Dies irae ~Von der großen sehnsucht~   作:tatuno

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第五章です。
この章では少し視点が変わります。


よろしくお願いします。



第五章

次の日の学校。

ちなみに今の時間帯は休み時間。

 

ここに来て殺人ではなく、多数の行方不明者というニュースが朝流れた。

 

恐らくあの後に何かあったに違いない。

と思ってルサルカに尋ねようと思ったが、今日学校に来ていなかった。

無断欠席らしい。

 

やはり何かあったと考えていいようだ。

もしかして、行方不明ってのはルサルカがやったのだろうか。

正直してないとは言い切れないし……。

ていうかまだあいつが何者かも知らない。

聖遺物のことだけじゃなく聞いておけばよかった。

 

「だったらもう一人に聞くか……。」

 

そう。

この学校にはもう一人ルサルカと同じようなやつがいる。

 

櫻井螢。

 

あいつなら何か知っているはず。

同時期に転校してきて関係ないわけがない。

 

ただ雰囲気的に話し掛けづらいんだよなあ……。

なんかツンとしてるし…。

そもそも俺自身女子と話すの苦手だし。

 

そういえば、藤井蓮。あいつなら何か知ってるかも。

 

「おい。」

 

あいつはどこに……。

 

「おい。聞いてんのか。」

 

「?」

 

後ろの声にふと気付いて振り向くとそこには祥二が立っていた。

 

「おお…祥二か。」

 

「何をやってんだ?隣のクラスの前で突っ立って。」

 

「ちょっとな……。」

 

祥二には聖遺物とかのことは話していない。

恐らくこれに関わることに巻き込まれるのは危険だ。

祥二を巻き込ませるわけにはいかない。

 

「…何でもない。クラスに戻るよ。」

 

言って俺は踵を返した。

 

「そういえば、お前昨日の夜は何やってたんだ?」

 

「え?いや別に何も…。」

 

突然昨日のことを言われて驚いてしまった。

昨日の夜のことも含めて確実に誰にも言っていないはずなのだが。

 

「羽矢がメールしてきたぞ。

「祐君が珍しく夜出歩いてたんだけど、何かあったの?」って。」

 

ああ、羽矢か。

そういえば行く途中で会ったんだっけな。

あいつ心配性だから何かあるとすぐ祥二に知らせるんだよな。

 

「最近運動始めたんだよ。夜の方が誰にも見られなくて済むんでな。」

 

羽矢には今度から口止めしておこう。

 

「そっか…。お前、人に見られるの嫌いだしな。」

 

「そうそう。」

 

ホッと一安心。

 

「それはそうと藤井蓮には話し掛けるな。」

 

「……は?」

 

 

キーンコーンカーンコーン

学校の休み時間の終わりを伝えるチャイムがなった。

 

「さ。次の授業は移動教室だし、急ごうぜ。」

 

「あ…ああ。」

 

今の言葉は何だったんだろうか。

 

──藤井蓮には話し掛けるな。

 

どういう意味なんだろうか。

確かに藤井蓮は最近暴力事件を起こしているが……。

そういうことか?

そうだとしても祥二はそんなこと言うやつだったのか……。

 

「ほら。急ぐぞ。」

 

「…お、おう。悪い。」

 

そう言われ俺は次の授業へと急いだ───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────同時刻。

 

ある橋の上にある男が立っていた。

そこには真っ昼間なのに車も人も何故かいない。

 

「ラインハルト。カール。ベルリンの次はここを地獄へと?」

 

男は不適な笑みを浮かべていた。

とても冷徹な、冷酷な顔で………。

 

 

「フハハ。楽しみだ。」─────。


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