暇つぶしに転生させられるって酷い   作:百鬼夜行

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皆さん、長らくお待たせいたしました。

皆さんは今までいつになったらあの娘が出てくるのかな?とやきもきしたかもしれません。

そんな焦燥も今話までです!

ついに皆さんが大好きなあの娘が・・・!!!



第七十六話

 

浅上葵side―

 

あの宣戦布告から暫くたったけど最近暇ね・・・・・。管理局の裏は動きが悪いから潰そうにも見つけにくいし、ティーダ達にはこれを機に少し休みを出して適当に過ごさせている。多分今レヴィはどこかの無人世界で魔力生物と戦っているんだろう。シュテルやディアーチェ、ユーリは基本的に研究所内で鍛錬をしていたり自分の部屋で何かしていたりする。クイントさんはレヴィと一緒にいたりシュテル達と一緒にいたりと自由だ。ティーダは・・・・・・うん、何も言うまい。

 

「という訳で暇なのよ、リニス。」

 

「それで態々私の研究室にまで来たと?私は別に暇という訳ではないんですが?というよりも丁度出来たこの薬の実験台にしてあげましょうか?」

 

「一応、効用を聞いておくわ。」

 

「男性が飲めば女体化、女性が飲めば男性化できるというものです。効果時間は約4時間でその後は自然に戻ります。副作用として効果時間終了後に眠気が襲ってくるみたいですね。」

 

「・・・・・よく作れたわねそんな薬。」

 

「まぁ、これは別のモノを作っている時に偶々できた副産物のようなものです。これ以外にも色々と試してみたい薬があるんですが試してもいいですか?」

 

「ん~、男性化の薬は少し興味があるけどモルモット代わりにされるのは嫌ね。それにしても研究も程ほどにしないと体調を崩すわよ?」

 

「そこはちゃんとしているので大丈夫です。睡眠も偶にとってるので平気ですよ。」

 

「偶にじゃダメでしょうに・・・・・・。話は変わるけどこの前機動六課が回収した女の子って何なのかしらね?スカリエッティも狙ってるようだし、多分何かしらの重要人物ではあると思うんだけど・・・・・。」

 

「あぁ、あの娘は古代ベルカの聖王、オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローンですよ。」

 

「・・・・・・・・・・・はい?なんでそんなこと知ってるの?」

 

「このくらいは常識の範疇ですよ?」

 

誰か私の使い魔の常識を通常まで戻してください、お願いします。というか本当にどこからこれほどの情報を手に入れてくるのかしら?いつも聞いても禁則事項ですとしか答えてくれないし、私が同じことを調べようとしても絶対に私より早く質のいい情報を持ってくるものね。今回なんてとうとう知ってて当然みたいに言われちゃったわよ?

 

「リニス、あなたは何でも知ってるのね?」

 

「そうですね。確かに私は多くの情報を知っています。ですが言わせていただきます。私の知っていることはあくまで私の知っていることだけです。」

 

「うん・・・・、とりあえず情報が欲しかったらあなたに聞けばわかりそうということがよくわかったわ。」

 

「そうですか。それよりもスカリエッティはあのクローンを使って聖王のゆりかごを起動させようとしているんですが・・・・、どうします?」

 

「うん、ちょっと待って。ツッコミどころが多すぎる。まず最初から聞いていきたいんだけど・・・・なんでスカリエッティの目的知ってるの?聖王のゆりかごって何?それにクローンを使って起動って?」

 

本当に私の使い魔の情報保有量と情報を掴む速さがおかしい。さっき言ってた知ってたことって何でも知ってるっていうことの裏返しなのかな?果たしてリニスに知らないことはあるのか・・・・・、面白そうね。今度みんなでゲーム形式で確かめてみましょうか。

 

「質問が少し多いですね。とりあえず簡単なのから説明します。聖王のゆりかごとは古代ベルカの遺産の1つですね。旧暦には一度世界を滅ぼしたとも語られている、巨大な戦艦ですね。最高評議会が元々保管していたらしいのですが、スカリエッティによって私物化されているみたいですね。」

 

「ストップ。その戦艦の全長は?武装に関しては世界を一度滅ぼせるくらいのモノって覚えておくわ。」

 

「そうですね・・・・、実物は見たことがないのでよくわかりませんが、大体数kmでしょうか?続きを話しても?」

 

「止めて悪かったわね。続けて頂戴。」

 

「わかりました。クローンを使って起動という話ですが・・・・大体の予想はつくのでは?」

 

「まぁね。何せ聖王(・・)のゆりかごだものね。聖王の血筋がその戦艦の起動キーになってても違和感がないわね。だからこそのクローンなんだろうし、そうでもないと必死になって取り戻そうだなんてしないと流石に思うわよ。」

 

「ですね。それとスカリエッティの目的をなぜ知っていたかですが・・・・・これは禁則事項ですね。」

 

「そう?気になってしょうがないけどあなたのことは信頼してるし聞かないであげる。それじゃ、私は聖王のクローンちゃんを見に行ってくるわね。うふふ、ちょっと期待しちゃうわね。」

 

「あまり期待しすぎるのはよくないですよ?なんせクローンなだけですから・・・・・。」

 

「フフッ、リニス、あなたもおかしなことを言うわね?その期待できないクローンの中にはフェイトも入るのよ?あなたはフェイトに期待しないっていうの?」

 

「フェイトとあの娘を同列として扱うのはおこがましいですよ?フェイトは確かにクローンですが、信じられないほどの努力によって今の力を身に着けたんです。あんなまだ生まれたばかりのクローンなんかと一緒にしないでください。」

 

「あらら、これは耳に痛いこと言われちゃったわね。まっ、ちゃんとわかってるわよ。それじゃあ、行ってくるわね。」

 

「行ってらっしゃい。」

 

これ以上リニスと話していても情報は入ってこないわね。それに百聞は一見に如かずというし、やっぱ情報の正確さを求めるなら実際に見てみないとね。それにしても古代ベルカの聖王のクローンねぇ?・・・・・・フフッ、今から楽しみになってきたわね。果たしてどんな子なのかしら?

 

 

sideout

 

 

なのはside―

 

「な・・、・き・・い。ひさ・ぶ・・き・・よ。」

 

「むにゃ・・・・、ふわぁ~。誰~?」

 

今日は一日仕事を休んでヴィヴィオといようと決めた日だった。丁度お昼寝を始めたヴィヴィオを見ていたらだんだん眠くなってきたところまでは覚えてるんだけど・・・・。とりあえず体を起こしてさっき声が聞こえた方を見てみた。そこではヴィヴィオが気持ちよさそうに寝ている。うん、それはいいんだけど問題はヴィヴィオが枕にしているものだ。

 

「なんで葵ちゃんがヴィヴィオに膝枕してるの?ヴィヴィオも気持ちよさそうにしちゃって、妬まし・・・・・羨ましい!!!」

 

「フフッ、この娘ヴィヴィオちゃんっていうのね?あなた達があまりにも気持ちよさそうに寝てたからつい悪戯したくなっちゃったのよ。それになのは?さっきの言葉あまり言い直せてなかったわよ?」

 

「むぅ~、私にも膝枕して欲しいなぁ~。」

 

「まぁまぁ、子供から枕を奪ったらかわいそうよ?だから今は私の肩で満足して頂戴。ほら、こっちにおいで?」

 

葵ちゃんが手招きしているのを見て体がついフラフラと動いてしまった。そのままヴィヴィオの体がない方に座った私を葵ちゃんが片腕でそっと抱きしめてくれた。それだけの行為で不思議と暖かくて安心するものに包まれた感触があり、気が付いた時には私は葵ちゃんの肩に頭を預けていた。くっ、これが葵ちゃんの実力なの!?こんなの・・・・・・勝てるわけがないじゃない!!!

 

「なんだか面白いこと考えてるみたいだけどゆっくりしてなさい。フェイトもだけどあなた達少し働き過ぎよ?少しは息抜きとか休憩とかしなさい。」

 

「で、でも仕事が・・・・・。」

 

「でももだけどもしかしもないわ。あなた達ワーカホリックになってるわよ?そうやって無理して働いてると前みたいに倒れることになるわよ?最近は私が会うたびに魔力を整えてるからマシだけどね。」

 

「あぁ、葵ちゃんと会うと体の調子が良くなってるような気がするのはそのせいだったの?」

 

「うふふ、気が付いてなかったの?あぁ、あれだけ乱れてたら気が付けないのも当たり前なのかもね。」

 

「なっ、そ、それは言わないでよ~。/////」

 

「冗談よ。まぁ、ヴィヴィオちゃんが起きるまでゆっくり休んでなさい。なんならそのまま寝てもいいわよ?」

 

「う~ん、もう流石に眠くはないかな?」

 

眠くはないとはいえこんなに素晴らしい体勢を崩したくはなかったので、もっと葵ちゃんに抱き着く形でゆっくりすることにした。抱き着いた私を葵ちゃんは微笑みながら頭を撫でてくれた。う~ん、やっぱり葵ちゃんに撫でられるとなんだかすごく暖かくて優しさに包まれた感じがするんだよね~。もう片方の手でヴィヴィオのことを撫でてるけどヴィヴィオも気持ちよさそうな顔をしてるもんね。

 

「うふふ、あなた達こうやって見てると本当に親子みたいね?今の2人の顔そっくりよ?なのはの方が少しエロいけど。」

 

「むぅ~、そんなこと言う葵ちゃん意地悪~。・・・・・でも大好き♪」

 

「そう?私もなのはのことが大好きよ。」

 

そう言って葵ちゃんは私の顎をヴィヴィオを撫でていた方の手で軽く上げるとキスをしてきた。唇と唇と合わせるだけのシンプルなもの、だけどとても優しくて幸せでキスだけで蕩けてしまいそうになってしまう。ゆっくりとキスしてくれる葵ちゃんの首に腕を回して引き寄せようとしたところで、聞こえてはいけない声が聞こえた。

 

「んにゅ~・・・・・・・ママ?何してるの?」

 

・・・・・・・・ヴィヴィオが起きちゃった。とりあえず葵ちゃんを突き飛ばす勢いで距離をとろうとした私は悪くないと思いたい。

 

 

sideout

 

 





という訳でヴィヴィオ本作初登場でした。
でも台詞は一番最後しかありませんけどね!
次話でもっと喋らせるんで許してください。


これからのヴィヴィオをどうしていくかは・・・・・・お楽しみで♪


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