さて、あらかた斬り殺したから次にいくか。それともこのまま市街地にいるかどうかだ。いや、ここは移動しないで狩りを続けよう。どうせさっきの戦いで相手は寄ってくるだろう。スキャンの結果を待とう。
リーファ
お兄ちゃんとお姉ちゃんに当たらないように狩っていこう。スキャンの情報をもとにみていると目の前に赤い鎧を着た銀髪の少女が無精ひげの男性と歩いてくる。
このまま気配を消して少し待つ。相手は警戒しながらこちらに移動してくる。横に来た瞬間、斬ろうとすると相手は驚いたことに私の気配を察して光剣で対応してきた。
「うおっ!? どこから現れやがった!」
「兄様、援護してください!」
どうやら妹さんは冷静のようで、私は妹さんと斬り合っていく。驚いたことに彼女の腕はかなりいい。面白い。でも、邪魔がいるからスタングレネードで一旦距離をと……
「っ!?」
腕が狙撃されて、光剣で突き刺された。どうやらスナイパーが隠れていたみたい。仕方ないので用意していた紐を引っ張る。
「なっ!?」
「兄様っ!」
プラズマグレネードとデカネードの大量プレゼント。ただでは死なないよ。流石にお兄ちゃんみたいにスナイパーライフルの狙撃を戦闘中は回避できないし、仕方ないよね。
※※※
「信廉と兄様がやられましたか。ですが、これは仕方ありませんね……」
まさか自爆するとは思いませんでした。というか、逃げようとして間に合わないぐらい広範囲の火力でした。何個持っていたんでしょうか?
「まあ、いいでしょう。二人の分まで相手を調べないといけませんね」
アンチマテリアルライフルバレットM82を持って移動する。森の中を進んでいると、狙撃音がして思わず隠れる。双眼鏡で様子をみると遠くで狙撃されている男性がもの凄い速度で回避したのだけれど、予測されていたのか頭部を撃ち抜かれた。彼の周りには沢山の死体が転がっている。
「何この大会……人外だらけじゃいですか……」
すくなくとも超危険なスナイパーと剣士が一人ずついるということは確定している。彼女と彼は有名なプレイヤーで優勝候補として調べてあります。その結果、その二人はSAOに居なかったことがわかっています。
国の調査機関と民間の調査機関で調べさせた結果なので間違いありません。つまり、頑張って接触すれば味方になってくれるかもしれません。無理でも最悪戦いは待ってもらいたいですね。
「それにSAOで悲惨な目に合わせられた女性のぶんも……」
「なにそれ。詳しく教えて?」
「え?」
振りむこうとした瞬間、頭に銃口が押し当てられました。そーと振り向くと視界に映ったのは優勝候補の凄腕のスナイパーの少女。
「武器を捨てて詳しく教えて。さもないと……」
「わ、わかりました!」
慌てて武器を捨てます。どうやって、どうやってこんなにところにいるのですか!
距離がかなりあったはずなのにおかしいですよ!
「さっさと吐く」
「えっと……」
私はSAOのこととデスガンについて詳しく教えていきます。協力してもらえればうれしいですし、ここで死ぬわけにもいきませんから。
「なるほど。いいよ、協力してあげる」
「信じてくれるんですか?」
「不思議なことには慣れてるから。ただし、条件があるわ」
「なんですか?」
「その銀髪のゴミは私が、私達がもらう。それが協力する条件ね」
「もちろんです。なんだったら、リアルの居場所も教えちゃいますよ」
「知ってるの?」
「調べましたから」
「そう。ならそれも報酬としてもらうわ。それと追加で味方をつける。シリカのこともあるから動いてくれるから」
「助かります。シリカという人は……なんでもないです」
アイツに恨みがあるなら被害にあった人のはずですしね。とりあえずスキャンを待ってから私達は行動することにします。まずは都市部に陣取っているご主人様のところにいくそうです。って、ご主人様ってなんですか!?