クェーサー厨が行かされる難易度ちょっとハードモード 作:TFRS
魔法カード発動不可
藤田場 ギアギガントX ATK2300(ORU0)
LP4000 No.16色の支配者ショックルーラー ATK2300(ORU1)
キング・グレムリン ATK2300(ORU1)
手札3 伏せ3
次元の裂け目
裕場 羊トークン DEF0
LP1700
手札3 伏せ1
「ドロー、……これは、よし!」
ドローしたカードを見て、元気を取り戻し裕は決闘盤にカードを置く。
「俺はカードカー・Dを召」
勢いよく走り出るカード型の車、それが裕へと走り、爆散した。
「え?」
「俺はライフを半分支払い、カウンター罠、神の宣告を発動、カードカー・Dの召喚を無効にした。ドローなんてさせるかよぉ」
カードカー・Dは自身をリリースしそのターンのエンドフェイズとなる代わりにカードを2枚ドローするという能力を持つ。
それによってサイクロンなどをドローできればよかったのだが、藤田が先程伏せた伏せカード、神の宣告によってその目論見は即座に崩れる。
一瞬だけ本気で裕の膝から力が抜けるも、気合で踏みとどまり裕は、
「カードを伏せてターンエンド」
負けないと言う決意で藤田を睨み、眼を離さず、自分のターンの終了を宣言する。
裕場 羊トークン DEF0
LP1700
手札2 伏せ2
藤田場 ギアギガントX ATK2300(ORU0)
LP2000 No.16色の支配者 ショックルーラー ATK2300(ORU1)
手札3 キング・グレムリン ATK2300(ORU1)
伏せ2
次元の裂け目
『藤田プロ、鬼畜、鬼畜すぎるぅ! 本気を見せてみろと煽っておいて神の宣告で潰すプレイング。これには私も興奮を抑えきれません! これはこのターンで勝敗が決まってしまうのか、それとも水田選手の渾身の伏せカードが炸裂するのか!?』
『実際、藤田さん的には炸裂したほうがいいんだろうな、これ……』
身を乗り出して声を張り上げるベルアッカとは対称的に冷静な様子でぽつりと漏らした片桐プロの言葉にベルアッカは反応し、即座にマイクを向ける。
『おお!? 今のはどういう事ですか?』
『見てれば分かりますよ、ヒントを言うなら彼の性格でしょうか』
『含みを持たせた発言に期待が高まる中、藤田プロがカードをドローするぞ!!』
「ドロー、キング・グレムリンの効果でデッキからカゲトカゲをサーチするぜ」
藤田はショック・ルーラーの効果を発動させるべきかを悩む。
ここで効果を発動させず攻撃するという選択肢もありだが、バトル・フェーダーなどによて守られたら面倒である。
相手の顔を見れば爛々と目を輝かせ、笑っており胡散臭さがある。
藤田は僅かに悩み、再び勘に頼る。
「ショック・ルーラーの効果、オーバーレイユニットを使いモンスター効果を発動できなくする!」
言葉に便乗するように開くのは一番最初から伏せてあたカードだ。
「まだだよ、威嚇する咆哮発動! これでこのターン、攻撃宣言は出来ない!」
このターンでは倒せない、それを理解し、そして藤田は自分の場を見、裕の場を見る。
そして自分の手札に目を落とし、
「カードを伏せて、ターンエンドだ」
「エンドフェイズ、サイクロン、次元の裂け目を破壊だ!」
裕がエンドフェイズに放ったカードを見て藤田は心の中で舌打ちをする。
今の今まで裕の行動を縛り付けてきた次元の裂け目が破壊された事により次のターン、裕が全力で動く可能性がある。
藤田は過去、シンクロンタイプのデッキとの対戦が決定した時、次元の裂け目や奈落の落とし穴や強制脱出装置などの罠カードを投入し、エフェクト・ヴェーラーや増殖するGと言った手札誘発のカードを減らし決闘に挑んだ。それらの決闘で勝利を収めてきたのだが、中には負ける時もあった。その敗北は藤田の脳裏に焼き付いて離れない印象的な決闘だった。
手札3枚から瞬間的に墓地を肥やし、こちらの張った罠を全て踏み越えての逆転劇、それを経験した藤田はシンクロンデッキの爆発力の恐ろしさを理解している。
裕がそこまでの実力を発揮するかは分からないが、藤田はより一層、警戒を強くする。
モンスター効果発動不可
藤田場 ギアギガントX ATK2300(ORU0)
LP2000 No.16色の支配者 ショックルーラー ATK2300(ORU0)
キンググレムリン ATK2300(ORU0)
手札3 伏せ3
裕場 羊トークン DEF0
LP1700
手札2
「俺のターンドロー! よし、光の援軍を発動、3枚をデッキトップから墓地に送りデッキからライトロード・ハンター・ライコウを加える」
藤田は墓地に送られたカードを確認し小さく唸る。
―――スキル・プリズナー、ジャンク・シンクロン、カオス・ソーサラーか。スキル・プリズナーが厄介だな。
「ぬっ」
墓地に落ちたカードを見て裕も唸り声をあげ、気を取り直し手札に加えたばかりのカードをシャッフル、その中の1枚を見、セットする。
「モンスターをセット、ターンエンドだ!」
裕場 羊トークン DEF0
LP1700 セットモンスター
手札2
藤田場 ギアギガントX ATK2300(ORU0)
LP2000 No.16色の支配者 ショックルーラー ATK2300(ORU0)
キング・グレムリン ATK2300(ORU0)
手札3 伏せ3
裕の動きはライコウをセットしたものか、それとも別のモンスターをセットしたのか分からなくさせる動きだ。
だがそれは1番最初や選択肢が多く存在する状況で効力を発揮する物であり、今の状況ではライコウをセットするの可能性が1番高い
それを理解しているのは裕達だけではない、観客や司会者でさえも理解できる事である。
普通に見れば裕が圧倒的に不利、その行動は苦し紛れでしかない。それがこの決闘を見る者達の抱いている物である、だがその中で1人、別の見方をする者が居る。
『流れが変わってきましたね』
『おや、それはどういう意味なのかお聞きしても?』
『ええ、墓地のスキルプリズナー、これは大きいですよ。彼のデッキと今の現状を見ると非常に大きいカードです』
『はあ』
解説というよりは期待をただ煽っているだけのようなセリフに返答を困りつつベルアッカは場の中央で向かい合う二人を見る、マイクを上げ二人だけで会話をしているようだ。
『では今がチャンスのようなので先ほどからおっしゃられている事の意味を教えていただけませんか?』
『そうですね⋯⋯彼の性格はちょっと攻撃的です。そのくせ、デュエルでは罠を積みつつ場が全滅しても展開しなおせるようにデッキを構築しています。そのため二重召喚やサイクロン等を多めに摘んでいます、それらは当然後半になればなるほど腐ります、今彼の手札にあるのはガジェと展開補助カードばかりなのではないのでしょうか』
『なるほど、そこにスキルプリズナーがどう関わってくるのですか?』
『それはまだ教えられません、彼のターンが終わってから教えます』
●
すでにデュエルは終盤に差し掛かっている。
裕の場には伏せが無く、セットされたモンスターがあるのみだ。だが裕の口は笑っている。
不安と楽しいという2つの感情が入り混じったそれを目にし、藤田はマイクを口元から外し裕にマイクをとれと指でジェスチャーをした。
首を傾げながらもそれに従った裕へ藤田は疑問を投げかける。
「お前はドMか?」
「えっ?」
「口元が笑いっぱなしだ、この状況で楽しいか?」
「そりゃ、そうですよ。大舞台でプロと戦えるなんて現状じゃできない事だし、この状況から逆転したら絶対に楽しいって思ってます」
「…………あの人が目指してるのもこういう事なのかなぁ、アレが軌道に乗ったらこういう馬鹿が増えるってか。かっ、それはそれで楽しいかもなぁ」
藤田は堺が自分の研究を自分達に二人に話しているときの表情を思い出す、子供の様に、目の前の少年の様にきらきらとした目で語るそれが重なって見えた。
「藤田プロはどうしてナンバーズハンターなんかやってるんですか?」
「あ、金だよ金、分かってんだろ」
「あー」
苦笑いを浮かべる裕を見て、
「っていうのは建前なんだがな」
「えっ?」
ついつい藤田は本音を漏らした。
「ろくでなしでアホな俺にじいさんはこいつを教えてくれてデッキまでくれた。いくらやっても返しきれねえようなでっかい恩がある。だから俺らは俺らが満足するまでじいさんの研究に付き合うつもりだ、今回のことはきな臭いから止めようとしたんだがじいさんが勝手に進めちまったからしょうがなく付き合ってんだよ」
ぽかんとこちらを見る目線に僅かに気恥ずかしくなり適当な方角を見ながら誤魔化しにかかるべく藤田は聞く。
「当局ってのもじいさんの研究に出資してくれてるが胡散臭い、だがナンバーズは危険なカードだろ、なんでお前らみたいなガキが集めてんだ? まともな大人にでもやらせればいいんじゃねえのかよ?」
裕は黙ったまま答えない、答えれない理由があるのかそれとも知らないだけなのか、そう考えつつさらに言葉を続ける。
「まあいいんだが、お前にも理由があるのは知ってる、あの傲慢な女が気に食わねえのも分かる。つーか共感できる。むしろ痛い目を見せれるんならやってくれ…………まあ、お前が負けても便宜くらいは図ってやる、だから本気の全力で来い。お前、まだどっかでびびって全力を出し切れてねえぞ」
目を見開いた裕をしっかりと見つめ、
「プロを舐めんな、プロを。お前の表情は読みやすいんだよ、今だってこれが失敗したら負けるってのが顔に書いてある、お前は俺と同じような刹那しか考えを巡らせらんねえ馬鹿だろ、だったら前しか見れねえんだ、他を見ようとすんな、前しか見んな、俺らプロが大切にするのはカードと信念と勝つ事を信じる心だ、お前にはそれが足りねえ」
「⋯⋯足りないですか?」
「ああ、あの女くらいっていうのはやりすぎかもしれねえが強く思えよ。アホみたいに鋼よりも硬い自尊心の塊くらい強く、どんな状況だろうと勝ちを諦めない、そういう心を持て。そうしないとあの女と戦ってもフルボッコにされてまた、負けるぞ」
先輩らしくアドバイスをする自分を僅かに恥ずかしく思い、同期の片桐プロの解説が終わりそうなので煽りにかかる。
「まあ、俺が勝つんだけどなっ」
「負けない、勝つのは自分です!」
恥ずかしさを隠し、ジャラリと鳴る袖を思いっきり振り、マイクを口元に持ってきて
「そういう意気だ。さあ俺の攻撃を防ぎきってみろ、俺のターン、ドロー! イエロー・ガジェットを召喚、イエロー・ガジェットの召喚時効果、更に手札よりカゲトカゲの効果を発動!」
「手札より増殖するGを発動 このカードを墓地に送り相手が特殊召喚するたびに俺はカードを1枚ドローする!」
次元の裂け目の存在によって発動できなかった光の援軍と増殖するG、ずっと握りっぱなしになっていたそれらがようやく裕の手札より切られる。
その発動を受け、藤田は面倒だと思う。
手札が増えればそれだけ手札誘発のカードも逆転のカードも引きやすくなる。
―――大量展開は出来ねえな⋯⋯!
このまま押し切れる者ならば押し切る。そう藤田は考えを巡らせ、攻撃を仕掛ける。
「ちっ、良いもの引きやがる。カゲトカゲを特殊召喚しイエローの効果でグリーン・ガジェットを加える。だったらその1枚で留めるまでだ! ガジェットで羊トークンを攻撃、そしてカゲトカゲでセットモンスターを攻撃だぁ!」
カゲトカゲ ATK1100 VS ライトロード・ハンター・ライコウ DEF200
破壊→ライトロード・ハンター・ライコウ
爆散する2体のモンスター、その2体が爆散する。
その炎の中、ボロボロになった白い猟犬が躍り出る。
「ライトロード・ハンター・ライコウのリバース効果発動、そっちの伏せを破壊しデッキトップの3枚を墓地に送る!」
砕かれたのはデモンズ・チェーン、攻撃と効果を封じる永続罠であるがリバース効果には対処できず、噛み砕かれる。
そして墓地に送られた3枚のカードを確認し藤田は目を見開いた。
アンノウン・シンクロン、レベル・スティーラー、レベル・スティーラー。という強力なカードが墓地に送られ、ますます次の裕のターンに回したくはない状況になる。
加速度的に厄介さが挙がっていく今の状況の流れを終わらせようと、藤田はとどめを刺そうと叫ぶ。
「ショックルーラーで直接攻撃! エンジェルブラスター!」
熱線が裕へと迫り、観客が息を止め見守る中、裕の上空より光で出来た剣が音を立てて突き刺さる。
「攻撃宣言時、手札から護封剣の剣士の効果発動! このカードを特殊召喚する。そして攻撃してきたモンスターがこのカードの守備力2400以下ならそのモンスターを破壊する!」
異形の天使は甲冑を来た戦士の放つ十字の光剣によって刺し貫かれ爆散する。
裕は護封剣の剣士を貸してくれた遊馬に感謝しつつ藤田の出方を待つも藤田の場のモンスターでは護封剣の剣士の守備力を超えることが出来ず、
「ちっ、メイン2」
少し動きを止め、藤田は長考する。
―――大嵐、ブラホは引かれても問題はない、問題はこのままカゲトカゲを残しておくかと護封剣の剣士によるレベル・スティーラーの供給を絶つべきではないか、だ。
藤田の手札に攻撃反応罠は引けてない、サイクロンや二重召喚が腐っているこの状況で手札の強制脱出装置と伏せていた奈落だけで守り切れるか、それとも手札にある死者蘇生を使ってでも守りを固めるべきかと考え、裕の手札を見る。
裕の手札は1枚、次のドローによって2枚となる。だがここで鳥銃士カステルなどを呼んでも裕の墓地にあるスキル・プリズナーによって阻まれてしまう。
他のモンスターエクシーズを守備表示で出しても良いがそうすると裕のドローを許してしまう。
裕の手札が3枚で守り固めるのと、裕の手札が2枚のこの状況を放置する、どちらが守りやすいかを考え、
―――シンクロン系にドローされたら負ける可能性が出てくる、ここはこのままにするしかねえ、この2枚の罠で守りきる!
そう結論に達し、ブラフ込みの3枚を一気に伏せる。
「カードを3枚伏せて、ターンエンド」
『まあ、この状況までくれば分かるかもしれませんが、藤田プロの旗色は非常にまずいです』
『どうしてですか?』
『あの見え見えのセットモンスター、普通ならランク4の破壊かデッキバウンスを使って破壊すればいいんですよ、でもスキルプリズナーがあって断念した、そして今、これが水田選手の最後のチャンスです、あのガン伏せは藤田が追いつめられたときや事故ってた時に使う手です』
「うるさいです! 口出し無用です、片桐さん黙っててください!!」
プロの上下関係は厳しく、思わず敬語を使う藤田、それを面白がるように片桐プロは笑い声をあげ、更に煽る。
『ははっいいじゃないか、まあ二人で勝手にエンジョイして説明とかサービス精神を忘れてるからこちらが説明してあげてるんじゃないか、だから許せ』
『二人の関係に少し興味が湧きましたよ……』
『ちょっとした先輩後輩です、さあ、ここが勝敗を分ける分水嶺のドロー、はぁじまるぞおっ!!』
藤田 ギアギガントX ATK2300(ORU0)
LP2000 キンググレムリン ATK2300(ORU0)
手札1 カゲトカゲ ATK1100
イエロー・ガジェット ATK1200
伏せ5
裕場 護封剣の剣士 DEF2400
LP1700
手札1
「勝つ、ドロー、っ!」
カードを見た裕の目がふっと緩む。
「行くぜ俺のデッキ! 貪欲な壺、発動! カオス・ソーサラー、ライコウ、ジャンク・シンクロン、クイック・シンクロン、増殖するGをデッキに戻し2枚ドロー」
墓地からデッキへ戻し、勢いよく引き抜く
「調律を発動、デッキからジャク・シンクロンをサーチしデッキトップから1枚を墓地に送り、ジャンク・シンクロンを召喚、効果!」
「……通す」
たっぷりと何かがあるのではないかと思わせるそぶりを見せる藤田、それに怯えながらも裕は踏み込む。
伏せに罠がある事は知っている、それでも通す。
通さなければ裕の負けは確定なのだから、全力で全開に足を踏み出し地雷原を疾走する。
「アンノウン・シンクロンを墓地から特殊召喚、墓地よりボルト・ヘッジホッグの効果発動、墓地より特殊召喚する」
調律によって送られたボルト・ヘッジホッグ、更にアンノウン・シンクロンが墓地より次々と特殊召喚される。
「レベル2のボルト・ヘッジホッグにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング、レベル5、TGハイパー・ライブラリアン!」
このままの動きを通せばレベル・スティーラーが墓地より甦り、フォーミュラ・シンクロンとライブラリアンによる2枚ドローが行われてしまう。そうしてしまえば裕に流れが偏るだろう。
その流れを断ち切るべく、藤田が動く。
「それは通さねえ!奈落の落とし穴を発動」
「通す! 速攻魔法、禁じられた聖槍をライブラリアンに発動! これでライブラリアンの攻撃力は800下がる代わりに魔法、罠カードの効果を受け付けない!」
魔と罠を退ける槍が裕の手より投擲されライブラリアンの足元に突き刺さり、奈落の底へと引き摺り落そうと伸びてきた手を払いのける。
そこまでを見て、藤田の手は伸び、止まる。
―――ライブラリアンを戻すべきか、いやその場合フォーミュラのドローとレッド・デーモンに焼かれる、それを防ぐためには……!
「罠カード、強制脱出装置、対象はアンノウン・シンクロンだ!!」
アンノウン・シンクロンの足元が浮き上がり、アンノウン・シンクロンを射出し裕の手札へと叩き込んだ。それにより召喚権を使い切った裕の場にチューナーは居なくなり、ライブラリアンの今の攻撃力では藤田を倒すことは出来ない。
「これで!」
藤田は勝ちを叫ぼうとし、
「勝った!」
裕が顔に喜色を浮かべ叫ぶ。
藤田の目が見開かれる中、最後の手札を見せつけるように伸ばし、
「アンノウン・シンクロンをコストにクイック・シンクロンを特殊召喚、護封剣の剣士のレベルを下げ、レベル・スティーラーを2体、特殊召喚する。レベル1のレベル・スティーラー2体にレベル5のクイック・シンクロンをチューニング、レベル7、決めろ、ジャンク・バーサーカー!!」
黄色と茶色の巨大な戦斧を携えた戦士が出現する。戦士が手をかざすと黒い穴が生まれそこよりジャンク・シンクロンが姿を見せる。
「ジャンク・バーサーカーの効果発動、ジャンクと名の付いたカード、ジャンク・シンクロンを墓地より除外しカゲトカゲの攻撃力、ジャンク・シンクロンの攻撃力分の1300ポイント下げる!」
その宣言を藤田は聞き、肩の力を抜く。
「良いバトルだった、楽しかったぜ、来い」
「ご指導、ありがとうございました! バトル、ジャンク・バーサーカーでカゲトカゲを攻撃、ジャンクコンビネーションアタック!」
ジャンク・シンクロンがトカゲへと飛びつき殴打しフラフラになったトカゲの喉元を掴みジャンク・バーサーカーへと投げ親指を立て消える。
茶黄の戦士は力をため飛んできたトカゲへと力いっぱいに戦斧を振り下ろした。
ジャンク・バーサーカー ATK2700 VS カゲトカゲ ATK0
破壊→カゲトカゲ
藤田LP2000→0
勝者 裕
●
『きぃまったーーー!! なんとなんと藤田プロの猛攻を凌ぎきり水田選手のワンショットキルが炸裂したぞぉ!!』
『いや凄いですね、メタを張られショック・ルーラー達の猛攻を受けながらチャンスを逃さないその戦いっぷり、ハートが熱くなってしまう、んーっ熱血だ!!』
2人の視界者が騒ぐ中、裕は控室に戻ると真っ先に今回のギリギリの接戦で助けられたカードの所有者である遊馬に飛びつく。
「助かったぜ遊馬、護封剣の剣士を引かなかったらマジで負けてた!」
「すげえ決闘だったな!どっちが勝ってもおかしくない決闘だったな」
「ふん、よく勝ったな」
鼻を鳴らした凌牙を見て、今まで部屋でのんきに過ごしていた響子は口元に手を当てからかう様に、
「おや神代さんはかなり心配してたように思えますが違いましたか?」
「テメエ!」
こちらも騒がしくなってきた控室、そしてテレビが移り変わった
「さて第一試合は熱戦の上で水田選手が勝利しました、次の第二回線はどのような戦いが繰り広げられるのか楽しみですね!」
「んー熱くなってきました!!」
「さて片桐プロが脱ぎはじめた所で抽選が始まります、さて次は誰と誰が当たるのか!」
「第二試合は⋯⋯氷村麗利プロ対神代陵牙選手です」