ちょくちょくでも更新していった方がいいかなと
詩乃の家に泊まり出して3日目。朝は家の事をお手伝いして詩乃の家族と親睦を深めつつ、昼から詩乃と一緒に街をデート。詩乃が通った学校やら、例の場所を一緒に見たりした。夜はGGOにログインしてシノンと一緒に過ごす。
「さて、ようやくダンジョンの所まで来たね」
「そうね」
バギーでここまで来るのに時間はかかっている。ダンジョンの場所を探すのも含めてだから仕方ないけどな。
「じゃあ行こっか」
「ええ」
2人で廃ビルの中へと入り、移動していく。先頭で進むと急に予測線が現れたので回避行動に移る。飛び退ると直ぐに銃撃が行われる。
「避け――」
「あっ」
避けた瞬間、床が崩れて地下へと落ちていく。シノンも一緒に落ちているので急いで瓦礫を蹴って近付き、抱き締める。同時にアイテムストレージからワイヤーフックを取り出して上へと投擲して巻きつける。
「っ!?」
「だっ、大丈夫?」
「うん、まあ……なんとか」
腕に衝撃が伝わって来たが、どうにか耐えられた。アイテムの耐久力も減ってしまったが、このままゆっくりと降りられる。流石に上に行く機能はない。
「落下の即死トラップかな?」
「みたい。でも、短縮ルートみたい。ほら、アレ」
「確かに……ここもグロッケンの地下ダンジョンみたいだし。いや、新エリア?」
シノンの言葉に少し移動して遠くを見ると大きなアルマジロみたいなエネミーが徘徊している姿が見えた。
「どうする?」
「帰れないし狩っちゃおう。狙撃してみ」
「わかった」
「他の同系列のエネミーからすると弱点は額の結晶みたいな奴だと思う」
「アレね」
シノンがライフルを取り出して寝転がる。俺はその横で光剣を構えつつ双眼鏡で距離を測って伝える。
「大丈夫、任せて」
「落ち着いてね。弾丸は沢山あるから」
「うん」
引き金が引かれて弾丸が発射される。排出された薬莢は地面にあたった後、ポリゴンとなって消滅する。発射された弾丸は結晶に命中し、エネミーは苦しげに悲鳴をあげた。
「おお、命中した」
「ん、余裕よ」
「でも、0.4ミリずれたね」
「……指示して」
「オッケー。右に0.4、上に3。そこでいい。タイミングは……撃て」
「ん」
今度のは額の結晶の真ん中に吸い込まれるように命中してエネミーを大きく後ろに転がる。その時、お腹に拳サイズくらいのマークを見つけた。
「シノン」
「わかってる」
直ぐに発射された弾丸はそのマークを撃ち抜く。それだけで大ダメージを受けたようで、大きくヒットポイントゲージを減らした。だけど、相手は起き上がって反撃として炎を尻尾から放ってくる。
「ふっ」
飛んでくる炎の塊を飛び上がって中心部を光剣で切り裂いて霧散させる。
「何馬鹿な事をやってるのよ。当たらなかったわよね」
シノンが撃ちながら言ってきた。
「ちょっと試してみたくてね」
「……チートめ」
「あははは」
しかし、炎を切る事もできるか。弾丸も切れるから試してみたんだけど、エネミー狩りもできそうだね。
「シノン、0.6下」
「ん」
しばらくやる事もないのでシノンとエネミーを見ながら適当に時間を潰す。マガジンを渡すくらいしかやる事がないし。
「試しに撃ってみるか」
「え?」
「ハンドガンでどこまでいけるかね」
狙って撃ってみるとやはりというか、ずれた。ずれた軌道を計算して重力加速度と湿度、空気抵抗を調べる。それらを考慮して撃つ。
「ぐぎゃあああああああぁぁぁぁっ!?」
「あっ」
「あたった……」
「ライフルの狙撃距離をハンドガンでやるんじゃないわよ!」
「あははは、しかもラストアタックだ」
エネミーがポリゴンとなって消滅し、俺の目の前にPGM ウルティマラティオ・へカートIIという表示が出てきた。
「シノン」
「何よ?」
少しむっとしてそっぽを向いているシノンにトレード要請を出してへカートを入れる。
「あげる」
「……いらない」
「シノンのダメージが入っていたし、ラストアタックボーナスなだけだし……俺使わないから。というか、受け取れ」
「む……わかったわよ。ありがと」
トレードが無事に終わった。
「早速装備してよ」
「そうね。えっと――」
シノンが操作すると大きな銃が現れた。
「重っ」
「鍛えないと駄目だね。全長1380mmだし仕方ない」
「そうね」
「よ~し、シノンのレベル上げも含めてガンガン行こうか」
「ちょっ、ちょっとっ!?」
シノンを抱き上げて高台になっているここから飛び降りて、壁や突き出ているブロックなどを蹴って飛び移りながらエネミーが居た場所に降りる。シノンは顔を赤くしていて可愛かったのでそのまま連れて行ったら怒られた。まあ、当然だけどね。