シノンと共にガンゲイル・オンライン   作:ヴィヴィオ

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第13話

 

 

 

 

 お仕事は非常に簡単な方法を取る。このホテルにはドクターとリタが作ったVR投影機があるのでそれを使って海の生物を立体映像として作成する。クオリティも実物と変わらないレベルで作成していく。

 

「どうせならアルヴヘイムの宣伝も兼ねない?」

「それもそうだな」

「んー確かにそっちの方がいいわね。どの子使うのよ?」

「ウンディーネでいいんじゃないかな。ああ、知り合いにいい子が居るからちょっとオファーしてみる」

 

ネット内にダイブしてドクターとリタと俺の3人で作っていく。SAOのカーディナルシステムに代わるシステムも作成してあるのである程度の融通は効く。

明日奈にオファーを出してから海の生物達をどんどん作成していく。作るのは水族館みたいな物だ。プールもレジャー施設並のがあるので水中にも魚の群れを投影すればそれだけで人が呼べるだろう。

 

「ねえ、このデータを利用して実際にダイブすれば海の生物と触れ合えるのも楽しそうじゃない?」

「それは確かに。ドクター、できる?」

「任せたまえ。シードで1つ作るくらい片手間でできるさ」

「じゃあ、色んな海をよろしく。週替わりで入れ替えよう」

「待て、流石にそれは片手間では……」

「よろしく」

「がんば」

「し、仕事が他にも……いや、基本を作れば自動収集と自動生成でどうとでもなるか」

 

2人がどんどん作成していく。思考制御で入力し、並列思考は当たり前という頭のデキがおかしな2人の仕事量ははっきり言って数十人どころか数百人分の仕事量を終わらせている。

 

「根幹部分はできたわよ。あとは実際のデータね」

「了解。デザインも出来たからリタは作成と修正をお願い」

「任せて」

 

80分で全員の作業が終わり、デバックと最終調整に90分を使ってネット内での仕事は終了した。

数ヶ月単位のお仕事が170分とか、チートだよな。

 

「んじゃ、後はよろしく」

「任せたわ」

「わかった。ありがとう」

 

2人は直ぐに別の仕事に取り掛かる。俺は俺で外に出て投影機にデータを移して起動してみる。するとホテルの3階くらいまで吹き抜けになった巨大なロビー上部が海の映像に切り替わり、魚が泳ぎ出した。

 

「なにあれ!?」

「凄い……」

 

ロビーの下の方にも海から海上に飛び出るようにして飛んでいき、客達の間を泳いで上の海に戻っていく。三階部分からは海の中が確認できるようにしてある。

 

「もうできたのでございますか……」

「ええ。後はプールとVR空間の設置ですね」

 

詳しい事を説明して許可を貰って作業を行ったのでプールも即日から稼働させた。一時だけお客さんには出て行って貰ったけど。これは泳いでる最中にいきなり魚が出現してパニックになったら大変だからだ。VR空間の方はカプセルベッドを用意してもらって体験コーナを作成してもらって実際に一般の人と従業員の人に試してもらう。キャラクター作成は外で現実の自分に選んだ水着だけという簡単なものなので子供達も可能であり、なにより親御さんと一緒に選べるので安全だ。

これらも110分で終わったので万々歳だ。

 

「この度は誠に有難うございます」

「いえいえ」

 

オーナーの人がやって来てお礼をしてくれた。報酬に色もつけてくれるようだ。

 

「それと宿泊客だけじゃなく、外部からも人を呼んだ方がいいですよ」

「しかし、それでは宿泊客の方が……」

「優先権などで差別化を測ればいいんじゃないかな? カプセルの方は買えばいいし、プールは人数制限を入れて快適なように調整すればいいし」

「ふむ。予約制ですね。では、ついでにお食事券も付けてセット販売をしましょう」

「じゃあ、お土産のプレゼント抽選会とかもいいかもね」

「それでしたら、別館の一般向けの方もお願いできますか?」

「データはリンクさせれば直ぐだから、購入してからどうぞ。流石に投影機が足りない」

「わかりました。では、後ほど連絡しますね」

「お願いします」

 

これでお仕事は終了。お昼を過ぎちゃったけど詩乃は待ってくれて居るかどうか……と思ったのだけど、詩乃だから待ってるよね。

 

「あ、お帰り」

「ただいま」

 

ロイヤルスイートの部屋に戻ると肌がツヤツヤになっている詩乃が居た。

 

「どうだった?」

「ん、痛かった」

「あはははは」

「ご飯はどうする?」

「ん~適当に食べてから向かおうか」

「和人は疲れてない?」

「大丈夫」

「じゃあ、レストランで食べようか」

「うん」

 

レストランで昼食を取った後、チェックアウトしてもらう。この時、高級な海鮮類やお肉のお土産を渡されたのでホクホクだ。

それからは詩乃に抱きついて貰ってバイクで飛ばしていく。捕まらない程度にだけど。

何度か休憩を挟んだ時に詩乃の家に連絡を入れる。

それからも走って午後5時57分に詩乃の家に到着した。

 

「ここが詩乃の家?」

「うん。和人のとこみたいに豪華じゃないけど……」

「いや、うちもそうだから……いや、家に道場がある時点でおかしいか」

「うん」

 

バイクを止めて詩乃からヘルメットを受け取る。

 

「じゃあ、ちょっと呼んでくるね」

「荷物を降ろしてるから」

「わかった」

 

詩乃が家に入っていくのを見送った後、荷物を降ろしていく。家の中では楽しそうな会話が聞こえて来て、扉が開けられると涙を流している詩乃が俺に抱きついて来た。

 

「和人、ありがとう」

「気にしなくていいよ。それより、ほら」

 

詩乃の母親と祖父母が出てきてこちらを見ていた。

 

「初めまして、詩乃と結婚を前提にお付き合いさせて貰っている桐ヶ谷和人です。どうぞよろしくお願いします」

「こちらこそ……」

「うむ」

「……」

 

挨拶を終えた後はそのまま中に入れて貰って色々と話をする。お土産も渡して一緒に夕食を食べながら色々と話していった。

食べ終えて少ししてから詩乃の部屋に入る。詩乃の部屋は年頃の女の子の、妹の部屋とは違い物が少なく実用的な物が殆どだった。

 

「これからどうする?」

「少し遊ぼっか」

「そうね」

 

2人で1つのベットに寝ながらGGOにログインする。シノンとキリトとなって2人で狩りに出かけていく。新しく実装されたというダンジョンを探して荒野を進んでいくと空にそびえ立つ摩天楼が見えて来た。まあ、遠いしエネミーも居るのでログインとログアウトを繰り返して進んでいくのだった。

 

 

 

 


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