クェーサー厨が行かされる難易度ちょっとハードモード   作:TFRS

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エリファスVS遊馬 中

遊馬場      セットモンスター

LP4000      

手札0      伏せ3 

 

エリファス場  No8エーテリック・セベク ATK3000 (ORU3)

LP4000    アーティファクト・デスサイズ ATK2200

手札1     ランクアップ・アドバンテージ

        伏せ3

 

「私のターン、墓地のRUM―アストラル・フォースの効果発動、このターン、ドローフェイズを行わない事で墓地にあるアストラル・フォースを手札に加えることが出来る」

 

 シャイニングドローをせずに墓地のランクアップマジックを加えたエリファス、その様子を見て遊馬は身構える。

 遊馬は追い詰められている。そして更に畳みかけるようにモンスターが召喚される。

 

「私はアステル・ドローンを召喚、アステル・ドローンはレベルを5として扱うことが出来る、私はレベル5のアステル・ドローンとアーティファクト・デスサイズでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚、現れろ、ランク5、発条装機ゼンマイオー!」

 

 渦に入り込んだ2体がゼンマイ仕掛けの機械の群れを引き連れて登ってくる、それを黒角笛が吸い込もうとする。

 

「俺はカウンター罠、昇天の黒角笛を発動、特殊召喚を」

 

「私はライフを半分支払いカウンター罠、神の宣告、そのカウンター罠を無効にする」

 

「くっ!?」

 

 特殊召喚を阻止できなかったことに遊馬は臍を噛むもどうすることも出来ない。

 ゼンマイ戦士は遊馬へと拳を向け、オーバーレイユニットになった星形の魔法使いがエリファスへと光を放つ、そしてエリファスの手に光が宿る。

 

「アステル・ドローンの効果で1枚ドロー、ゼンマイオーの効果発動、オーバーレイユニットを1つ使いセットカードを2枚破壊する、私は君の残り2枚の伏せカードを破壊する」

 

 

「罠発動、スキルプリズナー、俺の伏せカードを1枚を相手モンスターの効果から守る!」

 

 止められたことを悔やむことなく、エリファスは墓地より回収したRUMをかざす。

 

「私はRUM-アストラルフォースを発動、私の場にいるエーテリック・セベクでオーバーレイネットワークを再構築、ランクアップ・エクシーズ・チェンジ」

 

 鰐は空へと昇っていく、アストラルフォースの放つ光の柱を溯り金色に輝く翼を持つ鷹の姿にランクアップする。

 

「Noランク10 エーテリック・ホルス!」

 

 だがランクアップしたモンスターの効果は使うことは出来ない、エリファスの狙いは他にある。

 それが分かっているからこそ遊馬は最後の伏せカードを使わない。

 

「更にランクアップ・アドバンテージの効果でデッキから1枚ドローする、シャイニングドロー! ドローした3枚目のRUMーアストラル・フォースを発動、私の場のエーテリック・ホルスでオーバーレイ、1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築、ランクアップ・エクシーズチェンジ、現れろNO、ランク12!」

 

 鷹が空へと上る、光の柱を突きすすみ遊馬が見てきた中で一番大きい光の渦が作り上げられる、それは部屋の天井を銀河の様に輝きと黒で染め上げ爆発する。

 黒と金で作り上げられるは半獅子半人の姿だ。

 鷹の様に雄大な翼、肉厚で巨大な二振りの剣を振り自らの姿を鼓舞する。

 

「カオスよ、その穢れた魂を、高貴なるランクアップで浄化せよ、エーテリック・マヘス!」

 

「ランク12っ! だけど、この瞬間、俺は罠発動、オーバーレイ・プッシング! 俺の手札が0枚で、お前がエクシーズ召喚に成功した時、そのモンスターエクシーズのオーバーレイユニットの数、つまり5枚ドローする!」

 

 ランクアップ・アドバンテージの効果でドローしたエリファスは少しだけ感心したように目を細め、獅子へと命令する。

 

「ほう、だがエーテエリック・マヘスの効果発動、オーバーレイ・ユニットになっているカードを可能な限り特殊召喚する、現れろ、エーテリック・セベク、エーテリック・ホルス、ヴェルズ・ウロボロス」

 

 両手に持つ剣を打ち鳴らし、マヘスの周囲を漂っていたオーバーレイ・ユニットはマヘスの周囲に散る、そして作り上げられるのは先ほどまで遊馬と相対していた禁断邪龍、鰐、鷹だ。

 すでに場の総攻撃力を全て受ければ遊馬のライフは残らない。

 

「永続魔法、ランクアップ・アドバンテージの効果でRUMでエクシーズ召喚したモンスターと相手モンスターが戦闘を行う時、モンスター効果は無効になる、バトルフェイズ、私はエーテリック・マヘスでセットモンスターを攻撃!」

 

 マヘスは両手の剣でセットモンスターへと切りかかる、それを防ごうと遊馬は手札に来てくれた新しい仲間の効果を発動させる。

 

「俺は手札から虹クリボーの効果発動、このカードを相手モンスターの装備カードとし、装備されたモンスターは攻撃できない!」

 

「させるか、リバースカード発動、法禁じられた聖槍をマヘスに発動、これでエーテリック・マヘスは虹クリボーの効果を受け付けない、そして攻撃続行する!」

 

エーテリック・マヘス ATK3200 VS ゴゴゴゴーレム DEF1500

破壊→ゴゴゴゴーレム

 

 遊馬の初期よりずっと戦ってくれたゴーレムも効果を無効にされれば真っ二つにされるしかない。

 飛んでくる破片から顔を手で守る遊馬へと禁断邪龍が迫る。

 

「バトルだ、ヴェルズ・ウロボロスで直接攻撃!」

 

「手札から速攻のかかしの効果発動、バトルフェイズを」

 

 三つの首をのけぞらせ息を大きく吸った邪龍の前にロケットブースターを噴かせるかかしが現れる。

 だがアストラルと同レベルかそれ以上の決闘タクティクスを持つエリファスは遊馬の必死の策を上回る。

 

「無駄だ、私はヴェルズ・ウロボロスを対象にデストラクト・ポーションを発動、ヴェルズ・ウロボロスを破壊しライフを回復、更に攻撃を中止できなかったのでバトルフェイズは終了しない!」

 

エリファスLP2000→4750

 

 爆散したウロボロス、そして攻撃を受け止める筈だったかかしはそのまま地面に激突する、二つの爆煙の中をゼンマイ仕掛けの戦士が突っ走る。

 

「バトル、ゼンマイオーで直接攻撃」

 

「俺は手札からガガガガードナーを守備表示で特殊召喚する!」

 

「ほう、ならばゼンマイオーでガガガガードナーを攻撃」

 

「攻撃対象にされた時、ガガガガードナーの効果発動、手札を捨てる事で戦闘破壊を免れる、俺は手札のガガガマジシャンを捨てる」

 

ゼンマイオー ATK2600 VS ガガガガードナー DEF2000

 

 ゼンマイ戦士が振りかぶった拳は身の丈ほどもある盾に阻まれる。だがエリファスはそれを悔やむ表情をせず、さらに追撃を仕掛ける。

 

「エーテリック・セベクでガガガガードナーを攻撃」

 

「俺は⋯⋯ガガガガードナーの効果発動しない」

 

エーテリック・セベク ATK3000 VS ガガガガードナー DEF2000

破壊→ガガガ・ガードナー

 

 遊馬の手札はまだ残っている、ガガガガードナーを破壊から守らなかった事にエリファスは怪訝そうな顔をするも場が開いている状況であるため攻撃を叩き込む。

 鷹の手に雷撃が収束し遊馬へと音と光をまき散らしながら叩き込まれる。

 

「最後の攻撃、エーテリック・ホルスで直接攻撃」

 

「うぁああああああ!?」

 

遊馬LP4000→500

 

 拳を握り立ち上がる遊馬、その姿はすでにボロボロであり決闘盤からはナンバーズやバリアンとの猛攻、そしてここにきてモンスターが実体化する決闘を行なったためか傷だらけになった決闘盤から火花が散っている。

 アストラル世界の決闘もバリアン世界と同じようにモンスターが実体化して行われる。

 アストラル世界の代表、エリファスが操るランク10のホルスの一撃は普通の人間ならば立ち上がれない様なダメージだ。

 それでも立ち上がる遊馬の姿にエリファスは眉を顰め聞く。

 

「なぜそうまでして戦い続ける?」

 

「そんなの決まっているだろう、アストラルを助けるためだ!」

 

「そのアストラルを見るがいい、君のライフが減ったことによりアストラルの消滅が近づいたようだ」

 

 エリファスが指す先、アストラルの体が点滅している。

 それを見て遊馬は震える体に鞭を撃って立ち上がる。

 

「アストラルを消滅させるなんてさせねえ!」

 

「確かに、アストラルは一度消滅する、だがアストラルは蘇るのだ、これまでの記憶は消滅し、バリアン世界を消滅させる使命に従順なアストラルとして」

 

「そんなのアストラルじゃねえ! どうして分かってくれねえんだよ、誰かを守りたい、誰かのために生きる気持ちを!」

 

 意地でもカオスを認めない姿に遊馬は叫ぶ。

 アストラルの無表情で遊馬には理解できない事をすらすらと言ってきたり、嘘を吐いたから許さない、もう絶交だ、一生顔も見たくない、なんていうめんどくさい性格をしているが良い所もたくさんある。苦楽を共にし培ってきた大切な思い出だ。

 だがそれらを要らないと勝手に判断し消去して自分に都合の良い物に作り替えようとするのを遊馬は許しておけない。

 だがその遊馬の目の前の事に必死な様子を見て、エリファスは遊馬が考えようとしていなかった事を聞く。

 

「君はアストラルを取り戻して、その先を考えているのか?」

 

「えっ?」

 

「バリアンとの戦いが終わり、ヌメロン・コードを見つけ出したとき、彼の役目は終える。その時君はどうする気だ? アストラルとともに戦いたいという純粋さは、いずれ、アストラルを失いたくないという恐怖に変わるだろう。そしてそれは大きな枷となる。それが原因で君たちは敗北するかもしれない。それがカオスの愚かさだ、そんな君に我々の世界を託す訳にはいかない」

 

 遊馬へと真実を突きつけ、エリファスは全ての手札を伏せる。

 

「私はカードを2枚セットしターンエンド、私のエンドフェイズ、マヘスの効果で特殊召喚されたモンスターは全てマヘスのオーバーレイ・ユニットに戻る」

 

エリファス場   NO12 エーテリック・マヘス ATK4000 (ORU4)

LP4750     発条装攻ゼンマイオー ATK2600 (ORU1)

手札0      ランクアップ・アドバンテージ

         伏せ2

 

遊馬場      

LP500      

手札1      虹クリボー (装備魔法)

 

「そうだよ、この決闘、絶対に負ける訳にいかない! 俺とアストラルが作りあげたデッキが必ず答えて暮れる筈、俺のターン、ドロー! ゴゴゴジャイアントを召喚、そして墓地のゴゴゴゴーレムを特殊召喚する」

 

 伏せカードは何なのかは分からない、だがエリファスは動かない。

 

「俺はレベル4のゴゴゴジャイアントとゴゴゴゴレームでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚、現れろNo.39希望皇ホープ」

 

 ナンバーズを見てもエリファスは動かない。その事に遊馬は僅かに首を傾げ、

 

「更に俺はエクシーズ・トレジャーを発動、場にいるモンスターエクシーズは3体、よって3枚ドローする⋯⋯来たぜ、エリファス」

 

 引き抜かれたカードを見て、遊馬はエリファスに向き合う。

 ドローしたカードをみた遊馬の表情が一気に明るくなったのを見て、エリファスは品定めをするように裕馬を見る。

 

「No.39希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築、カオス・エクシーズチェンジ、現れろ、CNo.39希望皇ホープレイ!」

 

 現れるは遊馬とアストラルが一番最初に手に入れた進化の光、黒い剣士がRUMを使わず姿を現す。

 

「ホープレイの効果発動、オーバーレイユニットを3つ使って相手モンスターの攻撃力を3000ポイント下げてホープレイの攻撃力を1500ポイントアップする、オーバーレイフルチャージ!」

 

 ホープレイの背中より抜かれた巨大な剣に光が集まる、それによってゼンマイ戦士は攻撃力を全て失いうなだれる。

 

「だがまだ私のライフは残る」

 

「まだだ! 俺は死者蘇生を発動、墓地の希望皇ホープを特殊召喚する、そして俺とアストラルが作り上げたカード、RUM-ヌメロン・フォース!」

 

「なんだと!?」

 

「俺は場の希望皇ホープをエクシーズ素材としてオーバーレイネットワークを構築、カオス・エクシーズ・チェンジ!」

 

 遊馬の真っ直ぐに上に伸ばされたカードよりヌメロンの力が放たれる。

 全てを塗り替えるその力は希望を進化させ、黒の剣士の攻撃力を固定させ、場にあるカードの効果を白紙にする

 

「現れろ、CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー!」

 

「この世界を脅かすカオスの力!」

 

 それはアストラル世界代表のエリファスからすれば認められないランクアップだろう。

 カオスとアストラル世界の力の混じり合ったランクアップの力はは部屋を越え、アストラル世界へとその存在を示す様に降り注いでいく。

 その塗り替える力の中、カオスの作り上げた強化外装が合致しヴィクトリーは半獣人と向かい合う。

 

「ホープレイ・ヴィクトリーでエーテリック・マヘスを攻撃!」

 

 両手の剣を煌めかせヴィクトリーは獣と合間見える。

 何度も何度も巨大な振り下ろされる巨大な無骨な刃を受け止めて避けるもパワーの差により届かない。

 大きく振りかぶられた一撃を当たる寸前で体を半身にすることで避け、

 

「この瞬間、ヴィクトリーの効果発動、オーバーレイユイットを1つ使い戦闘を行うモンスターの攻撃力分、攻撃力をアップする、ヴィクトリー・チャージ!」

 

 ヴィクトリーの胸に吸い込まれたオーバーレイユニットを動力源にヴィクトリーは新たな腕を創造、背中より新たな刀を抜き、獣へと飛ぶ。

 残ったもう1本の刃を下の腕でVの字に切り上げ、無防備な胴体へと上の2刀を振り下ろした。

 

CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー ATK2800→6800 VS エーテリック・マヘス ATK4000 

破壊→エーテリック・マヘス

エリファスLP4750→1950

 

「よし、バトル、ホープレイでゼンマイオーを攻撃、この攻撃が通れば俺の勝ちだ!」

 

 黒い戦士はゼンマイの戦士へと躍り掛かる、腰の2刀、巨大な光剣をゼンマイ戦士へと叩きつけようとするが、

 

「罠発動、ガードロー、ゼンマイオーを守備表示に変更しデッキから1枚ドローする」

 

 罠カードに防がれる。

 ゼンマイの戦士が爆発するも爆風はエリファスに届かない。

 

CNo.39希望皇ホープ・レイ ATK4000 VS 発条装攻ゼンマイオー ATK0→DEF1600

破壊→発条装攻ゼンマイオー

 

「くっ、俺は貪欲な壺を発動、墓地の希望皇ホープ、ゴゴゴゴーレム、ガガガマジシャン、ガガガガードナー、速攻のかかしをデッキに戻し2枚ドローする……俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

「エンドフェイズ、私は罠発動、エクシーズ・リボーン、私の墓地のNO12エーテリック・マヘスを特殊召喚する」

 

遊馬場     CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー ATK2800(ORU0)

LP500     CNo.39希望皇ホープ・レイ ATK4000(ORU0)

手札0     伏せ2

 

エリファス場   NO12エーテリック・マヘス ATK4000 (ORU1)

LP1950    

手札1      ランクアップ・アドバンテージ

 

「なぜランクアップが必要なのかどうやら君は理解していないようだな、ランクアップした先、誰も見た事の無い奇跡の世界在るからだ、君に見せてあげよう、その奇跡の世界、限界を超えた化身、ランク13のモンスター・エクシーズを!」

 

「ば、バカな、そんなモンスターエクシーズが存在するのかよ!?」

 

「ゆくぞ、私のターン、私は墓地のRUM-アストラルフォースの効果発動、ドローフェイズをスキップする事で私は墓地からRUM-アストラルフォースを手札に加える」

 

「またあのカードを」

 

「そして私はエクシーズ・トレジャーを発動、場のモンスターエクシーズは3体よって3枚を」

 

「くっ、ヴィクトリーをリリースしてパージ・レイを発動!」

 

 遊馬はサクリファイス・エスケープさせようと伏せていた罠カードを発動させる。これでシャイニングドローされる枚数は減った、だが、

 

「ならば2枚ドローする、そして大嵐、君の場の伏せカードを破壊する」

 

「更にガードローを発動、ホープレイを守備表示に変更する!」

 

 本当にエリファスの言葉が真実ならば更に上のランクのモンスターが現れる、そうなればライフが500の状況ではどうにもならない。

 ドローしたカードに目を落とす。

 それは次のターンが回ってくれば使えるカードだ、このターンを凌ぎ切れれば勝てるかもしれない希望となるカードだ。

 

「デュエルモンスターズのレベルの上限は12、だからといってランク12が頂点だとは限らない、私は2枚目の永続魔法、ランクアップアドバンテージを発動し、RUM-アストラルフォースを発動、私の場のエーテリック・マヘスでオーバーレイネットワークを再構築、ランクアップ・エクシーズチェンジ、現れろ! NO、ランク13! 秩序を制する清浄なる志よ。更なる高みを目指し、世界をあるべき姿へ!」

 

 半獣人は空へと上っていく。高く高く、ランクアップさせる力を放つアストラルフォースにたどり着いた半獣人は自らの限界を、全ての過去の常識を突破し、輝く至高の天へと至る。

 マヘスのときに出現した渦よりもはるかに大きい、言葉では言い表せないほどのエネルギーが膨れ上がりアストラル世界を吹き荒れる。

 遊馬がまず見たのは渦より降りてくる巨大な柱だ。音を立てて地に根を下ろしたそれの上、座すは光を放つ球がある。

 球より翼が構築され、体が作り上げられ、瞳に強靭な意志を宿しそれは光臨する。

 

「刮目せよ! これぞ我らが意志、エーテリック・アメン!」

 

 降臨した天使を背にエリファスは遊馬へと言葉を投げかける。

 

「九十九遊馬よ、ランクアップは必然の事なのだ、ランクアップし続けなければ閉じた世界や考えは衰退を呼ぶ引き金にしかならない、だからこそランクアップし続けなければいけない、だがランクアップできるのは選ばれた魂のみだ、アストラルは私達のランクアップを阻むバリアン世界を破壊するために必要なのだよ!」

 

「アストラルは道具じゃねえ! それと選ばれなかった人たち、ランクアップできなかった人達はどうなるんだ!?」

 

 エリファスは答えなど分かっているだろうという表情を見せる。

 アストラル世界の実情を見て、バリアン世界を追放した理由を知っている遊馬は聞く必要などない、だがそれでもアストラル世界の代表の口から直接聞きたかった。

 

「それがエナや一緒に居た人たちなのか、ああいう人たちはどうなっていいってのかよ! 優等生ばかり集めてあとは切り捨てる、みんな同じように可能性を持てないんじゃねえか、そんな世界をおれは絶対認めねえ!」

 

「君に認めてほしい訳では無い、ただ知っていてほしかっただけだ、君が目的がある様に私にも譲れない意思があると、選ばれた者が選ばれなかった者達を率いて進み続けなければいけない、それが選ばれた者の運命だ」

 

 手を力強く握りエリファスは自ら掲げる意志を遊馬へと叫ぶ。

 エリファスもランクアップし続けるためにアストラル世界によって作られた存在だ、運命だと受け入れ、ただひたすらに自分に課せられた使命を全うし続けるその姿が遊馬の敗北した未来のアストラルの姿だ。

 

「さあ、決闘を再開する、エーテリック・アメンの効果発動、君の場のランク4のホープレイとアメンのタンクの差は9、よって君のデッキから9枚をアメンのオーバーレイユニットにする、そしてこのカードの攻撃力はオーバーレイユニット×100ポイントアップする、更にランクアップアドバンテージの効果でデッキから1枚、シャイニング・ドロー!」

 

NO13エーテリック・アメン ATK5000→6100 ORU2→11

 

「更にブラックホールを発動、エーテリック・アメンは効果では破壊されない、よって君の希望のみが破壊される!」

 

 黒い剣士も全てを砕く重力場には逃れることは出来ない、アメンのみがオーバーレイユニットを彗星の様に煌かせながら上より全てを見下ろしている。

 そしてオーバーレイユニットより力を蓄え、

 

「エーテリック・アメンで直接攻撃!」

 

 翼や腕の輪より放たれる紫色の巨大砲撃、それは遊馬に直撃する寸前、墓地から現れたモンスターに受け止められる。

 

「モンスターの直接攻撃宣言時、墓地から虹クリボーの効果発動、このカードを墓地から特殊召喚する!」

 

「ならばその邪魔なモンスターには消えてもらう、エーテリック・アメンで虹クリボーを攻撃!」

 

NO13エーテリック・アメン ATK6100 VS  虹クリボー DEF0

破壊→虹クリボー 

 

 虹クリボーは遊馬を守り爆散する、遊馬に直接のダメージは無いがそれでも爆風が遊馬に衝撃を与えていく。

 遊馬はフラフラになりながらも立ち上がり、それを見ていたエリファスは、

 

「私はこれでターンエンド」

 

「エンドフェイズ、パージレイの効果でエクストラデッキからNo.39希望皇ホープを特殊召喚する!」

 

「ランクを下げてまで戦うとは……愚かな! モンスター・エクシーズが特殊召喚された時、エーテリック・アメンの効果発動、特殊召喚されたモンスター・エクシーズとのランクの差分、君のデッキからアメンのオーバーレイユニットになる!」

 

NO13エーテリック・アメン ATK6100→7000  ORU11→20

 

エリファス場   NO13エーテリック・アメン ATK7000 (ORU20)

LP1950    

手札0      ランクアップ・アドバンテージ     

 

遊馬場      No.39希望皇ホープ ATK2500(ORU0)

LP500     

手札1      


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