『ヤマトの世界は死亡率が半端ないから何とか生きよう』   作:零戦

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第七話

 

 

 

 2199年十二月八日、ヤマトを護衛して地球に帰還した。そしてコスモリバースシステムが作動してガミラスホーミングで汚染されていた大気は浄化されて地球は見事に甦った。

 ヤマトは無事に任務を完了した。

 

 

      『完』

 

 

 

 

 え、まだまだ続く? それは失礼した。そうそう、波動エンジンだが普通に使えている。波動コアとか全く無い。どうやら旧作と2199が交ざっているみたいだ。

 ユリーシャもいたらしく、2199のようにヤマトの自動航法室で眠っていたみたいだが、波動エンジンや波動砲の事はスターシャは何も言わなかったらしい。

 調べようにも全て超特殊機密で公表されてないんだこれが。まぁ国家間で色々とあるみたいだ。(幽々子情報)

 

「地球の復興……か」

 

 それはさておき、俺はセンダイの艦橋から青い地球を見ていた。センダイは今、士官候補生や訓練生を乗せて火星までの練習航海の帰還途中だった。

 地球は今、再建の途中だった。

 

「艦長、地球到着まで後七百六十秒です」

「判った」

 

 川崎副長の報告を聞いた俺は艦長席に座り、センダイはゆっくりと地球に帰還した。

 

「艦長、長谷士官候補生以下士官候補生三二名と訓練生四七名が退艦します」

「うむ、短い航海だったが御苦労だった」

 

 俺は報告してきた長谷士官候補生にそう労った。センダイは今、練習巡洋艦として運用されていた。

 というより金剛型、村雨型と磯風型は旧式艦艇となり練習艦艇として運用されている。

 理由は勿論、ヤマト2で運用されていたドレッドノート型主力戦艦と吉野型巡洋艦が就役したため後方部隊に配属されたのだ。

 ヤマトが帰還した時に所属していた旧式艦艇は練習艦艇か太陽系内の惑星資源を搬入する輸送艦の護衛艦艇となっていた。

 

「艦長、整備士が乗り込みました」

「よし、明け渡そう」

 

 横須賀基地のドックに収容されたセンダイは定期点検と整備に入る予定だ。

 俺は整備長に挨拶をして荷物を纏め、一ヶ月振りに自宅である士官寮に帰った。

 

プルルル……プルルル……。

 

「はい八雲です」

『あ、八雲君? 幽々子よ』

「どうした?」

『今日帰ってきたでしょ? 久しぶりにやまとで飲まない?』

「構わんよ。それじゃ1800にやまとの前でな」

『判ったわ』

 

 幽々子から飲み会の電話だったがまぁ飲みたいし良いか。取りあえず私服に着替えよ……。今の幽々子はセンダイ戦術長から司令部付になっていた。

 

 

 

「あ、八雲君」

「おぅ幽々子。相変わらずの着物だな」

「フフ、古くからの西行家の習わしだからね」

 

 幽々子はゲームでの服装(水色と白の着物で妖々夢の時の桜花が刺繍されている)をしてZ〇N帽を被っている。

 

「早く行きましょ」

「はいはい」

 

 俺と幽々子は居酒屋やまとの暖簾を潜った。

 

「いらっしゃいませー」

「あれ? バイトでも雇ったのか親父?」

「アホ。儂の孫娘だよ」

「孫娘の西川ミスティアです」

 

 俺と幽々子に挨拶したのはこれまた東方の人物であるミスティア・ローレライにそっくりだった。

 恐らく俺がいる影響なんかね……。なお、今のミスティアの服装はおかみすちーで有名な蘇芳色(原作衣装と同様の色合い)をした和服に三河屋エプロン、 手ぬぐい頭巾にたすきがけを身に付けた姿をしている。なお耳にピアスはしていない。

 

「今日は何がお薦めだミスティアちゃん?」

「みすちーで良いです。よく呼ばれますから。今日は鰻の蒲焼きです」

「鰻!?」

 

 ミスティア……みすちーの言葉に幽々子が反応した。目がキラキラしているし……。

 

「じゃあ鰻の蒲焼きを五人前を頼む」

「五人前……ですか?」

「こいつが三人前食べるから問題無い」

 

 俺は二人前だがな。鰻好きだしな。

 

「熱燗も頼むよ」

「判りました」

 

 みすちーはパタパタと台所に戻って鰻を焼き始めた。

 

「ようし、今日は鰻で飲むわよぉ」

 

 幽々子は嬉しそうに言った。

 

 

 

 

「……結局俺が送るのかよ……」

 

 俺は酔い潰れた幽々子をおんぶして幽々子の自宅に歩いていた。なお、夜中におんぶしている事もあり警官に職質を掛けられたのは些細な事だ。

 

「お、此処だ」

 

 俺は一際大きい家のインターホンを押した。

 

『はい、西行です』

「妖夢か? 八雲だ。幽々子をおんぶしている」

『どうぞ』

 

 扉が開き、俺は家の中に入ると玄関に住み込みで世話係の近羽久妖夢がいた。

 

「すいません八雲様。毎回毎回運んで下さって……」

「良いよ良いよ。それじゃあな」

「はい、御休みなさい」

 

 俺は妖夢にそう言って西行家を後にした。翌日、二日酔いで頭が痛かったのはいつもの事だ。

 それから三日後、休暇が終わり横須賀基地に行くと綺麗になったセンダイが鎮座していた。

 

「艦長、人事移動のようです」

「誰か移動するのか?」

「情報長に新任か来るようです」

「ふむ……」

 

 珍しいな練習巡洋艦に移動なんて……。

 

「新任が来たら艦長室に通しておいてくれ」

「判りました」

 

 川崎副長にそう言って俺は艦長室に入った。それから一時間が経った。

 

「艦長、新任の情報長が乗艦しました」

「おぅ」

「失礼します」

 

 そう言って入ってきたのは……は?

 

「練習巡洋艦センダイ情報長に就任しました新見薫一尉です。宜しくお願いします」

「あ、あぁ……センダイ艦長の八雲和樹三佐だ。宜しく頼む」

 

 何故かヤマト2199で情報長をしていた新見薫がセンダイ情報長に就任した。

 ……なしてよ?

 

 

 

 




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