問題児たちと正義の味方が異世界から来るそうですよ?   作:ベアッガイ

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今回は、というか今回も原作ブレイクです。



ギフトカードみたいですよ?

「どれどれ……ふむ………うむ。そちらの三人は素質が高いのは分かる。だが小娘。おんしは妙だの……何やら強力な力を感じるが…だがしかし……ううむ。何とも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度把握しているのだ?」

「企業秘密」

「右に同じ」

「以下同文」

「真面目に答えなさいよ貴方達…」

「うぉぉぉい?いやまぁ仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それでは話が進まんだろうに」

「別に鑑定なんていらねぇよ。他人に値札を貼られるのは趣味じゃない」

 

ハッキリと拒絶する十六夜と、それに同意する二人。

 

「おんしはどうなのだ?どの程度把握しておる?」

「私?私は自分の力の起源も自分の属性も知っているから、鑑定はどっちでもいいわ」

 

ただ、無限の剣製はギフトに当たるのか、といった疑問があるにはあるので、鑑定をしてみたくもある。

『全て遠き理想郷』はまず間違いなく、ギフトに当たるだろうけれど。

 

「ふむ。何にせよ“主催者”として、星霊の端くれとして、試練をクリアしたおんしらには何らかの“恩恵”を授けねばならん。少しばかり贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝いも兼ねて、コレを授けよう」

 

白夜叉が柏手を打つと、それに反応してか、私達四人の前にそれぞれ一枚ずつのカードが現れる。

 

コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム“正体不明”

 

ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム“威光”

 

パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム“生命の目録” “ノーフォーマー”

 

そして、私の前には飛鳥の紅とは違う、赤。

赤銅色のカードにエミヤスフィール・フォン・アインツベルン・ギフトネーム“無限の剣製” “全て遠き理想郷” “偽・宝石剣” “小聖杯”

 

あ、やっぱり無限の剣製はギフト扱いなのか。

そして“偽・宝石剣”て。

いや私が使えるのは私が投影したものだからある意味『偽』で正しいのだけれども。というか、これもギフト扱いなのか。

………って、小聖杯?

 

「ーーーー………はぁあぁぁ!?」

「うわ!」

「ひゃっ!い、いきなり声を荒げて、どうかしたんですかエミヤさん?」

 

黒ウサギが私に尋ねてくるが、そんなことには構っていられない。

本当に今の私はパニックもいいところだ。ランサーに突然心臓を貫かれた時と同じくらいのパニックだ。

いや、あの時はそこまでパニックでも無かったか。

って、そうじゃなくて!

 

「ーート、同調開始」

 

慌てて自分の身体を解析の魔術でチェックする。

一ミリの違和感も見過ごさないよう念入りに、慎重に行っていく。

するとーーー

 

「ーーあった…」

 

この身体の心臓部分、その奥に、解析の魔術でも解析しきれない何かがある。

けれども、この感じ、過去に感じた聖杯の気配に似ている。

どうやら本当に、この身体には小聖杯ーーー聖杯のカケラが埋め込まれていた。

絶対イリヤだ!

絶対イリヤがこの身体に聖杯のカケラ入れようとか提案したんだ!それで桜も悪ノリしたに決まってる!

というか何で最初に解析した時に気が付かなかった私!

……違和感が無いほど、それほどに聖杯のカケラがこの身体の一部分となっていたからだろうか。

 

ともかく、私の魔力が以前までの倍以上に増えていた事や魔術の負担が軽減している事なども、おそらくはこの“小聖杯”のおかげなのだろう。

 

「うわぁ……マジか。マジで俺ってば、聖杯?え、じゃぁ、聖杯戦争始まっちゃう?始めちゃうの?」

「え、エミヤさん?」

「どうしたのだ、こやつは。いきなり声を荒げたかと思ったら、今度は一人でブツブツと」

「正義の味方には色々あるんだろうよ」

 

あまりに衝撃の事実に、口調がつい、衛宮士郎だった頃に戻っていた。

 

とはいえ、いつまでも気にしていつも仕方ない。

事実は事実として受け入れよう。

 

それにしても、イリヤに桜。

どこから『聖杯のカケラ』なんて持ってきたんだ。まさか冬木の大聖杯のカケラでも残ってたのか?

そして、何もこんなところまで二人と一緒にしないでも良かったじゃないの……。

 

「……ごめんなさい。少しばかり取り乱したわ」

「少し、というよりも。かなり、といった感じだったわよ?」

「少しばかり!取り乱したみたいで悪かったわね」

「なんと強引な……というか、それはギフトカード!」

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

「違います!何で皆さんそんなに息を合わせたギャグをかますのですか!?これはギフトカードと言って、顕現しているギフトを収納出来る超高価なカードです!耀さんの“生命の目録”だって収納可能で、それも好きな時に顕現出来るのですよ!」

「つまり素敵アイテムって事か」

「四次元ポケットみたいなものかしら?」

「だから何でそんな適当な反応なんですか!?あーもう、そうですよ!とても便利な超素敵アイテムですよ!」

 

黒ウサギは興奮冷めやらぬ、といった感じでまくし立てる。

そんなに便利なのだろうか、このカードは。

ぶっちゃけ、剣や弓を投影で作り出している私には、特別必要なものでも無いのだけれど……。

あ、一度投影した物を消さずにそのままこのカードに入れておけばいいのか。

そう考えれば、魔力に余裕のある時などに準備をしておけば、宝具の投影も何度も行えるかもしれない。

そうだとすると、確かに超素敵アイテムだ。

 


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