クェーサー厨が行かされる難易度ちょっとハードモード   作:TFRS

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全てを制圧する掌 上

 掛け声の後、互いに初手の5枚をドローした瞬間、裕は立ちくらみに襲われた。

 何かを削りとられるように、頭部を鈍器で殴られたような衝撃が何度も裕に襲い掛かり一瞬だけ意識が飛びそうになる、それを裕は頬を叩いて正気を取り戻す。

 互いの決闘盤の画面互いに点滅し裕が先攻となる。

 

「俺の先攻、ドロー!」

 

 勢いよくデッキよりドローし手札を見る。

 手札誘発の防御カードばかりが固まっており、ある意味デッキ事故とも言える。

 だがこれはこれでありがたい状況だ。そう考えこの状況で使えるカードを引き抜く。

 

「俺は光の援軍を発動! デッキから3枚墓地に送りライトロード・ハンター・ライコウを手札に加える」

 

 墓地に落ちたのはダメージ・イーター、エフェクト・ヴェーラー、スキル・プリズナーと微妙な結果だが墓地誘発カードが落ちたのはありがたい。

 

「モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 裕は警戒しつつも出来る事はすべてやり終わり相手の出方を窺う。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 引き抜かれる瞬間、裕は初手ドローの時にもあった倦怠感が再び襲い掛かって来た。

 その事から相手は何かしらの能力を使っているのだろう、そして自分の力がどんどん削り取られていくのを感じる。

 圧倒的な力の差によって包囲されなぶり殺しにあっているような感触のようだと裕は感じる、そしてその削り取りは徐々に大きく強力に、雪だるま式に膨れ上がる。

 ちっぽけな少年の願いなど絶対的な力の前には圧殺される、どう足掻いても抗いを示した所で握り潰されるのみだ。

 

「俺は大嵐を発動!」

 

「くっ、速攻魔法、スケープ・ゴート、そして和睦の使者を発動する!」

 

 倦怠感に気を取られた瞬間、放たれる大きな嵐に一瞬だけ反応が遅れそうになるも裕は伏せていた2枚のカードを発動させた。

 場に現れる4色の羊、そして薄い膜が裕を包み込む。これでこのターンダメージを受けない事に安堵し裕はポツリと呟く。

 

「これでこのターン」

 

「甘い、ドン・サウザンド様の力がこんなちゃっちいわけねえだろうが、俺は魔法カード、運命の宝札を発動」

 

 赤黒の6面サイコロが宙を舞い、

 

「出た目は6、よって6枚をドローしデッキの上から6枚を墓地に送る」

 

 出た目は最大、よって6枚ドローされる。

 またもドローされ更なる強大な倦怠感が裕に食らいつく。体から力は抜け手に受けた傷に痛みだけが強くなっていく。

 

―――相手の力が強すぎる、このままじゃ、磨り潰されちまう!

 

 能力の解除も一瞬だけ視野に入れる裕の視界に紅い星が瞬く。

 

「俺はRUM-七皇の剣を発動!」

 

「場に何もないのにランクアップマジックだと!?」

 

 ギラグの後ろ、七つの星が赤黒のラインにより北斗七星を描き出す。

 そして裕が驚いたのはその事ではない。

 RUM自体はミザエルとの決闘の際に体感し知っている。その時は相手の場にエクシーズ・モンスターが存在し更に強力な姿となった。

 だが今のギラグの場にも墓地にもエクシーズモンスターは居ないのだ。遊戯王デュエルモンスターズにおいて無意味な効果を発動はできない。

 それなのに発動できたという事はエクストラデッキから何らかの方法で特殊召喚すると言う事だ。オーバーレイユニットがいくつなのかは分からないが凄まじい性能のカードだ。

 裕の知っている事実を塗り潰す北斗七星の輝きに裕は怯むも手札のカードを引き抜き、、

 

「俺は増殖するGを発動!」

 

「ちっ、エクストラデッキより現れろ、巨岩掌ジャイアント・ハンド、そしてカオス化ァッ!!」

 

 星の輝きの中より現れるは巨大な岩で構築された掌、その指先の眼を次々と展開させ黒赤の塗りつぶしの力に包み込まれる。

 焔と溶岩が吹き出し黒紫のドームに暴虐の熱波が吹き荒れ、裕、そして少し離れた最上の体を容赦なく炙る。

 

「現れよ、No.106! 混沌なる世界を掴む力よ、その拳は大地を砕き、その指先は天空を貫く。溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド!!」

 

 腕で覆わなければ眼すらも開けられないほどの熱波が服に覆われていない四肢を、顔を炙り焼いていく。

 片方の手で顔を覆いつつ、裕のもう片方の手で決闘盤による自動効果処理によりデッキより突出したカードに触れる。

 

「特殊召喚したためドロー!」

 

 裕は目をギラグへと向けられないため決闘盤の表示を頼りに決闘を進める事になる。

 

「良いぜ、これからお前はカオスの深遠を見ることになる、お前のそのデッキでこの展開を防げるか! 俺はファイアー・ハンドを召喚! 更にファイアー・ハンドが場にいるときプロミネンス・ハンドを特殊召喚する!」

 

 吹き上がる溶岩の熱に比べれば大したことのない熱、だが確実に熱波は裕の体力と精神力を削り取っていく。

 

「さらにドロー!」

 

「カードを2枚伏せ、さあバトルだ、ジャイアント・ハンド・レッドでセットモンスターを攻撃!」

 

―――この状況で攻撃だと?

 

 ライコウをサーチしたあとモンスターをセットする、それはライコウかブラフのどちらかでしかない、その中で恐れずに攻撃を仕掛けてくると言う事は何らかの対処法があるのだろうか、そう疑問に思った裕は一瞬だけ、表示されているジャイアント・ハンド・レッドの効果テキストを見る。

 ミザエルの時とは違いナンバーズを所持していないためその効果テキストは読み取ることが出来、何故相手が攻撃を仕掛けてきたかを理解した。

 

「セットカードはライトロード・ハンター・ライコウ、そしてこの瞬間、ライコウの効果発動!」

 

「ジャイアント・ハンド・レッドの効果発動を発動、カオス・オーバーレイユニットを墓地に送りは場の全てのカード効果を無効にする、紅漠無惚!」

 

 カオスのエネルギー源となるカオス・オーバーレイユニットが消えたためか幾分か熱量は収まり裕はようやく場を見ることが出来た。

 そしてその場の光景に裕は思考が固まる。

 骨組だけの金属と炎で構築された掌を何故か誇らしげな顔で両肩に装着したギラグ、そして赤黒のラインの走る巨大な溶岩と岩盤で構築された掌を。

 何故自分に装備するのか皆目見当はつかず一瞬だけ思考は停止するも、裕は首を振りアジャスト、熱くなる頬を叩き気を入れ直し、

 

「だけど和睦の使者の効果は無効になってない、ライコウは戦闘破壊されない!」

 

「だから甘いって言っただろ、俺は手札から速攻魔法、時の女神の悪戯を発動!」

 

「ちょっ!? それ使ってくるのかよ!?」

 

 最上が目をひん剥き叫ぶ、信じられない様な物でも見たような彼女の様子に尋常ならざる物を感じ裕は聞く。

 

「知ってるのか最上?」

 

 あのカードは、と呟いた最上の台詞をギラグが奪う。

 

「このカードは相手のターンをスキップして俺のバトルフェイズになる」

 

 裕は言われた言葉を理解するのにかなりの時間を有した。

 長い沈黙の後、裕は息を吸い、

 

「え? え、えっと、コストは?」

 

「そんな物はない」

 

「い、インチキ効果もいい加減にしろぉ!!」

 

 裕の悲痛な叫び、だがそれは決闘盤が無慈悲に効果処理が行われかき消される。

 

「俺の次のバトルフェイズ、当然和睦の使者の効果は切れているため戦闘破壊できる、いけプロミネンス・ハンド、ライコウを握り潰せ!」

 

 白犬は金属製の骨掌の指先より放たれるレーザーを必死で掻い潜るも一瞬の隙を突かれ握りつぶされてしまう。

 

「続いてアイス・ハンドで羊トークンを攻撃、更にジャイアント・ハンド・レッドで羊トークンを攻撃!」

 

 続いて炎と溶岩の掌が赤と青の羊を握り潰す。

 それでも今回の攻撃は終わり、そう裕は思う、だが

 

「メイン2、俺は時の跳躍を発動」

 

「うわぁ!?」

 

 最上は今までに見たことの無いようなすごい顔で叫ぶ。

 そのリアクションからあれも凄まじい効果を持っているのだろうという事は予測できる。そしてカード名からして裕は嫌な想像が出来てしまう。

 そしてそれは的中した。

 

「このカードはこのターンをスキップし、ターンプレイヤーの3ターン後のバトルフェイズになる!」

 

「またかよ!?」

 

 言葉で言い表せないほどの一方的な蹂躙劇、それは熱波とともに加速していく。

 

「そしてバトル、プロミネンス・ハンドで羊トークンを攻撃、アイス・ハンドで最後の羊トークンを攻撃」

 

 黄色とピンクの羊も握りつぶされ裕の身を守るモンスターは居なくなってしまう。そして溶岩掌が裕へとにじり寄ってくる。

 徐々に強くなってくる熱波に焦りを感じ裕は焦りを表情に強く出す。

 

「ジャイアント・ハンド・レッドで直接攻撃、万死紅掌!!」

 

 掌自ら回転し炎の竜巻へと成り裕へと迫る。

 それは熱と打撃の必殺ともいうべき一撃だ、並の決闘者ならば骨すらも残らないような一撃であり裕が直撃すれば重症は免れない。

 

「俺は手札から速攻のかかしの効果発」

 

 裕の目の前にロケットブースターを噴かせたかかしが飛んでくる、普通ならばこれで防げるだろう、だがこの決闘は普通ではない。

 ただの僅かばかりの能力のある少年がいくら願い叫んだ所でその願いは届かない。

 

「カウンター罠、すっぱ抜きを発動! このカードは相手が手札、墓地で発動したカードを無効にし除外する!」

 

「なっ!?」

 

 瞬きをした瞬間、ギラグは裕の目の前に居た。

 一瞬の出来事に目を白黒させる裕、そしていつの間にかギラグの手に握られていた刀をなれた手つきで僅かに抜き、澄んだ音を響かせ納刀した。

 それは達人と呼ぶにふさわしい剣術の極み、それは裕の眼には捉えきれずいつのまにか案山子が両断されるという結果のみが映る。

 そして防ぐ物の無くなった溶岩掌の拳が裕へと叩き込まれる。

 

「そして攻撃は続行される!」

 

「ぐぅうううううううう!?」

 

裕LP 4000→1400

 

 直撃すれば骨も残らないであろう溶岩部位をなんとか避け、裕へ岩石の指が叩き込まれる。

 肺から全ての空気を絞り出すような衝撃、そして黒紫の壁へと叩きつけられ裕はバリアンのエネルギーに炙られる。

 黒紫の放電に炙られる事、数秒の後、裕は解放された。

 裕の体力はすでに限界を迎え体のあちこちに火傷と裂傷を負いながらも、息も絶え絶えに立ち上がりカードを取り出す。

 

「げほっ、こ、この瞬間、冥界の使者ゴーズの効果」

 

「甘い、もう1枚すっぱ抜きだ」

 

「っ!?」

 

 黒い甲冑の男が出現しようとする霞、それをギラグは再び手にした刀で両断する。

 

「そしてメイン2、俺はアイス・ハンドとプロミネンス・ハンドでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚、現れろiNo.80狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク!」

 

 2体の掌が渦の中へ消え現れるは王冠のモニュメントだ。それは徐々に展開し人型を取る。

 バリアン世界に落とされてカオスのエネルギーやバリアン世界の食事をとった事によりカオスという物を理解できるようになった裕はそのエクシーズモンスターがカオスをまき散らしているのが感じられる。

 オーバーハンドレッド・ナンバーズと同じように赤黒のエネルギーラインが体中に流れるそのエクシーズモンスターの発する異常な雰囲気、そしてナンバーズと名の付くカードから発せられるはずの無いカオスの力、聞き覚えの無いイマジナリーという単語に首を傾げる。

 

「イマジナリーナンバーズ?」

 

 消えゆく者への手向けのつもりなのか、ギラグは僅かに得意げな表情をし、

 

「そう、本物のナンバーズに比べれば性能は落ちる、だがその性能は本物と大差は無いもんだ。こいつの力でお前も九十九遊馬もぶっ倒してやる! ラプソディ・イン・バーサークの効果発動、このオーバーレイユニットを1つ使い事で相手の墓地のカードを除外する、俺はオーバーレイユニットを2つ使ってスキル・プリズナー、そしてダメージ・イーターを除外する」

 

 黒赤の人型がオーバーレイユニットの宿った拳を地面に叩きつける、そして裕の墓地より2枚のカードが衝撃に驚いたように飛び出してくる。

 

「そしてRUM-リミテッド・バリアンズ・フォースを発動、俺の場のラプソディ・イン・バーサークをカオス化させる、1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築、カオス・エクシーズチェンジ!」

 

 振り抜かれたRUMのまき散らすカオス、そして空より降りてくる光がギラグの手に収束し1枚のカードを構築する。 

 

「現れろiCNo.69紋章死神カオス・オブ・アームズ!」

 

「攻撃力4000!? って効果ぶっ壊れすぎだろ、攻撃する気にもなんねえよ!?」

 

 空に浮かぶ毒々しい金と赤黒の蜘蛛にも似た姿のエクシーズモンスター、その攻撃力と効果を見て裕は思いっきり叫ぶ。

 圧倒的な攻撃力、ナンバーズ特有の戦闘破壊耐性は無いがエクシーズモンスターなのにオーバーレイユニットを使わない効果が強力すぎる。

 

「そして俺は再び時の女神の悪戯を発動。バトルだ、ジャイアント・ハンド・レッドで直接攻撃!」

 

「手札から速攻のかかしを発動、直接攻撃を無効にする!」

 

―――これ以上、使われたら負ける。くんな、絶対にくんな!

 

 必死で祈る、今ギラグの手札は1枚しかない。この状況でもう1枚ターンを飛ばされればもう防ぐカードは無いのだ。

 

「…………」

 

「ちっ、防がれたか、ターンエンド」

 

ギラグ場  CNo.106溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド ATK2600 (ORU0)

LP4000  iCNo.69死神紋章カオス・オブ・アームズ ATK4000 (ORU1)

手札1

 

裕場 

LP1400

手札2

 

                     ●

 

「遊馬、バリアン七皇がすぐ傍にいるぞ!」

 

 最初にそれに気づいたのはアストラルだった。

 大気を震わすカオスの波動、それに呼応する様に周囲の赤黒に塗り潰されたビルが点滅し始めエネルギーとなり一点へと収束していく。

 空を見上げれば世界各地からも集まり空は銀河の様に輝きに満ちる。

 それは美しい物だ、だが同時に人が居なくなった世界中の町が分解されバリアン七皇の持つオーバーハンドレッド・ナンバーズに吸収されていく最後の侵略の象徴でもある。

 

「いったいどこに!?」

 

「遊馬、あそこ!」

 

 小鳥が指さす場所、徐々に町が消えていく中心、黒紫のカードによって構成されたドーム中、巨大な溶岩で作り上げられた掌が居、その横には依然遊馬とアストラルを苦しめたNo.96との決闘でカオス化したカオス・オブ・アームズとよく似たモンスターが浮かんでいる。

 

「あれはいったい!?」

 

「それよりも、あれはいったい誰と決闘している?」

 

 カイトの言葉に遊馬の脳裏に思い出されるのは安堵した笑みを浮かべ背を向けた少年の姿だ。

 

「まさか!?」

 

 遊馬は嫌な予感に背を押されギラグと誰かが決闘している場所へと一目散に走り出した。

 走り必死で目を凝らせば黒紫のドームの中、人影が3人見える。

 一人は髪の長い少女、一人は筋肉質の大男、そして最後は、

 

「裕、どうしてお前が!?」

 

 裕が顔や肌は熱を持ち赤くなり、右手の包帯は赤く染まった痛々しい姿で、だけど必死の形相で決闘盤を構えていた。

 

「ちょっと探索してたらこいつに見つかってな、危うく死にかけたぜ」

 

 裕は荒い息をしながらも遊馬へと自分がまだ大丈夫だとでも言うように親指を立てる、だがその体や顔の状況を同時に見れば強がっているようにしか見えない。

 

「裕……、ギラグ! お前は俺達とナンバーズを狙ってんだろ、だったら俺と決闘しろ!」

 

「はっ、お前ら全員を消せってベクター様から命令されてるんだ、誰一人逃さねえ、小物だろうが端役だろうが人間全てを消滅させベクター様の統治下に置くんだ」

 

 遊馬は以前、ギラグと決闘したことが在る。

 目的の為ならば手段を択ばない男だったが、アリトとの友情を大事に思い、バリアン世界の為に戦う男だった、だがドン・サウザンドとベクターが洗脳しベクターを優先するようになってしまった。

 その卑劣なやり口に遊馬は口元を固く結び悔しさを浮かべるも決闘は止まらない。

 

「そうだぜ、これは俺の決闘だ、見てろよ遊馬、俺の新しいこのデッキがあいつをぶっ倒すところを」

 

 誇る様に、勲章でも見せびらかす様に量の手を高く広げ、デッキと浮かぶモンスターを示しながらギラグは笑みを零す。

 

「ぶっ倒されるもんか!」

 

「は、何言ってやがる、お前の能力が俺にドローカードを引かせなかっただけで手札2枚で何ができる、この俺様がベクター様から頂いた相手に何もさせねえ力の前に全てが無力だ」

 

「相手に何もさせない力?」

 

 そのカード達が引き起こした蹂躙劇を遊馬は目にしていないために首を捻るしかできない、だがボロボロになった裕の様子からなにか凄まじいカードを使われた事だけは分かる。

 

「そう、お前らはカードを創造できる、その力に俺は負けた。俺はお前に負けてからずっとお前達に勝つ方法を考えに考え、そして考え付いた。相手にターンを渡さなければいいのだと!!」

 

 たとえば最上が先に決闘を仕掛けられていた場合、最上はこの場に居なかっただろう。

 ギラグが先攻を取った瞬間、モンスターを召喚、特殊召喚し時の跳躍、時の女神の悪戯を使用し瞬殺、手札誘発カードを使えたとしても更に連射し最短で7ターンほどずっと俺のターンとなり敗北する。

 最上が先攻をとったとしてもワンショットキルをしなければ大嵐、ブラックホールからの連続7ターン程、ずっと俺のターン!! となる。

 ある意味、黒原よりも性質の悪いデッキを誇る様に、黒紫の光が揺れる瞳で遊馬達を見下ろし手を水平に伸ばす。

 

「全てのものは我が手の中! バリアン七皇の一人、ギラグが九十九遊馬にリベンジするために作り上げた、この相手にターンを回さず全てを掌握する力を思い知れ! そして恐怖しろ、全てのカードを創造する絶対の神、ドン・サウザンド様とその身に神を宿すベクター様のカオスの深淵を!」


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