マブラヴ・オルタジェネレーション   作:京橋

12 / 18



 


第十一話 ワールドシグナル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 横浜ハイヴ攻略と本州奪還を賭けた大規模作戦、明星作戦【オペレーション・ルシファー】が発動され、帝国軍と国連軍とマーク達ジェネレーションズ部隊はBETAとの大規模な戦いが繰り広げられていた。

 

 しかし、モニュメントの成長段階がフェイズ2の状態で、反応炉への到達は可能かと思われていた帝国軍、国連軍だったが、突入部隊の報告に状況は一変。

 

地下茎構造の規模をエコー検索、調査した結果、その規模が佐渡島のハイヴと同等のフェイズ4規模のものであることが判明。

 

さらに地下茎構造の奥に潜んでいた大量のBETAが地上に向かって押し寄せ、突入部隊は撤退を余儀なくされた。

 

 その頃、司令部では僅かな可能性に賭けて反応炉へと玉砕覚悟で突入するか、一先ず撤退して再起を図るか…二つの一つの選択を迫られ揺れ動いていた。

 

ところが突然通信士からの声に米国政府からの一方的な命令とも取れる内容に新兵器使用と即時撤収要請を指示してきた。

 

 佐渡島ハイヴが建設され、極東防衛の要ともいえる日本から自国の部隊が被害を受けることを嫌った米国政府は日本安保条約を一方的に破棄し、在日米軍を即時撤退させたことで米国に対して激怒する帝国軍の軍人達は攻撃中止を要請するが、米国は完全に無視する構えを取った。

 

 ハイヴの地下茎構造に繋がる門(ゲート)から出現するBETAの大群に奮闘する戦術機甲部隊の戦術機たちとマーク達だったが、戦場に響き渡る米国政府の通信に戸惑いを見せつつも、予測効果範囲からの撤退を開始。

 

 だが、予告も事前通告も無しにいきなりの対ハイヴ兵器と呼ばれる【G弾】の使用に横浜ハイヴ近くまでの接近していたジェネレーションズと、かつての京都防衛戦で共に戦った元嵐山中隊の斯衛軍はブースター全開で撤退を開始。

 

だが、既に予測効果範囲からの離脱は間に合わない位置におり、米軍所属の装甲駆逐艦から投下された二つのG弾は横浜ハイヴ上空で光線級のレーザー攻撃を受けながらも大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

 

 

 

 

 横浜ハイヴへのG弾投下が決行させる少し前……米国政府は軍司令と共に会議室で横浜ハイヴでの戦況と状況を見ていた。

 

「通信を傍受した結果、ハイヴ22の地下茎構造はフェイズ4規模とのことです」

 

「モニュメントの成長状態がフェイズ2にも拘らず、内部はフェイズ4規模か…今頃日本では大混乱だろうな」

 

「だが、そのおかげで奴…魔女にG元素を独占させる事は防げるな」

 

 政府の高官たちは横浜ハイヴが攻略できなければ、BETA由来の物質である【G元素】の特撰は阻止できると話をしていた。

 

 G元素……それはBETAの到来によって発見された新元素で、アメリカでは1974年に月からの落着ユニットがカナダのアサバスカに落着し、自国にユーラシア大陸と同じハイヴが建設されるのを恐れ、米軍の戦略核による集中攻撃で撃破に成功。

 

 撃破したBETA着陸ユニットの残骸から、BETAの先進技術を研究してその技術を独占しようと考えていた。しかし戦術核の集中運用によって着陸ユニットの破損が激しく、期待していたBETAの生態系やユニット内部構造に関する調査はさしたる成果を上げられずに終るかと思われた。

 

 しかしユニット深部にて一部の結晶体が人類未発見の元素から成る事が判明した。この元素を研究した科学者のウィリアム・グレイ博士によって調査は順調に進み、この元素をBETA由来物質として博士の名のグレイに肖ってG元素と名づけられた。

 

 

 そのG元素を独占している米国にとって横浜ハイヴの深部にあるG元素を、明星作戦を立案した魔女…【香月 夕呼】も獲得、独占するかもしれない事が米国政府の偉い方にとって面白くないように見えた。

 

「だが、これはチャンスかもしれんことは確かだ」

 

「はい。G元素を利用した新型爆弾…【G弾】の実戦投入とその有効性を世界に証明する事が出来るのだからな」

 

 彼らが考えている事…それはこの横浜ハイヴ攻略である明星作戦に便乗して、G元素の中の一つ【グレイ11】を用いた抗重力制御を利用した新型兵器であり、開発自体は1991年に開発されていた。

 

 しかしG弾の実戦での運用・投入は今回が初めてであり、爆発時の効果範囲や威力検証なども同時に行なおうとしていた。

 

そしてこのG弾が認められれば、ある派閥にとっては有益になる。

 

「さて…そろそろHSSTが目標の軌道上上空に到着する頃だな……」

 

「願わくば、この兵器によってBETA大戦の早期終結が叶えばいいのだが」

 

 時計を見た高官の一人が今なおBETAの大群と奮闘している帝国軍と国連軍の映像を見ていた……その時だった。突然、戦闘を映していたモニターが消えてしまい、他のパソコンなどのモニターも消えた。

 

「なっ、何事だ!?」

 

 一体何が起きたのか分からずに声を上げた高官の叫び声が会議室に響き渡る。騒ぎ立てる会議室だったが、暫くするとモニターに光が戻り、他のパソコンのモニターが次々と再起動しだした。しかし……

 

「なっ、何だ、これは!?」

 

 再起動したモニターに映っていたのは、横浜ハイヴでの戦闘画面ではなく、アルファベットのAを逆文字にしたようなマークが会議室のモニター全てに表示されていた。

 

『こっ……こちら…格…庫!!聞こ……えま…すか……?』

 

「格納庫から……?」

 

 軍司令であろう男が通信機から聞こえてくる整備班の声に反応して、回線を格納庫に繋ぐ。すると正面の大型モニターの映像が格納庫の映像に切り替わった。だが、格納庫の映像は砂嵐を起こしてよく見えない。

 

「一体どうした!?」

 

『突…ア…が、再…動…!…ニ…ターが……』

 

 格納庫からの通信がよく聞こえず、会議室にいた者達は大型モニターに映っている映像を眺めていると、密かに回収していた例の調査していた物体がゆっくりと歩き出し、次の瞬間、眩い光を放ち映像を見ていた全員が眼を瞑った。

 

 暫くした後、光が収まったのを確認した司令はモニターを確認するが、格納庫のカメラが破損したのか真っ暗になっていた。

 

 司令官は大急ぎで通信機を起動させてアレを保管していた格納庫に武装隊を向かわせるように指示を出し、自身も会議室を飛び出して格納庫に向かって駆け出していった。

 

 司令官がやってきた頃には格納庫への扉の前に武装した兵士達が待機しており、司令官は扉のコンソールの前にいる兵士に無言でサインを送ると、兵士は頷いてコンソールを操作すると格納庫への扉がゆっくりと開かれた。

 

 扉が開くと同時に武装した兵士が手にした武器を構えて次々と格納庫へと入っていき、司令官も拳銃を手に内部へと向かった。

 

「そっ、そんな馬鹿な……」

 

 格納庫に入った司令官の力無き声が響く…そこには研究者と調査隊の者達が倒れ、全ての機器が火花を出しながら破損していた。だが、そこにあった筈の岩石に覆われた人型の物体が跡形も無く消えてしまっていた………

 

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

 

 

 

 

 

 時を戻し、横浜ハイヴの上空に投下された二発のG弾の前に出現した岩石に覆われた人型の物体は、G弾の重力エネルギーを吸収したかのように消滅させてしまった。

 

 BETAの死骸が広がる大地で立ち止まるマーク達のMS達は、その人型の物体が何なのかと疑問に思っていると、ハイヴ近くにいた光線級と重光線級のレーザー照射を受け集中攻撃に晒され、覆っていた岩石が削り落とされていく。

 

 レーザー攻撃を受けた人型の物体の岩石が剥ぎ落とされて中から出てきたのは、紫のオーラを纏った白き機体【ターンエーガンダム】だった。

 

「あっ、あれは……ターンエーガンダム!?」

 

「しかもアレって……System-∀99の方じゃない!?」

 

 マークとエリスが声を上げ、その声にラナロウ達は戦慄する。目の前にいるターンエーガンダムは【ターンエーの世界】で出会ったロラン・セアックの乗っていたターンエーガンダムではなく【System-∀99】を内蔵したターンエーガンダムだった。

 

 この機体はターンエーの世界では【黒歴史】と呼ばれる地球文明を埋葬したシステムを持っていたとされる機体で、マーク達はジェネレーションシステム内の中枢へ向かう途中でジェネレーションズのメンバーの前に立ちはだかったMSであった。

 

そしてその圧倒的な能力の前に部隊全員が苦戦を強いられた。

 

(ここは僕達が食い止めようじゃないか!)

 

(ええ、ですから……早く中枢にいきな、マークッ!!)

 

(だが…あの機体相手では……)

 

(だいじょぶ、だいじょぶ~。それにアイツを止める術を姐さんなら思いつくさ~)

 

 ジェネレーションシステム内で、マーク達を中枢へ向かわせる為にネェル・アーガマ改とは別の戦艦一隻と残ってくれたMS八機の戦友達が敵に向かっていく姿がマークとエリスの脳裏に蘇り、目の前にいるターンエーガンダムがあの時と同一と見えてしまった。

 

するとユニコーンガンダムとバンシィのNT-Dが二人の感脳波を感知して発動、デストロイモードへと変身した二機はビームマグナムとアームド・アーマーBSをターンエーガンダムに向けた。

 

「らっ、ラナロウ殿!?あの機体は味方なのでは!?」

 

「あれが味方だとしたら、とんだ冗談だぜ……」

 

 明らかに敵意剥き出しで武器を構えて攻撃を仕掛けたマーク機とエリス機の姿に如月は焦りを見せるが、目の前にいるターンエーガンダムの脅威を身に染みているラナロウは断じて味方ではないと断言する。

 

 ユニコーンガンダムとバンシィのビーム攻撃と、ターンエーガンダムを敵と認識したのか、光線級と重光線級はターンエーガンダムに向けてレーザー攻撃を仕掛けた。

 

しかしターンエーガンダムにレーザーとビームが直撃するが、機体に当たる寸前でIフィールドが発動して防がれてしまうが、強力なビームマグナムの高エネルギーによって機体の持つIフィールドでは防ぎきれず装甲にダメージを与える事は出来た。

 

だが、ターンエーガンダムの持つ【ハイパーナノスキン装甲】による驚異的な自己修復力の前では直撃していないと同じ結果になってしまった。

 

 対BETA戦において優先排除目標といえる光線級と重光線級のレーザー攻撃も同様に、幾つかは貫通しても装甲を削る程度のダメージしか与えられず、すぐに修復されて全く効果が見られなかった。

 

さらに帝国軍と国連軍に向かっていたBETAが一斉に動きを変えてターンエーガンダムの方へと向かっていく。

 

(コロシテヤル…コロシテヤル……コロシテヤル………!!)

 

 その時、ターンエーガンダムが動きを見せ、両腕をゆっくりと広げると機体の背部から徐々に何か蝶の翅のようなものが形成されはじめた。

 

その蝶の翅はどんどん大きくなっていき、その綺麗な姿に見惚れる者もいれば、BETAの動きに何事かと思う者がおり、帝国軍と国連軍の戦術機は動きを止めてしまった。

 

「何?あれは……」

 

「綺麗……」

 

「戦場にいる全ての部隊へっ!!すぐにこの場から逃げるんだっ!!」

 

 不思議な模様をしている蝶の翅を見上げている衛士達の耳に全周波数で叫ぶマークの叫び声が聞こえ、我に返った衛士らはジェネレーションズの後退していく姿を見て機体を動かして徐々に撤退を開始する。

 

が、それでも一部の機体が動かずに呆然と立ちつくしてしまっている機体もあった。それは唯依達も同様で、和泉に関してはターンエーガンダムの引き起こしている幻想的な現象に完全に見惚れてしまっており、ラナロウとエルフリーデは彼女らを正気に戻し、和泉の瑞鶴は両方から抱え上げて運んだ。

 

 ターンエーガンダムが発動させているのは【月光蝶】と呼ばれるナノマシンでまるで蝶の翅のようなものを形成し、周囲の物質を土くれへと変える。

 

よってターンエーガンダムの真下の横浜ハイヴのモニュメントが徐々に土くれへと変質していき、向かっていく突撃級や要撃級なども月光蝶のナノマシンによってその姿が土くれへと変わっていってしまった。

 

「べっ、BETAが……」

 

「凄い…あれが米国の新兵器なのか?」

 

 月光蝶に見惚れていた別の戦域にいた衛士達はターンエーガンダムを米国が勧告してきた新兵器なのかと考えていると、土くれへと変えていく光の翅が自分達の機体にも近づきはじめた。

 

すると機体の異常を示すアラームがコクピット内に響き、機体ステータスは真っ赤になり、それを確認した帝国衛士は網膜に映る自分の機体の異常を確認しようとした。

 

「えっ?なっ、何だ!!?機体が砂になってい…………」

 

 突撃砲を握っていた撃震の指先から徐々に砂に変化していく様を目撃した帝国衛士は声を上げるが、彼の乗る撃震は既に半分以上ナノマシンによって砂に変えられており、一瞬にして土くれへと変えられた。

 

「うっ、うわぁぁぁぁぁっ!!」

 

 激震の砂状化を目撃した他の帝国衛士は一瞬にして恐怖に刈られ、叫び声を上げて月光蝶から逃れようと跳躍ユニットを起動させ後退するが、ナノマシンの勢いのほうが速く、次々と国連軍及び帝国軍の戦術機を土くれへと変えていく。

 

 徐々に大きく広範囲に広がっていくナノマシン集合体にジェネレーションズのメンバーは撤退する途中で動きを止めてしまっている撃震を見つけては正気に戻させて撤退させるが、他の戦域にいる部隊は月光蝶の照射を受けてその姿を消されていく。

 

「このままでは…エリス!!」

 

「何、マーク!!?」

 

「イチかバチかだが…あれをやるぞ!!」

 

 そして月光蝶の光がジェネレーションズや唯依達を襲おうとした時、マークとエリスはラナロウ達に唯依達を先行させ、機体を迫りくる月光蝶の光に振り向かせると両腕を前に出して動きを止めた。

 

するとユニコーンガンダムとバンシィのフルサイコフレームが共鳴現象を起こし、碧色の光を放ち始めた。

 

碧色の光が月光蝶の光を相殺し防ぐことで、一緒にいる帝国軍や国連軍、さらには唯依たち斯衛軍が逃げる時間を稼ごうとした。

 

「くうぅぅぅぅぅっ!!」

 

 ターンエーガンダムの月光蝶をユニコーンガンダムとバンシィのサイコフィールドがぶつかり合い、衝突する二つの力にマークとエリスはコクピット内で踏ん張る。

 

(コロス…コロス……コロス………)

 

「えっ!?」

 

「何!?」

 

(コロシテヤルゥゥゥゥゥゥゥッ!!)

 

 コクピット内に響く女の声にマークとエリスの意識にユニコーンガンダムとバンシィのサイコフレームを通じて何かが二人に流れ込んできた。

 

(なっ、何だ、これは!?)

 

(あれは?)

 

 マークとエリスの意識は突然何かに引っ張られるような感覚に陥り、意識が戻った時には機体のコクピットではなく、真っ暗な空間に取り残されていた。

 

「マーク、ここは何処?」

 

「解らん……俺にも何が起きたのか……」

 

 何もない暗闇の空間にいるマークとエリスは、周囲を見渡してみる。すると、ある一点に蹲っている一人の赤い髪の少女の姿が見えた。

 

 マークとエリスはその少女に近づこうと歩みを進めると、彼女の声だろうかブツブツと何かを言っている声が聞こえ始めた。

 

「コロシテヤル…コロシテヤル……BETAヲ……」

 

『!?』

 

「コロシテヤルゥゥゥゥゥッ!!コロスッ!ころすッ!!私から大切なものを奪ったBETAも皆も全部……殺してやるぅぅぅッ!!!!」

 

 少女の怒りの声だろうか、彼女から発せられる怒りの感情が衝撃波のように迫り、マークとエリスを吹き飛ばし、二人の意識は再び失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

 マークが意識を取り戻した時、彼はユニコーンガンダムのコクピット内にいた。揺れるコクピット内で先ほどの光景は何だったのか考えようとするが、自分の置かれている状況をすぐに理解して月光蝶を防ごうと意識を集中させる。

 

 しかし、月光蝶の光を辛うじて押さえ込んでいるユニコーンガンダムとバンシィだったが、ターンエーガンダムがさらに月光蝶の出力を上げるような事になれば、いずれはマーク達のサイコフィールドも消滅し、後方にいるラナロウ達も巻き込まれて土くれに変えられてしまう。

 

 その時だった。ターンエーガンダムが突然火花を散らして小規模の爆発を起こし、背部から展開していた月光蝶が徐々に消えていき、遂には月光蝶そのものが消えてしまった。

 

「げっ、月光蝶が……消えた……」

 

「どっ、どうなったんだ…?」

 

 月光蝶の消えた直後にユニコーンガンダムとバンシィのサイコフィールドも消滅し、二機のサイコフレームの光も消え、NT-Dが停止した。

 

デストロイモードがユニコーンモードへと戻り、マークはモニュメントがあった横浜ハイヴの上空を見ると、ターンエーガンダムは青白い稲妻を起こしながら動きを止めて空中に静止していた。

 

「どうしたんだ、動きが止まっているぞ?」

 

「動かないのなら、今の内に破壊するだけだっ!!」

 

 動きを止めたターンエーガンダムを今の内に破壊しようと、ガーベラ・テトラ改はビームマシンガンと110mm機関砲。ソードカラミティは胸部のスキュラとシュベルトゲベールのグリップエンド部分のレーザー砲。

 

スタークジェガンはハイバーバズーカとビームライフルと残っている連装ミサイルポット、ドライセンは連装ビームキャノンとジャイアントバズ。

 

FAZZは胸部AMM-09Sミサイルと背部ビームカノン、ランチャーストライクEは350mmガンランチャーとアグニとそれぞれ残っている武装を構えて、ターンエーガンダムに向かって一斉発射して倒そうとした。

 

 ところがジェネレーションズの一斉砲撃が直撃する前にターンエーガンダムは再起動して一瞬にしてその姿を消し、一斉砲撃は空振りに終わった。

 

「……どっ、何処に行った!?」

 

「ちっ、どうやら逃げやがったみたいだな。相変わらずあの能力は反則だぜ」

 

 姿を消したターンエーガンダムを探すジェネレーションズだったが、何処にもターンエーガンダムの姿が見えず、レーダーにも反応が無く、文字通り“消えて”しまった。

 

 System-∀99を内蔵したターンエーガンダムは、どういう原理か“空間転移”能力を有し、ジェネレーションシステム内での戦闘でも一瞬にして有効射程内に出現したこともあった。

 

 ターンエーガンダムが消え、地上にいたBETAも月光蝶のナノマシンで全滅し、静寂が包む横浜ハイヴ周辺だったが、突然耳鳴りのような音が響き渡った。

 

「なっ、何だ!?この耳鳴りのようなものは!?」

 

「しっ、司令!この横浜周囲に謎の信号波が発生しています!」

 

「信号波だと!?」

 

どうにか生き残った本作戦の司令部では謎の信号波が確認された事に何事かと司令部と生き残った帝国軍と国連軍との通信のやり取りが飛び交う中、ジェネレーションズのメンバーだけはその聞き慣れた音に唖然としていた。

 

「そっ、そんな…これは…」

 

 弱々しい声を出したエリスの乗るバンシィや他のジェネレーションズの機体が上空を見上げているのに気づいた唯依達は同じように空を見上げた。

 

 そこには紫色の天球のような図面が何かに呼応するかのように大空一杯に広がっていた。

 

………それはマーク達のいた元の世界で世界が歪む時に発生していた【ワールドシグナル】だった。

 

 

 







 Gジェネに出てくるターンエーガンダム(黒歴史)のチートさはハンパない。

 画面端からいきなり背後に出現とか、どんなゼロシフトだよって思いましたね。

 感想の方で政府との交渉とかどうなってるのって感想がありましたが、
 そこら辺のところは作者の方でも原作の世界観を完全に把握できていないので、
 どうしてもノリと勢いで書いてしまい分かりにくくなってしまうと思います。

 それでもついてきてくれるとありがたいです。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。