目覚めたら某有名ゲームの悪役だったけど、正直言って困るんだが 作:プルスサウンド
脳内再生するおじさんの声はお好きな声優さんでどうぞ。書き手はそこら辺あんま考えてません。
精神はマダオを名乗っていますが、ボディはきちんとウェスカー隊長なんで、ジョージヴォイスからダグラス氏のお声まで、国内外の声優さんがよりどりみどりやぞ!
幼女ファンすまぬ。
また幼女が出てこない回やで。
何か知らんが変なコート?を着た巨人が空から降ってきた。
顔がめちゃくちゃ怖い人だ。スタイルも悪くないし服装も独特だが、似合っていないわけではない。とてもロックで良いと思う。いや、むしろデスメタル系かな?
自分はそこそこ何でも聞ける方なので、音楽性とかで否定するつもりは無い。でも凄く顔が怖い。
そう、顔が怖いのだ。自分の…もといウェスカー氏の顔もいわゆるコワモテのカテゴリーに入るが、この人はそれ以上の顔立ち。凶相とか言われそうな怖さ。悪夢級。スゴイヤバイフェイス。
それにほら、歯茎が剥き出しで、地味に良い歯並びを見せ付けてくれるけど、ヨダレがそのまま垂れてそうなのは良くないと思うんだ。
ジルさんみたいな美女にアタックしたいのは良ぉぉく分かるけどね、やっぱり今時の男は清潔感も大切なんじゃないかな。
ちょっと不潔感があっても許されるのはイケメンだけでね、世の中イケメンに限るとかいう残酷な言葉があるけども、さすがにヨダレ撒き散らしてたらイケメンでも許してもらえない可能性は高いよ。
逆にあまりAPPに自信がなくても、身なりがきちんとしていれば悪い印象は軽減できるらしいが。
ばっちゃ…じゃなくて妹が言ってたから多分これ有効なアドバイスだぞ。タブンネ。
「うっわ!!こっち来るなクソダボが!!!」
おい止めろ。今は背中にアリエルが居るんだ近寄るな殺すぞ。例えお前が美少女や好青年や可愛いウサちゃんだったとしても、殺意もりもり森鴎外の時点でダメですね。
というかお前デスボで「すたーず」と言いながら追っかけてくるんだから、ジルさんが目当て……あ?もしかして追跡者ネメシスってやつ??
アンブレラクロニクルズで見たアレか???
「すたぁず?」
「違います!スターズ違う!」
も、もしかして「アンブレラの裏切り者でもある元S.T.A.R.S.のアルバート・ウェスカー」判定されてるとかじゃないよな?
んなクソみてぇな厄ネタを抱えるのは嫌だぞ。
あ……そもそもアルバート・ウェスカー自体が厄ネタだったわ。泣きそう。
「すたぁず!すたぁず!」
うっわ瓦礫投げるなやめろ死ね!氏ねじゃなくて死ね!
クッソこれもみんなウェスカーのせいだ!!!ふざけるな!!!!!
「こっちよ!」
「いつの間にそんな武器を???」
自分がお手頃サイズの瓦礫を投げ返しながら逃げ回っている間に、なんとジルさんは重装備になっていた。
どっからかっぱらってきたのか知らんが、何とかランチャーみたいな名前をしてそうな武器を担いでいる。ゲームなら所持枠を2つくらい使いそうなアレだ。
出所はそこら辺のひっくり返った警察車両か?
よう分からんがナイス。いやほんと助かった。
「食らいなさい!!!」
顔面に爆発する弾をご馳走され、たたらを踏むネメシスに希望を感じる。
ジルさんはリロードもお手のもの。がしゃこんがしゃこんとリズム良く装填しては、バカスカと顔や胸に命中させていた。まさに神エイムだ。
「食らえ!破れたフェンス!実は見かけより重い三角コーン!飲み屋のダサい看板!」
もちろん自分だって何もしないわけがない。コンクリ塊やら建材系のゴミやらを、超人パワーでバカスカ投げ付けて適度にタゲを取る。
触手も看板や鉄板を投げてカットしてやる。ざまみろ。
やはりネメシスは本能剥き出し野郎じゃないようで、瓦礫が顔に当たるとウザいのか、こちらの攻撃は集中力を削げている様子。
で、こちらにタゲが完全に移る前に、ジルさんの攻撃で再びタゲが向こうにブレる感じ。素晴らしい。
ん?アリエルの安全のため、ジルさんを囮に逃げ出さないのかって?
ここで倒さないと後が怖いんだよボスじゃんコイツ。だからこの正念場で協力を惜しむつもりは無いんだな。
「クソ!弾が切れたわ!」
「アカンまだ死んでないのに!?」
「逃げましょう!」
とか思ってたらコレだよ。
主力たるランチャーの弾が切れた。拳銃ではろくに歯が立たず、ショットガンも弾切れ寸前の告知。
全力で逃げようと走り出した我々の前に、硬直が解けたネメシスが大ジャンプで飛んでくる。
現実は非情ではなく、ただのそびえ立つクソだった。
「スタァズ…」
他に道は無いのか。そうだあの壁を駆け上がれば自分とこの子だけなら、しかしジルさんは、ああ、もう
「伏せろ!!!」
着弾、
閃光、
爆発音、
燃え上がる巨体
両膝をつくネメシスは動かない。
「動けるなら早く来い!」
知らぬ男の声に急かされて走る。アレに背中を晒すのが恐ろしくて、背負うのを止めて腹側で抱えたリュックの温かさに少し泣きたくなった。
我々を助けたのは、本格的な装備を身に付けた若い男だった。まずは安全な場所へ行こうと言った彼の案内で、近くの地下鉄駅に向かう。
車両をシェルターにして民間人の保護を行っているとのこと。すげぇな。
そんな彼の名前はカルロス氏。肩口にアンブレラ社のマークが描かれた服を着ているが、ネメシスのことは存じ上げない様子だ。
確かバイオ3にそんな名前の味方キャラが居たような。つまり今はバイオ2だと思ってたが、実はバイオ3なのかもしれない。あー、わからん。
しかし現状ではそこら辺、あまり気にしていられる余裕などなかった。
話を戻すとカルロス氏、服が示す通りにその所属はアンブレラのバイオハザード対策部隊(略称:U.B.C.S.)だったのだ。ま、ジルさんにとっては面白くない相手というわけで。
「信用できるわけ無いでしょ!この事態を引き起こしたアンブレラの人間よ!」
自分からすれば、暗黒メガコーポ・アンブレラの中でも幹部やってたウェスカーよりマシやろって感じだけどな。
つまりこん中で、いっちゃんヤベェ身元してんのは自分ってヤツ。悲しいね。
「ジルさんジルさん。大企業の社員でもその立場はピンキリだよ。しかも傭兵なら雇われフリーランスってことだろう?そんで、こんなリスクの高い現場に出てくるんだから、彼は少なくとも社内の主導的な立場には居ない人だと思うんだけど」
「でも、あんな事態を引き起こしておいて…!」
まあ、不祥事を起こした社員と謝罪会見で頭を下げる社員が別人でも、同じ企業の社員なら同類に見えちゃうようなもんか。まして彼女はその不祥事で身内にも等しい仲間を喪っているのだから。
こうして共に行動してきて分かったが、彼女は決して感情ばかりを優先させるような人じゃない。だから自分が言った「彼が何も知らん下っ端の立場なのはマジっぽい」って意見も理解しているはず。
それでも頭で理解できるかどうかと、感情で納得できるかどうかは別だ。分かる。
自分だって今やってることを思うと客観的な合理性からは程遠い、感情的な利益を求めての行動そのまんまだし。
しかし助けた人になじられるのだから、カルロス氏の方も愉快ではなかろう。
「あー、カルロスさんも助けてくれたのにすまない。彼女、何だかアンブレラ社のせいで大変な目にあってたみたいなんだよ」
「そうか…ま、信じてもらえなくても大丈夫さ。とりあえず安全なシェルターの中に居れば落ち着けるだろ?行こうぜ」
凄く気の良い人だった。魂までイケメンかよ。
さて、駅の階段を降りながらふと思い付いた事がある。
今向かっているのが民間人を集めたシェルターってことは、居るのは当然ながらウイルスについて何も知らない一般人ばかりのはずだ。
これはまずい。アリエルは受け入れてもらえないかもしれない。
こうして実際に動いてみて分かったが、アリエルを気遣いながら動くのは非常に大変だ。ワクチンを入手するにしても、どこかで彼女を保護してもらっているうちに自分が動く方が効率的だし、彼女の安全も段違いになる。
それに、ネメシスはまだ死んでいないだろうし。
だから希望を言えば、アリエルをシェルターで匿ってもらいたかった。難しいだろうけど。
T-ウイルスによる大規模なバイオハザードは、この世界において今回が初めてだ。かゆうまが特徴的な初期症状だなんて、一般人で把握できている人間がどれほど居るのか。それどころか噛まれただけでなく、引っ掛かれただけで危険だと理解している者が居るかも怪しい。
経験知で把握するにも初めての事態なのだから、そこまでの情報はまだ蓄積されていないだろうし。
つまり「現実で発生した感染症による科学的なゾンビ」という現状をきちんと理解できるのは、アンブレラ関係者でその手の案件に関わっていた者か、洋館で痛い目を見たスターズの生き残りくらいだろう、というわけだ。
人にとって未知は恐怖であり、恐怖は攻撃性に繋がる。
いくら風邪の症状だと弁明しても、信じてもらえない可能性は高かった。
というか、自分自身も「もしかしたら特徴的な症状が出てないだけで、実はそうかもしれない」という考えで動いているのだから、恐怖が理性でどうにかなるもんじゃないと身をもって証明しているようなものだ。
これは先に聞いとかないとな。シェルターから出てけって言われたら警察署に直行すれば良いし。
「カルロスさん、ちょっと相談したいことがある」
「何だ?」
結局、ちょっと揉めるどころか大分すったもんだした挙げ句にアリエルを預かってもらい、自分はジルさんの助手として動くことになった。
ニコライってヤツ、もしかしたら殺さなきゃいけないかもしれないなぁ。
・今日のおじさん
ネメシスさんとは音楽性以前の問題だと思った。
実は身体が覚えてるから地味にピアノを弾けるのだが、そんなことは全く気付いていない。(バイオ0のウェスカーモードを参考)
しかしスキルを見抜いたネメシスさんにより、ポジションはキーボードで勧誘されている。
身体能力が高いので、どんな変な配置のキーボードでも弾ける。例えば要塞みたいなヤツでも。
・幼女
おじさんと組んでるメンバー。現在休業中。
タンバリンやカスタネット、マラカスを担当できる。
特にマラカスを振らせると、フラワーロックよろしく躍りながら上半身を脱ごうとするので、おじさんが毛布で捕獲せねばならない。
風邪引くだろうがヤメロォ!(必死)
・ジルさん
ピアノが弾けるのでキーボードとして勧誘されている。同僚のクリスはギター。
実はこちらがネメシスさんの本命。ぜひ右腕になって欲しいと思われている。
でも音楽業界からは引退して、カタギやってるので……。
・カルロス君
斎○工に似ている甘いマスクの男。
ドラムやらせたら上手そう(偏見)
というわけで勧誘され始める予定。
バンドのイケメン枠を想定されている。
・ネメシスさん(年齢不詳)
メンバーを求めて捕まえても、音楽性やら何やらでトラブって(この世から)除名してしまう悲しきバンドモンスター。けっこう面食い。
力強いボーカルがチャームポイント。
得意なパフォーマンスはデストロイメンバー。
メンバーは死ぬ。
メンバーorDIEどころじゃねぇ。
なおギターは弾けない模様。
※メンバーorDIEのネタがやりたかっただけの、てきとー過ぎる配役ネタです。あんま気にしないでくんろ。
思ったんですが、セルゲイ大佐をTSさせればタイラントのほぼ全てを女の子にできるのでは…?
小説版UCいわく、大佐リリィって神経質そうだけど整った顔立ちの痩せた少年らしいので、イケるイケる。
誰かたのんます。