咲 -saki- 二人の少女のハイスクールメモリー 作:レイ・シャドウ
ほぼ6か月放置でしたね…。
大学受験がありましたのでなかなか更新ができませんでした。
この話はリハビリのようなものです。内容もグダグダです。
それでもいいという方はどうぞ
「ねぇ久…ちょっといいですか?」
結局、明確な時間はわからないけど、私が久に抱き付かれてから短くない時間が経過した気
がする…。そのことを、久に教えるためにも声をかけたのだが…
「……何?」
涙目…かすれ声でこちらを見つめる久に私は言い知れぬ気まずさを覚えた。
(うえぇ…絶対、理屈じゃ納得しないよこの顔。多分、長ったらしく説明したら逆に意地張って、さらにきつく抱きしめてくるパターンだ…。できるだけ簡素に、そして早急に説明しないと死ぬ…主に私の精神が‼)
早く引きはがしたい。だけど非は自分にあるから強く出れない…。そこで私は
「周り見てください、周り‼」
周囲の人間を利用した。
「……周り?」
(よっしゃ!食いついた!)
「えぇ話やな〜!!絹〜!」
「ホンマやで〜!!お姉ちゃん‼」
号泣している大阪姉妹に…
「………はい?」
起こっていることについて行けず、変な声を出して呆然としている店員と温かい目をした周囲の客達が一瞬で顔を上げた久の目に入ってきた。
「………あっ………えっと……。」
涙で赤くなっている目と今度は羞恥で赤くなった頬、…赤くなりたいのはこっちのほうだよぉ。
インターハイ予選終わってから心配かけた私も悪いけど、こんなことになるなら中じゃなくて外で待ち合わせるべきだった…。
「取り敢えず…手…ほどいてもらえますか?」
「う、うん…ごめんなさい。」
おずおずと手を放す久。
「心配かけた私も悪いから…あまり気にしないでください。それと…」
何はともあれ、折角麻雀の出来る場に来たのだ。面子も揃っているし、折角だから打っておきたい。
特に今回は…
「洋。一局やるよ。雀卓は?」
「もう…取っとるで。」
能力を持たずして、中学時代の照や私と対等に渡り合った、私の知る最高レベルの雀士がここにいるから!
洋榎と、絹ちゃんはすでに席に着き点棒の個数確認を行っている。
私もそちらへ向かい、洋の右隣に座る。対面には絹ちゃん、残りの空いている席に久が座った。
「あんたが廻のチームメイトか。」
「えぇ…。清澄高校一年生の竹井久よ。」
「愛宕 洋榎。大阪の姫松高校の一年や。」
「姫松高校…全国ランキング4位の名門校ね。今回のインターハイも…」
「シードやったな。うちは補欠メンバーやったさかい、出番自体はなかったんやけどな。」
「それでも、一年生で強豪校の補欠だなんて…。」
「異例のことらしいで。実際、姫松は今年、風越に破られるまでは決勝卓常連やったし、全国から実力のある中学生をスカウトすることもあるって話やん。確か、廻にもスカウトはあったらしいな。」
「そうなの?廻。」
「姫松に限ったことじゃないけどね。照の通っている白糸台からもオファーはあったし、後は東東京の臨海女子や福岡の新道寺…それに北大阪の千里山女子からも来たよ。」
「ま、インターミドル団体戦優勝者で宮永照公認のライバルのあんたなら、そんぐらい来とってもおかしくないわな。強豪校に限らなかったら、もっと多かったんちゃうか?」
「さぁね…。全部断ってここに来たから、覚えてないや。」
「せやろな。少しは期待しとったんやで?もしかしたら、アンタが大阪に戻ってくるんじゃないかってな。」
「洋には悪いけど、それは無いかな。多分…私が清澄じゃない別の学校に進学するんだとしたら、白糸台に進学しているだろうから。」
「…ま、そうするやろな。だからこそ、うちにとってはあんたの現状は好都合なんやけどな。」
「…都合がいい?」
「せや…なぁ廻………一つ勝負しようや。」
「…勝負?」
「せや、もしもウチが勝ったら…廻、
アンタは姫松高校に転校してもらうで。」
「え!?」
「ちょっとお姉ちゃん!?何言うとるんや‼」
久と絹ちゃんが、ひどく驚いた表情を洋に向ける。…が、洋はそれに一瞥もせず、表情を変えることなく淡々と私の顔を見つめ、返答を待っている。
「もちろん、学校に手続きは取らなあかんけど、麻雀部は三年の先輩らが引退、新チームの主力になる二年の先輩は今のアンタよりも強くない。伸びしろはあるかもしれんけどそれでもアンタの実力やったら、新人戦のレギュラーは当確や。」
「…そう。」
「うちは、団体戦も、個人戦も全部決勝まで行ってアンタと照に負かされた。…もちろん、うちの実力不足っていうのはわかっとる。だからウチは、インターミドルでの雪辱を果たすために全国的に名の知れた高校に入学し、そこでレギュラーとなることで実力のあるチームメイトとともに照やアンタを倒すことだけを目標としてきた。」
「やけど、今回のインターハイを観戦してうちは気づいた…。個人戦は個の実力が試されるからええ。やけど団体戦は、チーム全体の状況に応じた…状況判断と適応力が重要や。
実力の高い奴らが集まっても出来るのは個の麻雀…。一人一人がやりたいようにやったら
そりゃ、勝てるもんも勝てへんわ。」
「……姫松は、飛ばされたの?」
「いや、30000点台からのスタートとはいえ、中堅と大将にエースを置いた上に次峰と副将が守りに徹したお陰でトバされることはなかった。やけど…流石にまくるのは無理があったわ。エースと部長が点差を増やしたとはいえ、3位にも届かず4位敗退や。」
「…そうなの。」
「せや、そしてウチらから70000点をぶんどった奴らを前に圧倒し、あまつさえ先鋒戦で決着をつけた宮永照…。正直言って、中学の頃とは比じゃ無い位成長しとる。多分、今インハイ予選のあんたやったらトバんかったらええ方や。」
「…ずいぶんと棘のある言い方ね。」
「インハイのあんたがそれだけ不甲斐なかったってことや。自分でもわかっとるやろ?」
「…そうかもね。」
「先輩に頼らんでも、団体戦の女王と言われるあんた、そしてウチがおれば、いくら照が敵におるとしても、姫松は団体戦で全国の頂点に返り咲ける筈。 ウチは叶えたいんや!中学のときに成し遂げられなかった全国制覇を!!」
「分かった…その勝負、やろっか。」
「廻!?」
久が目を見開いてこっちを見る。心配してくれるのは嬉しい。
でも、洋が決意を持って答えてくれたのだから、私はそれに応じるまで!!
「その言葉を待っとった。なら、最初っから全力で行かせてもらうで!!」
roof-top 対局 東風戦
東家 愛宕 絹枝
南家 竹井 久
西家 伊奘諾 廻
北家 愛宕 洋榎
〜東一局〜
ドラ{九}
廻 配牌
{一三四五七八九47⑤⑧東発}
一通狙いのドラ1…立直での平和…それとも様子見の為に安上がりかな?
洋は本気で来るって言っているし…あの子を爆発させるといろんな意味で面倒…
(喋れば喋るほど調子が上がるからなぁ…洋は。)
正面の絹ちゃんは緊張からか顔がこわばっている。久も同様だ。
(こりゃ…私と洋の独壇場かもね。)
「あ、すみません。カフェオレ下さい。」
「ありがとうございます。」
〜side 洋榎〜
さてさて、さっきあんなこと言ったはいいけど…
洋榎 配牌
{一九1589②④⑦東南西白}
何でや!!何でこんなに老頭牌多いねん!
(実力あっても運がなけりゃ、意味ないやろが…)
混老頭でも目指すか?字牌をポンすりゃ字牌・混老頭で2翻やし…。でも廻相手に2000点程度やとスケープゴートにもならんしな。
九連宝塔のこともあるんやけど…やっぱりあいつの高火力は恐ろしいものがある。
(流すかね。まだ攻める時や無い。)
「今回はスルーやな。」
さて、はよ反撃できたらええけど…。
〜side out〜
~side 店員~
「お待たせしました。」
「あ、ありがとうございます。」
やっぱこの客、どっかで見たことあると思うんじゃけどなぁ…。
麻雀関係の雑誌で見たことあるっちゅうのは分かるんじゃがのぉ。
うーん…生憎、今は店ん中は混雑しとるし、顔を覚えといてある程度落ち着いてから雑誌引っ張り出した方が早い気するし…
「廻。あんた、負中にもかかわらず優雅にコーヒータイムかい。えらい余裕やなぁ。」
「こういう時、下手に勝ち急ぐほど負けるものよ。まぁ、常に忙しなく動いていないと気が済まない洋に言っても、理解出来ないと思うけど…」
「ほざけ。そう言うて、痛い目みたのが此間のインハイ予選ちゃうんか?」
「そうね。だからと言って、いつまでも私があのままでいると思う?少しでもそう思っているんだったら覚悟しなさい。…インターミドルのごとく、またボコボコにしてあげるから。」
「ふん。ほかのやつならいざ知らずアンタ相手に慢心するなんてもってのほかや。アンタこそ、油断しとったら痛い目みるで!」
麻雀…廻…インターミドル…!?
(女王 伊奘諾 廻かいな!?どおりで見たことある思うたわ。雑誌によくのっとる有名人じゃないか!!)
「…これは、おもろいことになってきよるのぉ。」
宣伝効果絶大やろうし…店の繁盛の為に一役買ってもらおうかいね。ニシシ…
その時の店員の顔は、邪な考えを持ちすぎた故か、腹黒く非常にブラックな笑顔だった。
〜side end〜
「ツモ! 立直、ツモ、平和、一通、ドラ1。6000・3000。」
{一二三四五六七八九56⑧⑧} {7}
「うわ…初っ端から跳満かいな…。
東場しか無いからとはいえ、初めっから飛ばし過ぎとちゃうん?」
「半荘じゃ無いから、下手に流すと点棒取られて終わるからね。攻めとかないと、焼鳥で終わるよ?」
「言われんでも分かっとるわ。次行くで、次!」
東二局
東家 竹井 久 22000
南家 伊奘諾 廻 37000
西家 愛宕 洋榎 22000
北家 愛宕 絹恵 19000
ドラ{発}
~五巡目~
「ほな、いっちょ景気づけ行っとこか!!」
洋榎 捨て牌
{4北白③} {横二}
「これで立直や!!」
「とか言って、一発つかずに立直だけじゃ笑えないわよ?」(ズズッ)
「大きなお世話やねんて!!今に見とれや!絶対にでかい手で上がったるからな!」
「…だといいけど。あ、店員さーん。ミルクレープ一つ。」
「普通にお茶するなや!!今は勝負の真っ最中やで!」
「…なんで、こんな自然にボケと突っ込みが成立するのかしら。」
「昔からあんな感じなんです。お姉ちゃんと廻姉は…。」
〜久side〜
この対局、廻が負けたら二度と一緒のチームとなって打つことは無いかもしれない。
元々、私としても廻が長野に…もっと言えば清澄に来るなんて思っても見なかった。
仮に長野でやるにしろ、同じ状況に立たされているなら…清澄と風越ならば、私は絶対に風越を選ぶだろう。
彼女の実力を持ってすれば、一年生から大会メンバー入りも難しく無いし、廻が個人戦で対決した 一二三 綺音・福地 美穂子…この3人が組めば今年インハイを優勝した白糸台もその牙城を崩すことは容易では無い。父親がプロの監督なら、資金力もあるから学費が高いにしても問題はないはず…。
それでも彼女はそれを捨て、清澄に来た。何故…?宮永照に団体戦で勝ちたいから別の学校にしたのはわかる。一年からレギュラーを張りたかったから?いや、彼女の実力ならどこの高校でも、一年からでものし上がれるはず…。
長野には清澄や風越以外にも、麻雀部の存在する学校は50校以上ある。
…益々分からない。
まぁでも、考えることはいつでもできる。今は…今はとにかく、廻が上がれるようにサポートしないと!
打牌{九}
(これで一向聴…あとは「お、ラッキーやな!」…!?)
「それ…ロンや。」
「嘘…。」
「悪いなぁ。態々、廻の敗北の為のお膳立てをしてもろうてな。」
{一二三九九11789発発発}{九}
「立直、一発、発、チャンタ、ドラ3の16000。取り敢えず、逆転や!」
〜side out〜
ー東三局
東家 伊奘諾 廻 37000
南家 愛宕 洋榎 38000
西家 愛宕 絹恵 19000
北家 竹井 久 6000
ドラ{8}
(勝ちを急いで空回り…。あれがインハイの時の私か。)
「廻。今の一局…なんか思うことあるやろ?」
「…。」
「沈黙は肯定とみなす…って昔の偉い人が言うとったような気ーするで。」
「………ねぇ、洋?」
「なんや?」
「もしかして…意図的に?」
「さてなー。偶然の恩恵かも知れへんで?」
「…………そう。」
「せや。やから次行こ、次。」
「…分かった。」
〜廻side〜
「さてなー。偶然の恩恵かも知れへんで?」
白々しい…。あんな棒読みでそんなこと言われても説得力ないって。
でも、久には悪いけどこれで今迄の自分を省みることが出来た。洋が折角教えてくれたことだ。生かすしかない。
さて、今の洋の上がりで1000点差…安上がりでも簡単に追いつける点差だ。ただ、このまま勝負を長引かせるのは不味い…。今の一局で、久が意気消沈してしまった。
(この局で、洋を仕留めるのが一番早い。)
親は私。38000点とはいえ、親の役満は48000…余裕でトバせる。トバせなくても、ある程度ダメージを与えれば、直撃に警戒すれば勝てる。
逆に言えば、ここでダメージを与えないと勝てるか際どい。次局の場合、私は子。子だと役満は32000で、しかも洋が親だ。火力が高いことに違いはない。
そもそもこの賭けの勝敗の定義が曖昧だ。私と洋の純粋な勝負なのかそれとも私と久、洋と絹ちゃんのタッグバトルなのか…。
前者なら私と洋の差は1000点だからいいが後者なら私たちと洋たちの差は20000点ある。絹ちゃんに倍満直撃でも勝てるとはいえ、状況的には倍満以上を作らなければならない私に比べて、流局、もしくは安上がりで十分な洋が有利。
…絶望的ではないとはいえ、勝つならばこの親番でどうにかするしかない!
(頼むよ…配牌!)
そしてその配牌は…
〜side洋榎〜
(うちは、廻の最高の親友でありたい。隣に立ちたい。宮永照とかいうぽっと出にとられるなんて納得できへん!!)
そう思い始めたのはいつからだろうか?
多分、インターミドルで宮永照と廻が全国的に名を知らしめた頃からだろうか…。
頭ではわかっている。ウチが廻の隣に立つことはできないということは…。廻とウチが釣り合うことは…宮永照がいる限りないって。
でも心はそれを懸命に否定する。ウチは廻の幼なじみ。やから、隣に立つのも廻の最高の戦友であるのもウチやと。
(ここで、勝てればウチが廻の隣に立てる。恐らく、廻は倍満以上で勝利できるこの親番が勝負時と思っている…次はウチの親番やから、ここで全力を出すはず!やったらウチは、うちの土俵に持っていけるよう、ここを乗り切るだけや!)
{四五六456①⑦⑧南北発発}
ツモり牌{発}
(よっしゃ、発確定!あとは、鳴きまくって流す。それだけや!)
打牌{北}
一向聴、やりようによっては三色もあるけど…そのためには出来かけている{⑦⑧}を崩して手にない{④⑤⑥}を持って来る必要がある。その間に廻に手牌を進められたら面倒や。だから、上家が{⑥⑨}を出そうものなら…
(速攻で鳴いて聴牌やな!ただ、もし先に手元に6、9筒が来たら立直をかけようかどうしようか…)
ウチの懸念はそこや。これが、常人であれば黙聴で南、もしくはイーピン単騎で問題はないやろうけど…ウチは廻の高火力を既に知っている。オーラスであっても、逆転の可能性が大きいからこそ、ここで立直をかけて攻めるか…常時手牌を変えられる状態にして当たり牌を躱すか…悩みどころなんや。
ここで、私はふとあることを思い出した。
(…廻は、あの時どんな思いでダブリーしたんやろうか?)
オーラス、1巡目、大きな点差、あの時の廻には様々な優位性が他人と比べて存在した。そう考えると、廻があの場面でダブリーをかけるのは仕方のないことだったのかもしれない。
(確か、あの時の廻の待ちは…{②⑤}のノベタンやったな。待ち牌二つ…かつあんときは得失点差でも廻は一位やったし…そりゃダブリーかけたなるわな。)
廻はここぞという時の運がないのかもしれない…。もしかしたら油断とか、慢心とかそういうものとは異なる…能力に対する代償みたいなものがあるという可能性もある。
例えば…
(九蓮宝塔を和了する代わりに、どこかの局で全く、和了り牌が来なくなる…とかな。
まぁ、能力らしい能力のないウチがそんなこと言っても仕方がないことなんやけどな。)
でも…
(将来的なスパンで考えると…ここで廻の弱点を知っておいたほうが、いざという時に攻略が可能かもしれない。廻が団体戦にどんな面子を集めるんかは知らんけど、)
なんて、考えてはみたんやけど
(研究すんのは、頭のええ奴の仕事や。ウチは廻に勝つために麻雀を打っとるんや。
よっしゃ、立直をかける必要はない。安上がりでいいし流局ならば御の字や。)
そして、次のツモり牌は…
({⑥}…聴牌。張った!)
こっからが問題やな…。立直はかけず、{南}を待つ。和了るのが一番ええけど、最悪待ちを崩してでも廻の和了を阻止する。言うだけなら楽や…。やけど実際やるとなると難しい。
(いや…難しいどころの話やないな。)
仮に九連で上がるにしても、ただの九連ならええ。やけど…純正九連やった場合は…
(9面待ち…)
絶望的…。自摸で上がられる可能性が非常に高い。
九連と決まったわけではないとはいえ、廻の狙いは倍満以上…清一色か、一気通貫か…どのみち萬子は含めるはず。萬子を持っておくに越したことはない。
確認のために、廻の捨て牌をのぞいてみるが
廻 捨て牌
{南③⑧5白}
廻の捨て牌に萬子はない。懸念した可能性のすべてが現段階でありうる…。
(とりあえず、萬子が来ないように願っとこか。役満振込みなんてやってもうたら、一気に飛ばされる。ま、来たら来たで今の形を崩せばええんやけど…。)
宮永照は、その人自身の打ち方や持っている能力を見抜く照魔鏡のような能力を持っている。人の能力を見抜き、打ち筋を見極めることでもう一つの能力である連続和了を補助させることができる。
一方、廻の麻雀は萬子を集めることで発生する高火力が特徴だ。連続和了と、高火力は似ているようで対極にあるとウチは思っとる。コツコツ積み上げていく連続和了と一発で大儲けする高火力。サラリーマンとギャンブラーのようなもんや。
高火力だけでは、照のお眼鏡にかなうとは思えない。別に、廻に限らず、全国を探せば能力もちで高火力のプレーヤーは少なくない。いままで、なぜ廻が照のライバルになれたのかずっと疑問に思ってた。
だが、廻の番になった時その疑問は一気に晴れることとなる
なぜなら山から牌を取ろうとして彼女が伸ばした手が…
「なんや…これ。」
能力を打ち破ろうとする一筋の剣先に見えたからだ。
(廻には…もう一つ能力が存在する。高火力と連続和了のように…照魔鏡と対比する能力が。その能力は…)
「ツモ!九連宝塔。」
宮永照が能力を見破るのならば
「48000‼」
伊弉諾廻は…能力を打ち破るのか!
「これで、貰ったかな。洋。」
あぁ…やっぱり
{一一一二三四五五六八九九九} {七}
「かなわんもんやなぁ…」
ふとつぶやいた言葉が、私に重くのしかかった…。
うわ!?絹ちゃんめっちゃ空気ですわ。
駄文ですね。
まぁ、これから軌道修正していきます。
どうかよろしくお願いします!!