乙女ゲー世界はモブの中のモブにこそ、非常に厳しい世界です 作:N2
修学旅行当日、用意された飛行船の豪華さに驚いてしまった。
「さすがに豪華客船は初めてだな」
「うちはいつも軍艦でしたからね」
俺の呆気に取られた言葉にマルティーナは相槌を打ってくれる。
「でもリックさん、だいぶ疲れてるようですが大丈夫ですか?」
ヘロイーゼちゃんが心配するように顔を覗いてきてくれた。
「いや、何だかんだとオフリー関連の処理でずっと夜遅くてね」
いやー仕事忙しくて寝てないわー、働きすぎるデキる俺辛いわー、と無駄にアピールをする意識高ウザ系をしてみると、皆が本気で心配してきた。
何かごめんなさい。
「ご主人様って同い年ですよね…… あの、よくそこまで実務出来ますよね?」
ナルニアちゃん、俺の中身はおっさんだからね。おっさんは24時間戦えるからね。凄いね。
君にはお酒の酌をして欲しいタイプだ。
「エーリッヒ様は頑張り過ぎです。暇なエトを使ったらどうですか?」
「エトは充分頑張ってるだろう。お前はエトに厳しいんじゃないか? 成人前だぞ。当時の僕と比較しても僕より凄くないか」
「お兄様のほうが凄いですよ……」
頬を膨らませて唇をつきだす姿に萌えてしまった。
しかし、マルティーナは以前からエルンストに対して厳しい。もちろん愛情もあるので、エルンストも嫌ってはいない。慕っているが、怖くて逆らえないみたいだ。親父や俺には、そう怖いところは見せないんだけどね。
ラーシェル神聖王国フライタール辺境伯との戦争は、俺が成人になる月の出来事だった。
そう考えるとエルンストはヤバいな。
「リックさんの弟さんってそんなに凄いんですか?」
「まだ学園入学前なのに?」
ヘロイーゼちゃんとナルニアが興味を牽かれたようだ。
「哨戒任務に敵飛行船制圧の白兵戦、オフリーの飛行船を六隻中破させて鎧を23機撃墜。公式記録にはならないが凄いだろ! 領内の仕事はまだまだこれからだが、正にヘルツォークの至宝だな」
「エーリッヒ様は11歳から領の仕事をしていたじゃないですか。輸出入はエーリッヒ様が切り開いたような物ですよ」
マルティーナはヨイショしてくれるが、切り開いて進める土台作りは親父がしてたけど、言っても俺の手柄にしようとするんだよなぁ。
ヘロイーゼちゃんとナルニアは驚愕で絶句している。そういえば、2人は詳細な戦闘記録は知らなかったんだったか。
「豪華客船を楽しまないで、物騒な話をしているわね。はい、リック君」
疲れている俺を見かねたのか、飲み物をクラリス先輩が持ってきてくれた。
「ありがとうクラリス。そういえば取り巻きの人達は?」
「私が無理矢理こちらに変更したから別々よ。私の男子の取り巻き達は問題無いけど、女達が鬱陶しいから丁度いいわ」
クラリス先輩も女の取り巻き達が、信用を回復しようと長期休暇明けからアプローチを掛けてくるが、それをあしらうのが面倒だと言っていた。
バーナード大臣が彼女等の実家に圧力を掛けたせいもあるのか、信頼を取り戻すのに彼女等も必死だ。
しかし、バーナード大臣もクラリス先輩も、以前の女子の取り巻き達は切る気満々のようにも見えるな。
アンジェリカさんの取り巻き達は、この豪華客船内でもアンジェリカさんを必死に追い回していた。そのせいでアンジェリカさんは、リオンやオリヴィアさんと別々だ。
「この修学旅行では、僕がクラリスの取り巻きをするから安心していいよ」
「あら、じゃあ、お言葉に甘えるわ」
そう言って俺の右腕を抱き込んで、感触の心地好さで疲れが吹き飛びそうになる。
「な、何で腕に抱き着くんですか!? わたくしだって我慢していたのに! 取り巻きの男子に抱き着くお嬢様なんていませんよ!」
そう言って左腕に抱き着くマルティーナに、慌てて持っていた飲み物をヘロイーゼちゃんにウインクしてパスする。ヘロイーゼちゃんはウインクを返してパシッと受けとる。
もう目と目で通じ合う仲となってしまったか。
「いいじゃない。それにリック君に話したい事もあるしね。例のヘルツォーク民間護衛艦隊の件、許可が降りたわよ」
「よしっ、それは良かった! 助かったよクラリス!」
クラリスの腰に手を回してつい力を込めてしまった。かなり制約も出るだろうと思うが、それでも許可が降りるのが早い。さすがバーナード大臣だ。
「んぅ、……ふふ、喜んでくれて嬉しい。代表はエルザリオ子爵、副代表はエト君。そしてあなたは相談役よ。艦隊管理責任者にはあのローベルト殿。人員リストを見た軍人の顔が凍り付いたそうよ。お父様も笑いを堪えるのが大変だったみたいね」
ふむ、その護衛組織から護衛するための組織が必要になりそうだな。航路内の他の飛行船は震え上がりそうだ。ローベルト艦長も軍人や戦争経験豊富な貴族間では有名人でもある。
「装備の制限はあるけど、まぁ直ぐに取り掛かるさ。数年で民間護衛組織連盟をヘルツォークで塗り潰してやろう」
ついついニヤリと人の悪い笑みが溢れ落ちてしまうな。この事業は色々な浮島や事業者と接する事が出来る。王都に事務所も構えるので、ヘルツォークとも触れ合う人が多くなるという事だ。
ヘルツォークの世間の評判を払拭するには中々良いだろう。連盟が取り決めている価格で行えば、まず誰に依頼するか? ヘルツォークに決まっている。
民間護衛組織とヘルツォークでは、ボーイスカウトと軍隊を比べるようなものだからな。
「悪い顔をしているわ。ふふふ、素敵ね」
「お兄様はいつでも素敵ですよ」
両手に花で更に後ろに女子が2人いると、女子に付きまとわれている青髪メガネのクリスと良い勝負が出来そうだ。あいつは女子が周囲に一杯いるのにつまらなさそうだからな。
1人だからか? ポーカーをやっていたみたいだが、外に出て行ってしまった。
せっかくだし少し見て回ろうと皆を誘う。甲板のプールに興味があるのだが、脇を抑えられてしまい、反対側へと歩き出してしまった。他の女子のスタイルも気になるのに!
☆
エーリッヒ達が修学旅行で南方に向かう豪華客船の倉庫。
アンジェリカの取り巻きの女子2人が、コソコソと話をしていた。
「こっちが下手に出ていれば偉そうに!」
「公爵令嬢様だからね。仕方ないでしょ」
夏休み初日の決闘騒ぎから、アンジェリカの取り巻きは男子も女子も信用を失っており、それを取り戻そうと必死であった。
しかしそんな取り巻き達の中には不穏な動きを見せる者達も現れ出している。この2人も正にそのような人物達である。
「うちは公爵家を見限るわ」
「私の家も同じよ。王太子殿下の派閥が崩れたからね。王宮内ではレッドグレイブ公爵家は落ち目だし」
ユリウスの失脚により、その後ろ盾をしていたレッドグレイブ公爵家の派閥は崩れ出している。そもそも王宮貴族は議会に領主貴族の勢力が深く関わるのを殊更に嫌がる。
政治や王国本土は我々の領分であり、浮島の領主は引っ込んでいろというのが本心であった。
後ろ盾というのはそもそも武力である。立てる王族がいなくなれば、その武力背景が議会内ではあまり役に立たない。
今レッドグレイブが議会内で剛腕を奮えば、「立てる人物も無しに謀反でも起こす気かね」という嫌疑で相当領地に負荷を掛けられるだろう。派閥を構成する王宮貴族が離れるのは必然と言えた。
そして取り巻きの内の彼女等の家も、ユリウスが即位してからの恩恵に与ろうとしていた家である。アンジェリカと長い付き合いとはいえ、家が派閥を抜けるのだ。彼女等自身が取り巻きを抜けるのも当然と言えた。
ユリウスが廃嫡されるような事態に陥った事も悪いが、アンジェリカが決闘を申し込んだのも貴族社会では短慮で悪いと言えよう。取り巻き達も同学年であり、まだまだ貴族社会の時勢を読むことなど難しく、そもそも王太子殿下達に対する決闘の代理人に手を挙げる事など、ユリウスに取り入りたいというアンジェリカの取り巻きだからこそ、不可能な面子も多いのだ。
ユリウスもアンジェリカも自らの浅はかな行動で、どれだけ多くの者達を不幸の連鎖に巻き込んだのかを深く理解することには、まだ若く中々至らないのかもしれない。
属する家がそのような状況の2人は説明書を読みながら、家から指示された怪しい作業に取り掛かっていた。
「これ、どうやって使うの?」
「紐を引いて外に投げるだけだって。甲板は目立つから、他から投げろと言われたけど」
筒状の物から伸びた紐を引き抜くと、煙が噴き出したため慌てて飛行船の外に投げ捨てた。
「これでいいのかしら?」
「いいんじゃないの?」
詳細を知らない2人は、学園内での体裁のために倉庫を出て、アンジェリカの元に向かうのであった。
☆
ポーカーを楽しみ、その後食事を済ませたのだが、4人からたまたま離れた俺は、リオンとオリヴィアさんを見つけて甲板のプールを眺めていた。
「あれ、あの4人は?」
「船内でやっている演劇を見ているよ。僕はあまり興味ないから出てきてぶらついてたんだ。アンジェリカさんは?」
リオンはチラチラとプール内の女の子の胸とオリヴィアさんの胸を見比べていた。
いや、気持ちはわかるけど露骨じゃないか。そう思ってオリヴィアさんを見るとトロピカルなドリンクに夢中になってリオンの視線に気づいていないように見えた。
ラッキーな奴め。
「これって女の子連れで観賞するようなもんじゃないだろ? オリヴィアさん大丈夫なのか?」
「女連れだからこそ、俺の視線に女子は嫌悪感を持たないんじゃない?」
女子はそれでも気づきそうなもんだが、オリヴィアさんはいいのだろうか?
オリヴィアさんはリオンといることが出来て楽しそうだからいいのか。
「女子はそういうの敏感だぞ。あ、ヴィムとクルトだ! おーい!」
俺とリオンも面識がある王国本土の金持ち子爵家だ。
お金持ちのせいなのか、あまりダンジョンにはまだ挑んでいないため、座学は高いが実技面の成績は1年生内で中の下寄りの中であった。わかりづらいな。
声をあげて2人で手を振ったらこちらに近づいてきた。
「よ、リックはさっきのポーカーはごち! ていうか何してんの? マルティーナさん達は?」
ヴィムはにやりと嫌な事を言ってくる。実はテキサスホールデムポーカーで負けているのだ。この2人は運がかなり良いんだよなぁ。
マルティーナは2人のお茶会にちょくちょく顔を出していたため、その経緯もあって仲の良い男子達らしい。
我々1年からミリーとジェシカを奪っていった怨敵だが、リオンや俺とは比較的仲が良かった。
決闘の賭けで、2人とも1万ディアずつをリオンと殿下達に両賭けしたらしい。殿下達が勝ったら勿論トータルでマイナスだが、遊びだからといって小遣いの範囲で賭けて純粋に楽しんでいたとの事だ。
ミリーさんやジェシカさんにそう忠告も受けたためとか。結果としてリオンに賭けていたため儲けたとの事だが、仕送り内のちょっとした小遣いの額がおかしい。
「リオン君はオリヴィアさんだけか。アンジェリカさんは?」
クルトは、ここ最近いつもリオンといるアンジェリカさんが、同じ行先でこの船に乗っているのにいないため疑問に思っているみたいだ。
「アンジェは取り巻きに追い回されてるよ。リビアも寂しがっているのにね」
「私は別に…… アンジェも大変そうですから」
オリヴィアさんはそう言うが、やはりリオンの言うように少し寂しそうだな。ここ最近は3人でいることがほとんどだったからだろう。
「ティナ達は船内の演劇を見ているよ。まぁ僕は、のんびり休憩かな」
「マルティーナさん達に内緒で水着の女の子の観賞か。お前は怖いもの知らずだな」
「甘いなヴィム、ティナのほうが綺麗だね。と言えば、機嫌は治まるのだ」
「それっていいのかい?」
昔領内で経験済みである。俺の言葉にクルトは呆れている。
「お前たちはミリーさんとジェシカさんと別々で可哀想だな。今頃2人はアプローチされまくっているだろう!」
「リオンさん、そういう事言ったらダメですよ。めっ!」
リオンが軽く煽るが、でもあの2人は学園女子にしては珍しく専属使用人もいないし、身持ちも固いから大丈夫だろう。
リオンはオリヴィアさんの「めっ!」に癒されていた。こいつはそれを言われて癒されるために煽ってんのかな?
「ミリーとジェシカさんは大丈夫だ。それに、そろそろ俺達婚約するしな」
ヴィムの言葉にクルトも頷いている。
「マルティーナさんには感謝してるよ。色々とジェシカとの仲を取り持ってくれたからね」
クルトの言葉に俺は顔を顰めないようにグッと堪える。
ティナの奴め、やはり以前男子が俺やリオンを嘲笑うように言ってたのは本当だったか。確かあれは6月の終わりぐらいだったか。
その時、リオンも俺も2人の余裕に気付いてしまった。そしてリオンがそれを声に出してしまう。
「まさかお前ら! もう!」
「ふっ、この前の連休でな!」
ヴィムは誇らしげな態度だ。クルトは少し気恥ずかしいのか鼻頭を掻いて照れている。
「え、えっ!? お、おめでとうございます!」
オリヴィアさんが口元に手を当てながら、顔を真っ赤にして祝辞を述べた。しかもリオンをチラチラ見ている。
オリヴィアさんの妄想が爆発している。しかしその妄想は大当たりで、彼等2人は事実上ゴールしやがった!
「「絶望した!!」」
あの俺達を嘲笑った男子が言うには、ミリーさんはリオン、ジェシカさんは俺が好みだった筈だ! しかも俺もジェシカさんは好みだった。まぁ、ミリーさんも可愛い系で悪くなかったが…… ぶっちゃけあの2人だったらどっちでもいい! リオンもそうだろう。泣き崩れてプール内のおっぱいを見出した。
「ま、まぁリオン君は複雑だけど、リック君は出世もするし相手の幅も広がるよね。あの4人の誰かか…… 無難な相手を選んでほしいね。ジェシカも多分そう思ってるよ」
クルトはそう言ってくるが、ミリーさんとジェシカさんと我が妹様は友達だ。その辺の事情は気になるのだろう。
「無難な相手か…… 男爵令嬢のヘロイーゼちゃんか同じく男爵令嬢で寄子の娘さんであるナルニア辺りが、本来なら俺の無難な相手だが。う~ん……」
「エーリッヒさんは本気で言ってるんですか!? せ、せめて治療魔法が効く範囲なら、た、助けます!」
オリヴィアさんがよくわからないアドバイス? をしてくれる。
「そういえばさっき、ルクル先輩も無難な相手にしろってアドバイスくれたな」
おぉ、既に結婚が決まっている3年生のルクル先輩のアドバイスか! この人も貧乏男爵グループの人で面倒見が良い頼りになる先輩だ。
「リオンさん、めっ! マルティーナさんが可哀想ですよ! めっ!!」
「いや、リックの無難な相手って……」
ん、何だ? 俺の無難な相手とは。
続きが気になるが、オリヴィアさんの剣幕でリオンは口を閉ざしてしまう。
俺、気になります!
しかし2学期の連休後は、ついに我が妹様もお茶会にほとんど誘われなくなってしまった。
オフリーとの参戦に加えて、オフリー嬢を血祭りにあげたせいもあって男子が尻込みしてしまったのだ。不憫な妹だ。
マルティーナは今後、俺やエト、そして何も知らない来年の新入生ぐらいしかお茶会に誘われないかも知れない。
最早俺にとって世間の大穴である、我が妹様を嫁に取るしかないのかもしれないな。
まったく不憫な妹だな。
あの器量なら王都で左団扇の生活が出来た筈だというのに。
☆
修学旅行に向かう豪華客船から離れた空域に艦隊と呼べる規模の飛行船が集結していた。
「信号は?」
「えぇ、無事に発信されました。あの豪華客船が向かう浮島は、恐らくここでしょう」
質問後、回答を受けたほっそりとした体躯の少女が、長く艶めいた烏の濡れ羽色をした髪をかきあげながら地図を覗き込む。
「我が国の諜報員でも行き先はわからなかったのよね。しかし、この豪華客船によりにもよって例の人物が?」
「はい、彼は数年前から有名でしたからね。諜報員も素性や顔も存じております。どの豪華客船に乗ったかは把握しておりますよ。例の
身なりに口調から、それなりに高貴な人物と思える壮年の男性に傅かれるこの少女の雰囲気は、かなり高貴な身分である事を表している。
「やはり念には念を入れましょう。この宝玉を使います。取り扱いに注意なさい」
少女は黒いビー玉のような物を金属の箱から取り出す。
「では浮島に先回りして諜報員を忍ばせますかな。ここからなら我々の偽装した小型艇で間に合います。しかし、これは作成するのに10年単位で掛かるものですが……」
壮年の男性はカイゼル髭を撫でながら愚痴を溢す。
「王国本土内ではあまりに有名だから使えないわ。寧ろ使い処としては良いんじゃないかしら。こちらはあの部隊は出したくないのよ。あの偽物がいたら出す可能性が万に一つも出てきてしまう。あの部隊の使い処はここじゃないわ」
少女が痛ましげな表情を浮かべる。
「確かに。こんな前座より更に前で疲弊させたくはありませんからな。この宝玉に込められた呪いは、神殿の最高位クラスでなければ解けない。解けずに死ぬか、我々の手で死ぬかのどちらかですな」
壮年の男性は髭が自慢なのであろうか。しきりに弄りながら、尊大な態度でそれが事実になると言い切る。その彼の姿は軽薄で、少女も周囲の人物も胡散臭さを感じてしまう。
「身に付けてから数時間後には、高熱で苦しむわ。7日間の高熱後には衰弱して死亡。3日目までに解除出来なければ、結局7日目まで高熱が下がらずに衰弱して死亡ね。可哀想に、あの優秀さ…… 偽物でなければ我々としても使い途があったというのにね」
知識があれば、時間は掛かるが製造可能な呪いの宝玉。遅効性であるが、発動後は呪いが解呪されても宝玉が砕けるだけで意趣返しの出来ない産物である。
王国だけでなく、遥か昔に基本的には各国で製造が禁止されている代物であった。
使用者の安全性も高く出所を掴む事が困難な質の悪い呪具である。
「では、作戦を開始するわ。王国や各浮島の哨戒には重々警戒なさい」
禍々しい艦隊から王国船籍に偽装された小型の艤装艇が、学園の修学旅行先の浮島へ先行するために発進するのを少女は見届けるのであった。
謎の少女が出てきました(笑)
長かったので二話にわけました。
すぐ投稿しますが、内容はヘロイーゼちゃんとナルニアの豪華客船での会話がメインです。