宇宙戦艦YAM@TO新たなる旅立ち   作:Brahma

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デスラー機雷網はついに突破された。デスラーがもはやこれまでと覚悟しはじめたとき、
敵艦隊の背後に閃光がきらめく。ヤマトがついに10万光年の旅の末にイスカンダルに到着したのだ。しかし、そこにはこれまで出合った敵とは比較にならない恐るべき敵が待ち構えていた。


無敵浮遊要塞攻略

「機雷網、完全に突破されました。敵艦隊、向かってきます。」

「もはや....これまでか...」

そのとき暗黒星団帝国軍の背後に閃光がきらめいた。

それはヤマトのコスモファルコン隊であった。コスモファルコンは、暗黒星団帝国軍の巡洋艦や駆逐艦を機銃と雷撃で沈めていく。

「!!」いままで不敵な笑みをうかべていたデーダーの表情が変わったと同時に、スターシャとデスラーの表情も逆方向の意味で変わった。

大気圏内に入るとコスモファルコンは次々とヴェスパコルトとヴェスパブランコを撃墜していく。春香は、デスラー旗艦に炎上しながらも特攻しようとするヴェスパコルトを発見すると急降下し、後方から機銃掃射して撃墜した。

操縦席から見間違いようのない赤いリボンをつけた横顔が見える。

 

【挿絵表示】

 

「ヤマト...天海...」とデスラーはつぶやいた。

 

「全機反転、機雷網の外へ出ます。」

パルスレーザー砲群にひきつけるためコスモファルコン隊は、ヤマトのいるほうへもどっていく。

 

暗黒星団帝国艦隊からもその様子は見えていた。

「敵機が退却していきます。」

「追え。後方にいる戦艦もたたきつぶすのだ。」

 

「北野、出番よ。」

「パルスレーザー砲掃射用意。」

 

「全機反転離脱。」春香が命じるとコスモファルコン隊は反転上昇する。

それを追うためにヴェスパブランコ隊のスピードが落ちるとパルスレーザー砲が放たれ次々と撃墜されていく。コスモファルコンはさらにその後から来るヴェスパブランコを上方から狙って撃墜する。

 

「敵艦隊接近。距離1万2000」

「北野、有効射程よ。主砲発射して。」

「まだまだ、ひきつけてからです。」

「距離1万」

「これ以上近づくとこっちがやられるわよ。」

「距離8000」

「主砲、発射」

主砲の光条が巡洋艦や駆逐艦を次々と貫き、爆発光と爆煙を放って四散していく。

 

「北野、敵艦隊の下に降下するわよ。」

「煙突ミサイル、サーモバリックモード発射。」

煙突ミサイルが敵艦隊を貫くと大爆発を起こし、エンジン噴射口からでているエネルギーに反応して一瞬にして周囲の敵艦を100隻以上巻き込んで消滅させた。

ガミラス、白色彗星と倍する雄敵と戦ってきたヤマトの本領が発揮された。

 

「わが巡洋艦隊全滅。」

「たった一隻とあなどっていたが。全艦、第一級戦闘配備だ。イスカンダルを背にしろ。」

 

その頃、小鳥の指揮するコスモファルコン隊はプレアデスを攻撃するが機銃はおろか、雷撃もまったく効き目がない。

 

「全機、帰還せよ。」

コスモファルコンが戻ってくるとヴェスパコルトとヴェスパブランコがヤマトを襲う。

「主砲、サーモバリックモード発射。」

北野が命じると主砲の砲弾が敵航空隊の前で爆発して敵機は一瞬のうちに全滅した。

 

「うぬぬ。主砲発射。」

プレアデスの主砲が発射される。

 

「第二艦橋損傷」

「応戦します。」

北野がショックカノンを撃つがそこから現れたのはまたもや無傷のプレアデスであった。

「なんですってえ。」驚きのあまり伊織が叫ぶ。

「主砲がまるで通じない...。」

ヤマトの艦橋では皆が唖然としていた。

 

「ふはは。無駄なことを。」

デーダーは不敵に笑った。地球から50万光年先の暗黒星雲を中心に300万光年の版図をほこる暗黒星団帝国にとって10万光年の距離は一般人が新幹線で東京大阪間を移動する感覚、英語が堪能な商社マンが飛行機で地球の裏側に出張するくらいの感覚しかない。

そのような戦い方をしてきた彼らにとって、アンドロメダのガトランティスを鎧袖一触に覆滅し、旗艦がショックカノン程度の光線兵器を受け付けない戦艦をつくることは造作もないことであった。また、デスラー機雷のような誘導性機雷網に対して、ヴェスパコルトのような身軽な戦闘艇、波動エネルギーを用いた星間国家とも戦ったことがあるが分厚い特殊装甲及び四次元フィールドによってすべて防御し、相手を滅ぼしている。

 

ヤマト艦橋では...

「こうなったら波動砲しかありません。撃たせてください。」

「待って。今発射したらイスカンダルも吹き飛んでしまう。」

「艦長、わたしに考えがあります。」

「律ちゃん?」

「行かせてください。その間波動防壁で耐えてください。」

 

「波動防壁展開。波動砲発射準備。」と舞は命じる。

「やつは、艦首波動砲を撃とうとしている。イスカンダルを背にしろ。」

「千早ちゃん、コースターン。」

千早は船体をずらすが、デーダーもイスカンダルを背にしてヤマトを正面にとらて主砲を発射する。

「左30度。」

再びデーダーが船体をずらし、イスカンダルを背にしてヤマトを正面にとらえ、主砲がさらに発射される。

「くつ...」

しばらくその繰り返しが続いた。

「波動防壁、消失します。」

「左舷被弾」

轟音が艦内に響く。プレアデスの主砲が命中したのだ。

 

律子は、コスモファルコンをたくみにあやつり、イスカンダルの地表にみられる割れ目を爆撃するとデスラー戦闘空母に通信カプセルを投下した。そして再びイスカンダルの地表にみられる割れ目に爆撃してヤマトに戻ってきた。

 

「デスラーに作戦を伝えたわ。あの戦艦がイスカンダルを背にしたらデスラー砲の射線にはいるようによ。」

 

「デスラー砲発射用意。目標敵巨大戦艦。エネルギー充填。」

デスラー・ガミラシアの飛行甲板の中央部からデスラー砲の砲門がせりだし、プレアデスに向けられる。

 

「司令。あの赤い空母からなにやら大口径砲が当艦に向けられました。あれは波動砲の一種のようです。」

 

「何!。あの死にぞこないが。やつに攻撃を集中させろ。」

 

「エネルギー充填120%。デスラー砲発射10秒前。9,8,...」

 

「回避だ。」デーダーが命じてプレアデスを回避させたそこは、ヤマトの波動砲の真正面であり、その背後にはイスカンダルはない。

「しまった。」

デーダーの顔に衝撃がはしる。

デスラー砲が発射され、周辺にいたヴェスパブランコ、ヴェスパコルト数十機を飲み込むんで気化する。その射線はプレアデスにあたらなかったものの、ヤマトは波動砲発射準備を完了し、艦橋では皆がゴーグルをしていた。

「波動砲発射10秒前。9,8,...3,2,1,0、発射。」

波動砲からほとばしった光の束はプレアデスをあっというまにつつんで引き裂いた。

デーダーとその部下たちは悲鳴を上げると同時に気化し、プレアデスは大爆発をおこして消滅し、その破片はイスカンダルへ流星となってふりそそいだ。デスラーはその破片の回収を部下に命じた。それは、のちのガルマンガミラス帝国の技術に反映されることになる。

 

律子の爆撃が刺激となり、イスカンダルは暴走を再開した。うまい具合に重力星雲をスィングバイして引力圏を抜けることができた。しかしその加速はこんども止まらなくなる。

 

「イスカンダル、重力星雲ノ引力圏抜ケマシタ。」

「イスカンダル加速シマス。光速ノ70%。」

「千早ちゃん、反転、左110度。」

「了解、反転、左110度。」

「エネルギー増幅。亜美、真美、フルパワーだ。たのむぞ。」

「まこちん、がってん承知。太助っち、いくよ。」

「がってん、フルパワー噴射。」

ヤマトのメインエンジンの火炎が激しく噴射し、加速していく。

 

そのころ、4000宇宙キロ先で、デーダーの第一遊撃艦隊とヤマト及びデスラー艦隊の戦闘の一部始終をみていたメルダーズは、グレートエンペラーへ報告するための通信室にいた。

「グレートエンペラー...」

「どうした、メルダーズよ。」画面はマゼンタに輝くが支配者の姿は見えない。

神聖不可侵なグレートエンペラーの姿をみたものは暗黒星団帝国のなかでもわずかな側近のみである。

「誠に申し訳ありません。デーダー指揮下の第一遊撃機動艦隊が不覚にも全滅いたしました。」

「全滅だと...」

「はつ...。ガミラス星において遭遇した敵に加え、新たな敵が現れたとのことで...双方の敵は波動エネルギーを使用する国家であることは判明いたしましたが...。」

「その新たな敵の正体はわかったのか。」

「はつ。わが暗黒星雲にある本星から50万光年、アンドロメダ銀河から230光年の位置にある棒渦巻銀河の中心から3万光年のオリオン腕に属するスペクトルG型、30等級の恒星の第3惑星地球に属する戦艦でございます。」

「地球か。ふはは...あのガミラスのカメムシどもを滅亡寸前に追いやり、盗賊ズォーダーのガトランティス本星をやつの張子海賊船「いわしの頭」もろともテレザート沖で倒した話はわしも知っておる。いつか見ることもあろうよ。」

しばらく間をおき、グレートエンペラーの声に怒気と凄みが加わる。

「それはさておき、メルダーズよ。イスカンダリウムは採掘できるのであろうな。」

「い、いいえ、かくなるうえは、このわたくしめが、ゴルバを率いてこしゃくな敵どもを撃滅し、かならず採掘してご覧に入れます。」

「うむ。吉報を待っているぞ。」

 

「デスラー総統...」

「日高に天海か...ヤマトは必ず来ると信じていたよ。」

「あの人たちの目的は何なのでしょうか。」

「われわれの星にある地下物質を採掘に来たようだな。」

「そんな地下物質があるのですか。」

「ガミラシウムとイスカンダリウム。宇宙での戦闘や航行に非常に利便性の高い放射性物質だ。われわれは最初はそれを使っていたが、星の寿命を縮めてしまうので波動エネルギーに切り替えて同じ性能をようやく出すに至っている。」

「イスカンダルにもおなじ物質があるんですか。」

「われわれの星は非常に似通った成分でできている双子星だからね。」

「なんとかスターシャさんを脱出させなければ...」

「何度も説得を試みたのだが...。」

 

そのとき千早が叫んだ。

「春香、前方1万1千宇宙キロに赤色巨星だわ。」

「ほうっておくとイスカンダルは飲み込まれてしまうわ。」

「何とか方向を変えられないかな...。律子さん、波動砲を発射してその爆風で方向を変えられませんか。」

「打ち込む場所がないのよ。赤色巨星に打ち込めば触媒作用でどんな異変が起こるか想像できない。下手すると超新星爆発。周辺に発射した場合は、イスカンダル上空でのデスラー砲がプレアデス周辺を通り抜けただけだったのは春香も見てたでしょう。」

 

「雪歩、イスカンダルとは交信できないかな。」

「だめですぅ。赤色巨星に近すぎて恒星風で交信できないよ、春香ちゃん。」

律子は赤色巨星の周辺のいくつかの惑星があることに気づいた。

「アナライザー、あの赤色巨星の周辺の惑星の軌道、体積、正確な位置を計算して。」

「ハイデス、律子サン、データ送リマス。」

「春香、計算によるとあの惑星に波動砲を撃ち込んで爆風で2つほどの惑星を玉つきにすれば、イスカンダルを赤色巨星の引力圏から引き離すことができるわ。あんなに巨星に近いなら生物はいないでしょうし。」

「はい。千早ちゃん、右35度。」

「了解。右35度。」

「波動砲、発射用意。目標前方の惑星群。」

「波動砲への回路開け。エネルギー充填開始。」

「セーフティロック解除。」

「タキオン粒子出力上昇。エネルギー充填120%へ。」

「春香、波動砲発射準備完了。」

「了解、伊織。ターゲットスコープオープン、電影クロスゲージ明度20」

そのとき、目標にした惑星の隣にあった惑星が何らかの衝撃を受けたように動き出してその惑星に衝突した。

そして玉突きになった惑星がイスカンダルに接近し、その惑星をスウィングバイするようにかすめて、赤色巨星から離れていき、イスカンダルに接近した惑星は赤色巨星に吸い込まれていった。

「春香、これは自然現象じゃないわ。何者かが私たちと同じ目的であの惑星を砲撃したんだわ。」

「レーダーニハ、何ノ反応モアリマセン。」

「おそらく赤色巨星の反対側にいるんだろう...春香!!」

「はい。急ぎましょう。イスカンダルが危ない。」

「春香、イスカンダルのスピードが落ちたわ。」

千早がうれしそうに春香に話しかける。

「さっきの方向転換の影響ね。マグマの噴出も衰えているからまもなく停止するわ。」

「雪歩、イスカンダルに打電して。」

「了解ですぅ。」

やがてメインパネルにスターシャの美しい顔が映し出される。

「ヤマトの皆さん。こちらはイスカンダルのスターシャ。」

「スターシャさん、早く脱出してヤマトに避難してください。地球はあなたを待っているんです。あなたから受けたご恩を忘れたことはありません。」

「ありがとう春香、ヤマトの皆さん。私は、イスカンダルの女王。この星で生まれ、この星で育ちました。この星の最後までみとるつもりでいるのです。」

そのとき、強力な電波障害が起こり、メインパネルの画面が消えた。

「背後カラ巨大ナ物体ガ接近シテキマス。ヤマトノ直上ヲ通過シマス。」

真空でないなら大きな振動が伝わったに違いない。しばらくしてヤマトの正面に現れたのは巨大な「こけし」のような形をした不気味に黒光りする浮遊要塞であった。

窓があるのか事情があって発光する仕組みになっているのか数百箇所が不気味に点滅している。

「あつ...。前方の浮遊要塞より通信です。つなぎますぅ。」

 

「地球の戦艦よ。お見事な戦いぶりだったな。」

メインパネルには、メルダーズの細面の顔が映し出される。

「あなたがあの惑星を砲撃したんですか。」

「そうだ。イスカンダルは我が暗黒星団帝国のものだ。」

「暗黒星団帝国!!」

「われわれがほしいのは、イスカンダル星のイスカンダリウムだ。これ以上余計な邪魔立ては許さぬ。」

「イスカンダリウムを何に使いたいの?。」

「貴様らに答える必要な認めぬ。お前たちは即刻立ち去れ。」

「いやです~。どうせ、どっかの星を攻めるために使うんでしょ。」

「そうか。あくまでも邪魔立てするというのならお前たちが救おうとしているイスカンダルの女王に攻撃を開始する。それでもこのゴルバと戦うというのか。いい度胸だ。付け加えていうなら、お前たちが苦戦した盗賊ガトランティスが征服したアンドロメダは今われわれが支配している。鎧袖一触でな。あと5分猶予を与えてやる。その間に立ち去れ。」

 

「あれがわが母なる星ガミラスを消滅させた敵艦隊の母艦か…」

「タラン、わが母なる星ガミラスの恨みを晴らすときがきたぞ。全艦ゴルバに向けて突撃せよ!」

 

舞は半ばおどろいて叫ぶ。

「デスラー総統。はやまらないでー。デスラー総統ぅー。」

 

メルダーズは艦橋で

「身の程知らずの愚か者め。上部ミサイル砲発射用意。」

ゴルバの内部でまたたくまにエネルギーが充填される。

「発射!」メルダーズが命じると黒い「こけし」の頭部が回転し、溝になった部分におびただしい数の細かい砲門が360度開くが発射されるのは巡洋艦クラスの砲弾であり、デスラーの残存艦隊はあっと今に撃沈され、傷ついた旗艦のみとなった。ミサイル砲とヴェスパコルトに次々とガミラス艦載機も撃墜されていく。

 

「タラン。全機、戦闘区域から離脱させろ。」

「デスラー砲発射用意。」

「エネルギー充填120%」

「デスラー砲発射!」

デスラー砲の薄赤色の激しい光が一瞬ゴルバをつつんだが、そのエネルギーがあわをひくように消滅すると何事もなかったように黒光りするその巨体を現した。

 

「フ、ハハハハハハ....フハハハハハ…」とメルダーズの高笑いが、ヤマトとデスラー・ガミラシアのメインパネルに映し出され、艦橋にひびく。舞以外は歯軋りするしかない。

「そんな石ころのような攻撃がこのゴルバに通用するとでも思っているのか。」

 

メルダーズのセリフを舞のみは笑みをうかべながら聞き、律子に目配せするとともに、千早に

「ゴルバの直下に小ワープの準備をして。」と命じた。

 

メルダーズは勝ち誇ったように「主砲をイスカンダルに向けよ。」と命じる。

マザータウンの周辺部にゴルバの主砲が向けられ、宇宙を昼間にするかのような太い光条が命中するとその周囲はあっというまに火の海になる。

「さあ、そろそろ二人の最後だ。ヤマトよ、よくみていろ。」

 

そのときゴルバのメインパネルに舞の姿が映し出された。

「暗黒星団帝国さんとやら。か弱い女性一人いじめぬいて、それが大帝国の司令官ともあろう方がすることかしら。あんたがたの国ははげた人しかいないのかしらぁw。そーんなことじゃ女の人にもてないんじゃないの。ガトランティスなんかわたしたちもテレザート沖で破壊したわ。くやしかったらこのヤマトを沈めてみなさいよ。」と舞は腰に手を当てて胸をはってみせる。

 

強大な暗黒星団帝国軍の方面軍司令官はひとつの島宇宙ないしは銀河単位の艦隊を動かす権限をもっており、グレートエンペラー以外の相手に対しては膝を屈することはない。実際に常に圧倒的な武力で当たり前のように勝利をおさめ、頭をたれるしかない征服した国家の支配階級や指揮官たちにあごを突き出して嘲笑してきた。

メルダーズもそういった一人であり、舞の態度はそんな彼のプライドを痛く刺激し、冷静さを失わせた。

(たがが、弱小国の一艦長のぶんざいで、わが帝国の科学力に何がまさるというのだ。のぞみどおりこの主砲で気化させてやる。)

ゴルバはイスカンダルに向けていた姿勢を変え主砲口をヤマトに向ける。

「こしゃくなヤマトめ。覚悟しろ。主砲発射。」

 

その瞬間ヤマトの船体色が銀色に変わる。空間磁力メッキである。

ゴルバから発射された主砲の光の束が今度はヤマトを包むがそれはそのまま反射してゴルバに命中する。デスラー砲さえ無力化するゴルバの四次元フィールドコーテングの装甲には当然のことながら効果はない。しかし、主砲が跳ね返された次の瞬間に驚くことになるのはメルダーズのほうだった。

「ぬ?」

ヤマトがゴルバのメインパネルから姿を消したのだ。

「司令、ヤマトはゴルバの真下にいます。」

 

「さっきの言葉そのまま返してあげるわ。そんな石ころのような砲撃がこのヤマトに通じると思っているの。波動カートリッジ弾、ゴルバのエンジン噴射口へ向かって発射。」

 

「!?」

メルダーズは、足元から響いてくる轟音に一瞬動揺した。

宇宙一の堅牢さを誇る浮遊要塞ゴルバがこけし状の下の部分から誘爆を繰り返し、ばらばらと部品が解体していく。主砲口から火炎が噴き出し、大爆発を起こした。メルダーズはなにが起こったかわからないうちに悲鳴をあげて、次の瞬間にはゴルバごと消滅していた。

 

「先日、放送していた高校戦車道の試合を見ていたの。マウスという堅牢な戦車の弱点は後方のエンジン排気孔だったのよ。」

「あの試合は、わたしもおどろきましたぁ。しかも西住流本家の娘さんで私に似てるって家族や友人が話していたので二度びっくりでしたぁ。」

舞の戦法の種明かしに、雪歩が答えて、艦内の空気は、恐るべきゴルバを倒したという安堵に加えて明るさをとりもどした。




ついにデスラー砲や波動砲が効かない恐るべき敵を奇策で倒したヤマト。艦内は、安堵と明るさをとりもどす。しかし、恐るべき敵、暗黒星団帝国はだまったままではいない。
グレートエンペラーは超巨大戦艦を「いわしの頭」といっていますが、まさにあの超巨大戦艦は、正面からみてこそ迫力があるので、模型とか当時商品化されていた消しゴムなどを知っている方は、魚の骨のようにしか思えない経験をしているかと思います。
サーモバリックモードとは、紺○の艦隊に出てくる新三八弾(小説だと「新三式弾」)という燃料気化弾がアメリカ航空機隊を一瞬にして消滅させた描写にヒントを得てチート律ちゃんが開発したということになりますでしょうか^^;。銀河英雄伝説が好きな方は、カストロプ動乱鎮圧(対アルテミスの首飾り)、アムリッツア星域(同盟軍の機雷除去)でキルヒアイスがゼッフル粒子を使ったことを思い出していただければ...

なお、画像についてはタキオンPさんの【アイマス】宇宙戦艦YAM@TO復活編【ヤマト】第6話とともにお楽しみください。

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