マブラヴ・オルタジェネレーション   作:京橋

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 ガンダムの外伝ゲームを買いましたw

 イフリートシュナイドが使える!嬉しい限りですww
 UCで出てきた時、カッコいいと思ったww






第九話 横浜ハイヴ攻略戦、明星作戦【オベレーション・ルシファー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 BETAの侵攻により佐渡島に21番目のハイヴが建設され、そこからさらに進軍を続けたBETAは横浜にも22番目のハイヴを建設。とうとう日本は国土の半分をBETAに制圧されてしまった。

 

 だが、そんな戦いの中で突如として出現した二体の鎧武者を模した【武者頑駄無】と【武者頑駄無 摩亜屈】とその部下であるジムとザクの軍団が第一帝都・東京に向かって侵攻していたBETAの群れの中に突撃していき、次々とBETAを薙ぎ倒しながら一騎当千の猛者のような戦いをしていた。

 

 二体の鎧武者の活躍かどうか定かではないが、そのおかげで東京に迫っていたBETA群は転進し、東京への侵攻は未然に防ぐ事が出来た。

 

 しかし、横浜にハイヴを作られてしまった事で、第一帝都である東京ではすぐ目の先にBETAの基地があるということで、日本政府は首都機能を第一帝都・東京から第二帝都・仙台へと移すことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 米国のとある施設の一室…そこではアメリカの高官達が壁に映し出されている映像を眺めていた。

 

「これがジャパニーズの国で確認された謎の戦術機か……」

 

「はい。日本での帝都防衛戦初期頃に突然現われ、そのまま日本帝国軍に協力していたようです」

 

「ふむ……」

 

「そしてこちらの映像を見てください…」

 

 壁に映し出されていた映像には、京都防衛戦での日本帝国軍と国連軍の撃震部隊と共に突撃級と要撃級の群れをビームマシンガンで攻撃しているガーベラ・テトラ改とロングビームサーベルを振り回して要撃級を切り裂いているリゼルの姿が映っていた。

 

「この戦術機の使用している武器は明らかに我々の使用している武器とは異なる技術で作られているのは確かです」

 

「……だな。そしてこれがジャパニーズの作り出した新型の戦術機とも思えない。戦術機サイズの武装で光学兵器を使用している時点でこの機体は我々とは掛け離れている技術が使われているな」

 

 映像を眺めながら高官達はマーク達の乗っているMSの性能を映像越しとはいえ、現存する戦術機とは掛け離れていることは明白だった。 

 

 映像が切り替わり、今度はユニコーンガンダムがビームガドリングガンを連射して戦車級を蜂の巣にしている映像になり、あの群れを成して戦術機に取り付いた際はBETAの中でも最大の脅威ともいえる存在を一瞬にして肉片に変えていく武装の姿に驚きの声があがる。

 

「これほどの性能を持つ戦術機の技術……是非、我が軍に加えれば……」

 

「司令…そのことについてですが…」

 

「何か?」

 

「この機体…何処かしら“アレ”と似ているような気がします」

 

「“アレ”…にだと!?」

 

 室内にいる一人の高官の口から出た“アレ”と呼ばれた存在を耳にした時、司令官の表情が険しくなった。

 

「……アレの調査報告は聞いている。核攻撃にも耐え、いつの間にか機体の破損個所の規模が小さくとも消えてきていると言う事も……」

 

 司令官は手元のコンソールを操作して目の前のモニターに何処かの格納庫のような場所の映像を出した。そこには岩のようなモノに覆われた人の形をした物体に防護服を着た数人の人物が計器やらなにやらを持って調査している映像だった。

 

「この物体の正体があの正体不明機と関係があると?」

 

「見た目での判断で…ですが、“アレ”も未知の技術の塊みたいなものですから…」

 

 調査を行なっている謎の物体から得られた技術は、現在の米国の技術力では解析不能な未知の技術のオンパレードのようなものばかりで、その殆どが解析できていない。

 

「この所属不明機を扱っている者たちをこの国に招き、この物体の調査をさせることが出来れば、未知の技術を我々が独占できるな」

 

 米国司令官は先程の映像で見たガーベラ・テトラ改とユニコーンガンダムに乗る者達……つまりマーク達を米国に招き入れる事ができれば米国が保管している謎の物体の正体が判明するのではないかと考えていた。

 

 

 

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 その頃、帝国軍の軍事基地の一室にて帝国陸軍技術廠所属の巌谷 榮二中佐はネェル・アーガマ改のメカニックマンであるケイ・ニムロッドと面会していた。

 

「ケイ、君のおかげで電磁投射砲の改善策に目処がついた。ありがとう」

 

「そんな…大したことはしてないよ。アタシはただ巌谷さんの相談に乗って、色々と思ったことを口にしただけさ」

 

「いや…君の持つ機械に対する豊富な知識のおかげで、我々でも思いつかなかった点などが幾つも発見できたんだ。感謝しているさ」

 

 技術廠の執務室で巌谷とケイはソファーに座り、秘書が用意してくれたお茶を啜りながら雑談をしていた。

 

ケイが彼と知り合ったのは、日本帝国軍の軍事施設でネェル・アーガマ改の一日の補修作業を終えて暫くの休憩をしていた時だった。

 

 

 メンテナンスハロを戦艦内の専用区画に仕舞って体を伸ばしながら休憩していたケイの元に、数人の帝国陸軍技術廠の人達が一度でいいからジェネレーションズであるマーク達の乗っていた戦艦を見てみたい…と政威大将軍である【煌武院 悠陽】に許可を頂いた巌谷中佐と共に格納庫にやってきたのだ。

 

 ネェル・アーガマ改とMSデッキに置かれているMSの姿を眺めているだけで歓声の声を上げている技術者達を他所に、巌谷中佐はケイに何かの開発計画書の書かれた書類を差し出し「この計画書を見て君の感想が欲しい」と言われたケイは、手渡された計画書に書かれている機械を見た疲れ顔が一瞬にしてメカニックマンの真剣な顔に変化し、ページをめくっていく。

 

 その計画書には【九十九型電磁投射砲計画書】と書かれており、この武装は強大な磁場が発生させるリーレンツ力によって弾体を加速し発射する電磁投射砲(レールガン)。その極めて高い初速による貫通力に加え、120mm砲弾を毎分800発の速度で連射可能……というものだった。

 

 

「君らの使用している戦術機…いや、モビルスーツと言ったかな?あの機体には我々が開発しようとしている電磁投射砲よりも、もっと小型化した武装があるそうだね?」

 

「まあね…でも、これほどのレールガンをここまでのサイズに出来たことにアタシは素直に驚いているんだけどね」

 

 執務室でケイと巌谷中佐は初めて会った時の事を思い出しながら雑談する。というのも、あの後ケイの機械へ対しての知識によって九十九型電磁投射砲は今までもさらに完成度が増し、試作品の開発の目処がつくぐらいまでのレベルになっていた。

 

 さらに巌谷中佐はケイをまるで友人のような感じで接しており、ケイも気の合う相手と話すようになり、巌谷中佐は電磁投射砲以外にも暇があれば戦術機の資料などをケイに見せ、ケイもMS以外の人型兵器である戦術機の構造などを知ることが出来て嬉しそうにしていた。

 

「でも、気をつけなよ。防御面などを考慮すると、まだまだ改善点が多いんだし、問題はまだ山積みだよ」

 

「分かっているさ。しかしこの兵器が完成すれば、BETAとの戦いにも有利になるはずだ」

 

 早く電磁投射砲の完成を目指したいと巌谷中佐は意気込みをみせる。そんな巌谷中佐の姿に笑みを浮かべたケイは差し出されたお茶を飲み干した。

 

 

 

 

 

 

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 1998年、12月に建設が確認された横浜ハイヴ。このハイヴが本格稼動を開始した場合、東京はおろか関東以北の防衛すら危ういものとなり、一年以内に本州陥落が確実視されていた。

 

 この危機的状況に、BETAとのコミュニケーション方法を模索する為に計画された【オルタネイティヴ計画】の第四計画であるオルタネイティヴ4の総責任者である【香月 夕呼】博士は、横浜ハイヴとG元素の習得こそ、オルタネイティヴ計画を飛躍的に進展させ、政治的劣勢を覆す唯一の策と断言。

 

 極東防衛の要である日本の陥落を避けたい国連は、日本帝国へ横浜ハイヴ攻略を提案。これに対し日本帝国は佐渡島、横浜と自国領内に二つもハイヴを抱え、佐渡島ハイヴのように攻略が手遅れにならない内に、まだ若い段階である横浜ハイヴを早急に叩くべしと帝国軍の意向もほぼ一致。さらに存亡の危機に立たされていた事も拍車を掛けて国連を介して日本政府に横浜ハイヴ攻略を働きかけた。

 

 両軍は翌1999年5月の作戦実施に向けて帝都防衛線の増強を兼ねた兵力の移動を開始した。

 

 

 

 1999年2月…横浜ハイヴ攻略戦に向けて準備が行なわれている中、マークとニキはジェネレーションズのメンバーをネェル・アーガマ改に残し、二人は帝都城にいる政威大将軍【煌武院 悠陽】の面会に訪れていた。

 

「よく来てくれたな、マーク」

 

「月詠中尉、生きていた事は聞いていたが、こうして直に会うのは久しぶりだな」

 

「ああ、あれから色々とゴタゴタしていたからな。どうぞ、煌武院 悠陽殿下がお待ちになっている」

 

 帝都城で待っていた【月詠 真耶】と再会したマークはお互いに会話を交えつつ握手を交わし、マークに紹介された副官のニキとも握手を交わすと、帝都城の最上階に向かって歩き出した。

 

 月詠とは京都防衛戦で共に戦い、お互いに戦友のような関係を築いていた。

 

「殿下、マーク・ギルダー殿とニキ・テイラー殿の二人が参られました」

 

 月詠は室内にいる悠陽に声を掛けると襖を開けて入室すると、マークとニキも「失礼します」と声を掛けて入室する。

 

「この度はお招き頂き、ありがとうございます。政威大将軍・煌武院 悠陽殿下」

 

「いえ、あなた方も度重なる防衛任務による多忙の最中に、こうして足を運んで頂いた事に感謝しています。あなた方、異世界の友人に心からの感謝を……」

 

 ニキは正座をしながらマークと共に悠陽に向かって頭を下げ、悠陽も帝都への防衛任務に多忙のジェネレーションズ部隊のリーダーであるマークと、戦艦の副官を務めているニキがわざわざ帝都城までお越し頂いたことに感謝していた。

 

「ところで私の後ろにいらっしゃる男性はどなたですか?」

 

「おやおや、私の存在に気づいていたとは…驚きです」

 

 悠陽に向けて下げていた顔を上げたニキは視線を後ろに向けると、そこにはスーツを着こなし帽子を被っている一人の男が鞄を持って立っていた。スーツの男はニキに気づかれていたのを驚きつつも悠陽の傍に歩いていく。

 

「私は情報省外部二課課長【鎧衣 左近】という者だ。君たちの噂は聞いているよ、異世界から来た“モビルスーツ”なる名の戦術機を操る方々」

 

『!?』

 

 鎧衣はニヤリと笑みを浮かべながらマークとニキに自己紹介をし、悠陽の傍に座る。

 

だが、鎧衣が初めて会ったマーク達を異世界の人物である事を知っているかのような口ぶりにマークとニキは警戒する。

 

 マーク達が異世界から来た者で、使用している機体の名がモビルスーツという名である事を教えていたのは現時点で日本帝国軍の中でも政威大将軍である煌武院 悠陽と側近である斯衛軍の月詠 真耶と一部の人間のみである。

 

 だが、いくら事情を知っているのが一部の帝国軍の人達であろうと、これまでの防衛戦で頻繁に出撃しているマーク達の機体を目撃している者なら誰もが“謎の戦術機を操る者”と認識して、あくまでMSを“戦術機”として見ている。

 

 しかし、鎧衣はマーク達の使用している機体の事を戦術機とは言わず、“モビルスーツ”と言った。戦場だけで見たというならモビルスーツという名を知っている筈がない。

 

「ご安心を。鎧衣は私の信頼できる臣下です。それより鎧衣、例のものは入手できましたか?」

 

「はい、殿下。こちらの鞄に……」

 

 鎧衣は自分が持ってきた鞄から何かを取り出すと彼女に手渡した。悠陽は受け取った資料に一度目を通すと再び顔を上げた。

 

「殿下、それは?」

 

「今回、あなた方をお呼びした理由です。月詠、これを…」

 

「はっ」

 

 悠陽から手渡された資料を受け取った月詠はマークに資料を差し出し、マークは受け取った資料に目を通した。資料と一緒にあった戦術機の写った写真を見たマークは目を見開き、資料の半分を受け取ったニキも驚きの表情になった。

 

「こっ、これは!?」

 

「その写真は世界各地で出現した謎の戦術機の姿を辛うじて撮影したもののコピーだ。いやはや、職業がら世界中を飛び回っていると、こういった資料を“偶然”手に入れてしまうのだよ」

 

 写真に写されていたモノ……それはマーク達が出会った数々のガンダムの世界に存在していたMSの姿だった。

 

写真にはBETAに向かって格闘戦を挑んでいる【シャイニングガンダム】と【ライジングガンダム】の姿や、荒野を走っている三機の【陸戦強襲型ガンタンク】の姿や、OZプライズの使用していた【レオス】【レオール】【レオン】の三機が欧州軍の前でまるで三銃士のような格好をしたものなど……その他にも様々なMSの写真があった。

 

「マーク殿、この戦術機が何なのか分かりますか?」

 

「はい。これは我々の世界…つまり、私たちの知っているモビルスーツです」

 

「ならば…この写真の機体もご存知かな?」

 

 悠陽の質問にマークは答える。さらに鎧衣は別の写真をニキに見せた。

 

その写真には鎧武者の姿をした戦術機…かつて京都が陥落した際に月詠と斑鳩家の衛士の前に現われ、帝都まで迫ってきたBETAに向かって乱入するかのように出現した武者頑駄無と武者頑駄無 摩亜屈が荒ぶっている姿が写されていた。

 

「これは…何処かしらガンダムに似ている?」

 

「殿下、このような鎧武者のような機体は見たことがありません。ですが、我々の世界とは別の世界から来た可能性も否定できません」

 

「そうですか…この二体の鎧武者は幾度も我々を救ってくれたのですが、まるで初めからそこにいなかったかの如く姿を消しているので、マーク殿たちなら何か知っているかと思ったのですが……」

 

 マークとニキは武者頑駄無と武者摩亜屈の事を知らないと話し、悠陽も戦場に現われては消えていくこの機体のことを知らないという答えに残念そうな表情になる。

 

そして鎧衣も世界各地に出現していたモビルスーツも同様に、暫くした後に最初からいなかったかのように姿を消している事が確認されていると話す。

 

(突然現れ、突然消えた……まるでワールドシグナルみたいな現象が各地で起きているのか?)

 

 そんなこんなで、マーク達は「母艦に戻った後に調べてみます」と悠陽に話をつけると帝都城を後にした。その帰り道、マークは月詠に呼び止められた。

 

「マーク!」

 

「中尉?どうかしたのか?」

 

「話は聞いているだろうが、横浜ハイヴ攻略戦…お前達も参加するのか?」

 

「ああ、その話か。帝国軍のお偉いさん方や国連軍からも参加して欲しいって要請を受けた。だが、これ以上大規模な戦いを続けるとしたらかなり不味い事になる…」

 

 横浜ハイヴ攻略戦…作戦名【明星作戦(オペレーション・ルシファー)】に参加するのかという月詠の質問にマークは答える。

 

しかし、ネェル・アーガマ改がこの世界に来た時に備蓄されていたMSの整備用の物資が今までの度重なる戦闘でもうすぐ無くなってしまい、最悪この作戦がマーク達の行える最後の任務になってしまうかも…とマークは険しい表情になる。

 

「国連軍はこの戦いに勝利すれば人類の勝利に一歩近づくと言っていたからな…本当にそうなるか分からないが、条約を破棄して撤退した米国の力を借りられない状況でこんな大規模作戦を決行しようと準備しているなら、俺たちも参加しないわけにはいかないさ」

 

「そうか……思えば我々の貴重な装備や人材を失わなかったのはお前達のおかげとも言えるな」

 

「よしてくれよ。全部が全部救えたなんて英雄みたいな事は言えないさ。救えなかった命もある……」

 

「それでも、お礼を言わせてくれ。本当にありがとう」

 

 一番国力を残している米国の参加がない以上、例えMS用の補給物資が底を尽こうが、人類の勝利の一歩に貢献できる作戦なら戦う事も惜しまないというマークの言葉に、月詠は感謝を込めた言葉を送った。そして彼女はニキと共にネェル・アーガマ改へと戻っていくマーク達を見送った。

 

 

 

 

 

 

 

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 それから半年後…8月5日。遂に横浜ハイヴ攻略作戦【明星作戦(オペレーション・ルシファー)】が発動された。

 

 作戦として、まず帝国海軍連合艦隊と国連太平洋艦隊による横浜ハイヴへの艦砲砲撃で幕を切った。

 

多摩川沿いに展開していた帝国本土防衛軍と相模湾から上陸する国連軍によってBETAを南北に誘引し、軌道降下兵団の突入をもってハイヴの心臓部である反応炉を制圧する…という陽動と軌道降下戦術を中核に置く90年代に確立したハイヴ攻略戦に水上部隊の制圧攻撃を組み合わせる攻略作戦を実行した。

 

 マーク達ジェネレーションズは、ハイヴの地下構造へと突入する部隊の突破口を開く為に、マークとエリスは再び【ユニコーンガンダム】と【バンシィ】に搭乗。

 

ラナロウとエルフリーデは接近戦を挑んでくる要撃級や戦車級を排除する為に【ガーベラ・テトラ改】と【ソードカラミティ】に搭乗。

レイチェルとエイブラムは主に帝国軍と国連軍の援護の為に【スタークジェガン】と【ドライセン(袖付き仕様)】に搭乗。

そしてマルスとエミリスはBETAの群れに穴を開ける為に【FAZZ(ファッツ)】と【ストライクE(ランチャーS装備)】に搭乗し、それぞれ出撃していった。

 

「よしっ、軌道降下兵団の突入を援護する為、撹乱幕内蔵のALミサイルを発射せよっ!!」

 

 帝国海軍所属の戦艦からマーク達から提供されたビーム撹乱幕を積めた弾頭を発射して横浜ハイヴ上空に向かって飛行していき、ある一定の高度を取った瞬間、ミサイルが爆発した。

 

光線級は軌道上から降下してくる部隊に向かってレーザーを発射して迎撃しようとするが、ビーム撹乱幕が散布されている事によってレーザーの殆どが無効化することができた。それにより降下部隊が撃墜される事はなく無事に地上へと降下していく。

 

そしてジェネレーションズのマルス機とエミリス機が【ハイパー・メガ・カノン】と【320mm超高インパルス砲アグニ】を地上部隊に向かって突撃してくる突撃級に向かって構える。

 

「これより突入部隊の進路を確保する為に攻撃を開始します!!」

 

「いくわよ~、くたばっちゃいな!!」

 

 ファッツの武装であるハイパー・メガ・カノンの青白い閃光とランチャーストライクEの武装であるアグニの白い閃光が向かってくる突撃級を飲み込みながら横浜ハイヴに向かって発射され、マルスは左、エミリスは右へと砲身を横に動かして射線上のBETAを次々と撃破していく。

 

「よしっ、全機突撃!マルスとエミリスは後方に下がって援護を頼む!」

 

『了解っ!!』

 

「ジェネレーションズ部隊に遅れをとるな!!我らの力を下等生物どもに見せ付けてやれっ!!」

 

『了解ッ!!』

 

 マークの声を共にマルスとエミリス以外の機体が砲撃を逃れたBETAの迎撃に向かい、帝国軍と国連軍もジェネレーションズに遅れを取るなと部隊に喝をいれて激震部隊と陽炎部隊も次々と突撃していく。

 

 

 

 

 そんな中、帝国軍部隊の中に煌武院 悠陽の命によりマーク達ジェネレーションズ部隊の支援を行なう為に特別編成された斯衛軍の瑞鶴の姿があった。

 

「この作戦の成功が、本州奪還の第一歩になるっ!!」

 

「気合が入っていますわね、唯依っ!」

 

「そういう山城さんも愛しのラナロウ様の支援が出来て嬉しそうじゃない?」

 

「なっ!?」

 

「だって応急手当の際に包帯代わりに頭に巻いてくれたラナロウさんのバンダナ、今もお守り代わりに右腕に巻いているの…皆、知ってるんですよ?」

 

「ヒュー、ヒュー、熱いねぇ~」

 

「貴様らっ!斯衛の者として集中せんかっ!!」

 

『りょっ、了解っ!!』

 

 特別編成された斯衛軍の瑞鶴の中には、山吹色の瑞鶴に乗りハイヴ攻略に気合を入れる【篁 唯依】と気合を入れる唯依に負けないように自分も気合を入れる【山城 上総】。

 

そんな上総を茶化す【甲斐 志摩子】、【石見 安芸】、【能登 和泉】の三人、そしてそんな五人に喝を入れる赤い瑞鶴に乗る【如月 佳織】……彼女ら元嵐山中隊のメンバーもこの明星作戦に参加していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃……薄暗い場所の岩の塊の内側にある物体の瞳が怪しく光り出していた……

 

 

 

「……コロシテヤル…コロシテヤル………コロシテヤル…………」

 

 

 

 

 

 


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