―――…少し昔話をしようかしら。
 ……21世紀初頭…、
 人類は、自ら招いたといっても過言じゃない温暖化など影響により地上での版図を大きく失った。
 そしてそれに呼応するかの様に正体不明の…当時「霧の大戦艦」と呼ばれた「霧の艦隊」が必然的に海上から突如出現、
 旧大日本帝国海軍はじめ第二世界大戦時に存在していた軍艦らに一度は驚いた人類。…だが、自分らの国、愛する人をその謎で一杯の大戦艦群に何も対策や策略もせず勝負を挑んできた。…はっきりいって、マジ無謀よね。
 ……それに対し…少々大人気ないが、力押しで「地球の艦隊」を撃沈、大破、沈没させ、全海洋から駆逐した。
 全ての大陸全ての島嶼は孤立を余儀なくされ、人類の文明とその隆盛は大きく減退させられた。…というか、数世紀の時代まで巻き戻した感じかしらね。
行き過ぎた文明は…異民族によって破壊されることは、相場(因果律)で決まっているわ。
 そして人々は、かつてのように海洋の主たらんと願い、来るべき「大反抗」の日を夢見ているらしい。
 そんな「霧の大艦隊」と相まみえ大敗北を喫しすることになった、あの日から17年の歳月が過ぎようとしていた………。


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蒼騎亭二作目作品です。
こっちは、現在《蒼き鋼のアルペジオ》が連載されている雑誌を見て妄想が爆破しました。って、温めていた作品を編集しつつ投稿することにしました。

もちろん、作者の妄想の産物なので―――暖かく、冷たくない目で閲覧してくださることを…心よりお願い申し上げます。

あと、あくまでも(仮)なので…。

マヤ「―――コンゴウ、カーニバルだよぉ♪」


序章【白炎の不死鳥】

―――あの日、私は突然起きた爆発事故で燃え上がる第四施設の副管制室で一人。視界が擦れ、意識が朦朧になりながらその場に倒れ込みながら…死を覚悟した、はずだった。

 

 

 その日、私天羽琴乃は幼なじみの群像くんと同じグループになった。それがどれほど嬉しかったのか、それを本人に言ったのだけど、群像くんは何をわかってはくれず、いつもの無関心の顔で私の前を歩き続ける。…本当もう少し女の子を気持ち理解してよね! その背中に睨みながら心で愚痴る。

 そして…私達が研修中に事故が起きた。突然の施設最深部にて大規模な火災が発生。それに対応する私達は副管制室にいた。

退避命令を知らせる警報音が鳴り響く中で、出火を防ごうとコントロールキーを何度も叩いたけど隔壁の閉鎖ができない。

「最下層から出火している…コントロールキーを叩いても隔壁が閉じない」

「火の周りが早いな」

 別のモニターを操作する群像くんが焦った声で答える。そこに映る映像に群像くんは青ざめるように顔をしていた。

「私達が使わせてもらっているこの副管制室だけが辛うじて機能しているわ」

 懸命に操作を試み続ける私の言葉に群像くんは無言で防護服と救急キットを持ち出し始める。

「どうするの?」

「琴乃。お前はここで状況をモニターして、放送で避難誘導を。それとオレに指示をくれ」

「……」

 群像くんのその横顔と言葉に私は言葉を無くす。

「オレは下層に戻り、出来るだけ手動で隔壁を閉じて回る。下で作業しているはずの僧とも合流してくる」

「わかった。任せてよ」

「―――信頼している」

「え?」

 突然の言葉に手を止め群像くんのほうに振り返る。

「いつだって、お前の事は信じている」

「……群像くん……」

「ん? なんだ?」

 初めて言われたその言葉に本当に私は内心驚愕した感情が広がっていた。…だけど、私を信頼、信じてくれるという群像くんの言葉に私は、態度で答えてあげるわ。

「ああ…うん。気をつけて行ってらっしゃい」

「―――ああ」

その背中を見送った私は、各状況が表示されたモニターをみながら群像くんを指示する。

「群像くん! そこから三ブロック先に逃げ遅れの人がいる!」

《了解!》

 そのやり取りを何回か続いたときには、私が居る副管制室は煙に包まれ始めていたんだよね。…実は我慢していたんだ。だって…群像くんに心配かけたくないから。

「―――それで終わり。わ、私も今から…」その群像くんとの通信を最後に私はその場に座り込む。煙吸いすぎ…たかな。

と朦朧する意識の中、

……琴乃! って私の名前を呼んでくれた群像くんの声が聞こえたような気がして思わず私は笑ってしまった。

「ねぇ、群像くん。わたし…―――…してくれて―――、うれしかったよ…」その言葉を最後に私は視線一面に広がるように真っ赤に燃えた焔と瓦礫に包まれた。

 

 

―――これがわたくしがやってしまったのですか?

 真っ赤に燃える炎の中、純白のドレスを纏った女性はその熱さを感じられないほど堂々と立ち尽くしていた。

そして自分の周りの光景に顔を覆う仮面から微かに見える口元がヘ文字になっていた。そんな女性の頭上が崩れた。そして女性の前に体一部が燃えている少女が降ってきた。

「……」

 糸を切れた人形のようにぐったりとしていた少女を見た女性は、何を思ったのだろうか、ゆっくりと少女のほうに手を伸ばし、壊れるものを扱るように優しく少女の頬に触れた瞬間、少女を包んでいた火が白銀の砂に代わった。それと同時に女性の仮面の下から銀色の砂が流れたように頬を伝る。

「……これがわたくしの使命…」その少女から何か感じ取ったのか。女性は、少女の背中に腕を回すように優しく抱きしめる。

 そんな二人の包むように白き炎が燃え上がり、炎で焼け焦げた少女の欠如部分が時間が巻き戻されるように再形成、再生される。

そして女性がつけたい仮面がなくなり、そこから少女と同じ顔が現れる。

「―――さぁ、いきましょう、琴乃(もう一人の私)」

その言葉を最後に少女と女性の背後に炎の光に映し出された巨大な戦艦…シルエットが浮き上がる。そしてその戦艦の電探室の上に宇宙服を纏った人が静かに二人を見下ろしていた。

 




第四施設火災事故の妄想でした。

もしかしたら…第四施設の地下は…人類の切り札として戦艦が建造されていたのか、という仮説を自分の中で芽生え、それをベースに書こうかと模索しております。


4/8
(仮)投稿しておりました、第一章は、作者のバカ脳みそがフリーズしたため、削除させていただくことをこの場をお借りしてご報告いたします。
 また、一章の続編を心待ち? していた皆様には、ご迷惑をおかけしますことを重ねてお詫びいたします。

PS この章も、上条当麻君の右手【幻想壊し】で砕く予定です。


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