クェーサー厨が行かされる難易度ちょっとハードモード 作:TFRS
遊馬を逃がすために穴を守っていた決闘者達は皆が倒れていた。
Ⅳはナッシュを凌牙へと戻そうと戦いを挑み、ナッシュの決意を前に倒れた。
「凌牙」
鉄男はメラグとなった璃緒を止めるべく戦いを挑むも敗北した。
「璃緒さん⋯⋯!」
アンナ、ロビンはアリトと、六十郎と闇川はギラグとそれぞれ戦い健闘を見せたが敗北した。
この場に残るは藤田と大崎のタッグ、そしてⅤとⅢのタッグのみだ。
彼らは強かった。
堺から託された希望を守り抜くと、堺の敵を討つと心に決め、ランク4を連射するドルベと銀河眼を最大限に活用するミザエルをあと1歩まで追いつめた。
だが2人の最後の攻撃はミザエルたちのライフを削り取ることは出来なかった。
バリアン七皇の勝利を決定づけたのはバリアン世界のリーダー、ナッシュの与えた真のバリアンの力によって逆転し、彼らは敗北した。
バリアン七皇が揃わなくて発揮できない最強のランクアップマジックが劣性の状況を逆転勝利へと導いたのだ。
「ちっ、あいつ等、誰も倒せないのかよ、役立たずめ」
そしてベクターは皆が持っていた思いを踏みにじりながら1人移動していた。
バリアン七皇の決闘を観戦していると新しい力が体に解放されたのだ。
それだけならばよかったが解放された衝撃でこっそりと観戦していた建物が砕け散りナッシュに見つかってしまった。
だが、解放されたその力はカードとなりすさまじい力を発揮するだろうと予測できる、手に持っているだけで鳥肌が立つような力のあるカードだ。
「おいドン・サウザンド、これは?」
「そうだ、バリアン七皇の真の力、バリアン七皇だけが持つランクアップマジックだ、それよりもベクター、お前にもこれを渡そう」
ベクターの腕より作り上げられる赤黒の炎、その中より作り上げられるは黒いカオスに塗れたカード達だ。
「あの男の最後の思いを我が形にしたのだ、そのカードとナッシュが目覚めたことによって手に入れたこのカードで全てを我のものにするときがやってきたのだ、さあベクター、今こそミザエル以外のバリアン七皇を取り込むときだ」
「ああ、そうだな。まずはメラグとドルベ、あいつら2人を取り込んでやる」
ギラグやアリトから送られてくる情報ではアリト、ギラグ、ミザエルは遊馬たちの追撃を仕掛け、残る3人はベクターを探す事にしたらしい。
それを聞いてベクターはにやりと笑う。
―――ちょうどいい、奴の目の前で大事な大事な仲間と妹を消してやる。
そう心に決めベクターはドン・サウザンドより手に居れたカードと、解放されたバリアン七皇のランクアップマジックを複製し、それを最大限に利用するために新たなカードを劣化創造し一つのデッキへと収束させる。
バリアンとしての自分のデッキをベースし、ドン・サウザンドが作り上げたカオスにまつわるカードで強化し、襲撃しやすい場所へと走り出した。
●
「ベクター! どこにいる! 出てこい!」
ナッシュは大きく声を上げながら赤黒に染まる町を走る。
ミザエル、アリト、ギラグは遊馬を追わせ、ナッシュ立ちは因縁の相手であるベクターを探していた。
七皇の真の力が発動したとき確かに紫色の柱が建物の中より立ち上るのをナッシュは確認した。そこから移動できる場所を重点的に探しているのだが見つからない。
苛立ちを隠しきれずナッシュは周囲を見回すも見えるのは赤黒に塗り潰された建物、そして遊馬やアストラル兵を探すバリアン兵達ばかりだ。
「くっ、奴はいったいどこに行ったんだ」
そうしている間にドルベとメラグが追い付いてくる。
「ナッシュ。1人で先に行きすぎだ」
「そうよ。奴がどこで何を企んでいるのか分からないんだから気を付けなさい」
ドルベは藤田との決闘によるダメージが残っているのか、僅かばかり体の動きがぎこちなく見える、そしてメラグも本気で止めようとした鉄男と決闘したばかりだ。
大切な仲間と戦い倒したことに罪悪感があるのだろう、だがそれはナッシュも一緒だ。
Ⅳを、大切な仲間の思いを砕き倒したのはナッシュの選択だ。後悔はあってもそれを口に出すわけにはいかない。
「どこにいる、ベクター」
「俺はここさ!」
その言葉をナッシュが呟いた瞬間、赤黒の建物より黒紫の触手が伸び、ナッシュの腕や体を拘束した。
「何!?」
触手はバリアン兵の体から伸びていた。10人ほどのバリアン兵の顔には地獄の業火で炙られる罪人の様に苦悶が浮かぶ。
そして体は樹の根のように細長くなり地面に突き立てられナッシュを拘束した。
「ナッシュ!? 今助けるぞ!」
ドルベはナッシュへと近寄ろうとする、だがそれを阻むように黒紫のカードが飛来する。
それは一見するとバリアンズ・スフィア・キューブを使用した際に発生する対象を拘束するカードの様な物だ、だが中に秘められているエネルギー量がケタ違いだ。
ドルベとメラグは黒紫のカードに阻まれナッシュの元へはたどり着けない。
カードの出元を見れば、そこには趣味の悪い装飾の椅子に座すベクターの姿があった。
王位を簒奪したように足を組み自分のしたことに酔いしれるその姿は偽物ではなく本物のベクターだ。
「さあ、遊馬達も追い詰めた事だしそろそろお前らの魂と力を頂かせてもらう」
「ベクター!」
ナッシュはその触手を強引に振りほどこうとするも拘束がきつく、外れない。
体よりカオスを放出するも触手は崩壊する様子を見せず、自分よりも力の上の存在がこの触手を操っているのだろうと推測できる。
ナッシュはベクターを睨み付け声を上げる。
「そんな事、出来るものか!」
本来、ベクターの力だけではバリアンナンバー2たるバリアンの白き盾たるドルベと灼熱の太陽すら瞬間凍結させる力を持つメラグを相手にしたところで勝ち目はない。
それゆえに不可能だと言ったのだが、
「俺ならそれができるさ! 何故なら俺はドン・ザウザンドを俺の中に蘇らせたんだからなぁ!」
触手で編まれた服の様にベクターの腹に目が開かれ、ベクターの背後、ベクターなど蚊に見えるほどの大男が現れる。
その大男より放たれるは強大なカオスの波動だ。
バリアン七皇の総力を結集させたところで敵うかどうかすら不明の力の塊、それがベクターの背後にある。
「我が名はドン・サウザンド。バリアン世界の創造主だ。我が僕よ、時は来たれり。今こそ我の復活の糧となりて我の力となるがいい」
ドルベは神とも呼べる力を持つ者へと叫ぶ。
「なぜだ、貴方がバリアン世界の神だと言うならば、なぜ我らを!?」
「それがそなたらの定めだからだ。我が復活する為の力となる為選ばれた⋯⋯それが七皇だ」
ドン・サウザンドは周囲へとカオスを散布しながらドルベを虫けらの様に見る。
その視線からドルベは察した。
この神は本気でドルベ達を復活のためのエネルギータンクとしてしか見ていないと言う事を、そしてそれら全てを刈り取る為に今、行動しているのだと。
「そんな、なら我々は」
「そうさ、最初からお前らはドン・ザウザンドの餌なんだよぉ!」
「ならば貴様も!」
ベクターだって七皇の一人だ。
どのような口車でドン・サウザンドに取り入ったのかは分からないがいずれは取り込まれる存在のはずだ。そうメラグが指摘すると、
「俺はお前らとは違うんだよ、俺はドン・ザウザンドと一体となったから違うがな。俺は、神だあああああ!」
ベクターより発せられるカオスも凶悪な物になっている、それが借り物の力だろうが凶悪である事に間違いはない。
背後にいる大男の姿と重なる様に身に着ける装飾が新しいものへと塗り潰されていく。その姿はナッシュとは対となる暴君と呼ぶべき王の姿だ。
「ここは私に任せて逃げろメラグ! 君は他の仲間に知らせるだ!」
バリアンナンバー2であるドルベの力を持ってしても砕く事の出来ない黒紫の壁、それでもドルベは諦めず光剣を使って連撃を重ねる。
その無駄な努力を嘲笑いベクターは呆れたように手を肩まで上げ、
「他の仲間? 気づいてなかったのか? アリトもギラグも復活してからずっと俺の手駒だったんだぜぇ! 様子がおかしいと思わなかったのかよ、ナッシュが行方不明になってからずっと俺達一緒だったのになぁ!」
その言葉にドルベが思い出すのはナッシュが居なくなってからの日々だ。
力不足を痛感し、ドルベが落ち込んだりした時に軽い悪戯でベクターが皆を勇気づけたのも、凄まじい悪戯で暗くなりがちな城内を明るい雰囲気にしてくれた事だってある。
「それなのに! 何故だベクター!? 我々は仲間だったはずだ、苦楽を共にしバリアン世界を救うために互いに力を合わせてきた、それのに何故!?」
「はっ! ずっとこの機会を窺ってきたんだ、俺様が全てを手にするこの瞬間を、そのために詰まらねえ仲間ごっこだってしたぜ、そうすりゃお前らはいつか寝首を掻ける隙を見せてくれるってなぁ!」
「くっ、ベクター!」
ドルベは裏切られた悲しみと彼の中に宿る野心に気づかなかった自分への憤りの涙を流す。
そして触手で動けなくなっているナッシュがベクターへと叫んだ。
「ベクター、俺とメラグを殺したのもそれが理由か?」
事情を知らないドルベはナッシュの方を一度向き、ベクターへと向き直る。
「本当なのか? ベクター、お前は」
「今、明かされる
ドルベは信じたくないと言う様に振り後退る。
ナッシュの行方不明になってベクターには大分助けられた。
ベクターが用意した小賢しい策に何度も助けられたし、彼の悪戯で雰囲気が明るくなったこともあった。
そんなベクターをドルベは信頼していたのだ、だがそれらの原因は全てはベクターが原因だったのだ。
「お前はいい道化だったぜ、見てて楽しかったよ! 確かに、俺はお前らの力を奪おうと思った、だがお前らの力が大きすぎた。このままでは俺にも被害がでる、だから殺したんだよぉ、俺の力にならないくせに俺よりも強いなんて、許せるわけねえだろ!」
「そんな理由でっ!」
「それだけじゃねえ、気に食わなかったんだよぉ! 初めて会った時からナッシュの事が気に入らなかったのさぁ!」
他人を気に食わないと言う感情は争いを生む。
それは古今東西の神話から現代の物語に置いても言える事だ。
巨悪を撃つ正義もお互いが正義だと信じぶつかり合う事も、それがどれだけ素晴らしい偉業を達成しようとも自分が他人の言動、掲げる正義が気に食わないというからなされることもあるだろう。
遊馬の語る未来だって裏を返せば自分が悪意を振りまき皆を不幸にする者が気に食わないからこそ、皆と手を取り合って未来に進もうとするものであり、ナッシュの掲げる理想も奪い去る、または喪われようとする者への反骨心から来る物だ。
裕が掲げる普通の決闘も最上の持つ戦う理由も全ては自分が他人の何かを気に食わないという感情から来るものだ。
そしてこの男も同じだ。
「奴のやる事、なす事全てがなぁ!! 俺とアイツは決して相容れる事のない、犬猿の仲なのさぁ! けどよぉ!俺も最初は我慢したんだぜ!」
自分は常識人だとでもいう様に当たり前の常識を言い、
「幾ら気に食わねえからっていきなり殺すのはどうかなって、だからポイント制にしたのさぁ。ナッシュが俺を不快な目にあわすたびに1ポイントォ!」
人差し指をナッシュに見える様に突き出し、
「それが一億ポイント貯まったらァ、殺す! それまではじっと我慢だ! 奴が何か小言を言うたびに1ポイントォ! 何かする度に1ポイントォ! ってやったら、あらまびっくりぃ! とうとう溜まっちまったんだよ1億ポイントがぁ、だから殺したんだよ」
自分がせっかく我慢してやったのに、俺様をイラつかせたお前が悪い、そう言い放つ。
それはナッシュからすれば理不尽でしかないだろう。
心の底は分からずとも仲間としてうまくやっていた筈だったのに、腹の底では自分の物差しで気に食わないと思うたびに自分を殺そうとする殺意を膨らませていたことに、そして溜まり切り、殺されたのだ。
妹もその理不尽によって喪われかけた、前世の人間だったときも二人はベクターの手によって命を落としたようなものだ。
全ては何者かが仕組んだように運命の糸は繋がっていた、それをナッシュは恨まずにはいられない。
「人間の体を借りて転生した私達を、神代凌牙と璃緒として遊馬やその仲間と出会って、絆を深めていった、そしてバリアンとしての記憶が戻り、その使命を知った時、ナッシュがどれほど苦しんだか!」
メラグは叫ぶ。
一番近くで見てきたものとして今、ナッシュがどれほどの殺意を持っているかを代弁する。だがそれを、
「はは、知らねえなぁ、お前ら事情なんて! ナッシュとして俺に不快な目にあわせた上に、神代凌牙として俺様の立てたサルガッソ、フェイカーやトロンを差し向けたりしたのもみんな俺様がナンバーズを手に入れるため計画だったのに、それをぶち壊しやがって、俺様のリセットされたはずのポイントが限界突破してんだよぉおおおおおお! 今度こそおめえら全員、地獄に送ってやるよ!」
「ベクタアアアアアアッ!!」
嘲笑われる事にメラグは氷の剣を抜き、ベクターへと切りかかる。
殺意の秘めた一撃、神代璃緒として生きてきた人生に置いて璃緒は達人や師範代を圧倒するほどスポーツは万能だった、そしてバリアン七皇となりその技は強化されていた。
策士であり裏から人を操るタイプのベクターは逃げる事も出来ず切り捨てられるだろう、そのはずだった、彼がドン・サウザンドと融合していなけば。
ベクターの胸元を深く切り裂いたその一撃、心臓すらも露出させた一撃だ。
致命傷となりうるはずだった。
だが彼の心臓よりカオスは漏れ出しベクターの体の傷は治っていく。
「ぐうぉおおおおおおお!?」
それと同時にナッシュは苦しみの声を上げた。
まるでベクターの受けた痛みがフィードバックされたかのように苦悶の声を上げ体をよじるナッシュ。
その様子を見たドルベは顔色を変える。
「まさかベクター、貴様」
その問いかけにベクターは笑いながら答えず、自身の切り裂かれたはずの胸元を叩き無事であることを見せつけ、
「とにかくだ、お前らは俺にここで食われるんだ!」
腕より蝶の翅の様な決闘盤を作り上げる。
「どうやら今のベクターに勝つためには」
空中より氷を集めメラグは美しい決闘盤を作り上げ、自分のデッキを装填する。
「我らが力を合わせるべきか」
ドルベも白い光を集束させ決闘盤を作り上げる。そのままベクターを睨み付けデッキを装填する。
「バトルはタッグ決闘、もちろん2人係では俺様が圧倒的に不利だ、だから公平な決闘をするために俺様に少しだけ有利にする、だぁが俺様は慎ましいからライフポイントはそのままで先攻と手札10枚だけを貰う! 場、墓地、お前らのライフは4000で2人別々、手札誘発カードはどちらかのプレイヤーしか発動できない、それでいいか?」
「ああ!」
「なら始めよう、ナッシュぅ、お前はお前のお友達と、妹が俺様に食われる様を見てろよ!」
「そんな事、させるものか!」
「そうよ、貴方を倒して全ての因縁に決着をつける!」
メラグとドルベは並び立ち構え、それをナッシュは見ている事しかできない。
そして3人は叫んだ。
「「「決闘!!」」」
●
「俺様のターン! ドロー! さあ手始めにお・れ・た・ちの、絆の力を使わせてもらうか!」
ベクターが手札より抜くはナッシュの力で解放されたバリアン七皇だけが持つランクアップマジックだ。
「俺は手札からRUM-七皇の剣を発動! このカードはエクストラデッキ、墓地よりオーバーハンドレッド・ナンバーズを特殊召喚しカオスナンバーズにランクアップさせる!」
「何!?」
「ベクターッ!?」
そのカードを見てドルベたちは更に激昂する。
七皇としての絆を否定したベクターが七皇の絆の証たるカードを我が物顔で使うなど許せるはずもない。
だがベクターはしたり顔で二人を見、コケにするように片手で腹を押さえ2人を指差し、
「ははははっ、おいおい、俺はバリアン七皇のベクター様だぜ。これを使っても構わねえじゃねえか!」
何を当然の事を言ってるんだと笑い飛ばす。
ドルベは怒りの感情をあらわにしつつ、手札を一枚抜く。
「だが私はこの瞬間、増殖するGを発動させる、さあアンブラルを特殊召喚するがいい!」
「はっ、七皇の持つオーバーハンドレット・ナンバーズは誰が作り出したと思ってるんだ?」
「何!?」
そしてベクター達の上空、赤黒で構築されたバリアンの紋章が現れる。
頂点にある七つの星が瞬き、その星は赤黒のエネルギーラインで結ばれ北斗七星が構築、その頂点の星が一際強く瞬き、赤黒の星となって地へと堕ちる。
轟音と衝撃波をまき散らしながら落下した星、地面は陥没しアストラル世界の建物はその余波と発生したカオスの波によってまとめて薙ぎ払われ崩壊していく。
莫大な砂を巻き上げ更地になったベクターの背後、星が創生の光を上げ、その輝きの中より現れるは、
「俺はエクストラデッキからiNo.101S・H・Ark Knightを特殊召喚するぅっ!」
「なんだと!?」
「それは俺の!?」
「ナッシュのオーバーハンドレッド・ナンバーズ!?」
そのナンバーズは赤黒のラインが無数に走り相手に与える印象はオリジナルとは大分違うだろう。。だが全体的な形は寸分狂わず同じである。
それはそうだ、オーバーハンドレッド・ナンバーズを与えたのはバリアン世界の創造主たるドン・サウザンドなのだから。
そして不完全ながらもそれを体に宿すベクターはオーバーハンドレッド・ナンバーズの劣化コピーを作り上げることが出来る、そして特殊召喚された箱舟は黒紫の渦に飲み込まれる。
「さあ、そしてカオス化させる! 俺はS・H・Ark Knightでカオス・エクシーズチェンジ!」
ベクターの背後、大男より作り上げられたカオスが虚数の箱舟の内部に収められし守護者を実体化させていく。
「カオスを総べる神たる俺様が作り上げし虚数のナンバーズよ! 今こそ、混沌より生まれしバリアンの力を十全に発揮し、俺を守護する者と成れ! 暗黒の騎士となりて敵対する者、全てを砕け! 現れろ!
ナッシュの持つS・H・Dark Knightよりもその姿はまるで返り血を浴びたかのように赤黒に染まりあげている。
そしてその体より発せられる力は少しばかり劣化しているがオーバーハンドレッド・ナンバーズそのものだ。
その手に持つ槍を振り回しベクターを守護する様に暗黒騎士はベクターの前に降り立った。