読み直した結果書き直した方がいい気がしてきたので書き直しました
かなり改変されていますがお許しを
前の方がいいじゃん!という意見がありましたらお教えください
浅上葵side―
私はレジアスが憎い。私の家族を殺すように命令したレジアス・ゲイズが殺したいほど憎い。だからあいつに復讐するために今まで力をつけてきた。それに伴って色々な次元世界を渡り歩いて襲い掛かってきた愚かな管理局員どもの魔力を奪ったりしてきた。私の最終的な目標は勿論最高評議会の駆除だ。だからそれを邪魔するものは誰だろうと許さない。そう考えて今まで過ごしてきた。
「全員動かないで頂戴―――黒糸舞踏・独演。」
「なっ!?私等もか!?」
とりあえずこの場にいる全員の下に魔方陣を展開。そこから今は蛇の形になっている黒糸で全員を縛り上げた。いえ、私の目の前にいる2人以外の全員ね。1人はゼスト・グライガンツ。私とはあまり関わりがないけどクイントやティーダから素晴らしい魔導師だという話は聞いている。個人的には仲間になって欲しい人のうちの1人だった。古代ベルカ式の騎士らしいから裏切りなんて考えられないしね。
もう1人はクイント・ナカジマ。私達黒蜘蛛団の一員として結構長い期間一緒にやってきた家族。黒蜘蛛団の中では一番一緒にいた時間は短かったけど皆の母親的な立場でずっと私達を支えてくれていた。正直な話いつかはこうやって敵として向かい合うことになることは予想していた。最初に気に入らない時は私が止めるって言ってたしね。でも、私は止まらない。
「流石にこのくらいの攻撃は読んでるわよ!」
「これに引っかかっていてはお前を止めること等できはしないだろうからな!」
「このくらいで調子に乗らないで―――黒糸槍。」
手に黒糸で作った槍を2つ出して構える。それを見てクイントは踏み込みの体勢をとり、ゼストさんは穂先に炎を纏わせた槍を構えた。恐らくアギトとかいうユニゾンデバイスの能力だろうという予想はつく。だけどどうやら余り融合相性が良くないみたいでゼストさんに負担がかかり過ぎている気がする。・・・・・先に潰すなら彼からね。
「それも読んでるわよ、葵!何年一緒に住んできたと思ってるの?」
「ちっ、邪魔ぁ!!!」
「すまない、クイント!」
「ゼスト隊長!葵相手に気を抜いていたら一瞬で潰されますよ!」
ゼストさんに突き立てようとした黒糸槍はクイントによって砕かれた。結構硬度を持たせたはずなんだけどワンパンで砕いちゃうとはね・・・。流石黒蜘蛛団1のパワータイプ。だけど砕かれるなら砕かれないほど用意すればいいだけの話。そもそもクイント相手に手を抜くなんて考えは良くないわね。
「黒糸槍、生成、射出。」
「ゼスト隊長、耐えきってくださいね!」
「わかっている!」
黒糸槍を5本同時に私の背後に展開。それを射出するのを10回繰り返す。2人の後ろには私の狙いのレジアスがいる。それによって2人は回避が出来ず黒糸槍を全て弾かなくてはならない。まぁ、このくらいでやられるとは思ってないけど多少は削れるんじゃないかな?2人は予想通り全ての黒糸槍を弾いてみせた。だけど、ゼストさんの消費がやっぱり早いみたいね。
「クイント、俺がフルドライブで一気に決める!アギト、一回ユニゾンを解くぞ。」
『だけど旦那の体は!・・・・あぁ、もう!わかったよ!ユニゾンアウト!』
「ゼスト隊長!葵に対してそれは・・・・。」
「フルドライブ!!!」
ユニゾンアウトして髪の色と目の色が変わったゼストさんが一気に飛び込んできた。クイントは止めようとしてたみたいだけど少し遅かったわね。最早神速と言っても過言ではない勢いで振り下ろされた槍を見切って躱しゼストさんの腹部を黒糸槍で貫く。勿論非殺傷設定なんて言う生温いものは切っている。ゼストさんの腹部を貫通した黒糸槍を引き抜いてゼストさんを投げ捨てた。
「旦那ァァァァァ!!??畜生!てめぇだけは許さねぇぞ、浅上葵!!!燃え尽きろ!」
「邪魔。そんな炎で私を止められると思うな。」
「がふっ!?」
「アギトちゃん!?くっ、葵!!!」
「何よ、クイント。私の邪魔をしたらどうなるかぐらい仲間だったあなたならわかるんじゃないの?」
「っ、わかってはいたけどきついわねぇ~。裏切り者はすぐに切り捨て?」
「えぇ、黒蜘蛛団に裏切り者なんて要らないわ。だからあなたにはここで退場してもらうわよ、クイント―――黒糸・バージョングローブ。」
「そう・・・・・・自分から裏切っておいて言うのもおかしいけど、少し悲しいわね。―――ブーストナックル!」
私の拳とクイントの拳がぶつかり火花が散る。やはりこういう純粋な殴り合いだと私の方が少し押され気味になるわね。クイントとの組手のお蔭でかなり近接戦闘能力があがったと思ってたけど私もまだまだね。でもパワーではクイントに勝てなくてもテクニックなら私でも勝てる!クイントの右の正拳突きを左手で引っ張って体勢を崩させて右の拳でクイントの顔を思いっきり殴り飛ばす。クイントは壁にぶつかったがすぐに体勢を立て直してきた。ほんとしぶといわね。
「・・・・・・・葵、あなた私を舐めてるの?」
「・・・何が言いたいのかしら?」
「さっきからのあなたの戦い方よ!私に対して近接格闘を挑んでくる時点であなたらしくない。そんな相手を舐めきった戦い方をするような屑だとは思っていなかったわよ?」
「・・・・・・さい。」
「え?」
「五月蠅いわよ!!!そんなに瞬殺して欲しかったからやってやるわよ!!!―――機動・闇蛇!」
私の左腕から4匹の黒い蛇が展開された。もし今鏡を見たら左の頬に赤い紋様がはしっているのが見えるだろう。そのまま闇蛇を操ってクイントを一気に追い込む。1匹が下から迫りそれをよければ次は左右から、それを躱せば上からと言った風に私が操れる最高のスピードでクイントを襲い続ける。先程まで息が切れていなかったクイントも躱しているうちに次第に息が切れてきている。
「ほら、さっきまでの余裕はどうしたのよ。さっきの挑発は余裕がないのを誤魔化すためだったのかしら?」
「ちっ、がうわよっ!いつものあなたらしくない戦い方をしているからどうしても注意したくなっただけよ!」
「ふんっ、それでこのざまじゃ恰好がつかないわね?クイント。」
「今に見てなさい!すぐに反撃してあげるから!」
「・・・・・いいえ、もう終わらせるわ。今までありがとうね、クイントさん―――喰い尽くせ、闇蛇。」
「えっ!?あぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
闇蛇を先程の動きから少し変則的な動きに変えてクイントの四肢に噛みつかせた。そのまま魔力吸引を行わせてクイントから魔力を喰い尽くさせる。クイントは魔力吸引のダメージに耐えきれなかったのかそのまま倒れてしまった。クイントが倒れたのを確認してから私は闇蛇を収納した。・・・・何故かしらね?復讐の邪魔をする邪魔者を倒したっていうのに全然嬉しくないわ。・・・・・多分私は本当にクイントのことを家族だと思ってたのね。だから本気で戦うのに躊躇してしまったのかしら?まぁ、考えてもしょうがないわね。
「・・・さてと、さっさとあなたを殺してここを立ち去るとしますか。覚悟はできたかしら?レジアス・ゲイズ。」
「・・・・・1つ聞きたい。ゼストはまだ生きているか?」
「なぜあなたのいうことを私が聞かなきゃいけないの?」
そうは言ったものの私も少し気になっていたのでゼストさんの側へ行って様子を診てみた。腹部を貫かれたことにより出血はしているけどすぐに手当てすればまだ助かるわね。でも私が殺さなくてもこの体の中の様子を診る限りそのうち死んでたでしょうね。この人どれだけの無理をしてきたのかしら?
「・・・まだ生きてるわ。今すぐ治療をすれば助かるでしょうね。」
「・・・・・・わしが頼める立場であるとは思っておらん。だがそれでも頼む!ゼストを助けてやってくれないか?」
「・・・・・・・・・・・はぁ?」
「わしはまたゼストを・・・友人を助かるのに見捨てるのはごめんだ。お前に対して頼むのがお門違いなのはよくわかっている。だが、今頼めるのがお前しかない。頼む!わしはどうなってもいい!ゼストを助けてやってくれ!!!」
レジアスは体を黒糸舞踏で縛られているにも関わらず無理矢理私に頭を下げてきた。犯罪者である私にである。まぁ、この男がなぜゼストさんを助けようとするのかはわかっている。ゼストさんをはめて殺してしまったことを未だに悔んでいたのであろう。・・・・だからどうした?私には関係のないことだ。でもちょっと意地悪してみたいわね。
「ふふっ、いいわよ?ゼストさんの治療をしてあげる。確かに私なら彼を助けられるし、彼の寿命を多少なりとも伸ばすことも出来るわ。」
「ほっ、本当か!?」
「ただし、あなたの娘の命と引き換えよ。」
「・・・・・・・・・・何?」
「ゼストさんを救ってほしかったらこの場にあなたの娘を呼びなさい。あなたの目の前で殺してあげるわ。さぁ、あなたは友人と娘どっちを選ぶのかしら?」
「ちょっ、葵ちゃん!流石にやり過ぎや!!!関係のない人まで巻き込まんといてや!」
「関係ない?ふふふっ、おかしいことを言うのね、はやて?あなたが一番分かっているんじゃないの?この世の理不尽さは・・・・ねぇ?現夜天の書、旧姓闇の書の主さん?」
「くっ・・・・・。」
はやてが邪魔しようとしてきたけどちょっと言い返したら黙り込んでしまった。まぁ、自分には全く関係ない事件の後始末を未だにさせられているはやてからしてみたら私のしていることがよくわかるだろう。闇の書という過去を持っているだけで関係のない自分に被害が来る。私は今回その被害を与える側にいるだけだ。レジアスは私のあげた選択肢を聞いた瞬間絶望した表情になった。まぁ、流石に選べないわよね?娘か友人なんて。
「ほら、早く選ばないと彼死んじゃうわよ?また(・・)あなたの判断ミスで友人を殺しちゃうのかしら?」
「・・・・・・っ、頼む!わしだけで許してくれ!」
「ふふふっ、おかしなこと言うのね?あなたは私の家族を全員奪ったじゃない。それなのにあなたは自分1人の命で済まそうとでもいうの?」
「あれはっ!・・・・・・・あれは奴等の勝手な行動だ。わしが殺らせようとしたのはお前の父親1人だ。」
「だから?結果的に私の家族は私を残して全員殺された。お母さんは扉と一緒に吹き飛ばされ、お父さんは私とお兄ちゃんを庇って撃たれて死んだ。お兄ちゃんもあっけなく撃たれて死んでしまった。私は今でもはっきりと思い出せるわ。家族が1人1人殺されていく瞬間を・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
こうやって話している間もあの時の光景が蘇ってくる。ふと頬を触ると湿った何かが滴っていた。ちっ、もうこのくらいじゃ泣かなくなったと思ったのに。今度またリニスに精神強化用のプログラムを作ってもらわなきゃ。流れていた涙をさっと拭いてから目の前で黙っている男を睨みつける。・・・そろそろ待つのも飽きたわね。
「あぁ~、待つの飽きちゃったわ。最期に何か言い残すことはあるかしら?一応聞いてあげるわよ?」
「・・・・・・すまなかった。」
「・・・はい?そこは娘は助けてくれとかゼストを頼むとかじゃないの?」
「わしがあの命令を出さなければお前は犯罪者になることはなかっただろう。お前という犯罪者はわしの罪と同義だ。だからこそ今ここで謝っておく。本当にすまなかった!!!」
「・・・・・ちっ、最期の最期までつまらない奴。―――黒糸槍・剣山。」
「ぐふっ!!??」
最期の最期に変なことを言ったレジアスを床から出した黒糸槍4本で刺し殺す。はやてやアインスが私のことを止めようとしてもがいていたみたいだけど縛られているせいで結局何もできずに終わった。それにしてもここまで本当に長かったわね。ようやく家族の仇を1人討つことが出来た。・・・・嬉しいのと同時にちょっと虚しいわね。
「さてと、帰りますか。あっ、そうそうあなた達を縛ってる蛇は後20分したら勝手に外れるわよ。」
「・・・・待ちや。」
「・・・・何かしら?はやて。私はもう用事が済んだから帰りたいのだけども?」
「このままただで帰すと思っとんのか?」
「その格好のあなたに一体何が出来るのかしら?」
「ここにいる機動六課のメンバーは私等だけやない。なのはちゃんもフェイトちゃんもフォワード陣だっておる。」
「残念ながら増援は望めないと思うわよ?」
「・・・・・なんでや?」
「私がここで暴れるのに邪魔になる要因を止めておかないとでも?・・・まぁ、土壇場でクイントに裏切られちゃったけどね。まぁ、後々なのは達に何をしていたか聞いてみるといいわ。」
そう言って私はクイントの元へと歩きよった。彼女は黒蜘蛛団についてあまりにも知り過ぎている。本拠地の情報なんかを流されると困るから監禁しておきましょうか。ついでにゼストさんも預かっておきましょうか。まだ助かるしこの人を助けておいた方がいいことが後々ありそうだしね。
「あっ、そうそう。そっちの融合騎ちゃんあげるわ。上手くいけばスカリエッティの情報を話してくれるんじゃないの?それじゃ、またいつか。」
それだけはやてに言い残して私は転移魔法で基地のうちの1つへと転移した。
sideout
(変更点)
・レジアス殺害
・クイントさん退場
・アギト放置
・はやての心に罅が!?
でお送りいたしました
前回までのはレジアスを殺す殺す詐欺だという意見を頂き、自分でも読み直してみてこれはないと思ったので書き直しました
葵は家族を失うということを何よりも恐れます
なのでクイントは殺せませんでした
最初は戦うことにすら怯む始末(模擬戦は別にいいらしい)
葵の最大の弱点は家族ですね
感想と評価お待ちしております!