降りてきた。
着地する際の衝撃が柔らかいわね…『ドン』とか鈍い音じゃなく『シュタ』って音だし…何をしたのかしら?
「どうだった?」
「はぁ…ここまで酷いとは思わなかった」
戻って来ての第一声がダメだし…どういうこと?
「あら? 何処がダメだったのか教えて貰っていいかしら?」
異世界で武装のみならず、機体の設計に携わった者の意見…聞かせてもらおうかしら。
「ああ、まずは―――――」
武side
賢治が言うのはつまりはこうだ。
今ここにある三種の戦術機は俊敏性だのどうのこうの関係なく、フレームとジョイントが細くて単純すぎるらしい。
あの造りでは機体の負担が大きく、直ぐに部品を取り替えるという燃費の悪い機体の造りの様だ。
マニピュレーターの造りは握力が弱く、何かにぶら下っても直ぐに落ちてしまうらしい…
股関節では日本の戦術機全体は近接戦闘を視野に入れての造りなのに辛うじて上段蹴りが出来ない可動域で衝撃も吸収できずモロ足に負担が来るらしい。
問題点は細々としたのが他にもあるらしいが、これらを改善すればOSとCPUを触れずに今までの機体性能を11%アップさせれるとのことだ。
確かに俺が二度目の世界で戦ってる時に思ったのは、近接戦闘の際に起こる競り合い…この時に必ずと言っていいほど片方が武器を取り落としていた。
機体の損傷を防ぐ為にある程度の負担がかかる前に自動で武器を取り落とす仕組みだと資料には書いてある。
賢治はそれが代えって邪魔で、有事の際にそんな事が起これば餌食になるのは機体と衛士だと言い、何でこんな機能をつけたのかとボソッと呟いた。
…どうやら賢治はこの世界の機体に些か落胆したらしい。
衛士のことを思って造るはずの機体が、整備班の負担を減らす為の機体の造りになっているとのことだ。
そして結論、俺達が乗って全力で戦うと機体がスクラップになるらしい。
唯一耐えられるのがスペック上では武御雷だけみたいだ。
「…あんたの言いたい事はわかったわ。ならあんたはこれから機体を造るの?」
「造ろうにも核融合炉すら出来ていないんじゃ、先ずパワー不足で駄目だ。俺が核融合炉を造ってもいいが、核は環境の問題どうのこうので申請が面倒だろう? ならその無害ってわけじゃないけど汚染の心配が無いS-11を動力源にする方法を模索するさ。ついでにこの三種を貰っていいか? バラして中をちゃんと見て設計したい」
…S-11を動力源?
三種をバラして設計?
お前は、また…もう好きにして(涙
「俺達の機体を造るより先ずは今配備されている機体の強化だからな。ココで使われてる機体を強化する為にハンガーも貸してくれ。人員はまぁ…信頼できる奴を7人ほど頼む。ああでもなぁ…武、お前の開発したOS『XM3』を先に作るか?」
XM3か…懐かしいなぁ。
出来るなら今作ったほうがいいかもしれないな。
俺がXM3の教導で賢治が開発を担当。
丁度いい役割分担だっと言っても、俺は開発や設計が出来ないからこうなるしかないんだがな。
「ちょっとちょっと、あたしを置いて勝手に話しを進めてんじゃないわよ。何、あんた機体の他にもOSも作れるわけ?」
「まあな、ゲッターの基礎OSを身につけた奴なら大抵の機体のOSは弄くれるさ。それに、武が発案した『XM3』は今のOSを改良するだけだから面倒なのはバグ取りぐらいだ」
「前の世界ではこのOSに変えてフレームを強化しただけで生存率が30%上がりました。それに賢治の強化案が加わればもっと上がるはずです」
俺達の相棒を一人で整備出来るんだから、絶対だ。
「…あんた達本当に化け物ね。身体能力といい、その知識といい…」
「………俺が化け物なら隼人さんは悪魔だな」
知識に加えて生身でも強い真ゲッター2のパイロット【神 隼人】さんか…うん、あの人も対外化け物だよな。
「次は武器だな。あそこか」
賢治はハンガーの壁に立て掛けられてる突撃砲の方へ跳んで向かったので俺達も
夕呼side
まったく、この二人には驚かされるわ。
一昨日前に突然現れた謎の二人の男。
第五計画の工作員がついに表から来たかと思ったけど、誰にも話していないはずの半導体と00ユニットの情報を遠回しに提示してきたから流石のあたしも焦ったわ。
一先ず門番に捕らえさせて尋問しようかと見に行けば、逆に門番が振り回されているなんてね。
しまいには30弾倉マシンガンの誤射を全て素手で受け止めるんだから…
それに、社があんなにも心を開いている理由がまさか別の世界に飛んでいたなんて誰が想像出来るのよ。
社は私と行動を常に共にしているから外部と接触する際は必ずあたしがいるし、ESP能力の者が来た事はない。
口裏合わせはまず、社自体、嘘をつけないから即効で省ける。
なら、社のあの話は本当ということね。
でも、まさか因果導体が異世界の人間も巻き込むのは興味深いわ…やっぱり一度解剖してみようかしら?
そうね、黒崎を解剖して脳に電極ぶっ刺せばあいつが持ってるゲッター線や機体の情報が手っ取り早く手に入るわね。
――――――ゾックゥゥッ!!
「(おおぅ!? 何だ、この悪寒は!?)」
「(な、何かこの寒気、どこかで感じたことが…)」
あら? 急に二人の動きが固まったけどどうしたのかしら?
まあいいわ。機体であの短時間で終わったんだから武装も終わってるでしょ。
「で? 改良点や新武装のめどは点いたの?」
「(やけにいい笑顔で聞いてくるな…)ああ、一応な。こればっかしは言葉では難しいから改良点は書類に纏めて出すよ。新武装はもうちょっと練りたい」
「そう、ならば明日までに出してちょうだい。次に行くわよ」
「「次?」」
「そう、次は207分隊の訓練風景をね?」
「!?」
―――――白銀、あんたは護りたい者達に逆に護られてきた…なら、この世界で彼女達を護って見せなさい。それが今の、あんたに出来る事最大の恩返しよ―――――
いかがでしたでしょうか?
ageの方々にボコボコにされるのではとハラハラしています(汗
感想、アドバイス等をお待ちしております!