ウルトラマンゼロ The Another Lyrical Story 第一章   作:フォレス・ノースウッド

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冒頭にバッティングセンターが出てきますが、実はここでゼロとグレンのやり取りをするって案もありまして、無論これはファイズがネタ元。

でもこの二人だから、思いっきりやり合わせようと考え直し火星に変えました。

書いてた時、自分が関さんだったらどうアドリブかますかな? と想像しながら筆進ませてたんですけど、ゴーストをスーパー関智タイムにするあの人のことだからもっと凄いのかますでしょうな(汗


STAGE45 - 男泣き

STAGE45 – 男泣き

 

 

 擬音として表すなら、カキーンという音が鳴った。

 何の音かというと、飛んでくるボールをバットで思いっきり打ったもの。

 打たれたボールは斜線を描いて飛び、緑色のネットに進行を阻まれて落ちていった。

 打者は再びバットを構える。

 真正面に相対する投手である投球マシンは、プロの選手でもその域に至るのは稀有な時速約150kmのボールを投げた。

 ストレートとは言え、打者は豪速球を糸も簡単にクリティカルヒット、網に張られている300と数字が書かれたロゴのど真ん中に命中した。

 説明が遅れたが、ここは海鳴市内にあるバッティングセンター。

 敷地面積は結構広く、センター自体10年近く前からあるが最近新装開店したので施設は綺麗で新しい。

 そこでさっきから高得点を連続マークしていたのは、ストレス発散の目的で球を打つ人間体時のグレンファイヤー―――八神紅蓮。

 学校帰りで、学ランのボタンの半分を外してラフに着込む彼は次のボールを打つべく構えるが、今まで一定のリズムで投球してきたマシンが球を寄越してこない。

 

「つれねえな……」

 

 ほんの一間置いて、紅蓮は一通り料金払った分の球を打ち尽くしたと気づき、溜め息を漏らして、打席フロアから出ようとした。

 と、その時紅蓮は何か頭に引っかかりを感じ、緑の網越しの朱味がかった空を見上げると、その場を走り出す。

 センターの外に出て、改めて空に現れたものを注視した。

 アルファベットのE、J、Hと似たものに、一本線を引いたような巨大で光る文字。

 紅蓮にしか見えないその字体の正体を察した瞬間、紅蓮は再び全力疾走し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 紅蓮が見たのは、ウルトラマンゼロ専用のウルトラサインだった。

どうやらサインからのメッセージで彼に呼ばれたようなのだが、一通りの少ない八束神社方面へと行くあたり、行き先の場所に一癖あるようだ。

 何十段もある石の階段を二回のジャンプで一気に飛び越え、久遠と始めて出会った神社の社の、さらに奥の方の森へと進む。

 木々の緑の密度が、空間の明度に影響するほど濃くなった地点で立ち止まった紅蓮は、制服の内ポケットからあるものを取り出した。

 彼の武器と同名の変身道具――ファイヤースティック。

 

「ビィィィック―――ファイヤァァァァァ――――――!!!」

 

 紅蓮はスティックを空に翳すと、先端から放たれる炎色の光が彼を包み込み、光体は夕暮れの空に向かって飛び立った。

 

 

 

 

 光は途中紅蓮に煌めく炎と化して加速、瞬く間に大気圏を突破し、月を通り過ぎた後から炎球は巨大化してさらにスピードを上げる。

 その炎の行き先こそ―――火星。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうしてグレンファイヤーは火星の大地に降り立ち、先に地上で待っていたウルトラマンゼロと対峙。

〝視線〟……とも呼称される目から出る見えない光線をぶつけ合う二人は、各々の構え――ファイティングポーズをとり。

 

「デェア!」

「おぉぉしゃぁぁぁーー!」

 

 両者は、戦いのゴングを鳴らした。

 

 

 

 

 

 ゼロとグレン、それぞれの右手からの正拳が真っ向から激突。

 地球より薄味ながら、空気が漂う火星の宙は大きく揺れ、乱れ、衝撃は赤い大地を文字通り震撼させる。

 今の拳の衝突を皮切りに起こるは、時折キックやチョップを交えながら拳打の応酬。

 約50mもある体躯だと言うのに、振るわれる打撃は重いだけでなく速い……信じられないほどのフットワークの軽さだ。

 遠目からでも、この戦闘を肉眼でご覧になれば、並の者では彼らから発される圧迫感に立つことも維持できなくなるかもしれない。

 炎の戦士の殴打を防いだゼロは上段から手刀を振り下ろし、グレンは両腕をクロスさせて受け止める。

 ゼロの右手とグレンの両手が衝突した瞬間、ゼロは左手を下段から打ち上げ交差する両腕を払い、バランスを揺らがせたところに左足による胴回し回転蹴りを振るった。

 

「おぉぉっと!」

 

 グレンは超低空飛行で後退して回避、すかさず飛び上がり。

 

「ファイヤァァァーーーバァァト!」

 

 炎を凝固させたような頭を燃え上がらせ、バット――butt、頭突きを敢行。

 しかしそれはあっさり身を回転させたゼロにかわされ、丁度背中合わせになったところに彼からの裏拳をくらった。

 

「いっててってぇぇぇ…」

「デェリャ!」

 

 追撃の初手として、ゼロは振り向きざまに右のミドルキックを振るう―――が、グレンも簡単に追い打ちを貰うほど柔では無い。

 蹴りの衝撃はある程度くらいながらも、ゼロの右脚を両の手でホールド。

 

「そぉぉぉらっよ!」

 

 鷲掴みしたまま思いっきり両腕を振り上げ、ゼロを放り投げるグレン。

 宙に浮かされるゼロだったが直ぐに姿勢制御し、身を縦回転、その勢いと反重力エネルギーの放出にする推進力を相乗させて連続に蹴り付ける、対するグレンはパンチの連打でそれを迎撃した。

 相手の握り拳を足場代わりに、ゼロはジャンプして宙返り、相手の背後に逆さまに周り込みながらのスピンバックブロー。グレンも振り返りながらバックブローで打ち合う。

 再び飛び上がりながら、虹状に舞い後退するゼロ。

 

「もらったぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

「のあぁ!」

 

 ここからは自分の攻撃のターンとばかり、グレンは急加速して踏み込み着地したてのゼロをタックル。

 

「イッチぃぃぃニィぃぃぃサァァァァン―――シィィーーー!!」

 

 スピードを維持して押し込み、ゼロの下腹にアッパーのラッシュをぶち込む。

 続けて前傾した後頭部で腹を持ちあげ、起き上がる勢いで背後に反り投げた。

 ゼロの体は大地に打ちつけられる……かと思われたが、反重力エネルギーで身を浮かせ。

 

「そらよ!」

 

 高速移動術――マッハムーブでグレンの側面に瞬時に回り込んでドロップキックをお見舞い。

 

「あぁぁぁれぇぇぇぇーーーーーー!!」

 

 防御する間もなく受けたゼロの一撃にグレンは突き飛ばされ、

 

「あた! いてぇ! ごほぉ!」

 

 途中地面を何度ものた打って、計約百数十mの距離を転がった。

 

「あぶねぇ!」

 

 やっと慣性力が消えて止まり、赤褐色の火星の砂に塗れたグレンは、直感で攻撃が来ると感じ、立つと共に跳躍。

 現に彼が跳び立った地点にゼロのエメリウムスラッシュが着弾し、爆発が起きた。

 飛び上がったグレンは腕に炎を纏わせ振り上げ、ゼロに向かって斜線状に降下して翔ける。

 

「ファイヤァァァァーーー!」

 

 ここでグレンファイヤーの能力の一つを紹介する。

 彼には炎を自在に生み、操る力を持ち、その上肉体のあらゆる部位から火を放出することもできるのだが、使いようによっては、その火は推進ジェットの役割も果たせる。

 地上のゼロに肉薄するグレンは振り上げた拳の周りに、火炎のグローブを作るとともに肘からも火を噴射。

 

「ロケットォォォォーーーパァァァァンチ!」

 

 飛行速度も上げて炎の拳を振り下ろした。

 とはいえゼロもこの一打の直撃を受けるほど甘くはない。

 両手にウルトラ念力製のバリアの膜を張り、自身に迫るロケットの如き火の拳を化勁で受け流す。

 

「まぁぁぁだまだぁぁぁーーー!!」

 

 一回流された程度ではへこたれず、グレンは肘からのジェット噴射付きのファイヤーパンチを機関銃の如く乱れ撃つ、一発ごとに拳速はうなぎ登りに速くなっていくが、ゼロは摺り足で下がりつつ。負けじと化勁の手捌きの速さを上げて流しきっていく。

 両者とも既に腕速は、人間の動体視力では残像現象を起こし、もはや輪郭をはっきり捉えられない域。

 火の拳の連打に気を取られているところへ不意を突こうと、グレンは左手からのパンチとほぼ同時に右のミドルフロントキックを打ち上げる。

 だが実を言うと、このキックはゼロに先読みされていた。

 グレンが右足を上げた瞬間、ゼロは先んじて直立を単独で支える左脚の膝に自らの左足からの下段蹴りを当て態勢を揺らがし、意趣返しとばかり下腹部に横合いからの手刀を当て、平手にした右手で彼の後頭部を押し込んだ。

 身体の姿勢制御を利用した今の攻撃で、グレンが前向きに一回転、仰向けになったところをゼロのチョップの衝撃も加わり褐色の地に叩きつけられる。

 ゼロのターンはそこで途切れず、ダメージの尾を引くグレンの左腕を両手掴み、無理やり起き上がらせ、投げ回した。

 二度目の大地への激突するグレンだったが、咄嗟にふくらはぎの側面から炎を噴射し、ゼロの両足を足払い。

 

「しまっ――」

「お返しぃぃぃーー!」

 

 ゼロの身が前屈みに浮いたほんの僅かな間を突き、グレンは右ストレートを鳩尾に叩きこみ、打ち上げ。

 

「へっへぇ! もう一ちょ行くぜ!」

 

 飛翔したグレンは、打ち飛ばされた慣性が衰えたところへ。

 

「ファイヤァァァーバァァァーート!!」

「がはぁ!」

 

 一度目は空振りとなったファイヤーバットを今度こそ命中させ、さらに上空へ打ちあげた。

 

「よぉ~~し、折角だから新技もう一発! ファイヤァァァ―ダッシュ!」

 

 段々といつもの調子に戻りつつあるグレンは、全身から炎を放出して身に纏い加速、彼の高速移動術――ファイヤーダッシュでゼロより上の高度に先回りして胴部をホールドし、そのまま回転しながら急降下。

 

「グレンタイフーーーーンドライバァァァァァ―――!!!」

 

 即席で新たに生みだしたグレンドライバーの強化版――グレンタイフーンドライバーで、火星の大地にゼロを叩きつける為だ。

 

「調子良いと大技かましたがるくせは、相変わらずだなグレン!」

「え?」

 

 不敵なゼロの言葉に、曲りなりにも戦闘中だというのに虚を突かれるグレン。

 実はこの時、彼はゼロから見れば大きなミスを犯していた。

 高度が高すぎて落下までのラグが長いことと、上空に打ちあげる前置きの攻撃で、次にどんな一手を使うのか、粗方ゼロに読まれていたのだ。

 

「スパークゥゥゥゥ―――――フラッシャァァァァァァァーーー!!」

 

 ゼロの体が光り輝くと、四方へ衝撃波と一緒に閃光が放たれる。

 

「まぶし…」

 

 グレンの視界は強い光で一時白色化、衝撃で腕の力が緩んだ。

 そのチャンスを逃さないゼロではなく、自身を高速回転させてグレンの腕を振り払い、胸部に三発拳打。

 伸長されていく二人の相対距離、引きさがりながらゼロは両腕を十文字にクロスした。

 

「スペシウムシュート!」

 

 甲高い独特の轟音を乗せ、数え切れない数の光の粒子が縦方向に伸ばした右手の側面から一直線に飛んで行った。

 彼のセンスと性格ゆえか、わざわざ〝スペシウムシュート〟と叫んでいたが、これは紛れなく〝スペシウム光線〟である。

 

「ファイヤァァァーサークル!」

 

 ゼロからパンチで反応が遅れたグレンは躱せないと感じ、両の掌から発した炎を円形状に固めて、ギリギリのタイミングでスペシウム光線を受け止める。

 炎越しに手へと伝わる圧力に押し込められながらも、グレンは火のバリア―――ファイヤーサークルでどうにか耐えきった。

 

「ファイヤーァァァーースティィィック!」

 

 グレンはファイヤーサークルの炎を再利用し形状を変え、炎の如意棒――ファイヤースティックに作り直して構える。

 約11年振りに再会した戦友の戦闘能力に再び感銘を受けている証拠、何しろこの武器はタイマン勝負に於いては、彼が対戦相手の実力を認めた者にしか使わないからだ。

 

「ハァ!」

 

 対するゼロは左腕を胸の前で横方向に添え、右の掌をリンク――ウルティメイトブレスレッドの上に翳すと、ブレスのクリスタルからカラータイマー程の大きさな光球が現れた。

 彼は一旦包むように両手で光を囲み、手を広げる……すると光球も棒状に伸び、それは一つの武器として具現化。

 トリコロールカラーな銀の槍、ウルトラゼロランス、ゼロが初めて異世界の旅に出る日にセブンから授かったウルトラブレスレットの一形態。

 かつてノアからイージスを託された時、ブレスレッドに変化する際ウルトラブレスレッドが融合したのだが、腕輪への形態変化とエネルギー貯蔵と物体格納機能(これらはリンクによって賄える)が消失したと引き換えに今でもゼロアイ同様、リンクから取り出し武器として使える。

 ランスをゼロは手に取ると、円を描いて振り回した後、仁王構えを取る。

 名称の通り、仁王――金剛力士のように相手に大きく広げた掌を見せ、長得物は腰にそえる構えだ。

 そしてゼロは甲をグレンに見せるよう手の向きを変え、扇よろしく広げた指を閉じ、手招きをした。

 いわゆる、挑発ってやつである。

 

「そうこなくっちゃな! 〝アンダーソン君〟!」

 

 彼の長髪から、仮想空間が舞台なSF映画の主人公を浮かべたグレンは、意気揚々と踏み込み、ゼロも加速。

 お互いの棒状武器が激突。

 地球より三分の一な大気濃度とはいえ、音速の壁を簡単に突破した超人たちは、空中で何度も擦れ違いながら得物をぶつけ合う。

 段々と高度は下がっていき、やがて同時に地面をスライディングして着地。

 場所を地上に移しつつも、激しい戦闘は続く。

 グレンは一見リーチ範囲内からかけ離れた距離から、ゼロ目がけてスティックを刺突せると、彼の得物の長さが急伸。

 

「ちっ!」

 

 ほんの刹那で、自分の立つ地点まで伸びた火の刃を横合いに回避するゼロ。

 先に〝火の如意棒〟と比喩した通り、ファイヤースティックはグレンの意のままに大きさを変えることができる。

 その上火でできている為、どの部分にも攻撃判定があり、並大抵の物体なら造作なく焼き切ってしまう切れ味も持つ。

 スティックと言いながらも、実態は槍にも薙刀にも剣にもなる汎用性の高い武器なのだ。

 

「オォララララララァァァァァーーー!」

 

 伸縮機能を最大限に生かし、グレンは遠距離から突きを連打したり、胴斬り、切り上げ、唐竹と彼なりにバリエーションを付けて攻めていく。

 ただ、この伸縮機能にも短所がある。

 得物の長さが長いほど、攻撃範囲は広くなるが、対して小回りが利かず攻め手に限りがでてくる。

 現に一度戻してから再び長さを拡張して切っ先が自分の下に届くまでの時間を割り出し済みのゼロは、初撃に比べれば余裕にランスと体捌きであしらい。

 

「マッハムーブ!」

 

 伸びきった隙を狙い、マッハムーブで急接近。

 腕を振り上げランスを高速回転し、遠心力を相乗。

 正面から攻めると見せかけ、さらに速度を上げグレンの背後に回り、袈裟がけに振り下ろした。

 

「なに?」

 

 ゼロが戸惑いを見せたように、今の一閃は受け止められてしまったが。

 ランスの一閃を阻んだのは、ゼロに背を向けたままグレンの左手に収まる、太鼓のバチほどにまで短縮されたファイヤースティック。

 グレンとて、長年愛用しているスティックの長短は熟知している。

 火の棒をを二つに分け、リーチを短くさせて後部からの攻撃に対応したのだ。

 すかさず振り向きざまに、右手もう一方のスティックで右薙ぎに斬り付けるグレン。

 その反撃をゼロは後ろ向きに〝アンダーソン君〟よろしく体を反らせ、今の回避の隙を突かれぬよう飛行で距離をとった。

 

「ファイヤァァァァーボンバァァァァー!!」

 

 そこへグレンは走りながら二つの炎棒から火の弾――ファイヤーボンバーを幾つも投げつける。

 火弾の群体による行軍を前にウルトラゼロランスを正面で高速回転、プロペラ状の盾にしてゼロはあっさりと受け止めた。

 ファイヤーボンバーが呆気なく防がれるのはグレンも承知、元より接近する為の牽制として放ったのだから。

 距離を詰めたグレンは、二振りとなったファイヤースティックで切り付け、ゼロはランスで何十合も交わし合う。

 機敏な反射神経で火の刃の猛威を捌くゼロだったが、リーチは短い反面小回りが利く上二刀流なこともあり、手数の多い攻めを前に段々と追い込まれていた。

 

「チェストォォォ!」

 

 左方からの切り上げがゼロの右手に当たり、ついにランスが彼の手元から弾かれてしまい、右手のスティックが彼の身を切りつけようとしする―――――その直前、ゼロの左手で逆手に持った得物によるカウンターの左斬り上げで逆に弾き飛ばされてしまった。

 その得物とは、弾いた筈のランス、しかも柄の長さがさっきより短い。

 これはウルトラゼロランスをナイフ状型武器に変形させたウルトラゼロスパーク、投擲に本領を発揮する形態だが、手持ち武器としても使える。

 グレンはそのゼロスパークでスティックの一方を仕留めた〝技〟に覚えがあった。

 ある少年漫画でも敵キャラも使っていた、実在する流派でもある二階堂平法って剣術の剣技の一つ―――背車刀。

 相手からは死角な背中で持ち手を変えつつ、斬りつける技。

 一度手元から離れたランスをスパークモードにし、念力で背後に回した左手へキャッチ、攻撃に意識を傾倒していたグレンの不意を突いたのだ。

 形態をランスに戻し、返す刀で二撃目の一閃。

 

「おっと!」

 

 二撃目は避けられたが、そこから三撃目へと繋げる。

 

「ブレイズスティンガー!」

 

 三度目の正直……というわけでもないが、ゼロランスの槍先にエネルギーを乗せた刺突が残っていたもう片方のスティックを仕留めた。

 感覚的に四撃目も来ると踏んだグレンは足裏からバーニアよろしく火を噴射、ファイヤーダッシュも使いランスの範囲内から離脱。

 

「ファイヤァァァァァァァーーーーーーーー!!」

 

 相対距離約300mほどの地点で停止したグレンは、首元で円状に光るファイヤーコアをマッチを点火するが如く擦り、彼の体はこの場の戦闘に限って言えば今までの比では無い火力の大火に包まれた。

 視覚を歪ませてしまう域の強烈な熱を発する焔は、彼が大技を放とうとしているということ……それを悟ったゼロは、自らの大技を使う前準備として、右足を擦り下げ、居合腰に酷似した構えをとり。

 

「ハァ――――……」

 

 深呼吸して精神統一し、ディファレーターエネルギーが集まった右足から、炎が噴出した。

 最初は赤とオレンジの混合色だった炎は青白い輝きへと変わり、彼の足を嵐のように周回する。

 彼の火を纏ったキックといえば、《ウルトラゼロキック》だが、これから見せるのはその威力をより高みにした技だ。

 

「シェア!」

「トォォッ!」

 

 約20秒、お互いに相手を見据えながら、大技の用意をしていたゼロたちは、やがてその場を跳躍。

 ゼロは燃える右足を突き出して急加速。

 炎を着衣するグレンも足先をゼロに向け、竜巻並に身を廻らせ翔け出した。

 

「どぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!」

「ファイヤァァァァァーーーートルネードォォォォドリルゥゥゥキィィィク!」

 

 ゼロの――《ブレージングゼロスマッシュ》。

 グレンの――《ファイヤートルネードドリルキック》。

 二人の渾身のジャンピングキックは、真っ向からぶつかり合い、刹那のスパークを経て、火星の赤き空よりも鮮烈なバースト現象の烈火が引き起こされるのであった。

 

 

 

 

 上空で起きた火玉の直径が200m近くもある規模の爆発の炎から、二つの物体が地上に落ちてきた。

 とびきり大きい花火を上げたゼロとグレンだ。

 ゼロは綺麗に着地したが、ブレージングゼロスマッシュの使用と引き換えに貰い受けた疲労で膝を地面に付き、息も荒れ気味。

 一方グレンはと言うと、盛大に頭から落下して鈍い爆音を反響、頭が丸ごと地中に埋まっていた。

 かのトムキャットが何度も劇中で体験されてきた光景そっくりである。

 中々脱せられずにいるようで、何度かのトライの後、やっと抜けだしたが勢い余って後頭部をガツンと強打した。

 

「つぅ~~~~」

 

 両手で痛みを発する頭を抑えるグレン。

 

「大丈夫か?」

「んっ……結構毛だらけ猫灰だらけ、頭の上は砂だらけでへとへとだけんど、大丈夫ですよ~~だ」

 

 とまあ災難を連続で受けたが、生来の頑強さのお陰で〝痛い〟程度で済んでいる。軽口叩けるのがその証拠。

 激闘による疲れで中々立てないので、火星の地に尻持ち着いての談話。

 

「ひっで~~よゼロちゃん、しょっぱなからアクセル全開で向かってきやがって……」

「だってよ、下手に手加減したらお前の闘志に火が点いて、結局本気にやる羽目になるだろ? 」

「あ……それもそっか、昔よりもっと強くなったしクールになったけど、ゼロちゃんも変わんねえとこあるよな、押しの強さとか」

「そうか?」

「そうだよ、『用がないなら火星に今すぐ来い、追伸、用事があっても必ず来い』、俺はジョン・ワトソンかっての」

 

 今の言葉は、ウルトラサインでグレンに送られた伝言。

 こんなアバウトな内容でなぜ迷わずゼロのいる地点に到着できたのは、彼から発するエネルギーの波動が目印となったからが答え。

 追加の補足として、ウルトラサインでグレンを呼べるなら、なぜ最初からやらなかった理由は、今日以前に伝言送っても、彼の義理堅さゆえに騎士たちを庇って応えてくれない懸念があったから。

 久遠がパイプ役を担い、〝闇の書〟の謎がそれなりに明らかになった今だから、こうして二人は対面できたのだ。

 

「元ネタ知ってたのか?」

「まだア○アンマンな方の映画しか見てねえけど、あれのネタ元がホームズのだってのは知ってるぜ」

 

 現状のお互いの立場も立場で、もう11年も会えなかったというのに、そんな空白の時間があったとは思えないくらい、ごく自然と二人は笑み浮かべて駄弁り合っていた。

 疲労の重みが和らいできた体を立ち上がらせてグレンに寄って、手を差し伸べるゼロ。

 

「お、あんがと、ふぅ~~~」

 

 彼の手を借り、グレンも自らの足を大地に踏みしめる。

 

「海鳴の時は言えなかったけど………お久さだよ、ウルトラマンゼロ」

「こちらこそだ、グレンファイヤー」

『〝感動の再会〟………ですね』

「あん? 何か声が……空耳か?」

「幻聴じゃねえよ」

 

 ゼロは腕を立て声の主たるブレス――リンクをグレンに見せた。

 

「へ? 今の声って……その………イ、イージスが?」

 

 絶賛テンパリ中のグレンの目の視点は、ゼロとリンクの間で行ったり来たりを反復。

 

『はい、はじめましてグレンファイヤー、私は11年前ヤプールが起こした次元振の影響で自我を会得したウルティメイトイージス、我がマスターウルトラマンゼロから、〝リンク〟という名を頂きました、よろしく』

 

 自己紹介する彼女を指差したまま、グレンは硬直してしまっていた。

 彼の世界では大昔から伝わってきた伝説のアイテムが、意志を宿した事実に脳が追いついていないことによる現象。

 若干のラグを置いて、ようやく頭がそれを理解したグレンは――

 

「どえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーー!!!」

 

 ―――と、火星全土に響きそうな勢いで絶叫するのだった。

 

 

 

 

 二人は見晴らしがよくこの辺りでは一際高い丘の崖際に腰かけていた。

 

「よくよく考えりゃイージスはとんでもチートアイテムだから、喋るようになるのはおかしくねえわな」

 

 さっきはあれ程驚いていたグレンは、今はリンクの自我獲得にすっかり納得していた。

 グレン含めたアナザースペース改めエメロードスペースの人々の諦めない意志の結晶と言える〝光〟と、ウルトラマンノアの〝光〟が合わさって誕生した経緯を彼女が持っているのを踏まえると、妙に説得力を感じさせられてしまう。

 

「俺っちもノアに人間体もらったし…」

「ほ、本当なのか!?」

 

 今度はグレンの発言にゼロは驚愕させられた。

 11年前に次元振に巻き込まれ、仲間ともはぐれて次元の狭間で彷徨っていた時、ノアが彼の前に姿を現し、人間体への変身能力と変身アイテムを授けてくれたらしいのだ。

 そしてその時グレンのいた位置から近い次元の惑星――すなわち地球に辿りついた。

 

「ガキの姿で地球に放り出された時は、ノアのバカヤローと言いたくなったけど……今思えば色々助かったぜ」

「向こうの生活とか文化とかよく知らない身だったからな俺たち、子どもになっちまったのはむしろ幸運さ」

 

 体が幼児化したことが、周囲からは無知であることに比較的寛容になってくれるメリットとなり、それによって迷い込んだ先の世界の日常に容易に溶け込めて、11年の月日を過ごせたのは、確かに幸いと言えた。

 

「んでリヒちゃんも地球……それも海鳴に飛ばされたんだろ? これがほんとの灯台もと暮らしって奴だな」

「そしてジャンボットは、光の国の近場の宙域と」

「なあ、ここ11年でジャンちゃんに何か変わったとこあったか?」

「初めて会った時より、柔らかくなったな、頭も性格も………でも〝焼き鳥〟って言われたらやっぱ怒りそう」

「そっか~~~それ聞いて安心安心、これで心おきなく焼き鳥と言えるぞ」

「『無礼者! 私は焼き鳥では無い! 10年以上経ってまだ覚えられないのか!』」

「うわ!」

 

 突然ジャンボットの怒鳴り声が響き、周りをキョロキョロするグレン。

 

「あいつも今火星(ここ)にいんのか!? どこだどこぉ!」

「いねえよ、今のは俺の声真似だ」

 

 そう、今のジャンの台詞は念力を活用しながら持前の演技力で声色も言葉遣いそっくり再現したゼロのモノマネ芸人顔負けの声真似であった。

 種明かしされたグレンはほっとして息を零す。

 

「おどかすなよ………あ~~まだ心臓バっクバクする……」

「たまにはちゃんと〝ジャンボット〟と呼んでやれよ」

「まあ、そいつは偶にな♪ タ・マ・ニ♪」

「ったく…」

 

 驚かされても尚懲りない彼のこだわりっ振りに、ゼロは苦笑いをした。

 白状すればゼロも、グレンとジャンの漫才風凸凹コンビなやり取りは嫌いではなく、むしろ彼らの恒例行事として楽しみ、またそれが近いうちに見られると思うだけで胸が期待で躍らしそうになってるのも事実である。

 もう少しこうして雑談を続けたいのは山々だったが、そろそろ本題に入った方が良い。

 その本題の為に今日、グレンをここに呼んだのだから。

 

「それでさ、お前を呼んだ……わけなんだけど…」

「ざっくり言って〝夜天の書〟だろ? 察しは付いたよ」

 

 ゼロの鉄面な顔と声に書かれていたものを読み取ったのだろう。

 大まかながら彼が上げようとした話題内容を、グレンは当ててみせた。

 数秒前まで談笑していた二人の周りの空気が、黒味を帯びた重量感があるものへと変質していく。

 

「久遠から粗方聞いたさ、あの本は中身はバグだらけで、〝闇の書〟ってのは『ファッ○ンジ○ップ』みてえな意味で、本の中にいるあいつはナハト……ナハト……ナハトの後なんてったけ?」

「ナハトヴァール」

「そう、そのナハトヴァールとかいう超ヤンデレ野郎が全部ページ埋めたら大暴れして次の世界に……なんてループを繰り返して、あいつはどうすることもできないし……騎士(あいつら)はすっかり忘れちまってるし…………はやて、なんて………」

「残念だが、シグナムたちが選んじまった方法じゃ、お前らの願いは………叶わない…………それどころか…………ベットの上で、安らかに〝眠れもしない〟だろうさ」

 

 流石に気が引ける。

 たとえ絶対〝彼ら〟を救うを心に決め、自分たちが見つけ出したものがほぼ純然たる真実でも、当人たちにとって無情で残酷過ぎる宣告を伝えなければならないのは………その相手が仲間であるのが拍車を掛けてきた。

 末期の病気を宣告しなければならない医師、それこそ何年もこいつの妹をサポートしてきた石田先生は、きっとこんな胸の奥深くを圧迫される気持ちで……グレンたちにはやてを蝕む病魔を伝えてきたのだと感じた。

 でもせめて、グレンにはちゃんとそれを今話しておかなければならない。

 伝えるべきその真実が、自分の使う力や武器よりも深層に心を抉る魔を秘めた凶器だったとしても。

 

「このことも久遠から聞いたと思うけど、今はやては俺たちが共用で住んでるマンションで保護してる、今頃はフェイトたちと一緒に遊んでるとこだ………本当なら昨日の内に家に返したかっただけど」

「元気にしてんなら、それでいいさ」

「騎士たちの方は?」

「誤魔化す相手が家にいないもんだから、もう一日中蒐集三昧……ありゃお前と初対面の時の俺以上に強情になってるわな」

「そうか……例の連中からコンタクトを受けたりとかは」

「ゼロたちをやり合った時に逃げるの手伝ってくれた以外はさっぱり、怪獣なんか出してくっから胡散臭さはぷんぷんするけど」

 

 連中の動向にも気を配り対策も整えるのも忘れずに、無限書庫での探索で、ヴォルケンリッターを納得させるのに充分証拠を揃えるまでは、やはり静観するしかないか、〝奴ら〟も慎重になるくらいナハトヴァールは厄介な存在。

 下手な一手じゃ、はやてを生贄にし、〝彼女〟の力を使ってまたナハトが悲劇と災禍のループを引き起こすのを許してしまう。

 

「今日はその話この辺にしようぜ、まだ何もやりようがねえんだろ?」

「お、おう」

 

 突然のグレンによる話題転換にゼロは戸惑う。

 相手が余りに無理やり、お題を変えようとしたからだ。

 今日の時点で新たに手掛かりが見つかっていない以上、魔導書を主題にしても会話は続きそうにないし、ここは流れを合わせることにした。

 

「えーとだな………なんでまた場所を火星にしたんだ?」

 

 今質問を受けたその理由を上げると。

 人の目を気にせず、思う存分戦える場所だったのも一つだが、どことなく火星の地表が初めて会ったというか…やり合ったとも言えなくないが、スペースニトロメタンに漂う小惑星に似た感じがあった……ってのもある。

 

「そういや、名前なんだっけ? 昔ゼロちゃんとも共闘して、火星で初めて変身したっつーウルトラマン………」

「あ、ダイナのことか?」

 

 グレンに言われるまで気がつかなかったが、この星は確かに、ダイナ――アスカ・シンが初めてウルトラマンとなった……彼の〝はじまりの場所〟。

 

「あー思い出した、ダイナミックでダイナマイトなウルトラマンだからダイナだったよな?」

「ああ」

 

 命名者は、アスカとは仲間で同僚……正確には先輩な女性隊員だった筈だ。

 

「まさか俺たちもダイナと同じ目に遭うとは思わなかったな……」

 

 言われてみれば、自分たちとダイナは、同じ境遇を受けている。

 異世界に飛ばされるという境遇。

 ネオフロンティアスペースの太陽系を呑みこもうとした、スフィアという生命体の親玉を仲間たちとともに倒した際、ダイナはその時発生したワームホールのブラックホール並の高重力に巻き込まれて、異なる次元の宇宙に飛ばされてしまったのだ。

 最初に彼が辿りついたのが、自身の生まれ故郷がある宇宙だった。

 かのギャラクシークライシスでも、父たちと一緒に戦ったらしい。

 あの怪獣墓場の浮遊大陸でのベリアルとの戦いでも、ペンドラゴンのクルーたちを案内して現れ、初めてウルトラマンとして初戦を飾った自分と共闘している。

 ふと、今ダイナはどこで何をしているのか、気になった。

 ネオフロンティアスペースに帰ったのか………いや、違う。

 根拠はないのに、まだ色んな世界を旅して廻っているような気がした。

 怪獣墓場はあらゆる次元に存在し、世界と世界を繋ぐ扉としての一面もある。

 それを使って、今も次元規模の流浪の旅を続けているのかもしれない。

 

「あ、あ~あ~青空が~~~」

「青空が何だって?」

 

 などと思案していると、歌を口ずさもうとしていたグレンの声が聞こえた。

 歌詞が思い出せないのか、最初の数フレーズで詰まる有り様であったが。

 

「いや、ダイナのいた世界で有名らしい歌唄うつもりが、さっぱり忘れちまってて……悪いけどリードボーカルしてくんね? ゼロちゃん歌上手いだろ?」

「いいぜ、すぅ~~~~」

 

 前準備に深呼吸をする。

 ダイナのことを考えていたら、無性に本人から聞いた〝あの曲〟を歌いたくなり、自分が先導する形で、グレンと一緒に歌い始める。

 久しぶりなので、自分も歌詞どころかメロディも忘れてしまった懸念もあったが、一片の欠落もなく全部覚えていた。

 伴走者もいない、観客と言えばリンクぐらいしかいない中、小さな音楽界は続いていく。

 

 

 

 

 

 結局、フルコーラス全部歌い切ってしまった。

 終わったら歌の感想を聞くつもりだったのだが、最後のサビに入る頃には、それはやめようと決めた。

 なぜなら―――

 

「グレン……」

「泣いてるわけじゃ………ねえぞ………目にゴミが入っただけだい……」

 

 ―――あの歌の詩文が涙線を刺激させたのか、一緒に歌ったグレンの顔から、火の粒子でできた涙が流れ出していたからだった。

 意地張ってゴミが原因だとか言ってるけど、咽返して泣いている姿のせいで、見え透いた嘘であるのがバレバレだ。

 

「ゴミが出るまで待ってるよ」

「…………すまねえ……」

 

 敢えて見え見えの嘘に付き合ってあげながら、ゼロは自らの手をグレンの肩にそっと置き、彼の涙する姿を見て、自分の想像に間違いはなかったんだと、確信する。

 八神家宅の屋根の下で、血縁なくとも家族として暮らしてきたグレンたちの団欒の眩さと。

 それと……その生活がとても眩過ぎたばっかりに、少しずつそれが崩れていく様を、己の無力さをまざまざと直視されながら、今の今までずっと耐えてきたことを。

 拳を交わしてあげなければ、こうして涙すら流せずに、彼の心を追い込んでいったかもしれない。

 グレンの男泣きは、それだけ心中に大量で重過ぎる淀みを溜めこんでいたと証明していた。

 手の温かみを送るゼロは、半年前のフェイトの時のように、グレンの顔から流れ出る様々な思いを、黙して受け止める。

 同時に、〝ある家族〟をみんな救う決意を、より強めさせていった。

 

 

 

 

 

 

 グレンが泣きやむまで、もう少し待つつもりでいたが………こんな時に限って運命って奴は気まぐれをやらかす。

 

『(申し訳ありませんマスター、海鳴市から長距離念話通信です、発信者は―――)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 火星でゼロがグレンの涙を受け止めていた頃。

 

 別の次元に存在する地球。

 惑星内のとある灰色の荒野では、男が一人、〝邪悪なる存在〝に立ち向かおうとしていた。

 

 

 

「アスカ兄ちゃぁぁぁぁーーん!」

 

 

 

 力強く走る男に向かって、少年は叫び、その子を引きとめる妙齢の女性。

 

 

 

 

 

 少年が〝アスカ〟と呼んだ男は、邪悪なる者に闘志をみなぎらせた瞳で真っ直ぐ見据えながら、自らを超人に変身させるアイテムを空に翳し、叫んだ。

 

 

 

 

 

「ダイナァァァァァァァァァーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

つづく。

 


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