暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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投稿するのが遅れ気味!?
頑張って投稿せねば!
えぇい、邪魔するな、リアルよ!
私はSSが書きたいだけなんだ!!!
という感じでした

ではどうぞ!


第九十一話

 

フェイトside―

 

「テスタロッサ、ロングアーチから連絡だ。目標との位置はおよそ150メートル。そろそろ目視できるとのことだ。」

 

「了解。・・・相手は多分レヴィだから気を抜かないで行こう、シグナム。」

 

「ふっ・・・元より気を抜ける相手だとは思っていないさ。」

 

私とシグナムは今、陸士機動部隊を攻撃して行っているレヴィを止めに向かっている。レヴィはこれから第2陸士部隊を目指す予定だったらしく丁度私達と途中で鉢合わせる針路だ。これまでにだいぶ被害は受けちゃったけど、何とかここで止めてみせないと・・・・。そう思っていたらバルディッシュが近くから高速で近づいてくる魔力反応を見つけた。シグナムも気が付いたらしくこちらを見てくる。反応はこっちに向かっているみたいなので私達は一度止まり、私はバインドの準備をする。

 

「おっ?オリジナルかぁ~。葵が予想してた通り僕のところに来たんだね。とりあえず、葵からの伝言があるけど聞くかい?」

 

「うん、聞かせて欲しいな。葵は何だって?」

 

近づいてきたレヴィはそこにいるのが私達だと知ってすぐにこちらに近付いて来た。とりあえずこっちへの誘導は上手くいったね。後は、葵からの伝言を聞いてからレヴィをここで落として見せる。黒蜘蛛団の唯一の弱点は人数の少なさ。そこにさえつけこんで1人でも人数を削っていけば、消耗戦で勝てるかもしれない。勝てると言い切れないのが葵達の怖いところだよね。

 

「ん~、じゃあ、流すよ!『これが最後のチャンスよ、フェイト。管理局を捨てて私の仲間になりなさい。』・・・ん?これで終わりかな?さぁ、オリジナルはどうするの?」

 

「・・・・とても魅力的な内容だね。だけど、私は戦うよ。本当は葵と戦いたくなんてない。でも、私もここだけは譲れないし譲るつもりもないんだ。カリムやクロノ、リンディ母さんを裏切りたくないからね。」

 

『そう、それはとても残念だわ、フェイト。貴方は是非とも私の仲間として迎え入れたかったんだけどね?』

 

「葵っ!?」

 

急にレヴィの後ろに空間ディスプレイが展開されたと思ったら、そこには葵がいつも通り微笑みながら映っていた。ううん、確かに微笑んでるんだけど、目だけが笑ってない。あの目は何度か見たことがある。葵の中の人格である碧が良く見せていた目だ。私のことを全く認識せずにどこかほかのところを見ているような。それでいて私の全てを見透かしてくるような。そんな背筋が凍るような目だ。

 

「何だよ~。結局こうやって通信してくるなら僕が伝えた意味ないじゃないか!」

 

『そもそもあなたはデバイスに録音されていた私の声を流しただけでしょう?レヴィ。』

 

「まぁ、そうだけどね~。・・・・・それで、どうするの?オリジナルは仲間にならないみたいだよ?」

 

『そうね・・・・邪魔者は倒しなさい。それが貴方の使命よ、レヴィ・ザ・スラッシャー。』

 

「了解!強くて凄くてカッコイイ!そう、僕最強!」

 

その後は私には何も言わずに、レヴィと少しだけ話した葵は通信を切ってしまった。歯を食いしばりたくなるほど悔しいけど、この戦いに勝つことが出来ればいくらでも葵を好きに出来るかもしれない。だからこそ、私はここで貴方を倒すよ、レヴィ!葵に対してポーズを決めた格好になっているレヴィに対してバルディッシュをサイズに変えながらも突っ込み斬りかかる。その奇襲は当たり前のように受け止められてしまった。

 

「おっとっと、危ないなぁ?でも僕にはそんな奇襲は効かないよ?」

 

「ならば私からの攻撃ならどうだ?―――飛龍、一閃!」

 

「のわっ!?」

 

シグナムの存在を忘れていたらしいレヴィはギリギリまでシグナムの攻撃に気が付くことは出来なかったが、何とか躱して見せた。その体勢が崩れたところを攻撃したけど、バルディッシュの柄を踏むようにして宙返りをして躱された。いくらなんでも回避力が高すぎる。多分、レヴィの装甲の薄さに問題を感じだ葵が鍛え上げたんだろうけど、これは怖すぎる。

 

「へへーん、そんなしょぼすぎる攻撃じゃ僕に攻撃を当てることなんて出来やしないよ~だ!」

 

「くっ!?流石というかなんというか・・・・。」

 

「シグナム、集中して。回避してる時は攻撃できないみたいだから、このまま攻め続けるよ?」

 

「そうなる前に、攻める!―――光翼斬!」

 

「ハーケン・セイバー!」

 

「紫電、一閃!」

 

レヴィが放ってきた回転する魔力の刃にこちらも同じように刃を噛ませるが、威力が足りず押し切られた。そこをシグナムがフォローしてくれたから助かったけど、カートリッジも使ってないのにこんなに威力が高いなんて・・・・。これは出し惜しみなんてしてられない。もっと全力でいかなきゃ。同じことを考えたらしいシグナムの方からカートリッジをロードする音が聞こえてきた。私も2発分のカートリッジをロードする。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!紫電、一閃!!!」

 

「撃ち抜け、轟雷!サンダースマッシャー!!!」

 

「光翼連斬・乱れ撃ち!!!」

 

私の砲撃もシグナムの斬撃もレヴィの放った8枚の魔力刃に拮抗される。更に、レヴィはそのまま刃が伸びた状態で固まっているシグナムへと突撃してカートリッジをロードした状態のサイズで思い切り切り裂いた。シグナムはギリギリで鞘を使ってガードできたみたいだけど体勢を崩した所を蹴りで飛ばされてしまった。更に追撃をかけようとするレヴィの前に何とか割り込みをかけて鍔迫り合いへと持ち込んだ。暫く押し比べが続いたけど、レヴィの力で私が飛ばされて終わった。追撃しようとしたレヴィと私の間を炎の斬撃が通ったことで追撃されることはなかった。

 

「どうだ、テスタロッサ。奴の攻略方法は思いついたか?」

 

「いいえ、今のところは。シグナムは?」

 

「私もまだ何も・・・と言ったところだ。」

 

「う~ん、2人ともシュテるんとユーリ程じゃないけどいい連携だよね。攻撃が続けられないや。・・・だけど、それもここまでさ。ちょっとスピードあげてくからついてこれるものならついてきなよ!」

 

「「っ!?」」

 

一瞬だけ私とシグナムはレヴィの姿を見失った。だけど、彼女にはその一瞬すら与えてはいけなかった。次の瞬間にはシグナムが横に弾き飛ばされていた。それを見た私は感覚的に後ろに向かってバルディッシュで切り上げを行った。運よくガキンッという音が響いて目の前にレヴィのデバイスの刃が現れた。レヴィは攻撃が止められたことに少し驚いたみたいだけどとても嬉しそうな顔をして私から一端距離をとった。このスピードは高速機動タイプじゃないシグナムじゃ辛い筈だから私が頑張らないと・・・・。

 

「バルディッシュ、やるよ。―――ザンバーモード&ソニックフォーム。」

 

「へぇ~?僕と速さで勝負するつもりかい?いいよ、受けて立とうじゃないか!―――スプライトフォーム&モードチェンジ・バルニフィカス・ブレイバー!」

 

今の私とレヴィの恰好はそれこそ鏡写しのように見えるだろう。確かに髪の色やデバイスから出る魔力刃の色は異なるけれど、それ以外の部位は本当によく似ていると思う。何せバリアジャケットがほとんど同じデザインなのだ。私は葵に色々お話されて(肉体的にも)昔と比べればかなり露出を下げたバリアジャケットになっているが、レヴィも私と同じような格好になっている。きっと葵が無理矢理変えさせたんだろうね。

 

「さぁさぁ、オリジナル!僕を楽しませてよ!」

 

「こっちには楽しんでる余裕なんてないけどね!」

 

私の本音と共にレヴィの攻撃は始まった。最初の一撃を受け止めて気が付いたのは、私の力ではレヴィの力を御しきれないということ。だから、私はとにかくレヴィの攻撃を逸らすとこに重点を置くことにした。振り下ろし、切り上げ、薙ぎ払い。全てを逸らしたり躱したりして行くけれどなかなか攻撃のチャンスが巡ってこない。だけど、躱しながら何とか目的の地点まで移動することは出来た。後は、無理矢理にでも押し込めれば!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「おっと!?んっ!?バインド?・・・いつの間に。でも、こんなもの僕にかかれば!」

 

「ねぇ、レヴィ?君は私がずっと1人で戦ってるんだと勘違いしてない?シグナム!!!」

 

「翔けよ、隼!!!」

 

「なっ!?しまっ!?」

 

直後、シグナムの放った炎の矢がレヴィに命中し、大爆発とともにレヴィの姿が黒煙の中に消えた。上手くいってよかった。最初に仕掛けておいたバインドとシグナムから意識を外させ続けたことでだいぶ大きなダメージを与えられたと思う。レヴィは私と同じでスピードの為に装甲をかなり削っているはず。だから、あの一撃を貰ったらただでは済まない筈。そんなことを考えていたから、私は煙の中から躍り出てきたレヴィへの対応が遅れてしまった。

 

「一点極撃!雷刃刺殺必滅剣!!!」

 

「くっ!テスタロッサ!!!がぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」

 

「シグナムッ!?」

 

立ち込めていた煙が吹き飛ぶくらいのスピードで刺突を繰り出したレヴィの攻撃を、私を庇ってシグナムが受けてしまった。シグナムはそのまま下へと堕ちていってしまったが、今回はもう復帰は無理だと思う。レヴィの姿はバリアジャケットが所々破けて満身創痍となっている他に、持っていたデバイスが大剣型からレイピアのような形へと変化している。それにしても、さっきの攻撃は凄まじかった。多分、装甲が厚いなのはでも一撃貰うとかなりの大ダメージを受けることになるだろう。

 

「オリジナルに当てるつもりだったけど外しちゃったか・・・・まぁ、次で当てればいい。」

 

「これは私も次の戦いなんて考えてる暇はなさそうだね。やるよ、バルディッシュ。―――オーバードライブ、真・ソニックフォーム。」

 

これは出来れば葵と戦うまでとっておきたかった。だけど、ここで使わないとシグナムの犠牲が意味のないものになってしまう。双剣となったバルディッシュを構えてレヴィと睨み合う。緊張感が張りつめた瞬間、私達は動き出した。最早、外部からは私達の動きはとらえられないものになっているだろう。レヴィの攻撃も殆ど見えず勘だけで攻撃を受け止める。レヴィも私もすれ違うたびに体に擦り傷が増えていっている。

 

「これで決める!パワー集中!一点極撃!雷刃刺殺必滅剣!!!」

 

「こっちにも負けられない理由がある!はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

レヴィの刺突と双剣を合わせて大剣にしたバルディッシュの振り下ろしが激突する。一点に集中する刺突に剣を当てることが出来たのは最早奇跡に近い。下からの押上げが強くてついつい歯を食いしばってしまう。それでも、無理矢理レヴィを叩き落すことに成功した。地面から上がっている土煙を慎重に見つめていたが、レヴィがクレーターの中で気絶しているのを見て気が抜けてしまった。同時にバルディッシュから蒸気が噴き出してオーバードライブが解けた。どっと押し寄せる疲労感に負けないようにはやてへの通信を開いた。

 

『フェイトちゃん?そっちは大丈夫なんか?』

 

「うん、何とかレヴィに勝てたよ。・・・でも、シグナムが落とされちゃった。」

 

『・・・・・戦線に参加できる状態?』

 

「ちょっと休んでからなら何とか・・・・かな?」

 

『・・・私もそろそろ作戦空域に入るんよ。せやから、ちょっと休憩したら悪いけどまた戦ってもらうで?』

 

「うん、はやても頑張ってね?」

 

『おおきに。・・・ほな、切るで。』

 

はやての通信が切れた瞬間、地面へとへたり込んでしまった。少し、少しだけ休憩したらはやてのところに行かなくちゃ。本当なら一歩たりとも動きたくないけどこればっかりは仕方がない。とりあえず、息抜きの為に前に葵から貰っていたレモン味の飴を取り出して舐める。甘酸っぱさが口の中に広がるとともに少しだけ疲労感が取れたような気がする。飴を舐めながらも気絶しているレヴィの方をついつい見てしまう。・・・・・・あぁ、もっと強くならなきゃなぁ。

 

 

sideout

 

 

レヴィ・ザ・スラッシャー、八神シグナム2名脱落

 

 





今回のレヴィの敗因
①最初からフェイト達が罠を張っていた
②元々余り多対一に向かない
③なのはと違って葵による精神の揺さぶりが少なかった
④作者がレヴィよりフェイトの方が好き
でした!

なのはがやられてもフェイトがいるもの!(満身創痍だけど)
次回ははやて対ディアーチェ(予定)!
投稿はいつになるかわかりませんが、気長に待っていただけると幸いです!

感想と評価お待ちしております!

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